1999年02月16日 予算委員会

○中山委員長 これにて岡田君の質疑は終了いたしました。

 次に、仙谷由人君。

○仙谷委員 官房長官と総理を中心に御質問をしようと思っておったわけでございますが、官房長官が記者会見をなさっていらっしゃるということでございますので、その他の質問の方から進めてまいりたいと存じます。

 まず、金融再生委員会委員長柳沢大臣にお伺いするわけでございますが、二月十三日付の報道で、再生委員会が大手十五行に対して公的資金の注入の仮決定をした、こういう報道がなされております。仮でありますから我々のところにも何にも御連絡がないのかなと思っておりますが、いずれにしましても、こういう仮決定がなされておるということですから、早晩、本決定がなされるんだろう、こう考えているところでございます。

 そこで、問題なのは、私は、この注入をする時点で、国民が最低限、こういう次第でこの銀行に公的資金を注入せざるを得ないという決定を再生委員会の方でしたんだということがわかるディスクローズがなされなければならないと思う。まず、これが最低限だと思うのですね。このことについて、再生委員会の方で今どうお考えなのかということをお伺いいたしたいと存じます。

○柳沢国務大臣 先生今御指摘いただきましたように、去る十三日に、私ども、内々にこの公的資金の注入を我々の側に求めてきておる大手行十四行プラス地銀一行の十五行に対して、おおむねこれらの銀行の場合、私どもの考えているような株式の発行ということになれば、この授権を株主総会からいただかなければならないところが多いということもありまして、それらのことを三月末までに行い得るほぼぎりぎりの日付も迫ったという認識のもとで、これらの十五行に対して、公的資金を注入するという前提で、株主総会を開いてそれぞれの授権を得るということについて、差し支えない旨の指示を行ったということでございます。

 それについて、今仙谷委員の方からは、その必要性について、その基礎になっている情報というか考え方について国民に対してディスクローズをする必要があるのではないかというお話があったわけでございますけれども、これらのことについては、実は法律に手続が載っておりまして、公的資金を注入する等の施策を行う場合には、前提となる資産の査定あるいは引き当て、そういう基準を明らかにすること、さらには、経営改善計画に載っかるべき事項について基準を示しておくこと等々の手続が実は規定をされております。我々は、これに乗っかりまして、既にそれぞれの時期におきまして、これらの引き当ての基準等を既に明らかにし、また、経営改善計画の基準についても明らかにしておるという次第であります。

 そして、その上に立ちまして、先般、私ども、国会が始まる直前でございましたけれども、合議制の委員会ということもあって、私がこれらの委員を代表して答弁に立つ責任がある、こういう立場を意識いたしまして、私どもの委員会の運営の基本方針というものを明らかにいたしましたけれども、そこにもこの資本注入に当たっての基本的な考え方を明らかにして、国民の皆様の御理解を呼びかけているところであります。

○仙谷委員 これは新聞報道ですから、どこまで正確なのかわかりませんが、拝見する限りにおいて、みずから独自に増資がほとんどなくて、公的資金の注入だけに頼っている銀行というのも相当あるようでございます。あるいはみずからが増資で集められる金額の二倍から三倍の公的資金の注入を受けるという銀行もほとんどのようであります。

 さらに、もう一つ申し上げますと、額面上の、表面上の資本金の額と注入を受ける公的資金を比べますと、このバランスがいかにも公的資金の方が多くなっておる。つまり、これは資本金の金額そのものが現在の株価が持っている株価の総額ということには直ちにはならないのかもわかりませんけれども、これは優先株で増資をなさるのでしょうけれども、普通株であれば現在の経営者は首が飛びかねないような、そういう資本構成になり得る金融機関まであるのではないか、そんなことを考えるのですね。

 したがいまして、私は、先ほどおっしゃられた点をより厳格に資産査定をして、この分類、非分類、引き当ての問題、そして手持ちの、保有の有価証券等々についても、当然のことでありますけれども時価評価をして、これをディスクローズする。それともう一つは、やはり事ここに至った責任問題についても、金融再生委員会の方からも指導して、やはりそれなりに国民に対して各銀行がけじめをとるということをぜひお願いしたいと思います。簡単で結構です。

○柳沢国務大臣 簡潔にお答え申し上げます。

 今先生、新聞の報道に基づかれまして、いろいろな詳細にわたる資本投入のあり方についての御質疑でございますけれども、私の現在の立場におきましては、まだ内々の話し合いをしておるというわけでありまして、正式には、先生御案内のように、株主総会での授権を得た後に正式の手続を始めるということでございますので、株式等の資本の仕組みの詳細にわたっての御答弁というのは現在できる段階でないことをひとつ御理解いただいておきたい、このように思います。

 加えまして、責任問題でございますけれども、責任につきましては、私ども、既に経営改善計画の中に、どの資本充実の区分であれば経営者の責任を追及するかということを明らかにいたしておりまして、その区分に当たる銀行からの申請があれば、当然今申したような、既に明らかにした基準に基づいて責任を追及する話になります。また、その区分に当たらない場合には、別途私どもとして、この改善計画において改善計画の遂行が十分に円滑に行われない場合にそのことについて責任を追及する、そういった仕組みでの制度の運用を考えておりますので、そんな方針に従って運用させていただきたい、かように存じておる次第であります。

○仙谷委員 多分、大手行が終われば、地方銀行、第二地銀等々に対しても検査、それから資本注入ということになるのかもわかりません。いずれにしましても、この二十五兆円で足りるのかどうかわかりませんが、早期健全化勘定として設定された二十五兆円、これはいずれにしても、将来的には国民の負担になる可能性が、全部とは言いませんけれども、なる可能性もあるわけであります。

 先般来の議論からいいますと、ボンドマーケットの現状からいきますと、これが現金化されてマーケットに出るということになりますと、その分何らかの影響を与えることは間違いない。つまり、国民生活に影響を与えることは間違いないわけでありますから、どうかひとつ、再生委員会の方では、国民の理解が得られるようなやり方、そして内容で、この再生委員会の事務をお進めいただきたいと思います。

 次に、それでは日債銀問題を改めてお伺いします。

 これは、大蔵省でも金融監督庁でもいいのですが、ちょっと整理をしていただきたいのですが、客観的な数字として、九七年四月の日債銀の第三分類債権というのは四千七百億円という日債銀の主張といいましょうか、表現もございます。それから、第三分類は五千五百億円だという話が議事録等々を読んでおりましても出てまいります。それから、七千億円という数字も出てまいります。それから、最終の大蔵検査の結果の示達は一兆一千二百十二億円だった、こういう数字が出てきておるわけであります。

 これは、客観的には、有価証券報告書とかあるいはその他の書面、つまり、日債銀がつくった会計帳簿の結論としては、この第三分類の債権額というのは幾らであったのか。そして、大蔵検査の結果、この九七年においては第三分類の金額というのは幾らであったのか。金融監督庁でも大蔵省でも、どちらでも結構です。

○伏屋政府委員 お答えいたします。

 日債銀が経営再建策を発表いたしました九年四月の段階で、日債銀から報告を受けておりました自己査定結果による第三分類の額が約四千七百億円、これはこの間も監督庁長官がお答えになられたとおりでございますが、それが有価証券報告書に記載されているかどうか、ちょっと今現在確認はしておりませんので、その点はまた確認をさせていただきたいと思います。あと、七千億、一兆一千二百という数字は今先生が言われたとおりでございますが、五千五百という数字はちょっと私聞いておりません。

○仙谷委員 有価証券報告書はわからないということなのですが、これは有価証券報告書に、この四千七百億を前提にした資産、つまり、分類、非分類というのは多分附属書類というところに出てくるのではないかと思いますが、そういう決算報告書といいましょうか、決算の貸借対照表といいましょうか、そういうものがあるはずですよね。有価証券報告書はそれに基づいてつくられている。そうだといたしますと、大蔵省検査が終わった九月十一日、この時点では、大蔵省は証券取引法に基づいて、日債銀の有価証券報告書の訂正を求めるという必要があったのではないでしょうか。

○伏屋政府委員 お答えいたします。

 一般に、今先生言われました話に関しまして、証券取引法第二十四条の二でございまして、これが有価証券報告書について準用いたします同法の七条、十条の規定によりますと、今委員が言われました話はむしろ十条の方の話になるかと思いますが、大蔵大臣が、有価証券報告書のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、または記載すべき重要な事項もしくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けていることを発見したときは、訂正報告書の提出を命ずることができるという規定がございます。

 いま一つは七条で、これは、提出者本人が訂正を必要とすると認めた場合においては、訂正報告書を提出しなければならないという規定がございます。

 今御質問のことについて言いますと、この当該要件に該当するかどうか、現時点ではまだ何とも申し上げられないわけでございます。一般論として申し上げますと、これらの要件に該当する場合には、法令にのっとり適正に対処すべきものと考えております。

○仙谷委員 そんな将来の話ではなくて、これはもう過去の話をしているのですよ、今。

 だから、当時は多分大蔵省の金融検査部というところが所轄だったんだろうと思いますけれども、これだけ大きい差が出てきて、有価証券報告書の訂正を命じないという感覚がわからないわけであります。

 これは、重要な事項について、不十分記載とか、あるいは誤り記載とか、あるいは記載の欠缺とか、こういうものがあった場合には命じなければならない、「命ずることができる。」という法文になっておるようでありますが、命じなければならないということとほぼ同視すべきような法律の構成になっているんじゃないですか。

 そしてまた、そうでなければ、そんなごまかしのような有価証券報告書が巷間に、つまりちまたに出ていっているのに、その訂正を求めて、訂正をさせて、これは新聞公告まで必要だと書いてあるじゃないですか、法律に。「日刊新聞紙に掲載して公告しなければならない。」ということが書いてあるじゃないですか。つまり、マーケットとの関係においても、この訂正の報告というのが極めて重要だということになっているのじゃないですか。

 そうだとしますと、今問題になっておる四千七百億なのか一兆一千二百億なのかなんというのは、検査の結果、判明した瞬間に、これは訂正を求めなければならないということはおのずから明らかなんじゃないですか。それが、一般論としてはこうだけれども、当時日債銀に対して訂正を求めたのか求めなかったのか、その事実を、これは金監庁でも大蔵省でもどちらでもいいですよ、それをまず明らかにしてください。

○日野政府委員 突然の御質問でしたのであらかじめ準備はしておりませんが、少なくとも、私が有価証券報告書について理解している限りでは、査定というものについて、有価証券報告書に何らかの記載をするということは求められていないはずでございます。

 有価証券報告書は、もう御案内のとおり、主として損益計算書とそれから貸借対照表などから成り立っているわけでございまして、その損益計算書にいたしましても、あるいは貸借対照表にいたしましても、自己査定の結果、それぞれの当該の金融機関が、自分のところの償却、引き当て率に基づいて計算して出てきた償却した分あるいは引き当てた分が損失として損益計算書に載りますし、それから、引き当てた場合には引当金が貸借対照表の貸方の部に記載されるということになるわけでございます。

 しかも、その間には、監査法人あるいは公認会計士の監査というものが途中に介在しているわけでございまして、その査定も直ちにそれを報告書に記載するというふうにはなっておりませんで、査定をした後、監査法人の監査を経て償却、引き当てが実施される、こういう運びになりますので、私の理解では、仙谷先生がおっしゃるように、これは有価証券報告書に虚偽の記載をしたとか、あるいは逸脱したというふうには理解していないわけでございます。

○仙谷委員 長官、私はそれほど会計に詳しくないですけれども、これだけの差が出てきて、資産勘定と負債勘定と影響がないなんということは考えられますか。第三分類を自己査定だと四千七百億円だ。ところが、大蔵検査によると、第三分類が一兆一千二百億になった。七千億も違うじゃないですか。これ、例えば一五%引き当てでも、引当金を計算してごらんなさいよ、幾らになりますか。

 そうしますと、少なくとも、負債勘定で、引当金勘定なのか債権償却特別勘定なのかわかりませんけれども、そこには当然のことながらバランスシート上も出てこざるを得ない。あるいは、貸付金だって、第三分類が一挙に七千億円ふえたときに、貸付金がそのままでいいなんという、そんな会計処理はどこにもないですよ。それはおかしいですよ。

 だから、私が言っているのは、百億、二百億が、あるいは一千億なのかもわかりませんけれども、当然のことながらバランスシート上、貸借対照表上の資産、負債項目について違う金額が出てくる。そして、その附属書類では、その原因がわかるというのが決算関係書類じゃないですか。

 そのことについて大蔵省が当時もし訂正を求めていなかったとすれば、これは任務懈怠も甚だしいですよ。あるいは、もしくは日債銀と同じ穴のムジナでおったということしか考えられないですよ。なあなあでやって、その金額を翌年の三月に持ち越して、そして佐々波委員会でその数字を言って、国民の金を六百億円もむしり取った、こういう図柄にしかならないじゃないですか。

 何で、この九七年の九月十一日の検査結果が、公的な、外に出す書類の上で、企業会計上の書類の上で反映されていないのですか。これ、どこにも反映されていないような答弁ばかりしかないのですよ、今までのを拝見すると。どうしてなんですか、これ。金監庁だったらわかるでしょう、当時なかったんだから、責任ないから、もう率直におっしゃったらどうですか。

○日野政府委員 決してそういうことではございませんで、現在でも有価証券報告書については大蔵省の金融企画局が所管しておられるわけでございまして、私が証券取引法やあるいは有価証券報告書について余り言及するのはふさわしくないと思いますので、直接今委員がお尋ねになったことについて申し上げますと、少なくとも、この早期是正措置というのは昨年の四月から導入されたわけでございます。九七年、つまり平成九年の段階では、まだ早期是正措置が導入されておりませんでした。

 その当時は、導入前でございましたので、これは現在のように、検査において償却、引き当ての適切性を指摘する仕組みとはなっておりませんでした。この償却、引き当ての適切性というのが基本的には当該の金融機関と監査法人の判断にゆだねられていたというところが、やはり現状と非常に大きく違っているところではないかと思います。

○仙谷委員 そうなりますと、これ、大蔵省銀行局というのは何を検査していたのですか。あるいは、大臣官房金融検査部というのは何のためにあるのですか。

 それから反対に、今度は、企業財務課というところは、有価証券の上場関係について、企業の健全性を審査し、この企業であれば大丈夫だということでオーケーを出して上場させていたわけでしょう。そんないいかげんな話だったら危なくて、企業の健全性とか企業の資産とか企業の営業力とかそんなことについて、安心して独自の評価をマーケット関係者ができないじゃないですか。

 今のような話では納得できないですよ、私は。納得できない、それは。もっとまともに答えてください。

○伏屋政府委員 お答えいたします。

 今、監督庁長官が言われましたように当時は、大蔵省が検査した場合に、検査において資産の査定を行うわけでございますが、それについて示達を受けた金融機関がその償却、引き当てをするかどうかは、これは基本的には当該金融機関、監査法人の判断にゆだねられていたわけでございます。

 そうしますと、先ほど御説明いたしましたが、その有価証券報告書の提出者がこれは訂正を必要とすると認めた場合には、先ほど言いました証券取引法第七条の準用によりまして、みずから訂正報告書をまず提出しなければならないわけでございます。

 その上で、十条の方になりますと、これは虚偽の記載があった、そのほか等々認めた場合、これは命ずることができるということでございまして、その段階を踏むシステムになっておりまして、今の場合、償却引き当てが金融機関と監査法人の判断にゆだねられていたという事情を御理解いただきたいと思います。

○仙谷委員 そんないいかげんな話であれば、大蔵検査なんというのは要らなかったということじゃないですか。接待を受けるだけに行っていたような話になってくるじゃないですか。冗談じゃないですよ。

 重要な事項について、重要な事項の記載が不十分であると認めるときは、大蔵大臣は、届け出書の提出を命ずることができるとなっているじゃないですか。不十分でもできるんですよ。

 当然のことながら、そういう権限を行使して銀行の資産内容の健全性を担保してもらわないと、そういうことを担保しないでおいて公的資金を注入するなんというのはもってのほかですよ、ということになるじゃないですか。

 余りここで延々と時間をとってもいけませんので話をちょっと進めますが、そうしますと、日債銀については、佐々波委員会へ資金注入を申請したときには、第三分類は幾らだという前提で申請をしておったのか。そして、大蔵省は、大蔵大臣を介して、大蔵省の見解は第三分類については一兆一千二百億あるということを言ったのかどうなのか。この二点だけ答えてください。

○伏屋政府委員 お答えいたします。

 まず、今委員が言われました意味での検査結果そのものは、金融危機管理審査委員会には提出されておりません。

 他方、審査に先立ちまして、各申請金融機関が自己査定に使用いたしましたラインシート等を徴求いたしまして、過去の検査結果等に基づきまして精査した結果を委員会には報告しておりますが、詳しい事情につきましては、預金保険機構の方からもお答えさせていただきたいと思います。

○仙谷委員 やはり端的なお答えがないんですよね。

 第三分類の金額が佐々波委員会に提出されたかどうか、それだけ答えてください。

○松田参考人 お答えいたします。

 検査結果、日債銀が申請してきた自己査定の中の三分類の数値というのは、私どもが求めましたのは、自己資本の充実が基本でございますので、十年三月期を目標に資料をとったわけでございます。そこで、各銀行とも、十年三月期の自己査定の数値を非公表を理由として引き寄せて、それに対する審査をしたわけでございます。

 したがいまして、その後、金融監督庁は、昨年十二月でしょうか、日債銀について、特別公的管理銀行にする際に御発表になった十年三月期の正確な実測値である自己査定の三分類の数値、たしか六千億前後だと思いますが、それとほぼ近い数値がそのとき出ております。

○仙谷委員 いや、質問に答えてください。

 結局、九七年三月期の一兆一千二百億円という大蔵検査の結果の第三分類の金額は、大蔵省から、大蔵大臣を通じて、佐々波委員会には、当時はこうだったということで、この数字自身は提出をされているのですか、されていないのですか。

○松田参考人 それは提出されておりません。

 ただ、先生に御理解いただきたいのは、私どもは、十年三月期の資料を集めましたので、検査結果というのは、当時一斉検査をやっていないわけですね。そうしますと、銀行銀行区々に分かれておりまして、中には古い検査結果もあるわけでございます。

 したがいまして、審査委員会としては、検査結果を取り寄せるということはとりあえず第一段階ではやめまして、自己査定を出させて、それに伴う精査を大蔵大臣及び日本銀行総裁にお願いして、それに基づいて審査委員会でさらに審議をして決めたという段階でございます。

○仙谷委員 松田理事長、さっきおっしゃった金額、私よくわからないんだけれども、平成九年の四月十五日を基準点として一兆一千二百億というのは、これは九七年の大蔵検査ですよね。九八年の三月期については、第三分類については、金融再生委員会といいましょうか金融監督庁といいましょうか、ここの査定は最終的に一兆三千百十億円ですよね。そうですね。

 さっき六千億とかなんとかおっしゃったのは、どういうことですか。

○松田参考人 お答えいたします。

 それは、金融監督庁の方で昨年十二月に日債銀を特別公的管理銀行にされました。そのときに、新聞等に公表された数字の中に、金融監督庁の査定された数字と、それからもともと日債銀が発表していた自己査定の三分類の数字が並んでいるわけです。そのうちの、日債銀が出している数値とほぼ近い……(仙谷委員「何がですか」と呼ぶ)三分類の数値です。

○仙谷委員 では、当時佐々波委員会に提出してきた数字は、日債銀が特別公的管理になってから主張している金額とほぼ近かった六千数百億だ、こういう話ですか、今のは。

○松田参考人 それは、先生、済みません、ちょっとかみ砕いて簡単に申しますと、佐々波委員会がターゲットにしました日時は昨年の三月末でございます。審査をしたのは三月の十日なんです。それで我々はどういう資料を集めようかということで考えまして、短期間でありましたから、三月末の、若干、二十日間の違いはありますけれども、見込み値をそれぞれ自己査定を出させて、それを精査した。

 そのとき出された数値について、私ども守秘義務があるので簡単に申し上げられなかったのですが、後に、昨年の十二月になって、金融監督庁が新聞等に御発表になった日債銀の、当時の、つまり昨年三月期の三分類の数値と、当然ながら二十日間の違いしかありませんから、ほぼ近い数字で六千億前後の数値であった、そのように申し上げておるわけでございます。

○仙谷委員 日債銀問題、これでとりあえず一たんおきますけれども、いずれにしましても、こういうばかなことが起こっていたわけですね。

 大蔵検査で一兆一千二百億がわかった。その次の年には一兆三千百億円、こういう第三分類の結果が、これは金融監督庁からもあるいは再生委員会からも判断が出ておる。だけれども、依然として日債銀は、その前は四千七百億と主張し、そして九八年の三月十日直前の段階では、六千億ですか、六千数百億と主張した。それをうのみにして六百億の公的資金の注入が行われたというのが佐々波委員会だという。

 何のために大蔵省の検査があったのかわからない。せっかく間に検査が入っているのに、これは何のためですかという疑問を禁じ得ないわけでありまして、この話は、要するに、日銀が被害者になった九七年四月の奉加帳増資、そして九八年三月の佐々波委員会の決定、これをめぐる、つまり税金もしくは将来国民の負担となるべき日銀のお金が使われておるわけですから、これはもう少しといいましょうか精力的に解明をしなければならない。

 私どもが請求をしている証人喚問あるいは各種の資料をこの予算委員会に提出をしていただきたいと思います。委員長、よろしくお願いします。

○中山委員長 理事会で協議いたします。

○仙谷委員 それでは、時間が少のうございますが、国債が平成十年度に三次補正分を含めて七十六兆四千三百億円発行される予定になっております。

 今未消化分というのはどのぐらいありましょうか。そして、それは予定との関係でいいますと、民間で消化が予定されておりまして、現在未消化になっておる分はどのぐらいございますでしょうか。

○中川(雅)政府委員 平成十年度分の国債発行でまだ消化しておりません残額は、トータルで十七兆六千億円程度でございます。そのうち民間消化分として予定されておりますのが十三兆四千億円程度、残りの四兆二千億円程度が公的部門で消化を予定いたしております。(仙谷委員「総額幾らですか」と呼ぶ)総額十七兆六千億円程度でございます。

 

○仙谷委員 という相当大きい金額がまだ未消化なんですね。これは正式には三月の年度末まで、こういうことになるわけでございます。

 平成十一年度は、民間の消化額が平成十年度よりどのぐらいふえて、どのぐらいの金額になる予定になっているのですか。

○中川(雅)政府委員 十一年度の国債発行でございますけれども、十年度の三次補正後と比較いたしまして、民間消化分は十兆三千五十六億円増の六十一兆三十五億円を予定いたしております。

○仙谷委員 景気対策の予算のために財投を大変拡大したために、資金運用部の資金で九兆二千四百五十九億円ぐらい引き受けを少なくせざるを得ないということがあって、民間分が大変ふえているのですね。十五カ月予算とおっしゃいますから、それをやって、その分で約十七兆円まだ残っている。さらに、民間消化で六十一兆円。全部で現時点では七十一兆円という数字でありますが、これを十五カ月で消化をしなければならない。こういう事態が今の目の前の、要するにボンドマーケットをめぐる需給関係になっておるわけでございます。

 官房長官、官房長官は記者会見で、日銀は中央銀行として現在の深刻な状況を打開する責任がある、こういうことをおっしゃっています。

 私よくわからないのですが、この間もいらっしゃらなかったのですが、この景気論議をするときに、宮澤大蔵大臣は、二%の金利は、適正水準というお言葉はお使いにならないけれども余り高過ぎないんだよ、こういうふうにおっしゃいます。これは経済企画庁長官もそうおっしゃる。来年度は〇・五%の成長はほぼ間違いない、もう底を打って回復の胎動が出てきておるんだ、こうおっしゃっておるわけです。

 ところが、官房長官だけが、現在の深刻な状況を打開する責任が日本銀行にある、こうおっしゃるのですね。そして、日本銀行にいわば国債の引き受けという最後の最後の最後の禁じ手までやったらどうかと言わんばかりの記者会見を三回も四回もやっている。官房長官の認識のこの深刻な状況というのはどういう状況ですか。

○野中国務大臣 あらかじめお断りをいたしますけれども、よく報道で官房長官が記者会見と言われますけれども、これは私の方から意図的に申し上げたことは一度もないのでございまして、それぞれ会見場にいらっしゃいます記者の皆さん方が質問をされまして、それに答える形で私どもの考え方を申し上げるわけでございます。

 したがいまして、いろいろな局面で、それぞれ会見の話が出ようと思いますが、そういう経過でありますことをあらかじめ御理解をいただきたいと思うわけでございます。

 つきましては、私が最近の景気情勢について中央銀行たる日銀について言及をいたしましたのは、過度にわたる円高は、我が国経済の現状を見るときに非常に深刻な状態であると認識をいたしまして、日銀あるいは大蔵等、金融全体についてあらゆる方途をとっていただきたいという期待感を申し上げた次第であります。

○仙谷委員 現在の深刻な状況を打開する責任があるという言葉だけれども、これは私、日銀にないと思いますよ。これは政府がしでかしたことですからね。長い間の景気対策、百兆円を超える景気対策をやって、こういうじゃぶじゃぶのボンドマーケットをつくったのは政府の責任です。日銀の責任ではない。少なくとも国債とボンドの金利問題、これは非常に重要な問題でありますが、これは日銀の責任ではない。これを日銀に押しつけるのは、余りにも日銀がかわいそうだと私は思います。あるいは、原因をほかへすりかえることになるのではないかと思います。

 総理、何か総理の経済政策の顧問は大原先生でいらっしゃるのですか。大原一三先生が総理の顧問なんですか。フィナンシャル・タイムズに大原先生が、二年間に限って五兆円の国債引き受けを、直接の引き受けですよ、日銀が引き受けるのですよ、それをやったらどうかという進言をした、こういう報道がありますが、こういう事実はありますか。

○小渕内閣総理大臣 大原先生はその道の大変エキスパートという立場でございまして、私は常々いろいろな御意見を拝聴いたしておりますが、具体的に今の点について、進言といいますか、いろいろと御説明は承ったと思いますが、正確に、ちょっと今手元にそのときのペーパーがございませんですが、いろいろな形で御提言をいただいて、勉強させていただいていることは事実でございます。

○仙谷委員 それじゃ、結論的に。総理、官房長官が、いわば日銀の国債引き受けなのか、直接のですよ、あるいは買い切りオペの拡大増額なのか、あるいは他の手段による、資金需要に対して金融緩和をするのか、いずれにしても、日銀から見れば、あんな実力者の偉い人が言っているんだから何かしなきゃいかぬと思われるぐらい繰り返し繰り返しおっしゃっているのですね、これは総理と打ち合わせした結果なんですか。意思は一致しているのですか。それとも、官房長官が勝手に言っているのですか、あんなことを。

○小渕内閣総理大臣 先ほど官房長官もここで御答弁をされておられますように、記者会見におきまして、記者の質問に答えてお考えを申し述べられたということでございまして、そのことは報道を通じて私も承知をいたしておりますが、その真意は先ほど御本人から御答弁したとおりだ、こう考えております。

○仙谷委員 私は、今のこの債券市場の長期金利の上昇というのは、確かに、これから日本の経済成長といいますか、景気回復の足を引っ張る相当大きなガンになるだろう。この間、大蔵委員会でもやりましたし、予算委員会でもやりました。そのことは、そういう流れはわかるわけでありますが、しかし、問題は債券発行主体の信認が低下している。これは、戦時経済並みに財政赤字を膨張させたということが大問題だと私は思っているところでございます。

 最後に、日銀副総裁がいらっしゃっていますので、日銀がこの局面でできることとできないこと、これについてはっきりとお答えをいただいて、質問を終わりたいと存じます。

○藤原参考人 お答えいたします。

 現下の経済情勢につきましては、官房長官がおっしゃいましたように、過度の円高が経済全体にゆゆしい影響を及ぼしているという点については私たちも共通の認識を持っているものであります。

 それや債券相場やその他もろもろ含めまして、どういうような対策を行えばいいかということにつきましてはいろいろな御意見があるということは私どもも傾聴しているわけでありますけれども、日本銀行に与えられた手段というのはおのずから限られているわけであります。その手段を使ってできるだけのことをやっていくというのが私どもの責務だと思っておりまして、先般、無担保コールレート、翌日物ですが、それを従前の〇・二五%から〇・一%下げまして、それが、できるだけ潤沢な資金供給を通じて経済全般にいい影響が及んでいくということを期待しているわけです。

○仙谷委員 終わります。

○中山委員長 これにて仙谷君の質疑は終了いたしました。