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仙谷由人政調会長/定例記者会見要旨

2005.01.19(水)17:00〜17:30 (於:衆議院本館−第4控室)

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■『次の内閣』閣議報告

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[協議事項]

いよいよ162通常国会が始まる。今年は阪神淡路大震災から10年、昨年秋には新潟中越地震、そして昨年末にはスマトラ沖地震が発生した。国内的には被災者生活再建支援、とりわけ住宅再建に対する支援措置については被災地から大変強い要望がありながら実現していない。以前から、住宅再建支援については民主党として法案を提出してきたが、前国会で提出したものをバージョンアップし、地震のみならず、災害時に住宅が全半壊した際の再建についての法案を通常国会冒頭に提出する予定だ。

 1月14日、神戸で阪神淡路大震災を祈念しながら、改めて住宅再建支援についての会議が開かれたようだ。2000年の鳥取県の措置以降、昨夏の台風の際には徳島県でも、全壊世帯に300万円、半壊世帯に150万円、年収や年齢制限を設けない制度を作らざるを得ないというのが各自治体が取り囲まれた現実だといえる。

 対象範囲をまず広げ、年収要件の部分についても、800万円までの所得については、全て住宅再建の費用として、支給限度額を全壊400万円、大規模半壊200万円、半壊100万円を、一定要件の下に支給する。さらに、全壊の場合には生活給付100万円が加算され500万円ということになる。この原資については、国の補助を2/3入れるといった内容の法案を提出する。

 私も10年間余、災害被災者に対する住宅再建を考える議員連盟で活動してきた。自治体の首長でも賛否があったが、国の制度としてつくることに歓迎の声が強いと聞いている。その多くは、このような法律を国が作ることには歓迎だとの声が強いと聞いている。

 

[民主党予算案]

 『次の内閣』研修会(1月12日〜13日)でも検討してきたが、今日の議論では、子ども手当を一人月額16,000円、年額192,000円を義務教育終了時まで支給するという大胆な案が確認された。民主党予算案の作成については、「チルドレン・ファースト」、あるいは「ローカル・ファースト」と申し上げてきたが、これを現実に人口減少社会、少子高齢社会の中で、日本の地域の生活、子どもを育てることへのインセンティブを与えようということで、総額3兆3480億円の大規模な予算を子ども手当として義務教育終了時まで付ける。その主たる財源は、従来の民主党マニフェストでも触れているが、扶養控除、配偶者控除、配偶者特別控除の廃止によって財源の確保は十分可能だということを今日の議論で確認した。配偶者控除、扶養控除を廃止することで、財源ができるので、子ども手当にも回せるほか、歳出総額、国債費、借金も3兆6千億円減らすことができる。

 欧州諸国、米国的な「チルドレン・ファースト」の考え方は、諸手当を支給し、様々な医療制度等で子育ての制度をつくることだが、子どもたちの将来の借金を減らしていくことも「チルドレン・ファースト」の内容であるので、子どもたちの将来負担を減らすことにも力を注ぎたいと考えており、今回の予算でもそのような予算を組んでいる。民主党予算案については、次回の『次の内閣』で確定、決定したい。

 また、出産費用保険適用についても議論した。出産費用はほとんどの場合、国保の出産一時金が30万円程度、組合や健保等はそれに加算されることもあるが、概ね30万円程度出産一時金が出ている。出産費用はおおむね一人あたり48万円程度と言われているが、この保険から拠出される30万円に加えて、国から何らかの形で実質的に平均的な出産費用がまかなえるような制度をつくらなければならないということについて、本日の『次の内閣』で確認された。

 

[振り込め詐欺]

 携帯電話による振り込め詐欺の対策として、「携帯電話の本人確認法案」について、与党側と修正協議を重ねている。民主党が求めていた項目が受け入れられたため、会派として賛成するとの方針が提起され、了承された。

 

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■民主党・災害者生活再建支援法改正案について

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[現行制度との主な違い]

 現行制度では住宅再建、支援金が出ない。生活支援、居住安定等の名目で出す。あるいは、解体撤去費等で出す。住宅本体を再建する資金としては絶対に出せない。個人の財産保障はできないと財務省(旧大蔵省)が譲らない。国土交通省(旧建設省、旧国土庁)は、公共事業優先で、個人の住宅再建は縄張りがそれほど増えるわけでもなく、もうけにならないため賛成しない。この10年余、霞ヶ関の壁が厚く、これを突破できないというのがこの問題の最大のネックだ。例えば、個人の財産補償ができないのであれば、銀行に預けた預金について、銀行が倒産した際になぜ全額補償できるのか。また、農業分野では、田畑については災害被害を受けたときに公共事業、国の費用で復旧工事を行っている。もちろん生産手段も大切だが、住宅という生活の根拠であり、住宅があることが前提で初めて生活がある。それを無視した議論はナンセンスだと私は申し上げてきた。しかし、財務省、国土交通省はそれを受け入れないで10年余り過ぎたというのが実情だ。

 都道府県には、特に山奥深く、過疎地に地震等の被害が起きると廃村にせざるを得ないという危機感がある。鳥取県の片山知事が2000年の鳥取地震から、単独事業費だと思うが、300万円を出したのが最初の事例だ。その後、鳥取に続いて、宮城、兵庫、福井、徳島、三重、新潟、岐阜、京都、東京(三宅島の災害)‥‥と、背に腹は代えられないということで行ってきたのが実情であり、これこそ国、中央政府が行うべき役割であり、このようなケースこそ国がやるべきだとの気持ちでこの問題に取り組んできた。どうしても、何とか実現したいと考えている。

 

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■民主党予算案・子ども手当について

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[子ども手当の財源として、各種控除を廃止すると負担感が大きいのでは]

 控除ではなく手当にすることで、富める者ほど有利になるということが防止できる。つまり、配偶者の年収が103万円までの人が手当制度にした場合、子どもが一人であれば192,000円であるため、家庭収入は年間116,000円程度プラスになる。税の場合、収入が少ない方が控除されても収入が増えるということにはならないため、元々税金がかからない収入の方々はそのようになる。また、500〜800万円程度の年収であれば、家計収入としては年間一人であれば15万円くらい、二人であれば30万円くらい増える計算になる。扶養控除や配偶者控除は、それがなくなった場合大いに損するような話に聞こえるが、所得の高い人はその割合で減税、減免措置の割合が多くなり、絶対量としては多くなる。また、税金のかからない人は控除がいくらかかろうとかからないものはかからないため結局は手当をもらう、つまり、マイナスの補助金をもらえないわけであり、手当の方がはるかに有利になる。今の二極化の中では、年収500万円未満の若い方が増えてきており、30代〜40代については圧倒的に手当の方が有利になるのではないかと考えている。

 これは所得税の話だが、年収103万円以下の場合、アルバイトやパートを行う場合にも税金がかからないように働く。そのような形で働く方をなくすというのはあまりにも意味がない。ここは公正かつ公平に、大いに働いていただき、一般的な基準によって税金を払っていただき、子育てなら子育ての手当をきちんと支給する方式の方が公平、フェアで正しいと考えている。必要であれば政策調査会事務局にお問い合わせいただきたい。

 

[子ども手当一人あたり1万6千円で確定か]

 年間194,000円、約20万円弱でも少ないと思う。岡田代表は、ビジョンの中で4万円程度と言っていたと思うが、諸外国で行われているように、二人目は倍にする、三人目は倍の倍にするなど、様々な考え方があると思うが、まずはここから出発しようということだ。手当を積んだから子どもが確実に増えるということではないし、少子化の対応策の決め手があるのか等、様々な問題もあるが、決定打はないのかもしれない。様々なことを試してみるしかないのではないか。

 エストニアでは、一人につき年間200万円くらい子育てに出すことにしたところ、一挙に0.3%程度出生率が上がったとの報道があったが、結局はお金だとの記事を思い出した。もちろん無いよりはあった方がいい。

 産むこと自体ももちろん不安だが、育てていくことが大変でありやめてしまう。特に二人目以降は、費用もかかり大変なことであり、二人目以降はやめてしまおうと。アンケート結果にも多くみられる。小児医療なども考えていかなければならないと思うが、まずはできることをやっていくことが重要だと考える。

 1月17日に杉並区立和田中学校を視察したが、子どもの人数が少ないのは本当に寂しい。私の小学校、中学校の時には50人学級で1学年7クラスはあった。和田中学校では、1学年2クラスで、3学年全部で170名程度だと聞いているが、何とか子どもを産んで育てて、子どもが大きくなれば、兄弟が多ければ多いほど良いというのは私の実感だ。一つ一つ、多くの人の知恵をいただきながら子育て、子どもをつくることに、エンカレッジするような方策を作っていかなければ他に手段はないだろう。

 

[子ども手当は今後増額するのか]

 社会保障費に占める高齢者の費用が一人あたり247万円で、子どもの費用は17万円だと少子化白書に書かれているが、これは政策のコンセプトが偏りすぎている。結局そのことのツケがいまの少子化という事態をうんでいると考えており、高齢者一人あたり247万円を減らせとはいわないが、社会保障財源、保険料、高齢者一人一人の負担をどのような形でいただくのかを議論しなければならない。しかし、17万円を仮に3倍に上げることが実現できたとしても、それほどバランスを欠くような政策にはならない。例えば、小児医療の問題で、小児科の診療報酬だけでも何とか倍にするようなことも考えなければならない。今、開業医、勤務医でも小児科医と麻酔科がどんどん減っている。これは地域社会の子どもに対する子育てについての安心感ということから言えば、小児科が減るということは大変なことだと思う。小児科医療に対する診療報酬問題は、改めて考えなければならない。

 他にも、幼稚園、保育園の一体化の議論もなされたが、学校へ通う子どもたちが、放課後に立ち寄れる児童館のような施設をつくることも含めて、子どもに対する予算措置、助成措置は自治体が中心となってやっていただくが、国もやっていかないと前を向かないのではないか。

 子ども手当16,000円については、倍になっても良いのではないか。児童手当自体も増やす方向で考えるべきだと思うし、子育てに関するところに資源を投入することを考えるべきだ。しかし、時代が時代なので財源の問題がある。いわゆる公的な資金を投入するだけではなく、NPO、NGOの支援を含め、地域の力を注ぎ込んでいくようなこと、それもただではできないと思うが、お金も子育てに投入されるべきだ。

 

【発信元】 民主党政策調査会事務局/政調広報 (担当:天笠)

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