イラクへの自衛隊派遣延長の閣議決定を受けて(談話)  

2004年12月9日

民主党 政策調査会長 仙谷 由人

                

 本日、政府は、イラクへの自衛隊派遣の延長を閣議決定した。ちょうど1年前のイラクへの自衛隊派遣「基本計画」の閣議決定と同様、またしても国会が閉会されてからの決定である。国会を軽視し、説明責任を果たそうとしない小泉政権のやり方を容認することは出来ない。また、わが党が提出した「イラク特措法廃止法案」の採決の求めに、頑なに拒否する姿勢にも見られるように、政府・与党からは、後ろめたさの感さえある。わが党は、13日のイラク特別委員会での総理の出席を強く求め、同質疑での誠意と説得力ある総理の答弁を要求する。

 米国によるイラク戦争が大義がなかったことはもはや議論の余地はない。2度にわたるファルージャでの掃討作戦に見られるように、多数の罪無き市民の死傷者が出ている。イラク人の米国に対する反発は、同盟国としても看過できるレベルではなくなっており、米国の加担者として、我が国に対する見方も日一日と厳しくなっている。また、アフガニスタンの状況と比べて、イラクでは仏・独・露などを含めた国際協調の体制が確立されたとは言い難い。

 イラクへの自衛隊派遣をめぐる現在の政府・内閣法制局の法解釈、そして憲法解釈は、法治国家であるわが国にとって極めて問題だ。政府の言う「非戦闘地域」など今のイラクに存在せず、イラク特措法の定める「戦闘地域」「非戦闘地域」の区分けは、「言葉の遊び」に過ぎない。自衛隊の宿営地内にも続けてロケット弾などが打ち込まれる状況で、イラク特措法第9条に定める「自衛隊の部隊等の安全の確保に配慮しなければならない」の要件を満たしていると強弁する政府に、国民の政府・政治・法制度への信頼の低下は大きい。

 また、イラクでの自衛隊の主な活動である給水活動を着手してからもうすぐ1年になるが、イラク人に自衛隊の給水技術と必要な設備などを渡し、彼らの「自立」を促進していくことが必要だ。イラク人は高い教育レベルと技術を有している。仏系NGO、ACTEDは、サマワでの給水活動を継続しており、現地イラク人に技術移転し、雇用を増やしながら、自衛隊よりも格安に効率的に活動している。

 ブラヒミ国連事務総長特別顧問は、先般、1月30日に予定されている国民議会選挙について、「現在のような治安状況が続くようでは、期日通りに実施するのは不可能」との認識を示した。イラク国民にとり重要な国民議会選挙を公正に実施できる環境にしていくためにも、我が国政府は、まず米国によるファルージャへの攻撃などを止めさせるよう働きかけるべきである。そして、中・長期にわたるわが国の対中東関係、日米同盟を見据えて、自衛隊を速やかに撤退させるべきであること改めて政府に強く訴える。   

以 上                  

民主党本部からのメールを転載しました。