1999年02月25日 予算委員会

○中山委員長 これにて中井君の質疑は終了いたしました。

 次に、仙谷由人君。

○仙谷委員 ちょっと資料を、参考人それから理事の皆さん方にもお配りをさせていただきたいと存じます。

○中山委員長 はい。

○仙谷委員 まず、山口参考人、この「提出先リスト」というのがあると思いますが、ごらんください。行っていませんか。

 わかりますね。このリストが、いわゆる九七年の四月から始まった奉加帳増資のお願いをした相手方のリストですね。

 新金融安定化基金というのは、これは日本銀行ということになろうかと思いますが、計算しましたら、日本銀行を除きまして三十四金融機関が記載をされておるようであります。日本銀行を含めますと三十五でありますが、この三十五のうち、先ほどのこの場での御発言でも出ました確認書、応接録その他、表題はともかくとして、何らかの文書を交付してある金融機関はどことどことどことどこですか、お答えください。

○山口参考人 このうち、相手方から要求のあったものでございますので、全部ではもちろんありません。私は、どれとどれかはよく覚えておりません。全部ではありません。このうちの数社だと思います。

○仙谷委員 新聞を改めて読み返してみますと、日本生命さんはとりわけ厳しい反応を示しておったようですね。その他金融機関にも、まあ裏に回ると、ぶつぶつ言うといいますか、大変渋りが強かった。

 それは、元局長も御存じのように、四月一日にクラウン・リーシングほか三社の関連ノンバンクを一挙に破産申請した。他の金融機関から見ると、母体行責任を問うてくれると思っていたのに、比例方式であれよあれよという間に大変なものをかぶることになったのに、何とかに追い銭のようにこんな申請が来た、要請が来たということで、気持ちがよかろうはずがないわけですね。

 それで、先ほどおっしゃったようないわゆる確認書等をお出しにならざるを得なくなったんだろうと思うんですが、これ、大蔵省の方で名前を書いた、さっき担当官とおっしゃいましたけれども、局長はまず、あなたの名前で出された確認書的なもの、応接録でも何でもいいんですが、あるんですか。それとも、審議官、銀行局総務課長、この方々の肩書つきの名前で出されたものはあるんですか、ないんですか。

○山口参考人 私の記憶でございますので、私自身の名前のものはございません。

 それで、今おっしゃったような名前の人の場合は、応接に当たった人が出しておりますので、そういった人もあるかもしれません。今はっきりと、だれがどう出したかというのは、私はよく覚えておりません。

○仙谷委員 金融監督庁に移行するまでの大蔵省銀行局には、当然のことながら写しは残っておりましたでしょうね。現在も金融監督庁に残っておるはずでございますが、先ほどおっしゃられたような中身の書面ですと、大蔵省が何らかの保証をしたものでもない、あるいは約束をしたものでもないということのようですが、その種のものであれば、それほど秘密性が高いとか外に出してはまずいとかいうものではないんじゃないでしょうか。いかがですか。

○山口参考人 私は既に退官しておりますので、その点につきましては、ちょっと御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。

 

○仙谷委員 いよいよ各金融機関に対して株主代表訴訟が起こってくるようでございますので、大蔵省がどういう立場でどのようなことをお書きになったのか、極めて重要な問題でございますので、当委員会に、この題名がそれほどはっきりいたしませんけれども、複数あるようでございますので、すべて提出方、提出をされるように取り計らっていただきたいと存じます。

○中山委員長 理事会で検討いたします。

○仙谷委員 ところで、先ほど、日債銀の九七年三月末段階での第三分類債権の自己査定額については、山口銀行局長は幾らだという認識だったんですか。

○山口参考人 九七年三月は、たしか四千六百幾らだったと思います。

○仙谷委員 では東郷さん、いかがですか、今の点。

○東郷参考人 私もそう記憶しております。

○仙谷委員 日野監督庁長官が当委員会で五千五百億という発言というか答弁をされておるのであえて聞いたんですが、そうしますと、九七年三月末は四千七百億、こういうことですね。そして、四月十六日基準点とする大蔵検査では一兆一千二百億、こういう差が出てきたわけですね。

 これは先ほどから、七千億と一兆一千二百億の差じゃないんですよ。四千七百億と一兆一千二百億の差が自己査定と大蔵検査の差なんですよ、これ。そうですね、銀行局長。

○山口参考人 四千六、七百と申し上げましたけれども、それに五千五百という数字もおっしゃいましたが、その違いは、私の記憶では、整理しましたノンバンク三社のいわゆる残債部分の数字だと思います。したがって、当時から認識として、五千五百という数字も間違いではないと思います。それを入れると、四千七百にそれが乗りまして五千五百ということ。だから五千五百が一兆一千になった、こういうことだろうというふうに思っております。

○仙谷委員 いや、ちゃんとお答えいただきたいんですが、一兆一千二百億と四千七百億の差六千五百億が、いわゆる自己査定の第三分類と、それと大蔵省検査による第三分類の額の差になるわけですね。それでいいわけですね。

 その中身は、いいですか、六千五百億の中身は、ほぼノンバンク三社プラス、ペーパーカンパニー、関連会社の分だというふうにお伺いしていいんでしょうか。

○山口参考人 もちろん、先生が言われたものと、それからいわゆる七千とかいう数字が途中でありましたですね。その差は、若干査定をして、それはやはり三分類ではないかという部分もあると思います。

○仙谷委員 七千の話はまた後から聞きますから。

 いいですか。この差額六千五百億というのは、四千七百億と一兆一千二百億の差額六千五百億ですよ、これは大宗といいますか、ほとんどこの関連会社に対する日債銀の貸付金というふうにお伺いしていいですかということを聞いているんです。

 つまり、大蔵省と日債銀で、ある種の見解の相違がある、こういうふうにされたのが六千五百億だというふうに聞いていいですかと言っている。

○山口参考人 お答え申し上げます。

 先生、大宗とおっしゃいましたので、大宗からいうと大体そんな御理解で結構だと思います。

○仙谷委員 そうしますと、七千億というのはどこから出てきたんですか。つまり、日野さんに言わせると勝手に日債銀がつくり上げた数字だみたいなことを言うし、いや、査定の中間結果によると七千ぐらいだということを日債銀が大蔵省から聞かされて、それをわざわざ日本銀行にまで伝えに行ったというこの委員会での答弁まであるわけですよ。

 七千というのはどこから出てきたか。つまり、私が聞きたいのは、大蔵省がある種のオーソライズをした数字ではないんですかと聞いているんです。

○山口参考人 私、大宗ではおおむねそのとおりですと申し上げましたが、大宗でない部分というのがその五千五百と七千の違いだと私は認識しております。千五百、違いますですね。それは、そのほか個別にラインシート等を見ますと、そこにはやはり三分類に分類すべきだろうというものが検査として見るとあった、こういう御理解だと。

 それで、七千というのは一体何だとおっしゃった。それは、途中の五月の段階で銀行が検査を受けていますので、そこで自分の数字を積み上げて大体今これぐらいの感じですということでもらった数字でございます。

○仙谷委員 そうすると、四千七百と五千五百の差はノンバンクの分だ、まずそうおっしゃいましたね、先ほど。そうすると、今度は五千五百と七千億の差は、これは関連会社以外の一般の事業会社等々に対する貸付金で、不良債権化しているというか回収懸念が生まれたものだ、こういうことですね、今のお話だと。そして、残りの四千億が関連会社に対するものだ、こういう理解でいいんですね。

○山口参考人 お答え申し上げます。

 私は検査に当たっておる者ではございませんので、正確性で申するとよくわかりませんということを言わざるを得ませんが、私の今の理解は大体おおむねそういうことでございます。

○仙谷委員 そうしますと、元銀行局長、この関連会社に対する貸付金がどのぐらい劣化しているかということが、つまり回収可能性がどのぐらいあるかということが、大蔵省と日債銀の見解の相違の原因といいますか、根拠、基盤の部分にもなっているし、一番の関心事であるはずですよね、大蔵検査部にとっても。あるいは、大蔵省銀行局が他の銀行に投資をしてくれとか優先株を引き受けてくれとかということをお勧めするにしても一番の関心事であるはずですよね。当然、このことについて、検査部を督励して関連会社等々のこの債権がどの程度劣化しているか調べたと思いますが、その結果、どうでございましたですか。

○山口参考人 私の理解するところでは、債権の分類としては、やはり二分類ではなくて三として分類するのが適当ではないかという分類をしているわけでございます。どれくらい劣化しているかということは、それは財務内容にかかわってきますね。それは、それに基づいて引き当てとか償却をどれくらいするかにかかるわけです。したがって、先ほどから繰り返して申し上げて恐縮でございますが、二とか三とか四とかいう分類と、実際それをどういうふうに引き当て、償却をして財務内容に反映させるかというのは別なんでございます。

 そういうことを見ますと、どれくらい劣化しているかということは、むしろ監査法人と銀行が一本一本見て、必要な額をその必要なときに引き当てるというものだというふうに考えるわけでございます。

○仙谷委員 ちょっと後で今の点について反論してお伺いしますが、その前に、これ、第四分類がそもそも公表自己査定額では幾らで、そして、大蔵省検査の結果によると五百八十九億になっておるのですが、なぜ第四分類がこんなに積み上がったんでしょうか。どうですか、前銀行局長。

○山口参考人 その辺については、私は検査をやった本人ではありませんので、ちょっとよくわかりません。

○仙谷委員 では、日債銀どうですか。

○東郷参考人 私の記憶では、その差額は、系列ノンバンクにつきまして、系列ノンバンクの未処理債権額がそこでも出てまいりました。それで、その部分については、系列ノンバンクは、既にその年の十二月の三日に第一回債権者集会が開かれることが決まっておりまして、そこで損害額の決定を待って処理すればいいという判断で、私ども、第四分類は五百八十数億という指摘はいただきましたけれども、そのうち、たしか九月末の決算で処理したのは八十九億、残りの部分は、十二月三日の第一回債権者集会で、系列ノンバンクの回収割合といいますか、どの程度戻ってくるか、それを見きわめた上で処理する、そういうことだったと思います。

○仙谷委員 それを、では、日債銀が処理する前に、大蔵検査では、九月十一日の段階で、これは第四分類債権とすべきだ、こういうことになったわけですね。それでいいんですね。

○東郷参考人 あのときの、ちょっと繰り返しになりますけれども、平成九年の再建策直後の大蔵検査というのは、私どもが系列ノンバンクについて自己破産という形にした上で、つまり、系列ノンバンクの部分については三月末で処理を終わっているという前提でスタートをいたしました。したがって、その年の三月末決算で実は私ども四千六百億という大量不良債権を処理しましたが、その中で系列ノンバンク分は処理をしたつもりでありました。

 ただ、その後、大蔵検査を受けまして、未処理の部分が多少残りました。その部分の一つが第三分類の四千七百と五千五百の間の八百億であるし、もう一つは第四分類の八十九億と五百八十数億の差であったと思います。

○仙谷委員 一部ではないですよ、それだけの巨額のものだと。それは、そんなものを一部でなんということを言えない額だと私は思いますよ。今のは八百億と五百億でしょう、両方で一千三百億じゃないですか。何を言っているんですか。いいですよ。

 さっきの山口前局長のお話に返るわけですが、関連会社、ペーパーカンパニーについて、いいですか、ちょっときょう資料を用意してきたので見てください、これを。「日債銀関連会社・ペーパーカンパニー六十社」と書いてあります。

 まず、三枚目から見てください。これは、日債銀の前にあるビルとか、ちょっと歩いたら届くような距離にあるビルに、一カ所にこんなに固まっているんですよ、関連会社というのは。六十数社、固まっているじゃないですか。郵便受けに何かワープロで打ったような紙を張りつけてあるような会社ばかりじゃないですか。

 それで、これの二枚目、見てください。私どもで調べて、調べがついた会社だけで二十四社、いいですか、これの借入金合計が一兆五千億。先般の予算委員会でも使いましたけれども、この表ですよ。一兆五千億じゃないですか。負債総額を見てください。この二十四社だけで一兆七千億じゃないですか。資本の欄を見てごらんなさいよ。マイナスの三千三百四十二億円じゃないですか。

 つまり、一兆五千億、ほぼ日債銀が貸し込んだと思われる金額の相手方は、ほとんど資本金がなくて、雪だるまの負債の会社でしょう、これは。関連会社相手。その他の、三十数社か四十社か知りませんけれども、その会社に対する日債銀の貸し金は我々はわかりません。どうなっているのかわかりません。

 しかしながら、これだけのペーパーカンパニーとおぼしき会社、つまり、所在の場所、役員の名前、全部日債銀関連の従業員が取締役とか代表取締になっている会社ですよ。そういうところへこんな巨額のものが貸されておって、それを大蔵検査の結果、日債銀と見解の相違があるとおっしゃっても、四千億という金額が、このときの、九七年三月の日債銀の資本金は、日債銀だって約一千億って書いてあるじゃないですか。

 資本勘定が一千億しかない会社が四千億、分類について差があって、その分類債権の、二分類か三分類かのその債権の区分される境目が、こんなあなた、関連会社とかペーパーカンパニーとかというところに貸されたものだったら、真剣にこの債権がどういう債権であって、どのぐらい回収できるのかということを、監査法人や公認会計士任せにするというんだったら、大蔵検査って何ですか。あるいは、大蔵省銀行局がお世話をして奉加帳を回す、二千九百億円の増資をしようとする、その行為は何ですか。

 何で四千億のその中身を検討しなかったんですか。あるいは、検討したけれども、そういうことを出すと二千九百億の増資がふいになるからできなかった、だから表に出さなかった、こうおっしゃるんですか。どっちですか。

○山口参考人 これらの会社は、いわゆる事業化をするための会社だというふうに聞いておりますが、いずれにしても、その四千億という、確かに差がありますが、これについてもあくまで、当時のルールを申し上げます、当時のルールを申し上げますと、これは銀行が公認会計士と相談して適切な引き当て、償却をするという性格のものであります。

 したがって、検査は何をやっていたんだかというおしかりを受けますけれども、今の検査はそこまで見れるようになりました。これは、昨年の金融の二法ができた以降、そういう検査をしております。

 しかし、当時は、資産査定は何のためにやるかといいますと、銀行が抱えている貸付金等の信用リスクというのをきっちり管理をする必要があるからなんです。そのために、きちっとそういった内部管理をしなさいというためにあるわけです。その結果出てくるものが、一対一関係で、これは全部引き当てなさい、これは半分しなさい、これは三分の一しなさいというものではありません。そのときのルールは、それは外部の専門家であります公認会計士が企業会計原則にのっとって、必要額を一本一本よく見て、それで引き当てるというものであります。それが不当かどうかという御議論は、先生おっしゃいましたけれども、それはこの検査の話とは別でございまして、検査はそこまでしか、当時はですね、指摘はしないわけであります。

 したがって、そういったものをどれくらい引き当てるかという問題は、それを見て、結局企業会計の立場から判断をされたというものでございます。

○仙谷委員 大蔵省の銀行局の指導にしても、あるいは検査にしてもですよ、当時は大臣官房金融検査部に業務は移っていたかもわかりませんけれども、これは銀行の経営の、あるいは資産内容の健全性を担保するためにやっているんじゃないのですか。自己資本勘定が一千億しかない会社が、さっきも言いましたけれども、四千億、争いのある債権があるというのは異常ですよね。それで、それは関連会社だと。ここまで理解したときに、それを調べないで、日銀に八百億出せとか、ほかの銀行に、あるいは生保会社にこういう支援をしろなんということは、とんでもない話だと私は思うのですね。

 さらに聞きましょう。

 先ほど、これ、支援を継続する限りにおいては第二分類でいいんだとか、引き当てが進まなくてもいいんだみたいな話が出ましたよね。このときの、これ、支援を継続するとはどういうことですか。つまり、先ほどから申し上げているような日債銀関連会社、真っ赤っかの会社、債務超過も甚だしい会社、こういうところに支援を継続するということは、追い貸しをどんどんどんどんしていくということじゃないのですか。それ以外に考えられないじゃないですか、どうですか。

○山口参考人 お答え申し上げます。

 支援を継続する限りその銀行の意図に反して破産するものでないということだけでありまして、引き当てをしなくていいとか二分類でいいとかいうことを言っているわけではありません。あくまで、検査では三分類という分類であります。しかし、性格として、先ほど七千億との違いがあって、そういった性格のものですということを言っておるわけでございます。そこはひとつ御理解をいただきたいと思います。

 

○仙谷委員 大変上手に答弁されるのだけれども、我々からいえば、追い貸しをし、背任行為を慫慂するか黙認をし、いいですか、粉飾決算を認めということになるじゃないですか。

 つまり、山口さんだったらもうおわかりになると思うけれども、正規の企業会計をこの種の関連会社を見ながらするとすれば、ことしの四月から始まる連結決算だったら、これは全部銀行の債務として計上しなきゃいけないじゃないですか、こんなものは。追い貸しをすれば、追い貸しをした分で金利が返ってきておれば第二分類にできるなんというインチキなことを、こんなことがいつまでも続かないということははっきりしているじゃないですか。

 一年間は続くかもわからない。あるいは、大体見ておりますと、設立が九二年とか九一年ですよ。どんどんどんどん昨年の暮れまで続けたわけですよ、日債銀は。それで、これは、我が社が支援を継続する限り倒産しないんだと言い続けたわけですよ。タコの足食っとるようなものじゃないですか。どんどんどんどん債務だけ膨れるだけ、債権が膨れるけれども、回収不能部分が膨れるだけじゃないですか。そういうことをやってきたんじゃないですか。そんなことを見逃した、ほとんど手をつけないで、それは公認会計士の仕事だ、そんなことが私は許されると思わないんですよ。

 それで、そのことが、いいですか、九八年三月十日の申請時に、九七年、平成九年の九月の段階での検査結果はこうでしたということを、これは当時の大蔵大臣にお伝えにならなかったんですか。そして、関連会社にこれぐらい債権がありまして、関連会社の状態はこういうものですということは、ちゃんと進言をしたんでしょうか、しなかったんでしょうか。いかがですか。

○山口参考人 お答え申し上げます。

 大臣には、結局、審査委員会で一番大事なポイント、つまり債務超過になっているかどうか、財務状況はどうか、再建計画が順調にいっているかどうかということをポイントに上げたわけでございます。したがって、そういった細かい数字等は上げておりませんけれども、しかし、そのときに、私どもがラインシートまで調べたときにわかりました関連会社の支援姿勢というのが一体本当に続けられるのかどうかというようなことまできちっと聞いてくださいと。そうしないと、今先生の御指摘のとおり、それは支援しなくなったらそれで終わりになりますから、そういうことを十分に審査していただいたということでございます。

○仙谷委員 だから、ますますおかしくなるんですよ。関連会社に対する支援というのが、先ほどから示しておる関連会社、ペーパーカンパニー一覧表に書かれておる会社に対する支援を継続する限りはこれを不良債権化しないという論理は、これを支援しなさいということになるじゃないですか。こんなもの、支援してどうなるんですか。早晩つぶれるのはわかっているじゃないですか、こんな会社は。そうでしょう。

 それを、支援することを前提にして債務超過じゃないという認定をするというのは、私は、今度は危機管理審査委員会の方では、いいですか、国民の税金を使うことになる危機管理審査委員会では、甚だ遺憾なことであると思いますね、そこでそういうことを言ったとすれば。

 「日債銀の九七年三月決算は本当はこうだった」という四枚つづりがございます。ちょっと見てください。

 九七年三月決算を、先ほどの四千七百億と、それから三分類が大蔵省検査だと一兆一千二百億だと、一枚目の下の方を見ていただくと、これはもう完全な債務超過です、ここは。引き当て率二〇%にしても債務超過です。

 それから、二枚目を見てください。私どもの計算ですと、これは五千五百億というふうに計算をしても、一兆一千二百億、それから四分類五百八十九億だと、これも債務超過です。引き当て率二〇%。

 つまり、この種の関連会社の分について、二〇%も引き当てないからこういうことになるんですよ。二〇%引き当てだけで債務超過になっているじゃないですか。

 それで、なぜこのことが、むしろこれらの関連会社の支援を日債銀が約束すればいいんだという逆の論理になってきたのか、わからないんですね。いかがですか。

○山口参考人 お答え申し上げます。

 支援をすればいいとかいうことを言っているわけではありません。同じ三分類でも性格の違うものが入っているということを指摘しているわけです。したがって、必要な引き当て、償却というのは、何度も繰り返して恐縮ですが、公認会計士の指導を仰いでやりなさいということであります。

 今先生がお示しいただきましたこの資料、見させていただきましたが、引き当て率を二〇、三〇、四〇とか置いてあります。これは、今の時点で考えれば、これはそういう見方ということがいろいろ議論されてもしかるべき。

 しかし、当時のルールを申し上げます。当時のルールは、これは一本一本公認会計士に相談して引き当て率を実態に合わせてやりなさいというルールでありますから、今の時点に振り返ってこれを当てはめてみて債務超過だったといっても、それは私はちょっと無理かろうと思います。

○仙谷委員 そこまで大蔵省の検査とかが頼りなかったということを自白されているようなものですからね。

 こんな引き当てで公認会計士の仕事が務まるんだったら、楽なものですよ。だれですか、この公認会計士は。あるいは監査法人、だれですか。

 こんな、先ほどから示しておるような関連会社、ペーパーカンパニーのようなところ、実態のない幽霊会社に貸したことになっているところ、こんなものが、いいですか、引き当てもしなくてもいい、あるいは日債銀本体の債務計上もしなくてもいい、こんなことが企業会計上まかり通る、そのことを公認会計士が許す、認めていくというのだったら、公認会計士なんか要らないですよ。

 東郷さん、なぜ、ペーパーカンパニーに対する、いわば争いのあったのは四千億でありますが、これが、引き当てがほとんどなくて当時は済んだのですか。どこの監査法人ですか、教えてください。

○東郷参考人 センチュリー監査法人であります。

○仙谷委員 松下前総裁にお伺いをしたいのですが、金融危機管理審査委員会で、実は、冷静に見ますと、専門家は松下さんお一人だったんですよね。ほかの方は、法律家であっても、分類債権とか、特に、自己資本比率がどうのこうのというときのティア1とかティア2とか、あるいはその計算の仕方だとか、そんなことを御存じの方はほとんどいなかったんだろうと思うのですよね。つまり、ちょっと充て職ぎみでございますね、この佐々波委員会というのは、佐々波さん以外は。専門家は前総裁だけ。そして、総裁のところは考査局というのもお持ちだ。そして、ある種、ほぼ一年前にお出しになられた八百億、全部で二千九百億がどうもまた足りなくなったのかな、こういうことを思われたのじゃないかと思いますね。

 それから、実は、日債銀は、佐々波委員会に対する資本注入の申請額は全部で二千九百億円ですよね。これは優先株は六百億円ですけれども、劣後ローンを二千三百億借りたいといって、結論的には、これを拒否されたというか、却下されていますね。それで、さらに優先株の配当率も三%という、社債でいえばジャンクボンドみたいな配当利回りをつけられて、ようやく六百億円の資本注入が許可された。

 私は、正直申し上げて、総裁も懸念を持っていたと思うのですよ、ここに対する注入については。二千九百億のうち六百億しか認めてないんですからね。

 それから、約一年前には、八百億をおたくの方から、優先株取得ということで持ち出しているわけだ。どうも、この種の関連会社がどうのこうのとかいう話は、あるいはノンバンクがどうのこうのというのは、もう日債銀の周辺あるいは経済雑誌でも相当有名になっている話です。そこで、より慎重に、大蔵省にあるいは大蔵省検査部に問い合わせをするとか、日本銀行の考査局ですか、日銀考査を改めてこの関連会社分だけでも特化してやってみるとか、佐々波委員会の委員の一員だったときにはお考えになりませんでしたか。

○松下参考人 御質問の中で、佐々波委員会での専門的知識の点につきましては、やはり、委員会の委員のメンバーは、私の記憶では大蔵大臣も入っておられまして、それは大蔵省の事務当局も、いろいろと資料の検討、方針の決定等については大臣にも御説明をいたしていたと思います。

 それは別といたしまして、私自身、日本銀行の当時の対応でございますけれども、日債銀の審査につきましては、日銀では、担当局であります信用機構局と考査局から、日債銀の申請内容と、それから同行から提出をされました経営の健全性の確保のための計画、これらの内容の適切性あるいは自己査定の結果の正確性といったものをチェックをいたしまして、そのチェックの結果と、それを含めましたチェックの過程での日債銀に対する具体的な指摘、指示といったようなものについての説明を聞き、また、あわせて、この日債銀の当時の不良債権の処理状況や収益力を含めました総合判断を聞いたわけでございます。

 私自身は、この当時の状況におきましてなお、日債銀の資産内容につきましては債務超過の状況でないという認識を持っておりまして、これを、前年の資本注入以後、日債銀としましては、非常に全行を挙げて厳しいリストラに取り組んで努力をしているという点は十分にうかがわれたところでございます。

 そのような背景の中で、私どもは、この経営再建策を今後も着実に実施をしてまいれば十分経営の再建が図れるというふうに判断をいたしまして、審査委員会におきましては、そういった認識によって意見を申し上げたところでございますけれども、同時に、この日債銀のいろいろのヒアリングをいたしますときには、経営再建計画の進捗状況ですとか有価証券の含み損を含めました不良債権の処理方針等につきましても委員会におきまして説明を求める必要がありましょうというようなことを申し上げまして、そういった説明を当時の頭取が委員に対していたされた、その結果の判定でございます。

 若干、いろいろの条件につきまして折り合わない点がございましたけれども、それはやはり、当時の各申請銀行のマーケットにおける反応というものをマーケットの方の専門家から私どもいろいろと聞きまして、それを参酌しまして、一律の資本注入ではなくて市場の判断を織り込んだ条件を提示をしたことによりまして、ただいま御指摘がございましたような、日債銀の要望がそのまま認められたということにならなかった次第でございます。

○仙谷委員 お答え、ちゃんといただけてませんけれども、時間が参りましたので交代いたします。

○中山委員長 この際、上田清司君から関連質疑の申し出があります。仙谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。上田清司君。