仙谷由人政調会長/定例記者会見要旨

2005.05.11(水)18:15〜18:30 (於:衆議院本館−第4 控室)

■後半国会の喫緊の課題について
 五十嵐ネクスト総務大臣から郵政民営化関連法案について、これは上から見ても横から見ても総務委員会で審議を行うべき話であり、与党が特別委員会設置を無理矢理押し込もうとするのは許せない、という趣旨の話があった。中身については、かねてから民主党の見解を発表しているが、暗黙の政府保証、半官半民の会社を作り、親子会社ともに上場できるというでたらめな、巨大な金融会社・郵便会社が一体となった持ち株会社が先導して、企業法制秩序を打ち破るということが許されてはならない。亡国の、と言いたいところだが、非常に危険な焼け太り法案であり、徹底した審議を総務委員会で行いたいという話があった。
 菅ネクスト国土交通大臣からJR西日本の福知山線の事故について、規制改革・規制緩和、超合理化路線がこの事故を引き起こし、かつ、事故後の処理についてもそのことが影響しているのではないか、という問題提起があった。この事故について、国民の不安に応えるため、あるいは安全が公共・公益事業において提供されるサービスの安全性というのは国民生活にとって大変大きな課題なので、早急に予算委員会を開いて集中審議をすべきだ、と『次の内閣』の総意として、国対にも努力してほしいとの発言があった。
 私も、この二つは全くその通りだと考えている。

■教育基本法改正における愛国心の問題について
 一つは、国を愛するという場合の「国」というのは、連邦の「邦」あるいは「郷土」と書いて「クニ」と呼ぶ場合もあるが、つまりパトリオティズムなのか、スイス的に言うカントンなのか、近代主権国家としてのネイションステイトのことを言うのかという問題が、当然のことながら愛国心論争の中で出てくるが、そういう問題提起があった。もう一つは、この種のことを法律に、特に基本法に書き込むと言うことがどういう意味を持つのか、プラスマイナスについて冷静に議論をしておかなければならないという議論があった。国土、日本人であること、それにまつわる自然や歴史的にはぐくんできた文化・価値観というものを愛するか愛さないかと言えば、愛さない限りアイデンティティというのは確立されてこないから愛するわけだが、歴史的には、ともすれば排外主義的になって、特に日本の場合、アジア・他国に対し、敵対的態度になって失敗した歴史がたった60年前の姿だから、そういう教訓も生かしながらこの問題は考えていかなければいけない。自然感情の発露としての愛とか恋とかという問題を、法律に書いて、強制はしないまでも一つの規範にするということの持つ意味というのは、少々考慮を要すると思う。自制的、冷静に考えなければいけないので、今後も熱心に議論がされるだろう。

以 上