1998年09月16日 金融安定化に関する特別委員会

○相沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仙谷由人君。

○仙谷委員 おはようございます。

 ここ数日来の報道で、いわゆる長銀問題、そして金融システム安定化に向けた法整備についての報道が、つまり、平委員の私などは知らないようなことが次々と出てくるものですから、そのことについて確認的に大蔵大臣に聞きたいわけでございますが、前回、前々回と、日本銀行総裁にお越しをいただきましたのに全く質問する時間がなくて失礼をいたしておりますので、その点から少々質問をさせていただきます。

 日銀総裁にお伺いしたいんですが、八月十三日の記者会見で、日銀総裁が、ジャパン・プレミアムあるいはその発展形態として、邦銀、日本の銀行が海外の金融機関等から資金を借りられなくなっている、非常に難しくなってきているので、金利の安い日本の円を海外に送金をしている、それでドルを調達しているということをおっしゃっております。この状況をもう少し詳しくおっしゃっていただくとすると、もう邦銀は海外では一切資金調達をできる銀行はなくなっているのかどうなのか、その原因は何か、そのことをお答えいただきたいと思います。

○速水参考人 特定の銀行の資金繰りは申し上げるべきでないかと思いますが、一般論として、今、まずジャパン・プレミアムというのは、海外で、まあ国内で借りることもあるんですが、外貨で借りる場合の日本の銀行に対するプレミアム、これがここへ来てまた少し上がりまして〇・四%ぐらいになっております。だけれども、これを直接借りられる日本の銀行というのはごく限られておるわけですね、三行とか四行とか言っておるんですが。そういう銀行が借りて、また日本の銀行へさやを取って転貸する場合もあります。その他の場合はほとんど、円投と称しておりますが、円を投入して、それで外貨を買って、それを海外店などで使うというのが大部分でございます。その比率が、円投部分が非常に多くなってきているというのが最近の状況として言えるかと思います、全くなくなったということは言えないかと思いますけれども。

 今回、そういうふうに円資金がもとになっているということも考慮に入れて、日本銀行は一段の金融緩和をいたしました。これもこういう金融市場全般の動きを、こういうことも踏まえて出したつもりでございます。結局、〇・二五下がりますから、その分だけ安くなれば高く取られているところでもその分は下がるわけですね。そういうことを考えたわけでございまして、今後とも一層の円滑化を図っていくように努力はしていきたいと思いますけれども、外銀が日本の銀行に対して枠をどんどん減らしてきていることは事実でございます。

 特に、私は心配しておりますのは、そういう一行が破綻したといったようなことが起こりますことが、格付会社のほかに、ムーディーズとかそういうところのほかに、アメリカなんかの大銀行というのは自分のところで格付をつくっているんですね、今までの経緯や現状。そういうものが、大きな取引先がどんどん下げてくることが怖いと思うんです。これは、単に民間銀行だけでなくて、日本の国債に対しても下げてくるかもしれませんし、そういうところは日本全体に対しての格を下げてくるという可能性を十分考え、そういうシステムになっていることだけ申し上げておきます。

○仙谷委員 原因の方をお伺いしたんですが、なぜそうなっているのかということであります。つまり、今海外で、国際マーケットで金融の業務を行っている銀行は、私が聞いておりますところでは、都銀、長信銀、地方銀行含めて七十六行ある、こう言っているわけですね。今のお話だと二、三行という話でございますから、そうすると、マーケットで金融業務をできなくなっている。ほとんどの銀行ができなくなっている。もっと言えば、今のは多分短期、長期の、要するに金の貸し借りの世界だと思うんですが、いわゆる資本をとるといいましょうか、そういう観点からいえば、みずからの力で、つまり、あれは一月か二月でございましたでしょうか、住友銀行がアメリカのニューヨーク市場で、劣後債だったんでしょうかそれを発売して、ちょっと金利は高かったけれども、みずからの手で資金を集めてきたというか資本を集めてきたという、こういうことがありましたのですが、もうそういうこともほとんど不可能になっているというふうに認識した方がよろしいんでしょうか。

○速水参考人 恐らく銀行の、今七十何行とおっしゃいましたけれども、そのうち本当に金融業というものをやっておるところは十九行というか二十行というか、あるいはもう少し少ないかもしれません。その辺の残高全部でちょうど七千億ドルぐらいの金は使っておるわけなんですね。そういうところがこれから新たに資金をつくろうということになりますと、やはり円で国内で調達して送るしかない。円の場合も、外銀が出し手で円をとる場合には、恐らく、特定のところにはまたその金利を高くするというようなことが起こっております。

 全般として、ちょっと申し上げさせていただきたいんですけれども、今、日本銀行で全体の日本のマネーフローというのをつくっているんですけれども、それが三月末で、国民の金融資産、よく言われる数字で千二百三十兆ある、それはそういう数字が出ているわけですね。その千二百三十兆円のうち、銀行、信託、保険で八百三十兆円ぐらい入れているんです、国民全体で。銀行は約五百兆ぐらいだと思いますけれども、それを銀行は貸しているわけですね。貸している方は七百兆円ぐらい貸しているわけです。預金の方は八百三十兆円、その額面どおり返さなきゃいかぬわけです。.ところが、この貸し出しの七百兆というのは、担保、株式、不動産等が相当値下がりしておりますから、これはもう明らかに実質価値がうんと下がっているわけです。それは自己資本を出さざるを得ないだろうということはだれが見てもわかるわけです。償却するのには自己資本が全体として足りないということは、このマネーフローの数字、これは公表されていますから、外銀はみんな知っているわけです。こんなに足りない自己資本でどうするつもりなんだと。特定の銀行のことじゃないんですね。それは特定の銀行が何か起こしたときはそれがきっかけになってそういうものがわっと出てくる可能性は十分ありますけれども、そういう基本的なところをどうやって日本は調整していくか。今、海外から入れるということはもう難しくなってできない、それから、国内で増資ということはとてもできないでしょう、恐らくそういう本当に欲しいところは。

 そうなれば、公的な金に何らかの形で頼って、日本の経済全体が、バブルはじけで下がってきているしわが全部、銀行の貸し出し、預金の方はその額面どおり返さなきゃいけない、貸し出しの方はみんな下がっている、この差額が何兆ありますか、恐らく相当の、二、三百兆は十分あるんじゃないかと思うんです、私の推測ですけれども。そういうものをどうやって資本を強化するだろうかということにかかっているわけですね。そこのところをお考えいただければ大変ありがたいと思います。

○仙谷委員 まだ少々歯切れが悪いようですが、私が先般ここで議論したときには、大手十八行を、これはちょっと日本信託が計算がややこしいので除きましたが、大手十八行のバランスシートをつくってみると、これを一つの銀行としてつくってみると、十四、五兆の自己資本が額面ではあるのに、二〇%引き当てしてみると、第二分類債権を二〇%引き当てするというそういうバランスシート、そしてちゃんと有価証券の資産のところは株式の時価評価でいく、これをやると一兆四千億しかないですね、自己資本が。まさに総裁がおっしゃるのと同じ、マクロ的にはもうおっしゃるとおりの状態になっておるわけでございます。

そこから認識を出発させなければならないということは、もう仰せのとおりだと思います。

 もう一つ、実は海外のマーケットから日本の金融機関、銀行が不信の目で見られているということのもう一つの大きな原因は、マクロ的に見るとそういう実態であるにもかかわらず、個別行もそのことを認めようとしない、つまり資産内容をちゃんとディスクローズしないということに大きな原因があるのではないかと思うんですね。

 それで、速水総裁の記者会見、さっきは八月十三日の記者会見を申しましたが、その前の六月十六日の記者会見で、自己査定の公表を求めるというのは、まさにその不信感を払拭するためには、株式は時価評価で、つまり国際標準でやるべきだ、それから、資産査定については、端的に現在の担保価値を時価で計算して、劣化しているんだったら劣化しているということを言わなければ、ちゃんと公表しない限り信認は回復できない、こういう意味があったんじゃないかと思うんですが、いかがでございますか。

○速水参考人 委員のおっしゃるとおりでございます。私は、ほかの国が全部それをやって、自己査定をやって自己開示をやっている、それを信頼されて初めてその銀行は大丈夫だ、あるいは預金者は、ここなら大丈夫だからここへ入れようということになっているんだと思うんですね。

 日本の場合は、第一分類といえども、御承知のように、取引先との株の持ち合いとか、あるいはメーンバンク制というのがあって、ここだけはどうしても、もう債務超過なんだけれども貸さなきゃいかぬのだというようなものがかなりあり得るわけなんですね。そういうものは、本当はこれは不良資産に入るべきものなんです。そういうしきたりで今まで来ているわけですね。その辺を、それぞれの銀行が自分の立場に立って、本当にこれは自己査定で健全な貸し出しであるかどうかということを全部もう一回見直す必要があるということを申し上げて、それを開示しなきゃだめだということを言ったわけでございます。

○仙谷委員 大変率直な御答弁をいただきました。

 結局のところ、報道は、公的資金を資本投入、あるいは資本注入という格好でやるのがいいか悪いかという議論に傾斜する傾向があるわけですが、実態といいますか、根っこのところには今総裁がおっしゃられたような問題がマクロ的にもミクロ的にも存在する、ここから日本の金融業界の構造改革を行いつつ、そういう方向性を持ちながら、現在の危機にどう対処するかということが今問われているんだと思うんですね。これはなかなか、二律背反ではないと思いますけれども、一緒に行うというのは甚だ難しい、特に政治の場に出てきますとより難しいということになろうと思いますが、それをやらなければならないと考えているところでございます。

 もう一点、きょうの新聞報道とも絡んで、あるいは八月二十一日の日本銀行の総裁談話、「日本銀行としては、本合併」、日本長期信用銀行と住友信託銀行の合併でありますが、「本合併の円滑な実現に向けて、金融監督庁、大蔵省とも協力しつつ、中央銀行の立場から、日本長期信用銀行の資金繰り面も含め、必要な支援を行い、」ということが総裁談話として発表されております。

 それで、きょうの某新聞の報道によりますと、これはまた後から大蔵大臣に聞かなければならないことでありますが、今度は、この旧来スキームの合併じゃなくても、長銀に対する資金繰りを全面的に特融という格好で行うんだ、こういう方針を固めたという報道がございますけれども、日本銀行としては、現在、長銀の問題が問題になっていますからはっきり言うわけですが、あらゆる手段を尽くして、どのような形態であろうとも、パニックとか混乱を起こさないために面倒を見るといいますか、資金繰りについてはどのような形であろうとも全面的に面倒を見る、こういう方針を固められたということなんでございましょうか。

○速水参考人 そういうことを、従来の方針を変えてはおりません。

 一つだけ申し上げたいのは、先週金曜日の記者会見で私が申しましたことは、そういうことを考えて、今、特定の銀行でなくて、十九行なら十九行全部が一斉にスタートしてほしいことは、お願いしたいことは三つある。

 それは、やはり不良資産を一刻も早く償却する、そのための自己開示をやるということ。二つ目は、思い切ったリストラをやるということ。それから三つ目は、やはりこれからの金融再編の流れを見た上で、自分たちの経営戦略というか経営の方針を中期、長期的にここで決めてくれ、そのことが必ずプラスになるんだということを申したわけです。

 それから、日銀の特融につきましては従来から四つの原則がございまして、一つは、システミックリスクになるおそれがあるとき。それから二つ目は、日銀しかこの際出すところがないという、不可欠な融資であるというふうに判断されるとき。それから、モラルハザードを十分行っているかどうかを確認する。四つ目は、それによって日銀の財務の健全性が著しく悪くなるというようなことが起こらないということ。その四つの原則を満たされているときに、大蔵大臣からの御依頼があれば政策決定委員会にかけて特融をするということになっております。

○仙谷委員 日銀総裁にお聞きするのが厳し過ぎるかわかりませんので質問ではございませんが、そうだとすると、私の意見だけ申し上げておきますが、長銀と住友信託銀行の合併については、二十日という日に公邸に呼び込んで、住信の頭取にうんと言わせたか言わせないのかわかりませんけれども、まあ何となく合併方向に向かって検討が進む。このときに、モラルハザードのこととかあるいは日銀の財務の健全性という観点から考えれば、さあどうなるのかということの検討もなしに、と言っても検討はされておるんでしょうけれども、目をつぶってということだと思いますが、もろ手を挙げて資金繰り面を含め必要な支援を行いという、何かやったのはいささか軽率ではないかと私は思うんですね。それはその程度にしておきます。どうぞお帰りください。お答えになりますか、じゃどうぞ。

○速水参考人 二十日の日とおっしゃるのは……

○仙谷委員 二十一日に総裁談話があって、二十日は住銀と長銀の合併話が何か公邸で決まったかのような……

○速水参考人 ああ、その記者会見のときですか。

 ですから、先ほど申し上げた規則に乗っている限りは、政策委員会の決定に従って出すということは申したつもりです。

○仙谷委員 だから、そういうお答えしかできないだろうと思うから、お答え要らないと私は言ったんです。どうぞお帰りください、結構です。

 それでは、今度は宮澤大蔵大臣にお伺いをするわけでございますが、報道によりますと、数日前から、政府・自民党はという主語でありますから政府がお考えになっているのかどうなのかわかりませんが、この長期信用銀行と住友信託銀行の合併を前提とする、長銀に対する公的資金による資本注入というやり方で長銀を救済しつつ合併させる、この方針は政府としては一応あきらめたといいますか、方針変更やむなしという決断をされたというふうに伺っていいんですか。

○宮澤国務大臣 私は直接の関係者ではございませんけれども、そういうことは別段ないように存じております。

○仙谷委員 政府としては、そうしますと、依然として住友信託銀行と長期信用銀行を合併させるという前提、それから十三兆円の金融安定化法のスキーム、この十三兆円から長期信用銀行に資本注入をする、ここのところは変更はないと伺っていいわけですか。

○宮澤国務大臣 政府に関します限り、これは監督庁長官にお答えいただいた方が正確かと思いますけれども、かねて長銀がリストラを覚悟で住友との合併を求める、そういう意向を表明され、両行の間にその折衝が続いておる、その状況に変わ

りがあったというふうには承知いたしてはおりません。

 と申しますことは、その基本的な状況は、長銀がリストラをした上で、資本が過少になりますと、不良債権を処理いたしますと、そのときに預金保険機構に公的資金の導入をお順いしたいというのが大きな筋道でございますけれども、その合併計画、長銀のそのような意向あるいは希望には変化があったというふうには政府は承知していないわけでございます。もちろん、まだ申請は行われませんのでそれは将来のことでございますが、その大きなシナリオは変わったというふうには聞いてはおりません。

 他方、しかし、そのような長銀の計画あるいは希望に対して、この委員会におきましてもいろいろな御議論がございます。そして、その御議論の中で、果たしてそれはいい筋道であろうかそうでなかろうかというような御議論のあることも、政府はよく承知をいたしております。

 ただ、しかし、今のところ長銀がそういう考えを変えたということは聞いておりませんので、ただいまの時点でどうだと仰せになりますと、政府としては、そういう合併計画がなお現実に進行しておる、そういう状況だと、私は直接に実は存じていない立場でございますけれども、お尋ねでございますから、私はそのような理解をいたしております。

 

○仙谷委員 ちょっと細かく聞いていくんですが、「長銀は」という主語が非常に多くて、「政府は」という主語がほとんど出てこないんですね、大蔵大臣の今のお答えには。つまり、長銀がどう考えようとも、事ここに至って政府は、長銀が申請をしてこようとも、それについては資金注入をするという前提でもこういうことが必要だということを今考えているとか、もう資金注入はしないんだとか、何か主体的な判断が出てきませんと、何かいつまでもふらふらしているようなそういう雰囲気になってくるんじゃないんですか。やはり政府が主語の話をちゃんとしないといけないと私は思いますよ。

 もう一度、いかがですか。

○日野政府委員 お答えいたします。

 政府といいますか金融監督庁といたしましては、今与えられている法律に基づいてベストを尽くすということしかないわけでございます。現在国会で御議論が続いていることは承知いたしておりますが、現在私どもに与えられている法律は、幾つかございますが、それをもう最大限に活用していくしかないというふうに今考えているわけでございます。

 それで、現在の前提条件が、先ほど宮澤大蔵大臣も仰せになりましたが、何か変わったかと言われますと、何も変わっておりません。長銀が住友信託銀行と合併をするという前提に立ってのお話を変更したということは聞いておりませんし、それから、長銀がリストラ策をやるということを何かギブアップしたということも聞いておりませんし、これまで私どもが進めてきた大きなスケジュールというものに、前提としては何も変更はございません。

 私どもは、今与えられている法律をもう最大限活用して、この日本の金融システムの安定のために尽くしたいと考えているところでございます。

○仙谷委員 後から詳しくまた時間があればやりたいんですが、このスタイルが今回の最大の問題なんですよ。

 僕は、監督庁長官を個人的にどうのこうの言っているのじゃないですよ。つまり、金融の危機管理対応をどこでするのかというのが、腹の据わった体制が全然ないのですよ。ここが大問題ですよね、私に言わせれば。一元的に行われているのかどうなのか、全くわかりませんよ。

 監督庁が何でこんなところへ出てきて、そんな話をしなければいけないのですか。監督庁は、もうちょっと違う仕事があるはずですよ。もっと言えば、監督庁がやるべきなのは、長銀の整理方針が世間に受け入れられるような常識的なものかどうかというぐらいの吟味をしなければいけないのに、そこはやらないで、長銀の方針は変わってないとかなんとか、そんなことを何回言ったって、報道だってあきれますよ、それは。ますます白けてきますよ。

 そこで、大蔵大臣、私、この間の委員会の審議を聞いておりまして、大蔵大臣が、非常に際どい話でありますけれども、恐らく長銀というのは、公的資金の導入の申請があって、それをしなければそこで破綻をいたさざるを得ないと、これは平和・改革の西川さんに対する答弁です。それから共産党の佐々木さんに対する答弁では、しからざれば、つまり税金の投入をしなければ、長銀が破綻をして、先ほど申しましたような大変な出来事が起こるということです、こういうことをおっしゃっているのですよ。

 具体的に私聞きたいのは、長銀を破綻させないためには、何千億円投入すれば破綻しないのですか。それをおっしゃってください。

○宮澤国務大臣 従来、この委員会で、御指名で私はお答えをいたしておりますけれども、実は厳格には、それは私の所管に属さず、総理の委任を受けておられます金融監督庁の長官の御所管でございますので、どうも私が一つ一つそういうことについて、内情を存じませんのにお答えをするわけにいかないという立場は御理解をいただきまして、監督庁長官の御説明をお聞きいただきたいと思います。

○仙谷委員 もうしつこいようですけれども、金融危機管理の対応は大蔵大臣、大蔵省金融企画局に残すということをことしの一月二十日に決めているわけですから、皆さん方は。そうやって財政と金融の完全分離を阻止しているわけですから、せっかく残した権限をお持ちの大蔵大臣がそんな逃げたような話じゃ、この危機に及んでどうするんだという話になりますよ。

 それはそういうことにして、じゃ監督庁長官、幾ら入れたら破綻しないで済むのですか、長銀は。

○日野政府委員 大変難しい御質問だと思います。

 つまり、いかなる企業も、これは今営業が継続しているわけでございまして、それが破綻ということを前提にして営業をしているわけではございませんので、営業が継続されているということを前提にしてその企業を見る場合と、それからその企業が、何といいますか、つぶしてしまうといいますか、そういうことを前提にしてそのものを見る場合とでは全然違うと思いますが、私どもは、あくまでもその企業、今回の場合でいいますと日本長期信用銀行がゴーイングコンサーンであるということを前提にして、さまざまな問題に対処しているわけでございます。

 いろいろな意味で、その前提としてはこの企業が継続していく、あるいはしていくであろう、将来は住友信託銀行と合併するであろうということを前提にして、さまざまな作業を進めさせていただいているわけでございまして、その検査も、これはたびたびお答え申し上げていることでございますが、生きているものを評価する場合とばったり倒れてしまったものを評価する場合とでは、全然資産の中身の評価というものも変わってこようかと思います。

 私どもは、あくまでもその銀行がゴーイングコンサーンで、生きているということを前提にして検査をさせていただいておりますので、死んだ場合はどうなるかということは、これは全く前提とはなっておりません。

○仙谷委員 何をそんなにごまかそうとしているのですか、あなた。いいですか、生きているままでそれを維持し、救済し、再生させようとすれば、長銀が言っておる七千五百億の債権放棄あるいは債権償却、これを前提にすると、あるいはそれをしなければ再建できないとおっしゃっているわけですから、放棄というふうなやり方を我々謹めませんけれども、しかし、長銀の言っていることを前提にして、幾ら投入しなければ破綻するのですか。生き長らえるために幾ら投入しなければいかぬのですか。

○日野政府委員 長銀は、とにかく一生懸命になってこれから生きていこうとしているわけですね。つまり、それがあらわれているのが何かといいますと、リストラ計画にあらわれていると思います。そのリストラ計画で徹底的にリストラを実行することによって、そして何とか生きていこうとしているわけですから。

 幾らかということを具体的にお尋ねでございますが、幾らかということは、これはあくまでも長銀が、自分が生きていくためにどのくらい必要かということをいろいろな角度から計算して、金融危機管理審査委員会に申請されるものでございますので、私どもの方から、幾ら申請したらどうかとか、幾ら必要じゃないかということは、ちょっとお答えできないということだけは御理解いただきたいと思います。

○仙谷委員 端的にお伺いします。

 現在の自己資本は七千八百七十二億円です。この七千八百七十二億円を上回る資本注入ということがあり得ますか。

○日野政府委員 それはいつの時点のことをお尋ねになっているかは……(仙谷委員「三月末で七千八百七十二億円」と呼ぶ)ええ。ですが、それは長銀が申請する時点で考えなければならないことだと思いますけれども、やはりそれも、幾ら必要かということは、たびたび同じような御答弁で大変恐縮でございますが、長銀が考えて申請するということになろうかと思います。

○仙谷委員 国民の税金を使おうという話ですよ。そんないいかげんな話でずるずるずるずる隠したまま行って、最後に、じゃ、一兆円の資本投入をする、資本注入をする、一兆五千億だというふうなことがあり得るのですか。お答えください。

○日野政府委員 それは破綻前の話として今お聞きしているわけでございますが、それはあくまでもそういうこととして、前提として理解をさせていただくとすれば、やはりそれは長銀がみずから考えて申請することになるということをお答えせざるを得ません。

○仙谷委員 だから、じゃ、一兆五千億、長銀が申請してきたら認めるのですか。

○日野政府委員 決定するのは金融危機管理審査委員会でございます。私もその七人の委員会のメンバーの一人でございますので、私限りで御答弁は、これはできないということも御理解いただきたいと思います。

○仙谷委員 そんなことないでしょう。これは全員一致ですから、あなた一人が反対したらできなくなるのですよ。じゃ、あなたが賛成か反対か、言いなさいよ。

○日野政府委員 申請されたときに、その申請の内容をよく検討して、要件に当てはまっているかどうかをよく検討させていただきたいと思います。

○仙谷委員 いつまでたってもやみの中というかやぶの中というか、これをやるからまずいのですよ、本当に。私は、長銀問題というのは実はここに問題があると思っているのですよ。

 いいですか、明らかな数字を言いましょう。七千八百七十二億円が今の自己資本ですよね。それは日野さんもお答えの前提でおっしゃっていますよ。これは、うち優先株が千三百億円です。皆さん方の議論によると、七千五百億円を償却した場合には、いいですか、そして年間の業務純益と不動産売却益が千二百億円だから、償却後の自己資本が一千五百七十二億円になる。しかし、優先株がそのうち千三百億円である。これは単体の話ですよ、だから本来分は二百七十二億円になるというのは、これは平和・改革の石井さんの議論でもちゃんとあって、皆さん方も認めざるを得ないでしょう。

 例えば、これについて長銀の代行が会見して、自己資本が薄くなるが、債務超過ではない、と言っているのですよ。そうすると、この二百七十二億円の自己資本を、実額ですよ、幾らにしてやればいいのかという話でしょう。もとに返すのであれば、七千八百七十二マイナス二百七十二ですよ、七千六百億円注入しないともとどおりにならないじゃないですか。そういうことをお考えなのですかと聞いているわけですよ。どうなのですか。もとの姿にしてやるためには七千六百億円必要だ、こういうことですよ。どうですか。

○日野政府委員 いつも同じ答弁で本当に恐縮なのですが、結局幾らの金額を投入するか、つまり、もとの姿に復元するのが長銀の目的なのか、それとも、住友信託銀行との合併を前提として、将来住友信託銀行との合併を推進していく上において、何か作業が必要かということを考えるかどうか、やはり長銀が申請するに当たっては、単純にもとの姿に戻すかどうかということだけじゃなしに、いろいろな要素を考えなければならないと思うのですね。

 そうした場合には、そういったもろもろの要素を計算した上で恐らく申請されることになろうかと思いますので、単にもとの姿に戻すからこれだけ必要じゃないか、こういうふうに言われましても、そうですとちょっとお答えできないことを御了解いただきたいと思います。

○仙谷委員 反対から聞きます。

 これ、大蔵大臣でも金融監督庁長官でもいいのだけれども、なぜ七千五百億円という金額が長銀の再建計画の中で出てきているのですか。七千五百億円償却というのはなぜ出てきているのですか。

○日野政府委員 これは、住信との合併交渉の過程で、住信の方から条件として三つ挙げられているわけでございます。正常先債権のみを引き取る。それから第二は、関連会社それから親密関連先を整理してほしい、こういう要望なわけですね。三つ目はデューデリジェンスですけれども、その三つの条件に当てはめるために日本長期信用銀行としてはこの償却が必要だということを判断されたというふうに理解しております。

○仙谷委員 その説明をお伺いするとますます不信と疑惑が募るのですよ。

 きょうお配りした「長銀の主な融資先」というのを見てください。先般、絵で示しましたけれども、私どもの調査でも不十分です、これで。いいですか、不十分です。

 それで、いわゆる親密先とか関連会社とか言われる大どころで五千二百億ということは、この間からこれは公表しています。それから、長銀のこの頭取代行のインタビューの記事を見ますと、「日本リースの子会社、孫会社など実態のない休眠会社をどうするのか。」「六十から八十の会社は資産を持たず、損失を抱えた会社になっている。その八割から九割は九月中間決算で清算する。」こう言っておるのですね。六十から八十と言っているのですよ、これは。我々がここへ出してきたのは、そんなに数はありませんよ。せいぜい二十ぐらいです。二十ぐらいで、長期信用銀行の頭取さんがここへ参考人でいらっしゃったときに認めた金額が、いいですか、ほぼ一兆五千四百三十四億です。小計と書いてあるところです。いいですね。さらに、イ・アイ・イの分と桃源社を加えると、一兆七千億です。

 さらに我々が、まだ調査はついておりませんが、千代田プロジェクト、エル都市開発、長友、ウエストエステート、こういうものの、どこから借りたのかわからぬけれども、ほぼ長銀が主体だ、長銀以外には借りていないだろうと思われている金額、これは借入金のところを、この備考欄に短期、長期と書いてあるもの、これを起こしますと、これだけあります。全部が全部長銀から借りていないかもわかりませんが、先ほど来問題になっておりますように母体行責任をとるということになれば、全部かぶる可能性のある金額ですよ、これ。全部で二兆三千億ですよ、我々が調べただけでも。

 その一兆五千億と仮定してもいいし、二兆三千億と仮定をしてもいいのですが、まさにこの暗やみというか、泥沼がどのぐらいあるのかということが、本件のまず第一問題。

 そして、この分を、長官がおっしゃったように、関連会社や親密会社については整理してくれ

なければ合併なんかできませんよというのが住友信託の発言だとするならば、態度だとするならば、何で七千五百億で一兆五千億じゃないのか、あるいは二兆三千億じゃないのか。あるいは、もっともっとこの種のものがあるということがマーケットでもささやかれ、言われておるのに、なぜ七千五百億なのかというのが二番目の大不信ですよ。

 私、いろいろ考えたのです。ああ、これは薄く自己資本を残すために、薄くプラス、この間三月に投入を受けた千三百億円を残すために考えた、逆算したやり方だなと思ったのです。違いますか。

○日野政府委員 お尋ねは三つあったように思います。

 それで、第一点は、これだけ貸し出ししているではないか、まさに、銀行ですからいろいろなところにたくさん貸し出ししていることは、もう仰せのとおりでございます。それが三月の自己査定でどの分類に入っていたかということ。それから、その自己査定の結果を現在チェックしておりますので、これは厳密にチェックさせていただきたいというふうに思っております。ですから、これらの貸国債権がどうであるかということを現在チェックしておるということが第一点。

 それから第二点は、住友信託銀行との合併交渉に当たってなぜこの三社だけかとこう仰せになりますが、しかし、住友信託銀行はこれからデューデリジェンスをかける、こういうふうなことを言っているわけですね。デューデリジェンスをかけるということは、私どもが検査をしてもそれにとどまらず、さらにこれらの貸国債権について住友信託銀行としての立場からデューデリジエンスをおかけになるということでございますので、それはまたそのときになりましてから、これらの債権をどういうふうに処理されるかということは両行の間で決められることではないかと思います。

 何でこの三つかということで、母体行主義とおっしゃいますが、恐らく完全プロラタをとらずに母体行主義に行った理由というのは、またこれは長くなりますが、要するに、自分の債権をプロラタで多少は回収したとしても、それによって得られる利益よりは、この際完全に全部自分がかぶって放棄した方が、これは経営戦略の問題として、全体としてはいずれ自分の方にはメリットとして返ってくるのではないかという判断があったからだろうと思います。

 それから、仙谷先生が、何かぎりぎりのところまでで、何か三月の分だけは残したのじゃないかという御質問でございましたが、それはそんなことじゃなくて、たまたまその三社に対する債権を償却するという計算の結果、そうなったものであるというふうに理解しております。

○仙谷委員 全然お答えになっていない。じゃ、何で八千億とか九千億じゃないのですか。何で一兆円じゃないのですか、その債権償却分が。こんなにあるじゃないですか。それで、いかにでたらめな会社かというのはこの委員会でももうこもごも、要するに、短冊みたいな会社表示しかないような会社がいっぱいじゃないですか。それで現に長銀の頭取だって、六十から八十の会社は資産を持たず、損失を抱えた会社になっているというんだ。それで、この六十から八十の会社は入っているのですか、今度の七千五百億に。

 つまり、七千五百億を超えると、薄くても自己資本が残るということにできないから七千五百にしているのじゃないですか。そういう仕掛けでしょう。僕は、大リストラをかけるというのであれば、不良債権償却、巷間言われておる、七兆円とか四兆円とか言われていますよ、長銀は。回収不能が四兆円の七割としても、五割としても、四兆円の五割といったら二兆円ですよ。大体合ってくるじゃないですか、この一兆五千億とか二兆三千億とかいう話に。それで、なぜ七千五百ぽっきりで、リストラをせっかくやるのに一兆円じゃないのか。これだけほぼ明らかになっている金額をリストラ、つまり償却をしないで、なぜ七千五百億円なのかというのがわからないんですよ。そんなぐあいのいい数字があるはずがないと思っているんですよ。

 だから、ここはまさに、この暗やみをちゃんと金融監督庁が検査をする、それで償却を促す、自己資本不足になってもマイナスになっても、それはそれとしてやる。しかる後に、整理方針もちゃんと立つ、つまり子会社以下の整理方針も立ってくるし、金融危機管理審査委員会べの資本注入の申請も行うか行わないか決まってくるし、破綻処理にすべきなのか、どういうことにすべきなのかという方針がそこから決まってくるんじゃないですか。初めに七千五百億円償却ありきなんて、こんなでたらめな話ないですよ。いかがですか。

○日野政府委員 お答えいたします。

 今仙谷先生が仰せになったような観点から現在検査をしているわけでございまして、その検査によってこの貸国債権の実態というものを把握していきたいと考えております。

○仙谷委員 残り時間が少なくなってきましたので、二点聞きます。

 私どもの検査だけじゃなくて、デューデリジェンスをやるんだと住友信託が言っている。現に、もう堂々と、アーサーアンダーセン以下、こういう監査法人あるいは法律事務所を入れて検査するんだということをインターネット上でも公表しています。これこそ従来の、つまり三月の金融危機管理審査委員会の資産査定も、この間の日銀考査が何か債務超過じゃないとおっしゃっているんだけれども、もしそうだとするとそれも、それから今やりつつある金融監督庁の検査も、少なくとも国際マーケットから信頼を受けられないという認識を、住友信託銀行がそういう認識を持っているから、アーサーアンダーセンに依頼するという挙に出ているということはわかりますね。それについてどうお考えですか。

○日野政府委員 結論から申し上げますと、やはりそれは物差しが違うというふうに言わざるを得ないんじゃないかと思います。

 三月の自己査定もあるいは日銀考査も私どもが今行っている検査も、これはあくまでもゴーイングコンサーンということを前提にしているわけでございまして、これを、例えばアーサーアンダーセンがこれから入ろうとしているデューデリジェンスというのは、やはり合併をその前提として、住友信託銀行がいかにして安く買うか。合併というのは、もうこれは釈迦に説法で御説明するまでもないと思いますが、結局、長銀の株主から買い取るわけですね。その資産をできるだけ安く買い取りたいというのが、やはりこれは契約ですから、一方、長銀の方はできるだけ売りたいということでございます。できるだけ安く買い取りたいというからには、その資産に対していろいろ、もっと減らしてくれ、要するに価値を減らしてくれというふうな、住友信託銀行はそういうふうな希望を持っていることは、これはもう第三者から見て明らかだと思います。

 そういった意味で評価するわけですから、これは評価の基準、つまり物差しが違いますので、私どもは、デューデリジェンスをかけられてどんな資産評価になるかわかりませんけれども、決してそのことによって、私どもが行っている検査の信認が失われるとか、あるいは日銀の考査が間違っているというふうに言われるとかいうことは全然考えておりません。

○仙谷委員 やはりマーケットに対する見方が違うんだと思います。

 先般、月曜日でございましたか十四日に、もう政府が合併路線を断念して、別のスキームで長銀に対する手当てといいましょうか処理をするんだというニュースがばっと流れて、その瞬間からわっと住友信託銀行が上がっているんですよ。つまり、どうも深いやみのあるそういう資産の中身の銀行と合併をするのでは、住友信託は価値が下がらざるを得ないね、もし切り離されるのであれば、そのことの方がすばらしいねという反応じゃないですか。マーケットの信頼を得るためには、アーサーアンダーセンのスクリーニングを一遍通さない限りだめだということじゃないですか。そ

れは、商売上の駆け引きしているかもわかりませんよ、安く買いたたくためにそういう会計事務所を入れたということもあるかもわかりません。それはそのとおりかもわかりません。だけれども、そんなレベルの話だけではないということを監督庁の方はもうちょっと御認識なさるべきだし、監督庁の検査がまだ信頼を受けるに至っていないということを自覚されるべきだと思いますよ。

 そのことと関連して、長銀のあるいは長銀関連子会社の整理の問題と関連して申し上げておきますけれども、この母体行主義なんというものが全体としていいんだなんという話は、マーケットにも通用しないし、国内でも通用しないし、これこそが護送船団の横並びのもたれ合いのモラルハザードなんですよ。これをむしろ金融監督庁が、こんな整理方針はない、法律に従ってちゃんとやれと。今までもたれ合ってきたから、日債銀の整理についてクラウンリーシングと日貿信を破産申請したら業界が混乱した、そんなことを言うのは泣き言だと。何で法律に従って処理したら迷惑がかかるとかという議論が出てくるんですか。それこそ、大蔵省の今までの金融行政がどこかゆがんでいたということじゃないですか。

 これは、整理について、金融監督庁が子会社、孫会社までちゃんと含めて検査をした上で、放棄なんという安易な手段をとらせないと約束してください。

○日野政府委員 関連ノンバンクのこの処理に関しましては、もう御案内のとおり、住専の処理のときに際して、将来は一切政府はそれに手を出さないということになっているわけですね。私どもも、それはあくまでも当事者間の話し合いで決めるべきものと考えております。

 破産手続をとって完全プロラタでいくのか、あるいは母体行主義をとって特定の債権者が泥をかぶっていくのかということは、あくまでもこれは話し合いの上で決めるべきことであって、政府がこれに手を貸したりあるいは口を挟んだりすることは、さきの住専の経験でもう大変懲りておりますから、それは私どもとしては手を出すという考えはございません。あくまでも当事者間の話し合いで決める。現在は、その話し合いがまだ完全には終わっていないというふうに理解しております。

○仙谷委員 もしそうであるとするならば、絶対に公的資金なんか入れないという前提ですよ。入れないという前提だったら、私的な世界でどういうネゴをしようが、取引をしょうが、駆け引きしようが、私的自治の範囲で許されるということは言えますよ。その後、税は、無税償却は認めるわ、生の税金は投入するわという話になっているから言っているんじゃないですか。

 だから、原則は税金の投入をしないということなら、今の話でいいですよ。税金の投入があり得るという前提で、そんないいかげんなことで通用すると思っているんですか。もう一度お答えください。

○日野政府委員 投入と、現在行われている関連ノンバンクのその整理とは、今直接関係づけてお話しなさいましたけれども、あくまでもこれから申請するかどうかということは長銀が決めるべきものでありまして、この審査をする審査委員会が、もし、けしからぬじゃないか、結局はその関連ノンバンクのために使われるようなものは許さないというふうに言われるかどうかということは、これはやはり委員会が決められることでございますので、私から今それを直接お答えすることは御遠慮させていただきたいと思います。

○仙谷委員 国土庁長官と法務大臣に質問できなくて申しわけなかったんですが、そういうふうにおっしゃると、一言やはり言葉をお返しするというか、重ねて私の方から申し上げなければいけないんです。

 つまり、バブルで踊って遊んだ紳士を無罪放免し、民事的にも放免し、放免することによって銀行の自己資本が不足するから国民の税金を投入するんだという理屈がどこで通るかということを聞いているんですよ。

 現に、私が示したように、イ・アイ・イも桃源社もあるじゃないですか、さる高名な俳優の名前も、何百億円かの借金が焦げついているというのは公然の秘密であるじゃないですか、長銀の。そんな人に対する債権を、九割放棄するのか十割放棄するのか知りませんけれども、放棄しておいて、長銀の自己資本が不足する、だから資金を投入するというふうなことが許されるかということを聞いているんですよ。

 原理原則を立ててくださいよ、やるのであれば。原理原則が必要なんですよ。そんなときには絶対にだめだ、そこまで税金を投入する以上、ちゃんと整理をやらせますということを監督庁長官が言わない限り、この問題は解決しませんよ。どうですか。

○日野政府委員 結局、その関連ノンバンクの整理というのは、やはり今仙谷先生がお話しになったように私的自治なんですね。私的自治の範囲内のことなものですから、決してそれを前提にして公的資金を注入するかどうかと言っているんじゃなくて、今現在話し合いが行われているわけでありまして、関係者間で結局協議が調わなければ、完全プロラタに行く場合だってあり得べしなんですね。ですから、それを前提にして、何かけしからぬじゃないかというふうな御意見には、ちょっとにわかに私どもとしては何かこう賛成しがたいわけでございます。

○仙谷委員 原理原則がないということだけ申し上げて、質問を終わります。

○相沢委員長 これにて仙谷君の質疑は終了いたしました。