1999年03月19日 大蔵委員会

○村井委員長 次に、仙谷由人君。

○仙谷委員 初めてと言っていいぐらいのいわば集中した、この間の金融再生委員会のお仕事についての国民に対する説明の場とでもいいましょうか、そういう時間帯でございますので、主として柳沢委員長にお伺いをいたしたいと存じます。

 昨年の秋、大変な国会の中で金融再生法と早期健全化法が成立をした。そして、日本債券信用銀行の特別公的管理ということで金融再生法が早速使われた。あるいは、立ち上がる直前でありましたけれども、この特別公的管理を金融再生委員会に進めていただく、こういうことになったわけであります。

 そして、そのころから、不良債権を抱えたままで、脆弱な体質のままで、そしてまたオーバーバンキングの中で、どうも日本の銀行が不安定だ、第二、第三の長銀、日債銀が出ないとも限らないという懸念のもとで過ごしてまいったわけですが、その中で金融再生委員会が、いろいろな批判を浴びながら、大変精力的に作業を続けてこられたということに敬意を表したいと存じます。

 ただ、全く問題がないかというと、私の目から見ますと、どうも画竜点睛を欠くとでもいいましょうか、国民が知りたい、知らなければならないことについて少々まだ情報が明らかになっていない。あるいは、巷間聞こえてくる雑誌等の報道によりましても、これはまずいんじゃないかというふうなこともあるのではないかという懸念もございます。

 そこで、柳沢委員長、この間、行政庁としては、ある種、いわゆる国家行政組織法第三条、三条委員会の組織を行政機関として持ってくるということで懸念する声もあったわけでありますが、この日債銀の特別公的管理の進め方、数日以内に株価算定委員会も開かれるようでありますけれども、その作業、あるいは今回の資本注入についての作業、これについて、合議制機関である金融再生委員会、どういうプラスとマイナスがあったのか、その点をまずお聞かせいただきたいと思います。

○柳沢国務大臣 私、少しばかり独任制の閣僚をやらせていただいた後に、横滑りしまして三条委員会の委員長としての閣僚を務めるというようなことを今させていただいておるわけでございます。

 私は、三条委員会の委員長になるに当たりまして、自分自身の個人的な思いでありますけれども、本当にこれはお互いが専門知識を出し合って、緊張の中にもお互いに存分のことを言い合うような、そういう雰囲気の委員会にしようというふうに心がけました。

 正直申しまして、私がそういう態度をとらせていただくのが一番いいというように考えまして、委員長たるものが最初に発言するとか、あるいはまだ段階が早いうちに自分の個人的な意見を発言するというようなことはしないのが常かと思うんですが、あえて私は意識してそういうことをさせていただいて、皆さんの意見を引き出すというようなことに努めさせていただいたりいたしました。

 私の努力は、成果としてそれが大きな貢献になったとは毛頭言うつもりはございませんけれども、今現在の我々再生委員会の仕事におけるチームワークというのは、率直に言ってどなたに聞いていただいても恥ずかしくないような状況にあるというふうに私は考えております。

 しからば、そうした行政委員会による仕事が今我々が担当している仕事とどのような関係を持つか、特にどのように有効に機能しているか、あるいは欠点を持つかというお尋ねかと思うわけでございますけれども、少なくとも再生法の世界の運営については、かなりの程度司法的な側面を持った仕事であるというふうに私は思いまして、この点については非常にいい仕組みではないか、このように思っております。

 他方、健全化法の方についてあえて申し上げますと、私は先ほど来口にさせていただきまして、これは担当閣僚としてはちょっと言い過ぎかもしれませんけれども、今回法律が期待したような再編ということがどうも十分にいかなかった。これはどうも、行政にクリエーティブな面が求められる側面だということを言うことを許していただくならば、まさにその点ではちょっと行政委員会というのはそぐわないかなという感じがしております。

 全くの印象でございますけれども、お聞き取りいただきましてありがとうございました。

 

○仙谷委員 私も高く評価をしておる者の一人でありますが、ただ、三月十八日、昨日の毎日新聞、そして夕刊で日経新聞が後を追った記事でこういう記事がございます。「長銀、日債銀向け劣後ローン 税金で穴埋め 生保の七千四百五十億円、全額保護」という記事でございます。

 私どもは、例の部分について、つまり九七年の大蔵省銀行局の奉加帳による劣後ローンの優先株への移しかえ、そこから推測すると、日債銀が生保等についてこの程度あるだろう、これは大体わかるわけでありますが、長期信用銀行が生保各社に劣後ローンを借りておったということは全然わかっていないわけでありますが、こういう記事が載っておるわけですね。

 これは再生委員会あるいは監督庁、どちらでもいいわけですが、長銀、日債銀のいわゆる金融機関、生保、銀行等々から受け入れている劣後ローン、劣後債というのは存在するのかどうなのか、どのくらい存在するのか、あるいはこの一覧表をお出しいただけるかどうか、まずお答えをいただきたいと思います。

○森(昭)政府委員 お答え申し上げます。

 確かに、特別公的管理下に入りました長銀、日債銀の負債の中にそういう劣後ローン等があることはそのとおりでございますけれども、個々具体的な数字につきましては発言を控えさせていただきたいと思います。

○仙谷委員 日債銀は、例の永久劣後ローンの振りかえが九百七十億でありましたから、これが半分だと言われておりますから、全部で現在九百七十億の劣後ローンが残っておる。あるいは、優先株の第三者割り当て増資については、四分の一を優先株に振りかえたということが言われておりまして、劣後ローン振りかえ分が四百三十六億ですから、その三倍、一千三百九億、これが劣後ローンとしていわゆる日本生命以下、住友、大東京火災海上保険までそういうふうになっていることはわかるのですね。長期信用銀行はわからない。

 なぜこういうものを開示することができないのですか。つまり、資本項目なのか負債項目なのかわかりませんけれども、こんなものはバランスシート上、注書きでもすべきような事柄だと私は思うのですよ。ましてや、今まで自己資本比率計算上、この劣後ローンあるいは劣後債を含んで計算してきたのに、それを明らかにできない。ましてや、今特別公的管理に入っている銀行について明らかにできない。そんなことはあり得てはならないと私は思うのですよ。いかがですか。

○森(昭)政府委員 お答え申し上げます。

 先ほどお答えを控えさせていただきたいと申しました私の趣旨は、劣後ローンなり劣後債を、要するに借り手と貸し手があるわけでございますけれども、貸し手の側のいわば取引額がわかってしまうということについての影響を考慮して控えさせていただきたいということでございます。

 ただ、これが有価証券報告書等にもし載って公表されているものでございましたら、当然公表すべきものでございますので、その点をチェックいたしまして、後刻お答えさせていただきたいと思います。

○仙谷委員 御存じだと思いますが、金融再生法の五条という項目があるのですね。「政府は、おおむね六月に一回、又はその求めがあったときは直ちに、」「その求め」というのは国会という意味ですが、「破綻した金融機関の処理のために講じた措置の内容その他金融機関の破綻の処理の状況を国会に報告しなければならない。」、これはちゃんと法律になっているのですよ。六カ月に一回はやらなきゃいかぬ、あるいは国会が求めたときは直ちにその破綻処理の状況を国会に報告しなければならないと書いてあるのですよ。

 ところが、今の事務局長のようなお話だと、何にもわからないという話になるじゃありませんか。これは、今すぐとは言いませんけれども、直ちにとまで言いませんけれども、速やかにこれについては明らかにしていただきたい。

 そこで、柳沢委員長に聞くわけですが、再生委員会の方針で、劣後ローンを要するに特別公的管理に入った日債銀なり長銀が支払うということがこれだけ堂々と新聞に書かれておるということでありますが、こういうことが方針として決定をされたりあるいは検討されたりしておるのですか。いかがでしょう。

○森(昭)政府委員 お答え申し上げます。

 方針として決定したとかあるいは審議したということはございません。と申しますのは、劣後ローン契約における劣後事由が破産宣告または会社更生手続の開始決定がなされた場合となっておりまして、特別公的管理がこの劣後事由に該当しないと考えられることから、法的にこれらのローンについては、いわば劣後しないローンということで公的管理銀行の負債として認識されている、こういうものでございますので、報道にあるような政策的な意図を持って金融再生委員会が決定するとかしないとかいう性格のものではないと考えております。

○仙谷委員 今事務局長がお答えになったけれども、委員長、今のようなむちゃくちゃな解釈を再生委員会はとっているのですか、法解釈として。つまり、契約条項の中には、会社更生法と破産宣告、その場合は劣後するけれどもそれ以外は劣後しないんだ、一般債務と同じだ。

 あなた、冗談じゃないですよ。金融商品としても経済的にも、劣後ローンの意味はハイリターンでハイリスクじゃないですか。だから劣後しているんじゃないですか。そんな商品を、つまり金利をそれまで稼いだ会社が、一たん銀行がつぶれたときに、破綻したときに、それをそのまま従来の高い金利を取り込んで、さらに債権元本満額取れるなんて、そんなことが経済的に許されると思いますか。法律解釈は、目的論的に解釈したら、あなたみたいな解釈は出てきませんよ。昔の大蔵省の適当な行政的解釈ですよ、今のようなのは。裁判所に持っていったら通用しませんよ、今みたいな解釈は。そうでしょう。破綻した銀行の整理の手続を進めるとして特別公的管理があるんじゃないですか。そんなことは審理の中で明らかじゃないですか。ましてや、長銀も日債銀も破綻認定をして特別公的管理に入れたんでしょうが。それ以外に何があるんですか。

 どうですか、柳沢委員長。委員会でそんなことを決めたんですか。事務局で勝手に決めるのは、それは勝手にやったっていいけれども、委員会でどうやって決めるかが問題ですよ。

○柳沢国務大臣 この問題は非常に悩ましい問題なんです。悩ましい問題というのは、今事務局長から答弁をしたような契約の条項が明記されておるということが一つあり、またさらに加えて、内閣総理大臣の談話を日長銀の破綻のときに出させていただきましたけれども、それには、公的管理に置くこととなるが、「この結果、長銀の預金、金融債、インターバンク取引、デリバティブ取引等の負債は全額保護され、」、こういうように談話を発表しておるというようなことが片方にございます。と同時に、今仙谷委員の指摘されるようなこともある。

 一体、特別公的管理ということと会社更生法の手続というようなこととの類似性というか、そういうものをどの程度と考えるべきかということが問題の焦点かと思うわけでございまして、一部には、契約があるから再生委員会の議に付するまでもないではないかという意見もあるし、また、やはり実態的な審理をするために再生委員会の議に付するべきだという意見もある。その議に付した結果は、まだこれは私がここで申し上げるには時期尚早ということになるわけですけれども、それやこれやいろいろ大変私自身は今悩んでおるところであるということでございます。

○仙谷委員 劣後ローンの性質は、ティア2に、自己資本に繰り込むことができる、出資金、株式と同様に扱えるものだ、こういう性格になっているわけですよ。何でそんなものが一般債務と同じように扱われるのですか。これこそ、もしこんなことを許したら国際的に笑いものになりますよ。モラルハザードきわまれりということになりますよ。つまり、倒産直前の会社に高い金利でどんどん貸し込んで、あとは国家が面倒見てくれるという話になるじゃないですか。これこそモラルハザードの極致ですよ。こんなことを許してはならない。

 今委員長は、いわゆる民事法的解釈についてお悩みのようなことをおっしゃった。これは完璧に民法的解釈ですよ。いいですか。破産宣告と会社更生手続の開始決定があったときと。では、会社整理の決定があったらどうするのですか、特別清算の決定があったらどうするのですか。そうでしょう。そういうのは全く同視されるべき、今の我々の言葉で言えば破綻という概念はもう一つ上の抽象概念なのですよ。全部入ってしまうのですよ、そんなものは。こんなものは抽象化の階段を上がれば全部入ってしまうじゃないですか、具体化の階段をおりれば一つ一つ言葉は違うけれども。それが法律というものですよ。例示の中に書いていないからなんて、そんな御都合主義的な行政解釈をやられて、公的資金の一部をどんどん七千五百億円も払われたらたまらないですよ。これだけは許せない。

 そこで、これについては、もし生保の方が請求されるのであれば、ちゃんと訴訟を受けて立って訴訟で決着をつけてください。そのことを強く要求しておきます。どうですか。

○柳沢国務大臣 ただいま仙谷委員の御議論も十分念頭に置いて、私どもしばらく時間をかりて検討いたしたい、このように思います。

○仙谷委員 次の問題なんです。

 きょう資料をお配りしてございますでしょうか。

 金融再生委員会あるいは監督庁も大変厳しい資産査定、検査監督、査定をされておるということは仄聞しておりまして、銀行業界の方から怨嗟の声にも近い声が私のところにも聞こえてきましたものですから、ある意味では頼もしく期待をしておりました。

 これは、私の考え方が絶対的に正しいという前提で申し上げるのではないのですが、先般、金融再生委員会の資本注入に当たっての考え方といいますか、決定をお述べになった部分と参考資料集というのをお配りいただいております。その資料の六のところに、「自己資本の状況(公的資金申請額算入、十一/三月末見込み)」というのがございます。ちゃんと自己資本比率まで出ております。

 これを素人なりに公的資金を除いて計算をしてみたらどうなるのだろうか。つまり、厳しい資産査定をし、引き当てをした結果、その時点でのここに書かれておる十五行の自己資本比率を計算してみるとどうなるのだろうか、こう思ったわけですね。やってみました。私どもの計算では、八%を切る銀行は二つある。第一勧業銀行と富士銀行。

 この計算は間違っておりますでしょうか、正しいでしょうか。まずお答えください。

○森(昭)政府委員 お答え申し上げます。

 実は、我々、こういう数字の計算はしておりませんでした。ただ、ただいま仙谷先生からお配りいただいた資料を見ますと、確かにティア1、ティア2、公的資本前という状況、つまり、ティア1にも公的資本がないということでございますと、ティア2について、劣後債とか劣後ローン等、入るべき金額に制限が出てきますので、そういう関係から自己資本比率は変わってくるということで、この数字自体、正確なものではないかと思います。

 ただ、私最初にこういうものは計算しておりませんでしたと申しましたのは、我々、先ほど大臣が御答弁されたとおり、健全性の認定というのは直前期、直近の決算期、すなわち昨年九月の中間決算期の自己資本比率を採用いたしましたもので、それは各行とも八%を超えたものであったわけです。

 それでは、八%超えたものが、たとえ二行とはいえなぜ八%を切ったかと申しますと、昨年九月の中間決算期における自己資本比率というのは現行会計基準でやっております。それに対して、その後、我々は資本注入をするに際して現行会計基準とはかけ離れた定量的な引き当ての目安というものを定めまして、各行にその条件を満たしてもらうようにいたしました。そうなりますと、当然、不良債権処理の要処理額は大きく上回ることになるわけでございまして、それによって自己資本勘定の中の内部留保が当然流出する、そういう結果から自己資本比率が低下したものだと思います。

○仙谷委員 それではあれですか、これは間違っていましたからやり直しますという話にならないですか。

 つまり、森さんが責任を持ってお答えになるのだったらあえて言うけれども、あなたはこの金融健全化法の三条の二項というのをちゃんと読んでいますか。

 国会審議の中で、私どもは入らなかったけれども、私どもがより厳しいことを言っていたために、多分公明党さんだと思いますが、当時の平和・改革さんが要求して追加修正になっている項目と関係があるのですよ。覚えていませんか。「金融機関等は、金融再生委員会がこの法律に基づいて施策を講ずる前提として、次に掲げる措置を行うことにより財務内容等の健全性を確保するものとする。」「前提として」となっているじゃないですか。前提は何かというと、金融再生法第六条二項に規定する基準に従い適切な査定を行うこととなっているじゃないですか。前提が査定なんですよ。

 それで、あなたは何か得意げに言ったけれども、現行基準じゃなくて、九月に各金融機関がやったんじゃなくて、金融再生委員会が独自に決める基準に基づいて査定を行うというのは当たり前の話なんです。前提なんです。やってみたら八%切れていましたというのであれば、これは話が違ってくるんじゃないですか。

○森(昭)政府委員 ただいま先生がおっしゃいました三条二項、先生のおっしゃるとおりでございますけれども、ここで「金融再生委員会が定めるところにより、適切に資産の査定を行う」となっていますけれども、そこでの基準というのは現行会計基準でございまして、決して一五%、七〇%、一〇〇%という我々の定量的目安ではございません。

 したがって、直近期の九月のBIS基準による自己資本比率によって健全行かどうかを定めたわけでございますけれども、それはその定量的目安とは関係のない現行基準によっておりますので、それで八%以上であることを確認して我々は健全行だとしたわけでございまして、今回の先生のおっしゃる定量的目安に基づいて八を切ったところが二つあると言いましても、それはちょっと法律からすると、だから健全行ではないということにはならないと思うのでございます。

○仙谷委員 森さん、それは、あなたは法律をつくっているときに国会にいなかったからよくわかっていない。いいですか。

 では、金融再生法六条二項に規定する基準に従いというのはどう読むのですか。金融再生法六条二項に返るのですよ、資産査定は。今度は再生法ですよ。「前項の「資産の査定」とは、金融再生委員会規則で定める基準に従い、」、何でこれが現行基準になるのですか。九月決算で各銀行が行った基準に何でなるのですか、こんなことが。「再生委員会規則で定める基準に従い、」と書いてあるじゃないですか。何でこんなことになるのですか。

○森(昭)政府委員 御説明がわかりにくくて誤解をお与えしたかと思うのでございますけれども、三条二項あるいは六条で言っている査定の基準というものは、現行会計基準、すなわち公認会計士協会の実務指針というのを我々は変えておりません。それと、不良債権の要引き当て額を算定する際の目安、これは目安でございます、会計基準ではございません、目安としての引き当て率というものは我々は違うものだというふうに理解してやっております。

○仙谷委員 そんなダブルスタンダードみたいな話はだめですよ。佐々波委員会であれだけの失敗をしたから、今度の資本注入をするときには再生委員会規則で定める基準、ちゃんと資産査定について定めましょうということを決めたんじゃないですか。そんなことを無視して言うようだと、これは審議できないですよ。とめますよ、これは。

○柳沢国務大臣 仙谷先生の御指摘は、非常に私どもの苦心いたしたところをずばり質問の形でそこに焦点を合わせたお言葉だというふうに存じます。

 金融機能の早期健全化のための法律第三条第二項に基づき資産の査定等を行うための基本的な指針を定める件ということで、当時この仕事の代行をいたしておりました内閣総理大臣が告示をいたしておるわけでございますけれども、その告示は実は公認会計士協会の実務指針そのままでございます。ただし、私は、この引き当てのところはこのままでは自分は満足できないということで、その告示の第二条のただし書きのところに、別途引き当てを定める場合にはこの方法によるのだということを書かせていただいたわけでございます。

 しかし、実際に私どもが償却、引き当てを行うに当たっては、私と事務当局の間でも相当議論がございまして、そして、結局この告示のただし書きを具現化したものとしてではなく、別途に「資本増強に当たっての償却・引当についての考え方」というものを金融再生委員会名で決めさせていただいて、そして資本注入に当たっての事実上の準拠すべき規範と言っていいかと思うのですが、それも、しかも目安というような言葉も使っておるわけですけれども、そういうものとして定めた。だから、いわばデファクトスタンダードというか、そういう形式にとどまって事務を推進させていただいた、こういうことであります。

 したがって、この引き当て基準そのものは何なのか、どこに書いてあるのだといえば、ただいま私が申し上げたような告示そのもの、それは公認会計士協会の実務指針というものから出ていないということで、しかし、実際私どもが資本注入に当たって準拠したのは、先ほど来の私の答弁でも申し上げているようなデファクトスタンダードとしての別途に定めた高い基準、国際基準に合致するような基準、法律形式的に言うとそういうことになっておるということであります。

○仙谷委員 柳沢委員長、二重の意味でそれはまずいですよ。

 あなたがおっしゃるのだと、法律に基づかない行政、裁量行政を法律よりもより厳しいことをあなたは要求したということになりますよ。結果として正しかったというだけの話になるじゃないですか。それは、もしそうだったら、金融業界、銀行業界は怒りますよ。私はそう思いますよ。

 それで、もう一つは、法律に全然基づいていないことをやったということについて、金融早期健全化法違反になるじゃないですか。まだ、できてほやほやの法律ですよ。そんな苦しい言い逃れをしない方がいい。苦しい言い逃れをしないで、むしろ、金融再生委員会が定立した基準に基づいてやったけれども、それは、ちゃんとここで金融健全化法の三条二項を受けたり金融再生法六条二項に基づいてつくった基準に基づいてやったと。そして、前提として、資産査定、引き当てをやってみると七%、七・三%、そういう銀行があった。それは本来ならば過少資本行に区別すべきであったけれども、現在できていない、もう一遍健全化計画をやらせる、こういう話にならないとおかしいじゃないですか。

 これは過少資本行ですよ、七%であれば。法律に基づくとそうでしょう。いかがですか。

○柳沢国務大臣 この点は、私の見解をあえて法律論として言えといえば、先ほど言ったとおりであります。

 ただ、この件については、当然、監督庁の検査部も関係しておるところでございますので、監督庁長官はいらっしゃいますけれども、きょうは検査部を帯同しているというわけでもありませんので、ちょっとそれとの打ち合わせをしないと。その位置づけについて、もしこれ以上の答弁を申し上げるということになりますと、打ち合わせが必要だということでございます。

○仙谷委員 時間がございませんので、これはまた時間をとっていただくように、理事の皆さん方にお願いをいたしておきます。そういうことでいいですか。

○村井委員長 ちょっと速記をとめて。

    〔速記中止〕

○村井委員長 速記を起こして。

 仙谷委員、質問をお続けください。

○仙谷委員 一点だけ、先ほど岩國さんの方から転換価格の問題が出ました。私も、健全化計画の中の転換条件、転換価格を拝見してみたのですが、先ほど、岩國さんの表の中で下限が書かれておりました。それで、上限のところを幾ら読んでも、頭が悪いのか、わからない。

 これをぜひお示しいただきたいということと、この転換価格の下限の話は、実は、ほとんど時価とスライドさせてあるわけですよ、計算上。きょう私が出しました「資本注入を受ける大手銀行の株式時価総額と資本増強申請額」の一覧表をごらんいただければわかるのでありますが、各銀行の時価総額をカウントしますと、時価総額よりも公的資金の資本注入額が多いところが大分あるのですね。

 ということは、本当ならば、TOBをかけて株式を全部買い取ってやれば、国有化されてみんなが身軽になっていたという話でございまして、転換条件いかんによっては、またまた長銀や日債銀のように株式が紙くずになることもある。あるいは、反対に言えば、ある時期だけ既存株主がもうけることがある、売り逃げできた人はもうけることがある、こういうことになるわけであります。

 したがいまして、転換条件あるいは時価総額というふうなことを留意しながら資本注入をやっていただきたい、こう思います。つまり、減資の問題というのが出てきておるのじゃないかということも重ねて留意をしていただきたいと思います。

 終わります。