1999年02月12日 予算委員会

○中山委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。仙谷由人君。

○仙谷委員 民主党の仙谷でございますが、私の方から、景気、経済の問題と日債銀の問題について質問をいたします。

 ちょっと、お配りした紙、総理のところに行っていますでしょうか。まず、三枚つづりの、地方財政赤字の対GDP比の推移というものを、それが一番についている紙の三枚目をごらんください。

 総理は、この九九年度予算によって九九年度の経済成長を必ず〇・五%の成長に乗せるのだ、こういうふうに所信を表明されて、決意をされているわけでございます。いわば、政治生命をかけるとおっしゃるような発言も聞こえてくるわけでございますが、その前提といたしまして、九八年度、今年度の経済成長というものが果たして予測どおり運ぶのかどうなのかというのが、まずは問われなければならないと思うのですね。

 これは、パーセンテージの議論をしますと、大変ごまかしの議論にどうもなっておるのではないか。現在議論されておりますのは、〇・五%達成や否や、こういう議論でありますけれども、私は、現時点に立ってといいますか、あるいはもう一年前の、昔の時点に立ってこの種の議論をしてみなければならないと思っているわけであります。

 ここに記載しましたのは、これは、政府の経済見通しの公式書面から私なりに整理をして拾い出してみたものであります。つまり、九五年が実は実績としては四百八十九兆のGDPの経済になった、こういうことであります。

 そこで、名目成長率だけでお話しいたしますが、名目成長率二・七%の経済成長見通しをつけたのが九六年度予算のときの政府の見通しであります。GDPの額にしますと四百九十六兆円ということでございました。それで、実績から見ますと、名目で二・八%成長をして、四百九十六兆円の当初見通しから伸びて、実績としては五百三兆円の経済になったのが九六年度であります。

 それで、それを前提にしまして、今度は名目成長率を三・一%に設定をしまして、GDPの総額としては五百十五・八兆円の経済をつくれるだろうというのが九七年度でございます。これは、実績といたしましては、〇・二%しかこのときには成長しなかった。実質の成長率でいいますとマイナス〇・四%、つまりマイナス成長の経済が始まったのがこの九七年度でございます。今から振り返るとそういうことであります。GDP総額としては、五百十五兆八千億の見通しを持っておったのにもかかわらず五百五兆円の実績となった、こういうことであります。

 そこで、ここからが問題です。九八年度、つまり今年度は、この五百五兆円を前提にしまして、名目の成長率で二・四という設定をいたしました。国内総生産、GDPの額としては五百十九兆七千億になるであろう、したいということで予算を組まれたわけでございます。

 ところが、非常に景気動向が悪い、あらゆる指標をとってみてもがたがたに減少しておるということで、二回にわたる経済対策を打ったわけでございます。一回は参議院の選挙前に橋本内閣が行ったこと、二回目は小渕内閣になってから総計二十三兆円の事業規模の経済対策を打った。そのときに、名目成長率をマイナス二・二、総額四百九十四兆一千億のGDPの規模を目指すんだ、あるいはそういう見込みなんだということを設定をされたわけでございます。実績は、いいですか、実績は三月の末にならないと出ない、年度計算でいきますとそういうことになります。

 果たして、この差は大変大きいわけですね。二・四からマイナス二・二ですから、単純に言いますと四・六%のマイナスです。見込み違いであります。額にしますと、計算していただけばわかりますが、GDPの総額として二十五兆円はげ落ちる、こういう財政経済運営、万々歳といいますか、うれしい方じゃなくて全くお手上げの状態というふうな見込みなんです。そういう見込みになっています。

 ところが、今の指標をいろいろ見ておりますと、果たしてこの二・二という成長見通し、正しいのか、そうなり得るのか。二十三兆円の経済対策を打ったけれども、そうなるのか。それこそ、それも、昨年の尾身経済企画庁長官がおっしゃっていたような大本営発表にすぎないんじゃないか、こういう疑念がございます。

 総理でも経済企画庁長官でもどちらでも結構です、お答えください。

○堺屋国務大臣 委員御指摘のとおり、昨年度の、今年度といいますか、平成十年度の見通しは大変大きく間違えました。

 その原因はいろいろございますが、一つは、そのまた前の平成九年度の見通しを誤っておりましたので、そこから始まりました、いわゆる発射台と言っておりますが、それの違いも出てまいりました。

 尾身長官は、桜の咲くころ、去年の四、五月のことだと思いますが、経済が回復するとおっしゃったのは、御本人はそういう信念であったので、あえて、大本営発表のように、わかっていることを間違えて言われたのではございませんで、見通しの間違いだったので、うそではなしに誤りだったということだと思いますが、誤りだったことは事実でございます。もうこの数字であらわれております。

 私が経済企画庁長官になりましたときに、これは無理だから見直そうということにいたしまして、マイナス二・二、一・九というのも一回出たことがあるんですが、マイナス二・二という数字になりました。

 これでいきますと、今まで第一期、第二期がマイナス〇・七、〇・七。これは年次に直しますと二・三とかそんな数字になるのでございますが、そのぐらいのマイナスで下がってきておりまして、あと二期、十?十二月と一?三月がどのように動くかでございますが、私が今までつかんでおります情報では、大体十?十二月はゼロかわずかプラスになるか、その辺はボーダーラインぐらい。一?三月もまあそれぐらいじゃないか。そういう数字で引いていきますと、二・二ぐらいはいけるんじゃないか、こう考えております。これは、今までにわかりました数値で予測した範囲でございます。

○仙谷委員 総理にお伺いいたしておきたいんですが、前任者の話ですから、現時点では総理の責任云々かんぬんを私がしようとしているわけではないんです。しかし、これだけ大きく見通しをたがえた経済運営の責任者、いわば総理大臣と大蔵大臣と経済企画庁長官ですね、こういう場合には責任をとらなければならないということをお考えでしょうか。いかがですか。

○小渕内閣総理大臣 見通しがそのとおりにならなかったということは諸般の原因に帰することではあろうかと思いますが、結果的にお示ししておられるような数字になりましたことにつきましては、政府としては大きな責任を感ずべきものと考えております。

 

○仙谷委員 ちょっと、次聞きますから。いや、一緒に答えていただければ結構ですから。多分、今度の質問は経済企画庁長官がお答えになるんだろうと思いますから。

 これは総理大臣にもお伺いしたいのですが、先ほど経済企画庁長官のお話で発射台というお話がございました。〇・五%を経済再生内閣小渕内閣のある意味で目標として、ここに政治生命をかけるということになりますと、その発射台というのは当然のことながらこの四百九十四兆一千億、これが発射台になって、〇・五%ですから、GDPの額としては四百九十六兆三千億を上回るGDPを達成しない限り〇・五%を達成したことにならない、そういう理解でいいんですか。

 それとも、例えばマイナス三%成長に九八年が終わったときには、単純に計算いたしますと、三、五、十五ということになりますから、ちょうど四百九十兆円です。四百九十兆円が発射台になるんですか。そうしますと、〇・五%の達成というのは以外と簡単かもわからない、こういうことになるわけですが、いかがですか。

○堺屋国務大臣 先ほど、十?十二月、一?三月の水準でございますが、前期比〇・二%程度にならなければならない。横並びと言いましたが、ちょっと大まかで、間違いがありました。

 今のお話でございますけれども、仮に三%下がったといたしますと、まさに毎月の水準が下がってまいります、毎期の水準が下がってまいります。そうすると、その次に〇・五を達成しようと思いますと、非常に大きく上がらないと、第一期、第二期が高い水準にありますから、カーブとしては余計急になるんですね。だから、やはりマイナス二・二ぐらいでとめて、そして〇・五上げるというのが私たちの基本的な考え方でございまして、どんと落としてちょっとでも上がればいい、こういうような考え方は、事実としても困難ですし、考え方としても取り上げておりません。

○仙谷委員 そうしますと、小渕内閣としてはあるいは小渕総理としては、この九八年度見通しのマイナス二・二、これについても責任感を持ってといいますか、責任を負いながら達成をしていきたい、つまりことしの三月までですよ。そして、四月から始まる年度については、その発射台から〇・五%の成長を図りたいし、この予算で図ることができるであろう、そういうお考えだ、そのことに政治生命をかけるというふうにお伺いしてよろしいですか。どうですか。

○小渕内閣総理大臣 政治生命をかけるか否かということですが、政府といたしましては、今経済企画庁長官が申されましたような、三月期、すなわち今年度の最後のところで、今お示しされたようなマイナス二・二というところで抑えながら、そこをもって新しい年度ではプラス成長ということのために全力を挙げて努力をしていく、こういうことだろうと思います。

○仙谷委員 ちょっと執拗なようですが、余りにもこの二年間大本営発表が続いてきて、そのうちよくなる、そのうちよくなるという話で、ところが、一向に実感としてもよくならないし、後からの指標というか数字を見てみますと、全く逆のことになっている。これはどこか決定的なところで間違っておるのではないか、政策の方向性が間違っておるのではないかということを、これはすべての国民がというふうに言っていいかもわかりません、経済的活動に参加しているすべての国民が考えているんじゃないかと思うのですよ。

 つまり、政府に対する信頼感が非常になくなっているのですね。〇・五%あるいはプラス成長を来年度からするんだ、それが願望であるかのような、あるいは、建設的楽観主義とおっしゃるけれども、単なる楽観を与えるだけで本当のことを国民の前に明らかにしていないということであるとすれば、この時代の政策展開といいましょうか、あるいはメッセージとしては極めて遺憾だと私は思うのですね。そう思います。

 したがいまして、もう一度、願望なのか政治生命をかけてでも行うということなのか、その点はっきりしてください。

○小渕内閣総理大臣 政府といたしましては、来年度の予算の実効ある効果を期待し、そして今年度の経済成長もぎりぎり抑えて、そして何せ、何といってもこのマイナス成長ということは非常に大変な、国民あるいは経済界の気持ちを萎縮させることでございますので、そうした意味からも、〇・五%という数字は極めて、高い水準ではありませんけれども、ぎりぎりここまではぜひ成長させていかなければならない、反転してマイナスからプラス、そういう成長に持っていきたいということで、そのことを確信して今諸政策を遂行しよう、こういうことでございます。

○堺屋国務大臣 仙谷委員の御質問に追加してお答えしたいと思うのですけれども、確かに、従来大きな成長を言いながら、二年連続のマイナスになりました。

 この原因がどこにあるか、小渕内閣といたしましては、金融問題、需要問題、雇用問題、非常に綿密に考えまして、金融問題等もかなり正直に申し上げているつもりでございます。また、雇用の現状、需要の現状につきましても、皆様方に御理解をいただけるように、できるだけはっきりと従来の欠陥がここにあったということを申し上げているつもりでございます。

 民間企業のシンクタンクで、平均いたしますとマイナスの〇・四と出ておりますが、かなり最近は、私たちの受け取っておる感じでは接近してきているんじゃないか。その点、信頼の回復に鋭意努めているつもりでございます。

○仙谷委員 野田自治大臣、自由党もこの今の〇・五%成長について連帯責任をとるおつもりですか。

○野田(毅)国務大臣 私自身は、小渕内閣の一員として連帯責任を負うのは、これはこの問題のみならず当然のことだと考えております。

 それから、先ほど来の御議論のやりとりの中で、率直に申し上げて、先ほど来いろいろ数字のお話がありました。これはいずれも、私は、小渕内閣になって、過去のいろいろな経済政策その他についてのいろいろな反省点をも踏まえて大幅な税制改革に、大幅減税なりいろいろな形を実は政策転換を図ってきているというのが自由党の理解であって、それらが前提になって連立に話が進んできているというふうに考えております。

○仙谷委員 自由党として、この景気対策あるいは今年度あるいは来年度の経済成長について責任を持つというふうに明確にお答えをいただけませんでしたので残念でございますけれども、ちょっと今年のマイナス二・二%の成長でおさまるのかという点について、堺屋長官にお伺いを重ねてするわけであります。

 堺屋長官、私、二月八日付の日経新聞の景気指標というのを持っています。これを見ますと、まず、総合卸売物価指数がマイナス四・九でございます。これは前年比であります。御承知だと思います。四%というふうに仮に計算をしていただいてもいいわけでありますが、卸売物価指数が四%ぐらい下がりますと、企業の売り上げがやはりそのぐらい落ちざるを得ない、こういうふうにマクロ的には考えた方がいいのじゃないかと私は思っております。

 大体一千五百兆ぐらいの全企業の、全産業の売り上げだというふうにお伺いしておりますので、卸売物価指数が四%下がりますと、名目では約六十兆円売り上げが落ちる。付加価値率を極めて大ざっぱに二〇%といたしますと、額として一二%落ちてくる。つまり、GDPからはげ落ちるということですね。

 この卸売物価指数の低落といいましょうか、大変なデフレ傾向について、それと本年度のマイナス二・二%成長達成ありや否やという点について、いかがでございますか。

○堺屋国務大臣 マイナス二・二%というのは実質成長で書いておりますが……(仙谷委員「名目も書いてある」と呼ぶ)名目もそのようになっております。名目と成長とのデフレーターは卸売物価とは異なっておりまして、消費者物価その他含めたものでございまして、一応デフレーター、ゼロと考えておりますが、委員御指摘のように、卸売物価の値下がりは予想以上に大きいということは私たちも感じております。これはちょっと円高の傾向等がこの秋から出てきたことも影響しているかと思いますが、予想以上に卸売物価の値下がりは大きいと思います。

 したがいまして、二・二%マイナスという実質は私は達成できると思いますが、それを〇・一%刻みでどうだと言われますと、これは多少動くところ、特に名目では動くところがあるかもしれません。これからの為替の動き等、いろいろな変数がございますので、今のところ、大きく変わることはございませんが、非常に細かな数字を尋ねられますと、なお変動の可能性はあるとしか申しようがございません。

○仙谷委員 長官、機械受注の指標をずっと見ていただいて、それから設備投資の指標も見ていただく。多分、私どもの手元には十一月までしかございませんけれども、長官の手元にはもう少し早い十二月末の指標がおありになるのかもわかりませんが、これだけ機械受注と設備投資が現実に下がりますと、やはり設備投資としては前年比二〇%ぐらい今年度は落ちるのではないか。つまり、額にいたしますと、約二十兆円ぐらいが落ちてしまうのではないかという予測もあるのでありますが、いかがでございますか。

○堺屋国務大臣 民間設備投資は非常に低調でございます。私たちの見通しでは、来年度もかなりのマイナスになる、こう見ております。

 御指摘のように、機械受注もマイナスでございますが、従来の統計的経験から見ますと、機械受注は予測以上に実績はちょっと回復する形で出てまいりますので、委員がおっしゃるほど大きくは下がらないと思っております。かなりのマイナスになることは事実でございます。

○仙谷委員 設備投資総体が二けた台のマイナスになるというふうにおっしゃられたのではないかと思うのですが、もう一つ、住宅着工なんかは、これもよくて毎月十万戸ですか、そこまでなかなか届かないという実態がずっと続いております。これだけ金利が安くて、住宅金融公庫、一生懸命政府の方からも頑張っていただいておりましても、そして土地も安くなっている、販売の住宅の単価も安くなっているのに、こういう状態が続いております。

 これは今年度末までどういうふうに推移するのか。あるいは、来年度は急に浮上するということが考えられますか。

○堺屋国務大臣 住宅建設について見ますと、昨年の十月あたりから、持ち家の方は下げどまり傾向が出ておりまして、前月に比べますと十二月などは上昇しております。ただ、分譲マンションなどが大きく下がっておりましたけれども、これも下げどまり傾向は一応出ております。

 そして、ことし一月になりましてから、今でございますが、住宅取得の減税効果もございまして、住宅展示場あるいは分譲住宅の現場に足を運ぶ人が非常にふえているということがテレビ等でも、新聞等でも報道されております。

 私どもは、この低金利、それから、ことしの予算で審議をお願いしております住宅に関する取得減税、この二つが異時点の消費移転を起こしましてかなりの効果を上げて、来年度はプラスになると考えております。

○仙谷委員 特徴的な指標を挙げただけでも、今年度の経済成長については二回いわゆる見直しをしておるわけですが、どうも二回の見直し後のマイナス二・二%も非常に危ういのじゃないかと私は思います。

 そこで、さらに問題なのは、こういうふうに経済見通しを誤ったために、税収の見込みを決定的に誤っているということであります。つまり、当初予算では、税収の見込みは五十八兆五千二百二十億、第一次補正では、第二次補正だったんでしょうか、五十七兆四百九十億、第三次補正で五十兆一千六百五十億、こういうことになっております。減税ももちろん四兆円あったわけでありますけれども、八兆五千億の税収不足ということになっています。

 ところが、大蔵大臣、これでおさまるのかという問題があるんじゃないかと私は思っているのです。つまり、先ほど申し上げた景気、経済の成長率との関係で、果たしてこれだけ、五十兆という税収が上がるのかということであります。

 現に、もう御承知のように、所得税は十二月までの累積の収入で、累積でですよ、前年比マイナス一五・三%です。それから、法人税はマイナス一三・九%です。消費税だけがプラス二三%でありますが、これは一月、二月、三月で調整をされてほぼ見積もり程度になるのではないか、こういうふうに言われております。

 そうだといたしますと、この第三次補正は、前年比マイナス七%という設定で五十八兆から五十兆に減る、こういう設定をされたわけでありますが、所得税の現在までの累積の減り方と、法人税のやはり累積で見た場合の減り方を見ますと、どうも、第三次補正で措定をされたマイナス七%、五十兆というのが難しいんではないか、歳入欠陥がまたまた発生するんではないか、こういう大変シビアな見方といいましょうか、こういう見方をしておるんですが、大蔵大臣、いかがでございますか。

○宮澤国務大臣 十年度の当初、五十八兆五千二百二十億でございます。補正後、五十兆一千六百五十億、これだけ減額補正をいたしました。そこで、減額補正五十兆一千億でとまるかというのが今のお尋ねです。

 ただいままでのところ、減額した後さらに減額をする必要があるというふうには事務当局は見ておりません。ただ、これは、実は最終的にわかりますのはことしの六月でございまして、六月の最後になって法人税がどれだけ入ってくるかによって一番狂います。したがって、今、最終的に申し上げるのは早いと思いますけれども、せんだって減額をお願いした後、さらに最終的に減額をしなければならぬという傾向は、今のところは見えないと言っております。

○仙谷委員 今おっしゃったように、まさに法人税の問題があるんですね。昨年九月、中間期決算だけを拝見しておりましても、いわゆる上場一部の企業、今まで大企業、大会社と言ってきたところが大変な前年比あるいは前期比の決算内容の落ち込み方ですよ。こんな会社まで赤字決算をせざるを得ないのかという驚きを持って見詰める状況でございますよ。

 私は、余り安閑とできないんではないか。つまり、絶対額であと二、三兆円の歳入欠陥、税収不足が出てくるのではないか。そうなりますと、またまたここは、公債を発行して補うしかないという結論になるわけであります。

 公債の問題に移りますが、お配りした資料の一枚目を見てください。

 いわゆる中期財政試算、毎年大蔵省が予算編成のときに出されておるものを、ことしの中期財政試算を公債発行に限定してといいましょうか、書いてみたものでございます。二枚目がそれを数字であらわしたものであります。このパネルですと赤くとってある部分、これがコピーでは赤字じゃなくて黒で出ておりますが、昨年の財政構造改革に基づくいわゆる財政再建への道筋をここに書いてあるわけであります。こんなになってしまったんですね。

 中期財政試算も、政府支出をふやさないという前提でも、そしてこの図は、政府、地方との関係においては、地方の公債金収入といいましょうか、地方債の収入が、ことし、来年、再来年、その次、二〇〇三年まで、一応伸びない、伸ばさないという前提で書いてあります。それでも財政再建の考え方とはこんなに離れてしまっている。

 そして、いわば単年度で公債発行額、地方、中央の政府の公債といいましょうか、債務が、財政赤字が、いわゆる三%、対GDP比三%に抑えるのが常識だという世界の潮流からはもう目も当てられないぐらい離れてしまっている、こういう状態なんですね。

 宮澤大蔵大臣は、経済成長が二%台ぐらいまでいったら財政再建のことも考えなければいけないと本委員会でもおっしゃっておるようでございますし、先般大蔵委員会でもお伺いしました。

 しかし、この中期財政試算のこの絵を見ますと、完璧に財政規律といいましょうか財政再建は放棄した、もう財政再建はどうなってもいいんだ、こういうお考えでことしの予算をつくられておる、こういうふうに理解していいですか。

○宮澤国務大臣 先般御審議の参考にお届けいたしました中期財政試算というものなんですが、実は昭和五十年代からこの委員会のお求めに応じて毎年御提出をいたしておりますが、客観情勢が余りに変わってしまいまして、ことしも、これは毎年のことでございますから差し上げなきゃならぬということでお手元にも差し上げてございますが、今の一九九九年をベースにしまして自動的にプロジェクションをやっておりますものですから、どんなに一般歳出をゼロにしても国債の数字がふえていく、そういうプロジェクションになっておりまして、そういう意味では、これからの努力というものは、プロジェクションですからしようがない、出てまいりません。

 これを、あのときにどなたかのお尋ねには申し上げましたが、まことに申しわけないことですけれども、ちょっと浮世離れのしたような資料になってしまいますので、本当に御参考にだけごらんくださいませということを申し上げたと思いますけれども、自動的に伸ばしてしまいますと、どうしても今仙谷委員の言われましたような数字になります。しかし、これからいろいろな努力をしないわけではないものでございますから、それに基づいて真っすぐ伸ばすとこうなるとおっしゃいましても、それは、私どもはそんなことでいいと思ってはおりません、一生懸命努力をいたします、こう申し上げさせていただきたいと思います。

○仙谷委員 いやいや、我々が勝手に伸ばしておるんじゃないのですよ。これは、政府がおつくりになった中期財政試算の数字の表を絵にするとこうなる、こう言っているだけの話ですよ。絵にしてみると物すごいいいかげんなことがわかるじゃないですか、こう申し上げているんですよ。もう完璧に責任を放棄した、財政当局の責任を放棄しておるんではないかということを私は言っているんですよ。

○宮澤国務大臣 差し上げました表の下に記しておると思いますけれども、こういう性質のものでございますのでというふうに御説明をいたしておりまして、実は二十年もお出ししている資料でございますから、どうも、差し上げなければまた不誠実に思われますし、差し上げますと甚だ非現実的な話なので、大変に困っておりまして、図にすればまさにおっしゃったようなことになってしまいます。

 それはしかし、注に申しますように、私どもはこれからいろいろな努力をするということ、そのことを反映しておりません、自動的なプロジェクションをやっておりますということを申し上げておるわけであります。

○仙谷委員 いやいや、私は、二〇〇三年なら二〇〇三年、二〇〇五年なら二〇〇五年にある目標を立てないと、こういうことになってしまうと思うんですよ。

 それで、実はここが次の問題ですが、中期財政試算だから、まあそれは目の子算だし、大ざっぱな話だし、現実にはそんなものは達成されようとされまいとそんなに政治責任ないんだ、こういうお気持ちがあるのかもわかりませんが、実は私は今度の中期財政試算で、拝見しておってすぐに気がついたのは、要調整額の欄がなくなっているんですね。

 要調整額を何でなくしたんだという話を、これは大蔵大臣にも聞かなければなりませんし、大蔵省の主税局長がお答えになるんだったらそれでも結構ですけれども、このことに、財政規律に対するある種の責任感といいましょうか、責任性を放棄した姿があらわれているんじゃないか、要調整額をなくしたことが。

 つまり、あの要調整額という書き方は、私どもから見れば、だから増税をしようとしているんじゃないのということを毎年疑いの眼をもって見ていましたよ。だけれども、一たんなくしますと、では、これどこまででもどんどん債務残高が膨れ上がっていって、この国大丈夫なんですかという話になるわけですよ。ある種の規律ですよ、要調整額は。考え方としては、こうでなきゃいかぬということを大蔵当局が曲がりなりにも言っていた、大蔵当局としては、増税の魂胆があるとしても、そういうことを言っておったということを私は考えたんですね。

 ところが、ことしはもう何にもない、ないない尽くしどころか何にもない、こういう財政になってしまった。これでいいんですかということがお伺いしたいところでありますし、私は、ついに自民党、大蔵省も財政の運営についてほとんど責任を持てなくなってきたという局面がここへ来て来ておるのかな、歴史的に考えると。そこまで今考えているわけでございますが、大蔵大臣、いかがですか。

○宮澤国務大臣 一遍ここで試算の性質を御説明させていただきませんと、とめどもなく御議論がいきますので、主計局長からお答えいたします。

○涌井政府委員 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、従来の試算におきましては要調整額というものを計上してきたわけでございますけれども、これは、それぞれの時点におきまして、例えば特例公債の依存脱却の、何年までに依存体質から脱却するという一つの政府としての目標があったわけでございます。そういうことで、例えば、昨年財革法の御審議の際に出した資料におきましても、特例公債からの脱却につきましては一定の目標年次があったわけでございます。

 それに対しまして、今回は、財政構造改革の基本的考え方は維持しつつ、この構造改革法を当分の間凍結するということで、まず景気回復に全力を尽くすということで今回の予算編成が行われているわけでございまして、したがいまして、最終的に到達すべき目標が現段階ではないわけでございます。

 したがいまして、歳入歳出のギャップをこれはすべて公債により賄うという仮定のもとに試算を行ったわけでございます。

○仙谷委員 局長、私が申し上げたことをあなたはきれいに言っただけじゃないですか。目標なくなったと言っているじゃないですか。目標がなくなったら何があるんですか。

 だから、主計局長のじくじたるお気持ちもわからぬではないけれども、こんなことでいいんですかと僕は言っているわけです。本当にいいんですかということを言っているわけです。財政規律を取り戻さなくていいんですかということを言っている。

 そこで、大蔵大臣に、では一緒に答えてもらいますが、ボンドマーケットディシプリンというのはご存じですか。ご存じですよね。債券市場原理。つまり、どこの国も、余りにも国債を発行し過ぎると、債券市場の方からシグナルを送ってくる。シグナルは金利だ。こんなに出されたんでは消化できない、あるいは、こんなに出されてこれは本当に返してくれるんですか、こういうシグナルが送られるというのがボンドマーケットディシプリンだというふうに私、聞いたんですね。

 一九八〇年代のイギリス、八〇年代後半のアメリカ、全部長期金利の上昇することによって、財政赤字を何とか締めていかなければならないというところに入らざるを得なかった、これは歴史的な事実ですよ。

 というふうに聞いたわけでありますが、私は、大蔵省があるいは大蔵大臣が、こういうある種の規律性のない、目標喪失ということをみずから宣言したということが、投資家やマーケットにとっては、この債券は償還リスクが非常に大きくなったね、そしてまた、こんなにげっぷが出るほど国債が発行されて消化できるのかしら、こういうシグナルが今、昨年の暮れから発せられているんじゃないんですか。いかがですか。

○宮澤国務大臣 一応、先ほどのことを申し上げてしまいますと、要調整額がなくなったのをごらんになって、これは増税ということをあきらめたな、間が詰まらない、先ほどまずそうおっしゃいました。その次に今度は、国債というのはとめどもなくいくんだねと、これは同じことなんですが。

 主計局長が申し上げましたように、財政再建のときには、実は御記憶のように、何年までに特例公債をどこまで縮めようということがあったわけでございます。それを私どもは、財政再建策というのは大事だけれども、今この不況を脱却するときにこれにこだわっていることができないということで、法律を御承知のように凍結いたしました。したがいまして、いつまでに特例公債をやめるという目標、あるいは具体的な方針そのものは、今存在いたしません。そのことは確かに極めて遺憾なことでございます。

 しかし、表があらわしているものは、何もそれを我々がよしとしているという意味ではありませんで、かつての目標をおろしましたことを単純に表があらわしているということ、そういうものとしてこの表の性質をまず、先ほど申し上げましたように、御理解いただきたいと思うんです。

 そこで、本題に行きますと、しからば、政府が今特例公債をいつやめるかという目標を持っていないのかとおっしゃいますと、正直なところ、それを持ち得ない状況でございます。ヨーロッパの国々のように、毎年の単年度の財政赤字をGDPの何%にするということも一遍考えましたけれども、今それにこだわっていては不況の脱出ができないと考えておりますことは申し上げたとおりでありまして、そのことは極めてだらしのないことではないかとおっしゃれば、大蔵大臣としては、まことに自分で残念だと思っていることですが、しかし、それほどまでにいたしませんとこの不況脱出というものができないと思っておる。

 それで、次におっしゃいましたことは、ボンドのディシプリンということでございますけれども、確かに、国債が多く出るということで、市場はそれをそのように受け取っている点はございます。しかし、金利のことをおっしゃいましたので、この間も、これはちょうだいした資料でございますけれども合っておりますので使わせていただきますが、昨年の十一月三十日の金利は一・〇五五でございますので、非常に異常な金利、日本は異常に低かったわけですが、それが今、二に上がり、二を上下しているというところでございますから、とんでもない高い金利が出てきたわけではない、昨年に比べればそうでございますけれども、国際的には大変に低い金利である。

 そしてこれは、ちょっとお時間をいただいて悪うございますが、去年の暮れにたくさん国債が出るということにやや過剰反応をしたんではないかというふうに私は思いますし、金利というのは要するに国債の価格の裏返しでございますから、そんなにマーケットを離れて生まれるはずではないと思っております。したがって、上昇はしておりますけれども、民間に資金需要がございませんから、日本経済に大きな悪影響があるところまで上昇するとは思えません。

 ただ、つけ加えさせていただきますが、国が非常に大きな国債を出しているということが一つの原因であることは間違いございませんから、国債の発行者としては、いろいろな配慮なりいろいろな工夫をいたさなければならないということは事務当局にも指示をしてございまして、大きな国債発行者としてのディシプリンは守ってまいらなければならないと思っております。

○仙谷委員 時間が切迫しておりますので、三つだけ申し上げておきます。

 私は、このボンドマーケットの関係からいえば、長期金利が上昇して債券価格が下落すると当然の予測されることをしでかした政府が、今度は慌てふためいて、日本銀行に国債の引き受けをやらせるとかやらせないとか、買い切りオペの増額、拡大をやらせるとかやらせないとか、そういう対処方法を、その場しのぎのような政策を繰り返すから日本の経済がおかしくなっている。ここのところはひとつよくお考えいただきたいし、そういうことしかお考えできないような財政経済運営というのは、これはもう政権担当能力といいましょうか、財政運営能力を喪失しているということを申し上げたいと思います。

 さらに加えて、自民党筋からは、やはり景気おかしいぞ、あと十兆円ぐらい補正予算が要るぞみたいな話がちらちら聞こえてまいります。これは、ことしこの財政赤字の上に十兆円の、あるいは五兆円でも国債を発行して、そして補正予算でも組もうものなら債券市場がどういうふうになるか、そのことはよくお考えをいただかないと、日本の経済を本当に奈落の底へ突き落とすということになりかねないと思います。そのことだけ申し上げて、次の問題に移ります。

 日債銀の問題でございます。

 お配りした資料を見ていただきますと、一枚目に日債銀救済、二年間にわたってこういうことが行われたんですね。

 まず日銀から八百億、民間金融機関から二千百五億円、これは九七年の七月に手続は完了したわけですが、四月一日から大蔵省が一生懸命なさったことであります。それから金融危機管理審査委員会からの六百億、これは御承知のように、昨年の三月十日に決定をした、そういう日債銀救済策であります。

 このことが先般から、要するに責任問題はさておいて、なぜこんなことになったのかということが問題になっております。

 そこで、まず一点聞きたいわけですが、これは大蔵省でも金融監督庁でも、お答えはどちらでも結構ですが、そのかわり、正しく事実をお述べいただきたいのであります。

 四月一日に大蔵省が民間の金融機関等四十数社、あるいは四十人なのかもわかりませんが、これを合同庁舎に集めて、そうして日債銀の救済について、あるいは日債銀支援とでもいいましょうか、これについて要請をしたということはございまするでしょうか。もしおありになるとすれば、そのときの主たる出席者、その中に山口銀行局長、中井審議官、中井省さんとおっしゃるんですか、審議官がいたでしょうか、お答えください。

○伏屋政府委員 お答えいたします。

 今委員が言われましたように、九年の四月一日に日債銀の経営再建策の発表がございまして、大蔵省といたしましても、日債銀から民間金融機関に対しまして出資要請をしているとの報告を受けるとともに、日銀に対しまして出資を要請したという大蔵大臣の談話を発表したわけでございます。

 その談話の中では、大蔵省といたしましても日債銀の再建策に最大限の支援を行っていく所存であるという方針も表明されておりまして、この談話の趣旨等につきまして説明を行うという意味で、金融機関に対して、日債銀の増資要請先に対しまして説明を行ったということは事実でございます。

 具体的にどうという点につきましては、監督庁の方から答えていただきたいと思います。

○仙谷委員 では監督庁、監督庁が引き継ぎを受けられた書類の中に入っているんだと思いますが、このときの銀行局長もしくは審議官の発言として、日債銀株については上場を続けるんだ、このリストラを支援していただいたら皆さん方は配当収入やキャピタルゲインも見込めるんだ、こういう発言をしたかどうか。あるいは、日債銀の自己査定による第三分類は四千七百億円である、大蔵省が検査をしても大きくは違わない、五年で再建できるというふうなことをおっしゃっておったかどうか。この点いかがですか。

○日野政府委員 お答えいたします。

 当時の大蔵省銀行局から金融監督庁は事務を引き継いでおります。その四月一日の様子は、先ほど伏屋金融企画局長からお話がありましたように、その日の午前中に主要株主である銀行十行、それから同行に劣後ローンを提供しておりました生損保会社二十二社、それから長期信用銀行二行の計三十四社の担当者に参集していただいたということでございます。

 大臣の談話は午後二時から三時ごろの間に発表されたようでございますが、先ほど局長からもお話がありましたように、事前に御説明を申し上げたということでございます。

 具体的にその当時の会議録といいますか、あるいは議事録といいますか、そういったものは今のところ私どもの方にはございませんで、あくまでもこれはヒアセイになりますので、この要旨、どんなことを申し上げたかというと、つまり当時大蔵省としては、日債銀は債務超過ではありませんよ、再建策がもし実施されれば再建は十分に可能であります、こういう認識を持っているということを御説明申し上げて出資に対する理解を求めたというふうに私どもは聞いているところでございます。

○仙谷委員 会議録はどこにあるんですか。それが一つ。

 それから、出席の金融機関からは異論といいますか、注文出なかったんでしょうか。

○日野政府委員 お答え申し上げます。

 当時の会議といいますか議事といいますか、そういったものを記録したものは、私どもの方にはございません。少なくともそういうものは引き継ぎの中にはございません。

 それから、異論があったかないかということですが、四月一日には、先ほど申し上げたように、出資を求めた各社の方々においでいただいたわけでございますが、主要な金融機関に対しましては事前にかなり根回しをしておられたようでございますので、特にその日にそれに対して反対だといったような意見は私どもは聞いていなかったというふうに承知しております。

○仙谷委員 根回しの点は三月の二十四日とか二十七日から、これも当時の銀行局長山口さんと中井審議官が手分けをして各金融機関を回ったというのが一部報道機関でも報道されておりますが、大蔵省にはまだこの会議録とかその根回しの記録というのは残っているんですか。

○伏屋政府委員 今言われました会議録について、私ども、ないと聞いております。

○仙谷委員 私は、こんなときの会議の会議録を残さないということはあってはならないし、あり得ないと思うんです。わかり切ったような、いわば言い逃れみたいなことはやめてもらいたい。

 これは、我々の方で、民主党の方からもこの四月一日の会議録のこの委員会への提出要求をしております。これは、大変重要な会議録だと私は思うんです、この問題を解明するについては。資料の提出要求をしておりますので、これは委員長、ぜひ取り寄せるようにしてください。

○中山委員長 理事会で協議をいたします。

○仙谷委員 そこで質問を続けますが、では、民間から異論が出なかったということであれば、なぜ四月十六日を基準日として検査を始めたんですか。金融監督庁長官、どうですか。

○日野政府委員 お答えいたします。

 平成九年の三月三十一日現在は、日債銀は自己査定の結果を四千七百億円の第三分類債権というふうに出資先などに対しても言っているわけですけれども、大蔵省はこの際検査をして果たして、第三分類債権はもちろんですが、第四分類あるいは第二分類の分類債権について正確に把握をする必要があるといったことからこの検査を開始したものであると承知しております。

○仙谷委員 これは、いいですか、日債銀については、もう既に九二年から債権の飛ばしをやっておるのではないか、あるいは関連ノンバンク、ペーパーカンパニーの存在というのが大変多くて、不良債権、不良資産を随分抱え込んでおるのではないかというのが、これは九二年から話が出ているのですよ。

 そして、この九七年の三月末日というのは、かねてから喧伝をされておったといいますか、他の金融機関からも指摘されておったクラウン・リーシング、日本トータルファイナンス、日本信用ファイナンス、この三社を、これはほかの金融機関からいえば、母体行である日本債券信用銀行が手を切って、みずからは母体行としての責任を負わない、けしからぬことをしたという憤激を呼んだ処理をしたのが九七年の三月三十一日決算ですよ。みずからのところは二千五百億しか償却しないでも済むんだけれども、これが大体この三つのノンバンクの債務総額の一〇%だと言われておるのですね。つまり、母体行としての責任じゃなくて、みずからが貸していた、一〇%分だけの約二千五百億を放棄して、そうして逃げたというふうに憤激を呼んでいた時点なんですよ、この四月というのは。異論が出ないはずないじゃないですか。

 そこで大蔵省は、今おっしゃったように、四千七百億と自称しておる不良債権を、第三分類の債権四千七百億と言っているけれども、そんなことはないかもわからないということで調べ出した、こういう経過だと私は合理的に推測しておるのですね。

 そこで、始まりました。始まった結果、今この委員会でもあるいは参議院でも問題になっております七千億という、何か中間報告とか概要とか言われておるこういう数字は、どこから出てきた数字なんですか。

 大蔵省としてはあるいは今の金融監督庁としては、一つの検査で二つの数字が出てくるということは私はあり得ないと思うのですね。一回の検査で七千億という数字と一兆一千二百十二億ですか、第三分類の債権額について二つの数字が出てくる、こんなことはあり得ないと思うのですが、七千億という数字は、これはどこから出てきておる数字なんですか。どなたかおわかりになる方、答えてください。

○日野政府委員 まず最初に、四月一日当時の認識といいますか、それは先ほど仙谷議員からもお話がありましたように、クラウン・リーシングなどが破産になりました。これは、長銀のときなどにも、その不良債権をどういうふうに処理するかということで、例えば全部それを放棄してしまうかどうかといったようなことが透明性に欠けるといった御指摘もありましたように、この当時はプロラタ処理ということで、大変法的に公正な処理が日債銀に関しては、四月一日現在には破産法という法律できちっと処理されたものではないかというふうに理解しております。

 それから、第二の御指摘にございました、七千億という数字がどこから出てきたかという御指摘でございます。

 これは、当時はまだ大蔵省は検査をしている途中でございまして、まだ過程にございましたので、検査結果というものを日債銀には通知しておりません。これは九月になってから通知しております。

 したがいまして、心証といいますか、日債銀が勝手にと言ったらおかしいのですが、大蔵省が考えていることはつかんでいたかどうかわかりませんけれども、自分たちの主張として、第三分類は七千億ぐらいだということは恐らく主張したといいますか、大蔵省に対して、一兆一千二百億円と七千四百億円の違いですから、かなり相当激しいやりとりがあったのではないかというふうに私は思います。

 それで、日債銀としては、自分の方の主張を大蔵省に対して、あるいはこれは推測ですけれども、そのやりとりの間で述べただけではなくて、どこかほかにもそういうことを漏らしたがためにその数字がひとり歩きをしたのではないかなというふうに考えておりまして、これは大蔵省が、その当時、自分の認定として七千億、七千四百億ですかが第三分類になりそうだといったようなことは決してございません。

 

○仙谷委員 大蔵省は、五月の十九日ですか、中間報告をしたという説もありますね。それから、そのころに、大蔵省の銀行局の幹部が大手数行の役員に電話して、七千億になってまことに申しわけない、ふえたけれども申しわけない、しかし、大丈夫だというふうなことを言っておるという報道もあるんですよ。

 現に、七月の二十九日だったですか、ここまでに増資の手続を完了させなければならないわけですから、大蔵省がギャランティーを与えた数字が各民間銀行に連絡される、あるいは日本銀行に、大体ではなくてこうだということが、どこを通じるか別にして、報告をされるということがなければ、安心して出資に応ずるわけにいかないじゃないですか、民間の金融機関は。違うんですか。七千億というのは、何らかの格好で大蔵省が日債銀に通告した数字ではないんですか。

○日野政府委員 ただいま御指摘がありました報道は、全銀協の岸会長が記者会見で述べられたものだというふうに承知しております。

 ただ、私どもは、先ほど申し上げましたように、七千億という数字がどこから出たものか知りませんけれども、そういう数字がひとり歩きしていたということは、大蔵省としてもそういうことは認識していたというふうに承知しております。

 しかし、大蔵省として、検査を通じて自分たちが把握している数字を七千億であるということを日債銀に通知したことはないというふうに聞いております。

○仙谷委員 これは大変重大なことになってきましたよね、本当に。ここを解明しないと、次に指名しますけれども、日本銀行も浮かばれませんよね。日本銀行は、七千億と聞いて、しかし心配ないということで、八百億円投げ出したわけですから。そうですよね。

 日本銀行は、第三分類七千億という数字はどういうふうに伝えられましたか。つまり、だれかが日本銀行へ来たんですか。書類があるいは文書があったんですか、なかったんですか、そのことをお答えください。

○小畑参考人 お答え申し上げます。

 いわゆる回収に懸念のある第三分類の七千億円という数字でございますが、これは平成九年の五月十九日に、日債銀が主要株主等の民間に対する増資要請の一環といたしまして、日本銀行に対しましても、これは担当レベルでございます、民間にもこういう説明をする、日銀にも第三分類が七千億円程度だということで、そういう連絡があった次第でございます。

 その日、大蔵省とは、かねてより申し上げておりますとおり、具体的な検査結果自体は日本銀行は入手いたしておりませんけれども、日債銀は債務超過でないという認識を持ちつつ、私どもも八百億円の増資への対応をさらに進めてまいったということでございます。

○仙谷委員 ちょっと日本銀行の方、私の質問にも答えてください。

 日債銀がわざわざ日本銀行へ来てその旨を、あなた、連絡と言ったけれども、ちゃんと通告したといいますか、通知したのですか。それから、文書はなかったのですか。それから、今の質問に重ねてお伺いするわけですが、大蔵省に問い合わせといいましょうか、この七千億円という連絡を、こうなのですねと確認の行為を行ったのでしょうか、しなかったのでしょうか。

○小畑参考人 お答え申し上げます。

 日債銀との間では電話連絡でございまして、書面等のやりとりは一切ございません。

 それから、大蔵省との間につきましては、これも電話でございまして、当時の大蔵省の銀行局の課長補佐、私どもの信用機構局の調査役というレベルで、要するに、日債銀がきょう民間にこういう説明をしている、ついては、そのときに、七千億円ということで民間にも説明しているというのは当然大蔵省との間の話し合いではございましたけれども、債務超過ではないということの認識をその電話で確認し合ったということでございます。

○仙谷委員 では、日本銀行に重ねてお伺いするのですが、もし仮に、最終結果は九月に判明したのですね。一兆一千二百十二億円、第三分類が四千億円ふえた、こういうことになるわけですね。その中身が、私の推測によると、ほとんどペーパーカンパニーに対する融資が、日債銀としては、日債銀のペーパーカンパニーだから、日債銀が面倒を見るというか責任を持っているから、これを第三分類に含めないでいいんだとか、いや、そんなものは自分のところの会社だから、連結決算したらむしろ債務としてカウントしなければいけないんだとか、そういう議論が日債銀と大蔵省の間で当然あったのだろうと思うのですね。あったのだと思うのですよ。結論としては、一兆一千二百十二億円、四千億円その種の債務がふえた。

 いいですか、これが増資に応ずる前に、つまり、九七年の四月、五月段階で判明しておれば、日本銀行としては八百億円を投入するという決断ができましたでしょうか。お答えください。

○小畑参考人 お答え申し上げます。

 実は、私ども日本銀行自体の考査は、平成七年二月に入ったところでございまして、それ以降は、日債銀からの計数報告とかヒアリング、オフサイトモニタリングで日債銀の資産内容等の把握に努めてきたところでございます。

 この八百億円の出資に関しましては、私ども日本銀行でも、当時の金融システムの安定等、日本銀行が最後の貸し手としての役目を果たさなければならない、そういうぎりぎりの選択をする中で、資産内容につきましても、日本銀行自体の考査ではございませんけれども、日債銀自体が提出してまいりました自己査定表が適切かどうかというのを私ども考査局がチェックいたしまして、その当時では、日債銀は債務超過ではないという判断を私ども独自の判断で持っておったものでございますから、最終的に、私ども、四月一日の政策委員会で八百億円を限度に日債銀の増資に応ずるという方針を御報告し、了承を得た、そういう経緯でございます。

○仙谷委員 問いにちゃんと答えてほしいのですが、当時の、九七年三月末の日債銀の自己資本勘定は、三千四百億円償却しておりますから、九百九十億円ですよ。たったとは言いませんが、九百九十億円の自己資本勘定ですよ。そういう会社の第三分類債権が七千億円から一兆一千二百十二億円に四千億円もふえたときに、いいですか、答えは極めて簡単じゃないですか、四千億円第三分類がふえるということは、引き当て五〇%にしても、自己資本を二千億円償却しなければしようがないじゃないですか。一千億円の債務超過になるじゃないですか。そんなのは素人でもわかる話です。日本銀行ともあろうお方がそんなことをわからないというのは、到底考えられないんですよ。だから、それを聞いておれば増資に応じることができたかという答えは、ノー以外はあり得ないですよ。

 そして、まして日本銀行、あなたは信用秩序のこともおっしゃった、金融システムのこともおっしゃった、しかし、日本銀行がその種のお金を出す場合には、いいですか、より財務の健全性が問題なんじゃないですか。返済可能なお金じゃないときに、旧日銀法の二十五条でもお金を出せますか。返済される可能性があるということで出すんでしょう。そうじゃないんですか。

 そして、何か日銀には四項目の基準があるんじゃないですか、内部ルールが。財務の健全性と、さらには関係者の責任の明確さということがあるじゃないですか。この九七年四月のケースは、関係者の責任が全然明確になっていませんよ。そして、これを出すことによって八百億円が日銀に返ってくるという保証があるかないかは、まさにせんじ詰めると、日債銀のこの第三分類にかかってくるんじゃないですか。

 そんな程度の確認で、大蔵省に幾ら勧められたからといって、そんな程度の責任で八百億円日銀の資産を一つの民間会社にほうり込まれたんでは、国民はたまりませんよ。いかがですか、今の問い。

○小畑参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、私ども、信用秩序に対します日銀法で申し上げれば、第三十八条のいわゆる特別融資等を実施します場合には、四原則というのを持っておりまして、御指摘のとおり、財務の健全性というのは四番目の重要な原則でございます。

 日債銀の新金融安定化基金を通じます出資に関しましても、私どもの日本銀行の使命を果たす上で、その四原則上厳しくチェックいたしまして、財務の健全性という点につきましては、当時、内外の金融システムの安定を図るためのセーフティーネットが現状のように十分なされていない中で、日債銀の再建を図ることがどうしても必要だというのが日本銀行自体の判断でございました。

 当時、私どもの判断といたしまして、日本債券信用銀行のあの当時の再建計画というのは思い切ったリストラである、その結果不良資産の処理もあわせて進みますので、資本基盤の整備が図られれば、日債銀は今後市場の信認を得られる経営立て直しが図れるんではないか、そういう判断を日本銀行もいたしたわけでございます。

 そういう中で最後の貸し手機能としてぎりぎりの選択をしたということで、何とぞ御理解賜りたいというふうに思っておるところでございます。

○仙谷委員 この問題は先般共産党の木島委員も聞かれておったわけでございますが、私が申し上げた第三分類の額が幾らになるかというのは、せんじ詰めると、ペーパーカンパニーあるいは関連ノンバンクに対する日債銀の債権が果たしてどういうものかということに尽きるんですね。

 つまり、債権の飛ばしであるかないか、あるいは、非常に過剰な貸し付けであるかないか、あるいは、不動産融資をして不動産の価格が極めて低下しておるんではないか、そういう問題ですから、これは九七年の時点で大蔵省の検査で、すぐにとは言いませんが、わかっていなければおかしい問題であります。だから、五月から調べて九月の結果では、既に一兆一千二百十二億という金額が出てきておるんじゃないですか。

 大蔵省あるいは金融監督庁、そのお配りした資料、ここに「日債銀関連会社・ペーパーカンパニー」というのが書いてあると思います。さらに、その次のページに、東京ハウジング産業以下約六十社書いてあると思うのです。

 「日債銀関連会社・ペーパーカンパニー(決算内容が明らかなもの)」、辛うじて私どもの調査で決算内容が明らかになったものだけを書いてございます。

 設立のところを見てほしいのですが、九二年、九三年、その年月日が非常に多うございます。次のページもごらんください。設立が九六年の分までございます。九二年、九三年あるいは九六年。そして、住所を見てください。ほとんどが同じところにございます。代表者の欄を見てください。これは全部日債銀社員であります。

 こういうことが、ここにパネルでもつくってきてありますけれども、まさに長銀のときと同じような、ペーパーカンパニー六十社、正確ではないと思いますけれども、なぜ正確じゃないかというと、資料が明らかになっていないからであります。我々の調査だけでも、そのうちの約二十社の借入金が一兆五千二百五十二億ある、こういうことになっておるわけであります。

 ここに書いてございますように、日債銀から十二社に対して一兆五千二百五十二億、そして、そこから残りの五十社ぐらいに対して五千二百三十八億が貸し出しをされておるというところまでわかっております。

 このことが第三分類の金額の上下に関係をしておると私どもはにらんでおりますけれども、当時の検査で、大蔵省、第三分類が四千七百億から一兆一千二百十二億にふえた、あるいは七千億からふえた。このことは、こういうペーパーカンパニー、ノンバンクあるいは関連会社、ここに対する過剰な貸し付けの焦げつき分であった、そういう検査結果を持っていらっしゃるんじゃないのですか。

○日野政府委員 検査結果の第三分類の一兆一千億円余りの中には、今御指摘のありましたように、日債銀の関連会社に対する債権が含まれております。

 日債銀は、自己査定で、大蔵省とは異なる独自の見解を主張しておられたようでありまして、今いろいろ挙げられました各会社、中には、資本金がもう既にマイナスになっているところもございますが、こういった会社であっても、日債銀が支援をする限りは倒産することはない、したがってその債権は回収できるんだ、こういった見解、理由といいますか、そういったことから、こうした先に対する債権を基本的に要注意先であります第二分類におさめていたようでございます。

 一方、大蔵省は、この検査では、こういった債権は破綻懸念先の第三分類ではないかということで、これを査定いたしまして、こうした見方の違いが、日債銀が検査途中で言ったのかどうかわかりませんが、ひとり歩きした七千億円あるいは四千数百億円、それと、最終的に九月に大蔵省が示達をいたしました一兆一千億円の差となっているのではないかというふうに考えられるところでございます。

○仙谷委員 時間がどんどん迫っておりますので、ここで、まず九七年の日銀八百億を初めとする約三千億の増資については、先ほどの監督庁長官のお話でも、岸全銀協会長の話として、つまり、東京三菱銀行が大蔵省と話をして、七千億円であることを聞いておるという話がございましたね。

 それで、これも非常に、先ほどの証言を聞いておりますと、やみの中のような感じがいたします。果たして、大蔵省がある時点で七千億という数字を日債銀に伝えたのかどうなのか、あるいは大蔵省が各民間金融機関にそれを伝えたのかどうか、一向にはっきりしません。これをはっきりさせないと、まずはこの三千億の増資等に対する民間金融機関及び日本銀行の動向がわからない。

 つまり、宮澤大蔵大臣も予算委員会の中で、日債銀がもう債務超過であって、そのことを知りながら大蔵省があっちこっち助けてやってくれと言ったのはいわば詐欺ではないかと、そういうふうには思わないということを宮澤大蔵大臣も答弁をなさっておるわけですが、私はこれは詐欺的行為だと思っているんですね、限りなく詐欺に近い。

 もし、一兆一千二百十二億という第三分類債権を認知しながらあるいは予測しながら、七千億しかないから債務超過じゃないということを日債銀の口をかりて言わせたとしても、それはお金を出す方を誤信させるに足る十分な状況を四月一日以降つくっている。これは、刑法上の詐欺が成立しないとしても、民法上の詐欺は完全に成立すると私は思いますね。このことは非常に重大な問題で、現に日本興業銀行は株主から代表訴訟を受ける事態になっております。

 ここははっきりと究明をしなければいけない問題である、証人をあるいは資料を提出していただいてはっきりしなければいけない問題であると、まず指摘をいたしておきます。

 それから二番目、次の問題でございます。預金保険機構、いらっしゃっておりますね。

 この昨年の三月の資本注入に当たって、日債銀関連で、どうも第三分類が一兆一千二百十二億ある、九七年の三月三十一日決算を見るとそのぐらいあるという結果は、九七年の九月十一日にもう既に大蔵省から日債銀に示達されているんですね。その数字が、いわゆる佐々波委員会が審査をするについて、出てきておりましたでしょうか、あるいは出てきておりませんでしょうか。

○松田参考人 お答えいたします。

 昨年三月の審査委員会の席上では、いわゆる問題の三分類が一兆を超えているという数字は、具体的に出たことはありませんでした。

 

○仙谷委員 松田理事長、理事長もいわゆる佐々波委員会の審査に携わっていらっしゃったわけでございます。

 そこで、この要旨というのを見れば、この要旨の三十九ページでありますが、申請機関の中に債務超過の銀行や早期是正措置の第三区分または第二区分の銀行があるかどうかについて、大蔵大臣、日本銀行総裁の現在の認識を伺いたい。その答えとして、現時点において、債務超過の銀行や早期是正措置の第三区分または第二区分の銀行はないと認識している、こういう答えが載っています。

 しかし、仮に第三分類が一兆一千二百十二億円あった場合には、これは確実に、引き当て額を引き当てると、五〇%でも引き当てると、そのように、つまり債務超過になるんじゃないですか。

 私どもの計算だと、九七年三月期は四千六百二十一億円債務超過、九八年の三月期は六百億円。つまり、九八年の三月に注入した分を含めても、それを含めて計算をしてもマイナス一千五百四十四億円の債務超過になっている、こういう計算になりますよ。

 どうして第二区分の、早期是正措置の第三区分または第二区分の銀行、第二区分の銀行というのは、国際統一基準の場合には四%以下ですよ。国内基準でいっても二%以下ですよ。そこに該当する銀行もない。私は、日債銀の大蔵省検査、九月十一日に示達された大蔵省検査の結果がこの佐々波委員会に出てきておれば、そして専門委員もおったわけですから、数字を読めば、これは債務超過になるか、あるいは少なくとも第二区分に該当する銀行ということになるんじゃないですか。

 つまり、こういう審議をしたということが要旨で出ておりますけれども、だれがどのようなことを言って、大蔵大臣と日本銀行がどう答えたのかということがさっぱりわからない。今明らかにできることはございますか。

○松田参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のその議事の要旨は、議事録の公開が二〇〇一年三月までを基本としておりますものですから、それにかわる議事の要旨ということで、できるだけ広範に書いたものでございます。

 もう一点の、まず債務超過になるかどうかという議論は、私どもその数値を知りませんし、それで計算したこともありませんので、定かでございません。

 それから、大蔵大臣と日銀総裁とその他の委員が具体的にどこでどういうぐあいに発言をしたか、要旨の中身は大体その議事の要旨に書いてございますが、それは議事録の内容そのものに深くかかわることでございますので、この場では御勘弁いただきたい、御理解いただきたいと思います。

○仙谷委員 これは、国民のお金が六百億円投入をされて、たった八カ月でゼロになったというケースですよね、六百億円の話は。そして、その前年の分は日本銀行のお金が八百億円、これも消えてしまったという話です。民間金融機関の約二千百億円、これも、もし国家賠償請求をされた場合には、勝訴になるのか敗訴になるのか甚だ微妙なところにあると思いますね。もっと言えば、ひょっとすればというよりも相当の確率で、国が資料を全部出した瞬間に、敗訴の確率、高くなるのじゃないでしょうか。ということは、国民の負担でございます。

 ところが、国民の負担になるであろう、なりつつある、なってしまったこの巨額なお金が、その投入や注入が決められるときに、だれがどう責任を持って、どのように判断をしたのか、その判断の前提たる資料を、せっかく前年の九月に検査結果が示達されながら、そのことがどうなっておったのかわからない。こんないいかげんな話では、そしてそのまま放置することでは、この予算委員会の使命は果たせないと私は思うんですね。これは、私どもが証人喚問をしておりますし、資料を取り寄せていただきたい。

 委員長、先ほど、金融危機管理委員会議事録、二〇〇一年三月まで封印すると、そんなことは自分たちで勝手に決めてもだめですよ。(発言する者あり)法律と関係ありませんよ、そんなもの。これはぜひ予算委員会で与野党一致のもとに議事録を取り寄せる。なぜこんな不始末が起こったのか、なぜこんなに国民に説明のつかないことが起こっているのか、国民に説明をどうしてしないのか、この疑問に答えるためにも、まず議事録を取り寄せる。そうして、なぜ大蔵省の示達の一兆一千二百十二億円の第三分類の検査結果が佐々波委員会の審査に反映しなかったのか、これを解明しなければいけないと思うんですね。ぜひそのことを強くお願いをして、岡田委員に交代をいたします。

○中山委員長 理事会で協議をさせていただきます。

 この際、岡田克也君から関連質疑の申し出があります。仙谷君の持ち時間の範囲内でこれを許します。岡田克也君。