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仙谷由人政調会長/定例記者会見要旨

2005.03.16(水)17:00〜17:30 (於:衆議院本館−第4控室)

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■『次の内閣』閣議報告

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[報告事項]

 「三位一体」関連法案は、財源・権限移譲が行われたもの、つまり、補助金を廃止して財源も権限も地方に移譲したか否かという観点から検討した。その結果、「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う農業近代化資金助成法等の一部改正案」は評価できるので賛成となった。その他「地域再生法案」「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う国民健康保険法等の一部改正案」「国の補助金等の整理及び合理化等に伴う義務教育費国庫負担法等の一部改正案」については、権限を残し、ひもを付けながら、一部交付金化、あるいは税財源を移譲したものであって、より煩瑣な手続きや混乱を生むことになる、という観点からいずれも反対となった。 「山村振興法の一部改正案」(超党派議員立法) 従来からの離島振興法、半島振興法など、日本の大変な矛盾と問題を抱えてしまった過疎の地域に対する補助率のかさ上げという法案が、議員立法で10年ごとに、何回も繰り返されており、その効果について総括が必要だという議論も出たが、現時点では、従来通り賛成せざるを得ないということで、賛成となった。

 「公共工事の品質確保の促進に関する法律案」(超党派議員立法) 前国会で与党から示されており、民主党が問題にしている官製談合を防止することにつながるのか、現在、公共工事の世界で大問題になっているペーパーカンパニーや不良業者による低価格受注上投げ丸投げ横投げ等の実態を是正することに本当に資するものとなるのか、あるいは一般競争入札制度にしても、一般競争というやり方だけで現在払拭できているのか、むしろ脱法的な入札で混乱と悪質な工事が拡がることになっているのではないかなどの、様々な観点から議論してきたが、民主党から15項目の修正要求をし、担当者の菅ネクスト国土交通大臣、阿久津総括副大臣に、精力的な修正協議をしていただき、10項目容れられ、その他についても決議等でカバーできるという判断に至った。その結果、賛成することになった。とりわけ問題にしていたのは、官製談合との関係で、県や市町村における補助事業、単独事業の発注が、一般競争入札、予定価格制度のもとで、官が責任を回避しながら事実上談合が行われていることをどうするのか、この点については、今欧米で主流になっている競争的交渉方式が、もしこの法案で導入されることになれば、それはむしろ好ましい、それは発注者側が責任主体として、受注業者と技術提案等を含めて協議をするということだ。そのような協議が「談合促進」法にならないか懸念が出てくるが、これについても競争的だから、固定的にある業者を決めて協議をするのではなくて、競争的に交渉する。そのプロセス、結果について公表する、さらに公表したものについて苦情処理の手続きを定める。これがEUはじめ欧米で行われているということで、それを発注主体ができるような制度が今回この法案に盛り込まれたということが、法案に賛成する理由の一つだ。詳細は菅ネクスト国土交通大臣、阿久津総括副大臣から説明がされると思うが、この法案を委員長提案する。なお、官製談合防止法については、これを強化するという観点で、今、直嶋ネクスト規制改革担当大臣のところで、早急に法案化の作業を進めている。

[法案登録]

 「民法の一部改正案(選択的夫婦別姓)」「動物の愛護及び管理に関する法律の一部改正案」「人身取引の防止及び人身取引被害者の保護に関する法律案(仮称)」 法案登録がされ、民主党議員立法提案に向けた作業がこれから行われる。

[総括副大臣会議報告]

 「在外公館の名称、位置、給与法の一部改正案」「関税定率法の一部改正案」「不動産登記法等の一部を改正する法律案」「中小企業経営革新支援法の一部改正案」「独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法案」「沖縄振興特別措置法の一部改正案」(いずれも閣法)については賛成、あるいは修正賛成ということだった。

「国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部改正案」(閣法)は、野田ネクスト財務大臣が賛否について一任を受けているという報告があり、了承した。ODA予算の執行、とりわけODA予算の中で、外国における社会資本の整備、公共事業がこの法律の基盤をなしている問題で、従来から言われていたムネオハウスやアフリカのODAのキックバックなど、色々な問題が指摘されている。それがちゃんと解明されるかどうか、審議を見て野田ネクスト財務大臣が判断することになった。

[焦点政策の討議]

 「米国産牛肉の輸入再開問題について」 鮫島ネクスト農林水産大臣から報告、問題提起を受けた。今、食品安全委員会で議論が行われており、それに対し、アメリカから遅い、外務大臣からも遅すぎる、という議論が出ている。アメリカは、そもそも我が国は汚染国ではないから検査は必要ないと言わんばかりの態度で、非常に強腰で出てきており、小泉総理大臣に直接電話で輸入再開を早期に行えと迫っている。専門的な観点からの問題点も指摘されたが、今日の結論は、消費者の立場で、特に日本の消費者の食の安全に関する懸念、不安、こういうものを大切にしながら、食品安全委員会の作業を、これで時間稼ぎというか、先延ばしをしているような印象を与えるのはよくない、精力的に審議をやって結論を早く出すべきだというのが第一点だ。二番目はアメリカの上下両院、特に下院が、制裁法を出すとか決議するとか、そういう動きが迫っているので、我が国の議会として、アメリカに我が国の立場と実態と態度、そして政策方針をちゃんと説明にいく派遣団を、説明団を派遣すべきではないか。まずは、国会の委員会で、農水委員会ということになるか、あるいは農水、厚生労働、内閣の合同チームでもいいと思うが、そういう超党派の調査団を派遣して、きちんとした説明と討議をしてくるべきだという意見で、BSE問題が集約された。

[安全委員会の結論次第で輸入再開ということになるのか]

 専門的な観点からの答申が出たとしても、それですべてザッツオールだということにはならないと思う。安全委員会で、日本の牛については全頭検査をしているわけで、それとの兼合いで輸入条件を全く無条件で輸入再開は可であるという結論が出るとは思っていない。トレーサビリティーというか、原産地国の表示が義務づけられているから、そこを無視して輸入再開を政府が決定しても、消費者の反発が強く、容易なことではない。例えば牛丼店についても、トレーサビリティーが公表されて、消費者に安心感を与えない限り、アメリカ産牛肉の消費は回復しないのではないかと見て

いる。

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■人権擁護法案について

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[党内議論と与党の動きをどう見るか]

 党内の議論については詳しくないが、政策内容として、内閣府の外局として人権委員会を作るべきだという主張をより詳しくすべきではないか。もう一つ重要なのは、地方人権委員会の実態をどうすべきか。それから、メディアに対する規制をどうしていくか。メディア規制の問題は、自主規制機関が実質的に、どのように機能してきたのか、あるいはしてないのか、その辺を聞いてみなければいけないという議論が先般から出ている。自民党内の議論は、見たわけではないから間接的に伝わってきている話では、端的に言うと、この議論も会社法の改正を巡る議論も、極めてドメスティックな、内向きな議論になっているのではないか。そこを私は大変懸念している。一方でグローバリゼーションとか、グローバルスタンダードとか、そこに平仄を合わせてヒト・モノ・カネを日本に呼び込むというか、国交省の政策ではビジットジャパンだろうか、そういう東アジアの中での唯一の先進国として、国際社会に開かれて国際社会に貢献し国際社会と共生をする日本を作ろうというのは、そういうスローガンなり

イメージが小泉さんからも代表質問等で言われたと思うが、こと人権問題や、いわゆる資本主義的自由というものを、本当にちゃんと腹に座って、自らの見識としてお持ちではない方がいるのだと思う。もし自民党の執行部が、その種の議論を止められないとすれば、やはりこの党は大変古いところがあると言わざるを得ない。人権法案は、パリ原則に基づく司法・立法・行政という古典的な三権分立のガバナンスのあり方に加え、独立の準司法機関たる人権救済機関を作らなければいけないところから始まっている。パリ原則なんて勝手に国連の下部機関が作ったと、放っておけばいいというのであればそれはいいが、それに対応した国内措置をとらないと先進国にふさわしくないという非難を浴びるので、本当は人権が嫌いな人たちもやらざるを得なくなったのではないかと思っている。しかし96年の人権擁護施策推進法案から、これだけ時間がかかってもグローバルスタンダードに追いつけない。追いつけない理由は在日の方々の処遇を巡る問題だとすれば、正に人権問題、人権侵害というのはマイノリティに対して出てくる部分というのが最も大きい。ところが、その方々を排除するということを堂々と語られるのは、それがもし人権擁護法案の提出に防護網を、バリケードというか、ハザードになっているとしたら、それはいかがなものか。

 会社法の改正も海外資本の乗っ取りを防ぐという話だが、70年代から、資本自由化した瞬間から、それはあり得るべしという前提で、企業戦略は立てなければならない。立てた企業戦略が持ち合いで、持ち合いによってバブルを起こし、どうにも身動きがとれなくなったというのが90年代の日本資本主義の苦悩だから、今度はそれを解除し、全面的に素晴らしいとは思わないが、グローバルスタンダードに合わせるということで会社法の改正が試みられているようだ。それに対して1年間延期だとか、これまたドメスティックな話だ。今度のライブドアとフジテレビの問題もそうだが、あまり内向きな反応を財界関係者や自民党関係者がすると、国際的なマーケットや資本から、我々は日本を相手にしない、相手にするにはリスクが多すぎるという反応になって現れるのではないかと懸念している。

[会社法案、与党の考え方について]

 内容をゆがめるのであれば、ゆがみを正していく行動なり考え方を示すことになる。

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■竹島問題について

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 基本的に竹島は日本の領土であるというのが、歴史的な経過からして当然だと思っている。尖閣の問題もそうだが、にもかかわらず、これが領土紛争になっている以上、やはり冷静に話し合いで解決していくのが基本方針でなければならない。そういう状況の中で島根県議会が「竹島の日」条例を可決した。本来、外交の問題とか領土の範囲というのは国の権限、行政府の権限の話であり、法的な効力はこの条例によってほとんど左右されないが、運動的な観点でされている。これは早急に日本政府も、韓国政府あるいは韓国の政治レベルに対して、協議のあり方を考えていかなければならない。ただ、この間の経緯を考えると、ことは靖国神社参拝から始まっているのではないか。昨年から始まった、あるいはW杯から始まった日韓間の大変友好的な市民レベルでの交流なり関係が、政治の構図で、とげとげしい関係になってくるというのは、決して良くない。昨日来られた韓日議連の議員の方に会う機会を持てなかったが、我々のルートを通じて精力的に政治対話を深めていくつもりだ。そういう時が改めて来たと思っている。

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■国民投票法案について

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 与党からの申し入れを受けてこれをどうするか、党憲法調査会の役員会で取り扱い方について議論をするとの報告を受けている。しかる後に方向性が出れば、それを党の代表、代表代行、幹事長のところに上げたい、どちらに転んでも政治判断を仰がなければならないと考えていると聞いている。

【発信元】 民主党政策調査会事務局/政調広報(担当:田鹿、天笠)

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