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仙谷由人政調会長/定例記者会見要旨

2004.11.17(水)17:30〜18:00 (於:衆議院本館−第4控室)

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INDEX ■『次の内閣』閣議報告 法案審査報告 ■民主党の年金抜本改革推進法案について 法案の提出について ■自民党憲法調査会の新憲法草案大綱の素案について 国会の役割、権能について

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■『次の内閣』閣議報告

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 『次の内閣』の構成について、決算委員会の担当副大臣を決めた。衆議院は長浜博行議員、参議院は松井孝治議員。

 次に、12月19日、20日に開催される民主党大会の中で、19日に政策分科会を開催することが報告された。いわゆる三位一体改革と言われている問題と、一般討議をそれぞれ1時間かけて行う。

 分権改革の基本方針について、本日の『次の内閣』で確認された。民主党の地方分権改革案についての中間報告における補助金18兆円の廃止、5兆5千億の税源移譲、5分野の一括交付金という方針について、改めて確認した。民主党と地方6団体との間に、内容において見解の相違があることは否定しないが、民主党がいわば3兆円の枠内での税財源の移譲だけでなく、抜本的な改革を目指していることの再確認がなされた。様々な三位一体改革の現状についての批判、分権改革に逆噴射しているのではないかといった旨が書かれている。しかし、今の状況で地方6団体が政府から丸投げされてまとめた提案は、分権推進の方向としては民主党と軌を一にしている。地方の努力を民主党は高く評価したい。現時点では、6団体案が尊重されるべきである。今後、民主党としては、この枠内で、基本的な確認の下に分権改革についての提案を進めていくことを再確認した上で、「分権改革推進本部」を立ち上げて自治体の首長、とりわけ基礎自治体の首長や、議会議員の方々、住民の方々の意見を伺い、議論し、真の分権改革がこの日本で行われるように持っていきたい。それを改めて確認した。

 早急に日程調整をして、分権改革推進本部をスタートしたいと考えている。

 日朝実務者協議の結果を受けて、鳩山ネクスト外務大臣の談話が既に発表されており、本日午前中にも外務省、警察庁からヒアリングを受けている。政府が北朝鮮から持ち帰った資料の調査分析をよく見極めたい。また、米国との協調、米国政府の動向について、情報を民主党としても取得していきたい。そのような前提に立ち、現時点では、本日の党首討論でも問題を投げかけているが、現在残っている12万5千トンの食料援助は、現時点ではやるべきではないと考える。国交正常化交渉を急いで開始させるようなことがあってはならない。それについて異論は全くなかったが、そのような意見集約が改めて行われた。

 

[法案審査報告]

 民主党の年金抜本改革推進法案について、了承された。これを党3役及び国会対策委員長に一任し、いつでも国会に提出できる体制をつくった。岡田代表からは、納税者番号制度について、より詳細な、なぜ自民党が納税者番号制度をあれほど嫌がっているのかについて、納税者番号制度のもつ意味、問題点を改めて研究するようにとの指示が出されたため、今後、税制調査会、財務金融部門で議論するよう要請した。

 発達障害者支援法案については、超党派議員立法として、提案されるとの報告がなされ、了承された。

 次に、違法年金担保融資対策としての、貸金業規制法改正案についてであるが、これは1週間程前の財金理事会で、民主党の中塚理事から、民主党の財務金融部門で法案を作成して、自民党、公明党の理事に示し、提案して、賛成ならば同意してもらいたい旨を申し上げた。自民党は賛成であるので、委員長提案で国会成立するようにしたいとの話があったわけだが、各社の報道では、すべて自民党が改正案をつくって今国会中に通過させる。野党もこれに賛成したとの記事が流れているようだ。新聞報道が誠に偏頗(へんぱ)である。平河クラブから恣意的に流された報道ではないかと思うが、こうした報道のあり方は大問題だ。これについては訂正記事をお願いしたい。このパクリを与党がなさる時に、そのまま鵜呑みにして書いてしまうことはあってはならない。このようなことが行われれば、大新聞各社が与党の宣伝紙になってしまうと思う。そのように私が怒っていたとお伝えいただければなおありがたい。

 この他、総合安全保障調査会、ニート対策PT、次世代育成支援PT、被災者支援WT、WTOに関するWT、バイオマス利用推進WTの設置が申請され、了承された。

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■民主党の年金抜本改革推進法案について

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 現在の国民年金の満額は、月額約6万6千円。また、生活保護は平均約6万2千円程度となっており、7万円を下回らない金額を最低保障年金として設定する書きぶりとした。

 これから、党三役、国会対策委員長、厚生労働部門、厚生労働委員会でのやりとり、段取りの話になる。三党合意の問題提起が自民党からしきりになされているので、この年金改革法案が集中的な審議がなされるのかどうかは、私の立場からは何とも申し上げられない未知数の部分だ。民主党としては、厚生労働委員会での集中審議を要求しているので、まず、これを俎上にのせていただいて、年金問題について集中審議を小泉首相出席の下で行う。その後、小委員会の設置という方向になるのかどうかの議論をしたい。民主党が申し上げているのは、現在の政府年金法が極めて不十分であり、持続可能性がないということ。100年安心プランという看板は間違いであった。しかし、強行採決され、現在施行されているわけで、民主党としては抜本的な改革案が必要ということだとの考えを表明し、民主党案を含めて議論することであれば、話し合いになると思う。しかし、そうではなく既成事実を重ね、そのためにも話し合いという恰好だけつける小委員会、三党合意を守れというのでは話にならない。

 平成20年の前倒しの話について、1年前倒しということになっているが、参議院に提出した法案は平成20年スタートとしている。民主党の考え方からすれば、早く一元化させた年金制度をスタートさせるしか、わが国の国民生活の安心と安定はつくり得ないという焦燥感がある。IMF(国際通貨基金)のアウトルックの中で、各先進国の年金改革の最終列車が出発するまでにはあと何年残されているのかとの発表があった。日本は既に昨年、最終列車が出てしまったと。日本だけが先進国の中で年金改革、抜本改革をするための時間を失ってしまったとの記事が出ていた。まさにその通りであり、焦りを持っている。参議院で平成20年スタートとしたこともあり、今回は20年にさせていただいたが、早ければ早いほど良い。

 

[法案の提出について]

 衆議院から提出するつもりだ。提出時期については、今週中にはなんとか提出したいと思っているが、政治的、政局的な議論が必要なのかもしれない。少なくとも私からは今週中に提出するようお願いするつもりだ。

 この間の小泉首相、自民党の方々の議論を聞いていると、年金改革を本気で真剣に取り組もうとしているのか疑問だ。民主党は以前、5年間くらいはスタートまでにかかるだろうと考えていたが、早ければ早いほど良い、急がなければならない。三党合意との関係はない。

 

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■自民党憲法調査会の新憲法草案大綱の素案について

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 自民党のある議員と話をしたが、検討項目を網羅的に並べただけだとの適当な返事であった。どのような文言になっているのか、国連憲章あるいは集団安全保障との関係をどのように考えているのか。国連憲章51条との関係での記載なのか、私の手元にないためわからない。9条関連のみの改正、網羅的な羅列なのかどうかがわからないため、拝見した後にコメントしたい。

 

[国会の役割、権能について]

 参議院の役割をどのように設定するのかわからない。優先的議決権をどの項目に持つのかという役割設定を憲法上してしまうのかが、二院制をとる場合には一番重要なところだ。今、予算と条約については、衆議院が優先的議決権を持っている。米国上院は条約と一定の人事同意案件について、上院が優先した議決権を持っている。ドイツの上院は全く役割限定が違う。一般的に法律の審議権を下院と全く同等にするのではなく、地方代表者が地方に関わる、州政に関わることについては、優先的議決権を持つ。この他については、下院の優越性を認めるといった仕組みとなっている。二院制をとった際の各役割、権限をどのように明確化させるのか。現在のような時代において二院制が果たして必要なのかという根本的な問題も残されている。それは二院制をとっているから衆参の問題があるが、一院制でいくのか、二院制でいくのか。例えば、二院制でいくとした場合の、選挙制度、選出母体の役割設定をどうするのかを憲法上考えるべきだということであれば、ある種の問題提起だ。再議権だけを変えるというのは意味がないことだ。現在日本の二院制で参議院の各党派の議席配分が、あのような形になっており、参議院が過剰に法案審議についての力を事実上持っている。そのことが日本の民主主義を極めていびつな格好にしている。例えば、参議院○○党が存在して、政権と連立して、振り回すような話になっているという問題意識があった上で、触れているのかもしれないが、憲法問題は、事実上の党派的な問題で行われるべきものではなく、役割設定を改めて考えるべきだ。すっきりと一院制でいくのか、二院制であれば、上院、下院の役割設定を行うということだ。議院内閣制をとる場合には、政治権力をつくるのはどちらで、つくられた政治権力がどの院に対して連帯して責任を持つのか。そこに解散権があるのかについてだけは明確にしておかないといけない。つまり解散させられない院をつくるとすれば、その役割設定を限定的にしないと、そこで重要法案を否決された際、どのようにしたらよいのか大問題になる。その場合に、再議権の要件を緩和して何とかしようというような小手先のことだ。もし、一般的な法律について再議要件を緩和することになると、一院制で良いという話になる。面倒なことをしなくとも、法律についての可決要件を衆議院で可決されたら法律になるとすれば良いのではないか。自民党案を分析しなければわからないが、一般論として、一院制、二院制の問題は、政治権力をどのようにつくるのかということ、つくられた政治権力は、どの院にどのように責任を負うのかという点から議論を始めなければ、いびつになってしまうのではないか。これは私が、憲法調査会に携わってきて経験からの感想だ。一般的な再議の問題、院の役割の問題として思う。

 報道を見る限りでは、百年一日のごとく、古いことを蒸し返していると思う。21世紀型の憲法ではない。せっかく自民党の中心になっている議員も、先般EU憲法を勉強しているのに、依然としてこのような話なのかというのが漠然たる感想だ。

【発信元】 民主党政策調査会事務局/政調広報 (担当:天笠)

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以 上

 

民主党本部からのメールを転載しました。