牛肉セーフガード発動について
〜消費者無視・既得権益固守の政治判断は許されない〜

2003年7月30日

民主党 経済財政担当ネクスト大臣
仙谷 由人

 政府は8月1日より輸入牛肉の関税を50%に引き上げるセーフガードを発動することを決定した。わが国の存立基盤である自由貿易体制を脅かす上に、消費者のことを全く考えない今回の政府の判断は、国益・国民益に真っ向から反するものであり、断じて許すことはできない。

 そもそも今回の見かけ上の輸入牛肉の急増は、セーフガード制定当時に全く想定していなかったBSEの発生とそれに伴う牛肉消費の急激な落ち込みに起因するものであり、昨今の輸入数量の増加は単に正常な消費水準への回復を反映したものに過ぎない。これが直ちに国内の牛肉生産に悪影響を与えるものではなく、それどころかセーフガードの発動がかえって、牛肉及び牛肉製品の価格の高騰を招き、結果的に牛肉消費の落ち込みという国内畜産農家の懸念材料にもつながりかねないものである。

 消費者、生産者、国益、いずれの観点からも今回のセーフガード発動の必要性は見出せない。民主党は、このような不要なセーフガードを発動しないために、先の通常国会に関連法改正案を提出した。しかし、一部の既得権益の擁護にのみ汲々とする自民・公明の連立与党は、これを数の力で押し切り、否決・廃案とした。

 今回の発動は、国民の生活と経済、そして国家に責任を持つ政府与党としてあるまじき行為である。自民党族議員・農水官僚らが自らの既得権益を維持するために、なりふり構わず発動した結果として、国民の食生活は脅かされ、国際社会におけるわが国の立場も損なうことになりかねない。小泉総理は、このような既得権益固守の構造を指して「自民党をぶっ潰す」と叫んだのではなかったのか。今回の発動を唯々諾々と見送る小泉総理には、やはり国民など眼中に無く、自らの政権の延命のみにしか興味がないと言わざるを得ない。

以上