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「とくしまマニフェスト2007」大会  2007年1月27日

「マニフェストが政治を変える」

ローカル・マニフェスト推進ネットワーク代表

北川正恭

北川正恭:ご紹介を頂きました北川正恭です。宜しくお願いします。今日はお邪魔をさせていただきました。マニフェストの持つ意味を少しお話申し上げてみたいと思います。

宮崎県知事選挙の結果について

 先週、突然多くのマスコミの方が宮崎知事選挙について聞きたいと取材に来ました。そのまんま東さんが、早稲田大学で北川先生の講義で自治に目覚めて立候補したという演説されていると聞きました。私は会ったことがないのです。ただ、後から私が催しているマニフェスト検証大会の隅っこにそのまんま東さんが座っていたという事実を学生から聞きました。

 結果から見て、あの人が当選した最大の理由はマニフェストです。1月3日に宮崎の5人の候補者がローカル・マニフェスト公開討論を宮崎県で行いました。そのまんま東は、きっとたけし軍団などをつれてきて騒ぐのかと思っていたら、マニフェストを出して徹底的に政策で討論をやったのです。他の候補者は団体や組織に頼って政策は語りませんでした。

 自民党や民主党は団体に頼りきっているのですが、そのまんま東さんは県民に直接政策を訴えていく。「このマニフェストに全部書いてあるので県民の皆さん聞いてください」と訴えたことで、最終的にはみんなが慌てふためくような大波乱が起きたのではないかと思います。私はまさにあのような不祥事の後、宮崎県民が本当に望んだ姿をそのまんま東さんが見事に再現したんだと思います。

 私は、なぜ宮崎県の民主党県連が頑張らなかったのかということを残念に思います。野党第一党の民主党が、自民党に相乗りしながら有権者に選択権を与えてこなかったこういったことについて、真剣に考えなくてはいけないと思います。

 宮崎県の県議会議長がテレビで「選挙は笑いが取れるからいいけど、議会はそうはならない」というお話をされていましたが、そのまんま東さんの選挙が笑いだけだったかというと、それは違います。政策で心に響く話をしたんです。長野県で田中康夫さんが出られたときもそうでした。自分達が今までやってきた宮崎の県政はこんなもんだという思い込みで、まずは新しい知事のお手並み拝見という雰囲気がありました。県庁の職員の皆さんも同じようなものです。実はここから宮崎は絶対に変わります。

 どう変わるかといいますと、お手並み拝見だ、やってやろうじゃないかという議会と、マニフェストをもとに議論しようではないかという知事との間で、初めて活発な議論が起こります。これが今までは起こらなかったのです。知事と県議会が馴れ合いでやってきたので議論が起こらなかったのです。

地方分権の進行=マニフェストの必要性

 その証拠に、戦後62年経過しますが「中央政府」とは呼ばれても、「地方政府」と正式にいわれたことは一回もありません。「地方公共団体」と呼ばれます。すなわち地域には政府はなかったという証明です。国が地方に対して公共的な仕事を発注する下請け団体が県・市町村あったということを皆さん深くご理解いただきたいと思います。

 すなわち今までの日本は中央集権で国にすべての経営資源を集めてきました。人、モノ、金、情報という4つの資源を中央に全部集めるということをしてきました。こうなってくると徳島県も予算が足りなくて困ったから中央に陳情に行こうかとか、これが地方自治体の実態であって、それで栄え続けていけばよかったのだと思います。

 しかし、今や栄えなくて困ってしまった。そうなったら変えるべきです。立ち上がるべきです。そのまんま東のように、やったら出来るのです。

 いままでの立場とか、立ち位置を抜本的に変えるには分かりやすい道具がいる、それがマニフェストです。そのまんま東さんのマニフェストには、100億円の人件費をカットするのだと書いてありますから、彼はこれから努力しなければいけません。口だけで言っているのではなく、文章になっているのだから、これはやらなければいけません。書いた以上は県民に約束したということですから。かたや、県議会の人はそれでは困るといいますから、そこで知事と議会で大議論が起こるのです。知事のやることを県議会がそうやって徹底的にチェックする。こういうことがこれまでになかったことです。

 やっと政府になれかけた、それは地方分権一括法がそうさせたと私は思います。いわゆる中央に集権、人、モノ、金を集めて陳情に来いから、法律が改正されまして、これからは中央に依存することから地方が自立しようということになってきたのです。分権一括法と小泉さんの三位一体改革によって、税財源の地方への以上が国はできないということにはっきりしましたから、もう永田町に陳情してもなにもなくて、あるもの探しの時代、地方の時代になってきたということです。

 マニフェストをつかって議論することの一番いいのは、議論がいくら発展しても元に戻ってきて「マニフェストにこう書いてあります」となることです。マニフェストが契約書になっているのです。従って、立ち位置を変えて、「お願い」から「約束、契約」にする政治、選挙にしていかなくてはいけないということです。

 新しい価値を作っていくことですから、誤解もあります。政治の世界ですから旧態依然とした組織もあって、それを破っていくのはとてもつらいことですが、しかしそれが野党第一党の民主党の使命ではないかと思います。

マニフェスト(具体的政策)の効果

 ローカル・マニフェスト推進ネットワーク北海道代表の中島興世さんという方は、恵庭の市役所にお勤めになって、恵庭の市会議員を2年間やられてから、市長選に立候補をされました。対抗馬の現職の市長は、自民党、公明党、民主党推薦、商工会議所、農協、労働組合からも推薦を受け、名実共に立派な方でした。あらゆる団体から推薦されました。そのようななかでで中島さんは「このままで本当にいいのかどうか。私は市民のお一人、お一人の真の声を聞きたい」ということで、選挙の46日前に立候補宣言されました。立候補宣言から最初の10日間、彼はどなたにも、どの団体にも全く挨拶に行きませんでした。何をされていたか。マニフェストだけ、政策だけを真剣に脳から汗が出るくらい考えたのです。すなわち選挙とは「地盤・看板・かばん」であると思い込んで、団体や組織に挨拶に行くのだとみんな思い込んでいるのです。中島さんは市民、真の主権者に選択肢を与えなければいけないということで、マニフェストを本気で10日間考え抜いて、それを市民の読んでいただいて、「私の約束はこういうことです。だから私は皆さんにお願いはしませんが、この考え方に共鳴していただいたら、中島を応援してください。」と訴えました。結果、18000票対14000票で中島さんが圧勝されて市長になりました。

 一昨年の9月11日の総選挙と、宮城県知事選挙と、仙台の市長選挙の3つの選挙を河北新報と私の早稲田大学マニフェスト研究所が一緒に選挙分析を行いました。その一つに「あなたはこの選挙を何の理由で選びましたか」というその質問に圧倒的に多かった答えは「マニフェストを見て選んだ」が1位、政策で選ぶという事が1位です。人柄や経歴が2位や3位となったという現実があるということです。

 しかし、「仙台のような都市部はそうだけど、田舎に行くと地縁血縁だよね。」ということもよく言われます。識者といわれる人ほどそう言います。まったく間違っています。実態調査をしてみますと、都市部よりも郡部の方が、マニフェスト、政策で選ぶという率が高かったのです。すなわち、地域へ行けば行くほど、介護保険の給付が減らされて負担が増える、農林予算が削られるという現実に堪えているのです。今まさに有権者はだんだん賢くなって、自分であれかこれかという選択を厳しくしていくということが郡部の方から起こっているという事に是非お気づきいただき、マニフェストを真剣に回していくと圧倒的にこれから強くなっていくということを、私が証明していきたいと考えています。

旧来の立ち位置から脱却する

 夕張市が破綻という悲しいことになって、成人式の予算が60万円あったのが、繰越金で1万円しかない、これはゼロに等しいのです。多くの市町村も真面目に財政再建に取り組んでいます。60万円あったものを1割カットして54万円にして、「悪いけれど54万円で成人式をやってください」という日常の努力を重ねるのは重要なことです。しかし、それで夕張市が救われるかといえば、600億の借金は絶対に返ってこないのです。夕張は偶然、破綻がばれてしまったのでいきなりゼロになりました。しかし、市役所がゼロでなにもできませんと言ったとたんに、20歳の立派な女性が出てきて、「私たちが自分でやるからやらせてくれ」と、そして実行委員会を組んで立ち上がりました。そうしたら全国から230万円集まったのです。この成人式には感動の涙がありました。

 今の成人式では、2030分が市長の選挙演説です。あれほど苦痛な大会はありません。普通の場所ならみんな仕方なしに首長のくだらない挨拶でも聞いていますが、成人式の彼らは自律した青年達ですから聞きません。聞かないから酒を飲んで外でけんかをするのです。けんかをする方も悪いですが、そんなことを今まで60年間、お仕着せで20分も30分も来賓という人の挨拶を聞かせてきた。この体制を変えようではありませんか。皆さんの創意工夫で是非成人式を成功させて下さい。

 成人式に象徴されたのですが、補助金や交付税の仕事はほとんどそんな状態になっているということを見直して、立ち位置を変えて60万円を54万円に1割カットする努力も当然なのですが、ゼロにして考え方を変えて、自分たちでやっていこう。

 例えば上勝町があるじゃないですか。ないものねだりではないのです。あるものを探し、それが上勝町では葉っぱだったのです。これはどこにでもあるのです。しかし、補助金を貰おうという気持ちがあるからいけなかったのです。自分たちの町は自分たちで作るということを力強くやれば、必ず夕張市は甦ります。上勝町は自らモデルを作りました。では何故、皆さんの町ではできないのでしょうか。あなた方がやって来なかっただけではないでしょうか。だからそれに手を差しのべて一緒にやろうという政党こそが、私は本当の意味での政党であって、旧来の団体に媚びへつらって、新しい価値を生み出せない政党は、自民党も、民主党も、公明党も大反省をしない限り日本の未来は暗いと思います。

 この「とくしまマニフェスト」にも書いてありますけれど、10年かかって子どもたちの世代のために我々が今、成すべき事は何かということを考えようではありませんか。これが原点になって、まず統一地方選挙で徳島県の抱えている問題を議会の立場を中心に考えようではないかというマニフェストでいいのです。そしてこのマニフェストでだんだん皆さんの意見を集約して、7月の参議院選挙へ続けていただいたら、必ず徳島は変わると思います。

 この「とくしまマニフェスト」を見ると、マニフェストという堅いものをカラーにしています。さらに絵本にしていることによって、親しみが持てます。これは有権者の方に見てくれということです。今までの公約は違いました。どちらかといえば有権者に見せたくはなかったのです。例えば、「医師会の皆さん、報酬は上げます」と約束をするのです。「患者の皆さんには内緒でね」とします。これからは「患者の皆さんこうしますよ」ということを有権者に直接訴えるのです。このようにしてやっていかなければいけないというのがマニフェストであるとご理解いただけたらと思います。

議会がマニフェストを書けるのか

 いま議会はマニフェストが書けるのかという大議論が専門家の中には起こっています。私は議会の議員もマニフェストは書けるという立場にあります。

 議会には執行権がないから書けないという理論があります。マニフェストは政権公約、政治的権力を握ったときにやる約束をいいますから、執行権者でない議会は書けないというのが学説です。これはある意味当たっている点はありますが、地方自治体はでは執行部優先ということが62年間言われてきて、地方政府というよりは公共団体という軽蔑語で呼ばれてきました。この基本的立ち位置を変えなければいけないということを気づく道具がマニフェストであったと思っていただきたいと思います。

 私は議会には綿密にいうと執行権はあると解釈しますが、一応無いと仮定しまして、議会の権能はなにかということ議論していただきたいと思います。今、議会は監視機能、ほとんどそれに限られているのです。当然、監視機能は強烈に必要です。議会は強烈にチェックしなければいけません。地方分権で市町村長、知事の権限がもっと強くなってしまって、とんでもない方向に行くと困りますから、地方議会は首長よりももっと強い権能を持つべきです。そしてお互いが丁々発止の議論ができた時に、地域政府や地方政府ができると思います。

 そうしますと監視機能だけではなく、議会の持つ最も重要な機能の一つは立法機能になります。地方の法律を条例といいます。だから県議会議員の仕事は地元の要望を聞いて、執行部にお願いしたり、脅したりして地元に利益誘導すると思い込んできたことを入れ替えなければなりません。地方分権で議会のあり方がすっかり変わる。自分たちで条例を作ろうという立法機能を議会の先生方がお気づきになられなければいけないと思います。

 もっと並んで重要なことは議決機能です。議決をするために議事、会議しなければいけません。議事機能を通じて知事は何を考えているのか、執行部は何を考えているのか、議会の議論を通じて県民に説明責任を果たすという役目があります。そして議会の議論を通じて、議員の先生方こそ、いろんな地域、いろんな職業の立場の方から出てこられていますから、その意見を、県民の意見を集約して最後に議決するという、もの凄い権能を発揮すべきだと思います。原点に戻って、自分たちは堂々と議論をして、主権者である県民の見えるところでやって、そして議決するという、これで初めて地域政府です。地方議会は監視機能、立法機能、調査機能、議決機能があるということをご理解いただきたいと思います。

議会が住民意識を喚起するためのマニフェスト

 岩手県奥州市という旧江刺市と旧水沢市が合併した地域があります。旧江刺市議会議員の佐藤さんという方が、「江刺市はリンゴがいい」と言うのです。リンゴは青森ではないかと思っていましたが、発祥は旧江刺市だそうです。だから江刺市がリンゴの産地であることを取り戻したいと言っていました。そして、自分たちで市民の方1000人と一緒に地産地消条例を作ろう、執行部ではなく議会が作ろうというので立ち上がられて、地産地消の条例を作られたのです。そうやって懸命にやっていると農協(JA)が活動に加わりました。農協の方々が根本的に変わったら、学校給食が変わったのです。根本的に変わり始めたのは議員が作った地産地消の条例です。

 「とくしまマニフェスト」にも「徳島で暮らす私達の誇り 地産地消条例」と書いています。こうやって決めていけば、議員の存在感が増します。さらに地域に密着します。「条例をそういうように見てみませんか」という勉強のテキストでもあるのです。

 いまの日本の行政には他人に責任転嫁する文化、「他責文化」が根付いています。国に聞いて下さい。「国は頑張っているのです。県が駄目なのです。」と言います。県は本当に良い中間管理団体だと思います。「私達、県は頑張ったのですが、国土交通省が予算をつけてくれないのです。」と国に責任を押しつけるのです。国が予算をつけてきてもできなかったら「私達の県は頑張ったのですが、あそこの市長が何もできなくて」と言って、両方ともに逃げられるから本当に良い団体です。やがて都道府県は必ず無くなると言っていいと思います。市町村は、「県が予算をつけてくれなくて何もできないのです」と言って逃げます。非常に逃げやすい格好のことを中央集権と言います。だからマニフェストで市町村長を逃げられなくするのです。誰のために立候補したかということを改めて確認しましょう。

他責文化→自責文化へ

 私が三重県知事の立候補したのが1995年です。今から12年前の亥年です。その時の政治状況で考えるとふつうは私の演説はこうなります。「三重県民の皆さん。この度、三重県知事に立候補致しました北川正恭でございます。国の機関委任事務という下請け仕事が県には80%あります。元請けの国のいうことを聞かなければ何も仕事ができませんから、国に言うことを聞いていただくためには無制限に松阪牛も持って行って、徹底的に官官接待をします。それで忙しいので、県民のことは全くみられませんが、北川正恭です。どうぞ宜しく。」とこれが選挙だったのです。60年続けてきたのです。続けてこさされたのです。その結果、東京栄えて徳島が滅んだではありませんか。

 だから地方分権一括法で機関委任事務が廃止になったのです。そして法廷受託事務と自治事務になりました。知事や首長が頑強に操ったらほとんど通るようになったのです。だからマニフェストが書けるようになったのです。

 そのまんま東さんはマニフェストを出し、約束した以上は頑張ります。そしてどうしてもできなかったら彼は説明責任を果たすのです。説明責任が果たせなかったら実績がなかったということで次は落選ということになるでしょう。実績を上げたら次は当選です。これが「By the people」、県民による選挙の凄さです。

 いままではマニフェストもなしに知事に県政を白紙委任してきたから、「我々努力してきたけどごめんなさい」といって問題が先送りされてきたのです。だからそれを止めて、首長が有権者、市民、主権者に約束したことを堂々と文字に書いて数字に表して約束します。そして結果できなかったら自分が責任を取る、これを「自責文化」といいます。だから「自責文化」にしませんかということをマニフェストという道具を通じて、皆さん方と考え方を一緒にしていきたいというのが仙谷さんと私の考え方です。

 だから、そのまんま東さんと議会はバッティングすると思います。バッティングは良いことです。神奈川県の松沢さんという知事が出られて私と一緒にマニフェストを書いたのですが、松沢さんは「毎回、議会とのバッティングで困った」と言っていました。私は、「毎回、バッティングは良いね。あなたが困れば困るほど神奈川県民はハッピーだよ。県民のため知事をしているのだから」と言いました。そうやって喧々諤々の議論をしながら市民に政治を取り戻していくのです。

統一選から参議院選挙へ

 今年は亥年です。これは亥年現象といいまして、統一地方選挙と参議院選挙が12年に1回重なり合います。例えば地方議会で、例えば東京都知事選挙で大番狂わせがある可能性があると思いますが、流れが統一地方選挙でできれば、参議院は政権交代の可能性が強くなると思います。統一地方選挙で流れが作れなければ、そのまま自民党が圧勝かもしれません。従って統一地方選挙が独立してあるわけではありません。参議院選挙が独立してあるわけでもありません。両方共が先程言ったように、響き合い、共鳴で起こっていきますから。私はその政治運動を「北京の蝶々」と表しています。

 徳島が良くなるか、どうかは政治家や知事や首長だけでは絶対ありません。県民のレベルが決める。勇気を持って統一地方選挙をやっていただけないでしょうか。そして参議院選挙も立ち上がっていただけないかというところを本当に考えていただいたら絶対勝てると信じています。

「北京の蝶々」

 みんなが目覚めて、気づいて、蝶々になっていく。これが「北京の蝶々」と言います。ちょっと読んでみます。

 「北京で一羽の蝶々がはばたいたら、ニューヨークでハリケーンが生じる。複雑系の理論、カオス理論でよく語られる例え話である。蝶々のはばたきというごくわずかな気流の乱れが、巨大な嵐を引き起こす。ミクロの“ゆらぎ”が予想をはるかに超えたマクロの変化をもたらす。そのような意味である。ノーベル化学賞を受賞したイリヤ・プリゴジンは言う。『ある生態系が淡々と動いている間はその生態系を構成する分子は隣の分子しか見ていない。したがって、いつもあること、昨日の続きが今日もあるという同じ文法によって支配されている。しかし、この生態系に突然異質分子が猛烈なスピードで入り込むと、生態系はその時から新しい文法によって支配される。すなわち、異質分子によって生態系を構成する分子にハレーションが起こる。隣だけではない別の分子と化学反応が起こり、新しい文法に支配されてゆく。』」

 要はお互いが内発的に気がついたら、ガンガン響き合っていくのです。「そのまんま東はいいじゃないか」となってどんどん広がって、気づき、共鳴、誘発、相互作用、爆発で勝ちました。これがいわゆる蝶々の理論ということになります。今までは中央集権できましたから「他責文化」でよかったのですが、しかし従来のままに続けたら明日の夕張市になるのもほとんど確実ですから、立ち位置を変えて、そしてもう一回共鳴し合っていかなければなりません。立ち位置を変えて自分たちでやる。徳島には上勝の葉っぱがあります。上勝でしかありません。東京の銀座にはありません。真剣に探したらあります。真剣にやればIT使ったビジネスモデルができたではありませんか。

 従って、私の理論は「1人はみんなのために、みんなは1人のために」です。1人で考えても所詮1人の力は1人に過ぎませんが、10万人の町であれば、10万人の市民が考えたら10万匹の蝶々が飛ぶことになります。蝶々が響き合ったら100万匹になります。やる気さえあれば必ずできると思います。

 私は4年前の今日、マニフェストを提唱致しました。三重県四日市市で700名の行政学会の前で私がマニフェストをやりますと提唱しました。その時、一匹の蝶々が羽ばたきました。「やろう」ということで共鳴しました。最初、私がマニフェストを提唱した時には、「北川さん、共産党宣言の宣言をマニフェストというのだ」と言われました。環境の関係の人には、「環境廃棄物の送り伝票のことをマニフェストというのだ。」と叱られました。今では「政権公約=マニフェスト」と広まったではありませんか。

開票事務の短縮運動

 今度の選挙で開票事務、当選確定が出るのは、だいたい夜の11時か12時です。あれを30分に短縮してやろうという運動をやり始めました。去年の4月18日から始めました。今、全国の市町村で、だいたい400の市町村が共鳴してくれています。これは統一地方選挙までに1800の市町村、全部やっていただく運動を懸命にやっております。夜の11時か12時までかかるものだという思いこみをやめていただきたいと思います。機械化するわけでもありません。お金をかけるわけでもありません。開票従事者を減らして変わります。思いこみを打破して、議員の皆様もやっていただきたいと思います。今までは、やらなかっただけです。

 長野県の知事選挙が昨年の8月6日に行われました。長野県小諸市の芹澤勤市長に頼みました。34分で開票が全部終わりました。福島県の知事選挙は昨年の11月12日に行われました。福島県相馬市の立谷秀清市長に頼みました。25分で当選確定を出しました。これが日本記録です。是非、徳島県でもそれぞれの市町村でやっていただいたら、私はノウハウを全部出します。機械もお金を使わなくてもできるのです。30分で全部やったら、4年間で100億から200億の行財政縮減になるのです。

 もう400の市町村が蝶々となって飛んでいきましたから、もう止まりません。1800の市町村、全部行きます。50対50の話ではなくて、100対0のドミノ現象なのです。このような状態が全国各地で起こります。これも私という小さな一匹の蝶々が一生懸命、全国をボランタリーに駆けずり回って、変わってきたということになります。

 こんなに皆さんの優秀な方々がいて、徳島でハリケーンが起きないわけがありません。徳島が変われば四国は確実に変わります。四国が変われば日本は本当に変わります。是非、仙谷先生を中心にしていただいて、今度の統一地方選挙は「お願い」から「約束」という選挙をしていただきたいと思います。そしてこの地域から考え方、立ち位置を変えて本当に地域が元気になるということをしていただくことです。

 大変失礼なお話をたくさんしましたが、お許しをいただき、今まさに日本はどちらに行くのか。栄えるものだけ栄えて、滅びるものはどんどん崩壊集落に行くのか。老人は勝手に死んでいけというのかというこの辺りを真剣に誰かがどこかで考えない限り、この国は終わりです。徳島から変えていただくことを心からご期待申し上げ、皆さんが益々ご発展いただくことをお祈り申し上げてお話とさせていただきます。

(質疑応答)

会場から:ローカル・マニフェストの中で政治家の支出を明確にするようなシステムを作るべきだと思いますが、そのことをマニフェストの中に盛り込んだらどうかと思いました。

北川正恭:とくしまマニフェストの最後から2ページ目の議会改革の項目をご覧いただきたいのですが、これはなかなか良いことを書いているのです。議会マニフェスト中心ですから、本当は執行部の改革より、議会自らのことにしないといけません。ちょっと厳しいことを言います。

 例えば、『政策調査費の使い道の公開』とあります。知事、執行部をチェックする議会が政策調査費を非公開でチェックできるのかということはみんな分かっているのです。だから自らが、政党から民主党がやられるという自発的蝶々、人から攻められるのではなくて、民主党の蝶々になっていただいて、どういう事から変えていけばよいか。あるいは県議会の『議会議事録の3日以内の公開』と書いてあります。

 また、『議員の資質の向上:「県民のために存在する」議員をつくる』とあります。こうやって自らを律していくということは極めて辛いことです。立ち位置が変わりますから、今までの価値ではありません。しかし辛いけど脱皮していくという宣言が、私はこのマニフェストだと思っていますから、ご指摘いただいた事もこの中に書いてあると思いますから、是非、そのような意見を活発に交わしていただきながら、いわゆる政治が、政治家にとって白紙委任を受けたと言うことではなくて、市民の手による、有権者の手による政治に戻らなければいけないと思います。

『まず議会を改革する必要があります。有権者から選ばれた議員が役割を果たし、徳島に住む人たちのための議会になれるよう、議会の仕組みを変えます』とあります。これはなかなか良い文章だと思います。これは民主党から変えていけばいいと思います。そして、民主主義の足下から変えていく。地域から「依存」から「自律」にしていくということをこの政治スクールでやっていただきたいと思います。

                                 以上




民主党「とくしまマニフェスト」策定実行委員会
事務局 徳島市沖浜東1-64 民主党徳島県連内
tel.088-626-1131 fax.088-655-9130
http://www.dpj-tokushima.jp/manifesto/

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