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仙谷由人民主党政調会長/定例記者会見要旨

2005.02.16(水)17:15〜17:45 (於:衆議院本館−第4控室)

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■GDPの三期連続マイナスの原因について

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 まだ詳しく見ていないが、この間の中国に対する鉄鋼・半導体の輸出拡大で、それが景気回復、企業の高収益と言われてきた。とりわけオールドエコノミー、重厚長大産業が、中国の設備投資バブル・不動産バブルへの輸出によって、日本の重厚長大産業が息を吹き返したというのがこの1年半の経緯だと思う。加えて、エレクトロニクス関係は、台湾と日本の中間財を含めて大変な輸出で、日本の製造業大企業の高収益は、この結果での9月末決算であり、それが頭を打って、下降線に入ったのではないか。これは昨年10月の予算委員会で、私が指摘をしたところであり、それが現実になってきたということだと思う。中国が供給能力過剰になってきたのではないか、加えて原油の高騰が、より資源制約的な上限として影響しているのではないかと考える。問題は、この下降傾向がどこかで底を打つのかどうかということだ。悲観シナリオだと、アメリカの長短の金利差が非常に狭まってきているわけで、短期資金の金利が上がるけれども長期資金の金利がそれほど上がらないという傾向は、アメリカの成長期待が非常に弱くなってきており、そのことが、長期金利が上がらないでむしろ下がり気味になる、短期金利は上げなければ双子の赤字のファイナンスができない、こういう矛盾した局面に入ってきていると思われる。イギリスも長短の金利差が逆転しているということだから、アメリカの短期金利が上がっていくと、アメリカの不動産バブルがついに崩落し、消費バブルが崩壊する可能性があり、そのことの持つ意味は、まずは中国・アジアに対して大きな影響を与える。中国・アジアに対して生産財や中間財の輸出主導で景気を良くしてきた日本にとってもただならぬ関係になる。この時点で、政府が定率減税を廃止・削減すると、こういう馬鹿なことをやって、どうなるのか、ということだと思う。GDPの連続したマイナスは、ある意味で予測通りだ。

 家計が前年度比0.3プラスというのもあるが、続いてそうなってない。9月はよかったが10月マイナスになり、11月はまた少しよかったけれども12月は大幅・−3コンマ超だ。それから、小売りの売り上げがずっと悪い。スーパーマーケットと百貨店、非常に悪いと思う。悪い指標が並んでいる。街角のタクシーも、異常にひどいところをいっている。就学援助を受けている世帯や、非課税世帯の状況を聞くと、想像を絶するショッキングな数字が多い。少子化と二極化は、我々の予測以上に激しい勢いで進んでいるのではないか。

 日本の場合、財務省や、財務省の中でも調査部局と国税庁、厚労省、経産省、内閣府と、バラバラにしか調査指標が取られないし、その発表がどうも遅い。これだけIT化されているのだから、もっと早く調査結果が出てきても、統一的に経済指標なんか出てきてもいいと思うが、予測も判断も後手にまわっているのではないか。政府はどうしても大本営発表の楽観的な数値を言いたがるという癖があるものだから、実態は今後、庶民の実感通り、あるいはそれ以上に悪い循環の方に行くのではないか、と心配をしている。

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■食育基本法案について

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 与党議員立法の「食育基本法案」は、食というものを文化として大切にする、それを地域から再生させるということが、こういう法律で行うことができるのか、外国の例を見て、落ち着いて考えればわかりそうなものだが、与党が何をねらって、こんな法律を作ろうとしているのか不明である。国家が、どこまで国民の食べ方や挙措、動作を指示することができるのかという問題もある。スローフード運動というのがイタリア発で広がっているが、地域のコミュニティの中で自主的に発生し、一つの文化運動として拡がっている。食材、食べ方、歴史や伝統に基づいて、改めて、コミュニティの中で、新鮮な物や、いい食材を使って、昔の料理方法で作って、ゆっくり食べて、そこでのコミュニケーションを大切にすることが一つの文化だ、という運動である。要するに、ファーストフードに対抗する文化運動として、ヨーロッパ中心に拡がっている。ファーストフードとコンビニ弁当というのは、極めて日本と日本発のアジア型のもので、コンビニがこんなにある国は無い。たばこや酒の自動販売機がこんなにある国は、ヨーロッパ、アメリカでも無い。それがいけないと言っているのではなくて、そうではないものを、反対に作り出していく。それは権力とか国家が何かしようという話ではなくて、皆さんこうしましょうという運動を起こすような話というのはあり得ても、基本法を作って、何かできると思う方も間違っているし、何をしようとしているのかよくわからない。少なくとも私生活の領域に、ずかずかと踏み込むようなことを平気で発想すること自体、アナクロニズムだ。

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