1998年09月01日 金融安定化に関する特別委員会

○相沢委員長 質疑を続行いたします。仙谷由人君。

○仙谷委員 せっかくヨーロッパからお帰りいただきまして、どうもありがとうございます。佐々波委員長にお伺いをするわけでございますが、資料をそちらに手渡されていますでしょうか。

 一枚目が「日本長期信用銀行の決算書上のバランスシート」というふうに書いてある紙の四枚目を見ていただきたいのでございますが、委員長が三月に公的資金を二十一行に投入するという決断を、判断をされて、そこで公的資金が投入されたわけでございますが、八月二十六日の株価水準でいきますと、七千三百六十億円評価損を出している。長銀に至りましては、八月二十六日の段階での優先株の評価損が一千九億円、劣後債の評価損が三百六十一億円。

 二枚めくっていただきますと、今度は八月三十一日、昨日の公的資本の注入の現在価値、日本長期信用銀行は優先株については一千十九億円の評価損ということになっておりますし、二十一行合計で何と七千八百十九億円の評価損を出しているということになっておるわけでございます。

 他の銀行の優先株も同様であろうと思いますが、日本長期信用銀行の優先株は、あと一カ月たちますと、十月一日になりますと、これを普通株に転換をすることができる、一対四でございますが、日本長期信用銀行の四株を優先株一株で転換ができる。それをできる限り早く現金化するといいますか、市場で売却することができるようにということも審査基準の一つであったと思いますが、一月後に売却すると、現在の株価水準ならば、こんなに損が出てしまう。まだ、三月からでございますから、たった半年でこの損が顕在化、現実化する、こういう事態になっておるわけでございます。

 委員長、この事態を今日の当たりにしまして、どういう感想をお持ちですか。何かお考えはありますか。

○佐々波参考人 詳細な御指摘、ありがとうございました。私なりの考えを申し上げたいというふうに思います。

 評価損につきましては、今、現在価値について、株価水準等の御指摘についてはそのとおりだと思うのですけれども、三月期から今日、今、九月に入ったわけですけれども、六月までの株価水準の変更につきましては非常に他の条件に変化というものがあったように思います。国内景気の停滞もさりながら、アジアにおける経済の混乱、それから昨今ではロシアでの展開、そのようなことは三月時点では予測が非常に困難であったというふうに思っております。

 それで、長期信用銀行の株価を含めましての低迷につきまして、その優先株の取得についての御指摘があったわけですけれども、経営の合理化それから不良債権の処理等の抜本的な処理、今後の経営改善努力ということを私どもとしては見守っていきたいと思っております。

 それで、それについてさらに付加させていただけるとしますと、いわゆる経済の実態というのは、経済というのはそもそも生き身の人間のつくっているマーケットでございますので、急速な悪化というものもあり得ると同時に、回復もまた可能であるというふうに考えております。

 今後の運営といたしましては、金融危機管理委員会といたしましては、公的資金というものをお預かりしている以上、全体の金融システムの安定というものと同時に、景気の回復というものに資するような考え方というものを持っていきたいというふうに思っております。

 以上でございます。

 

○仙谷委員 早急な低落もあるけれども早急な改善もあるんだと。もう九二年から六年間も、景気がよくなるとか、土地が高くなるとか、株が高くなると言い続けてきたんじゃないですか。そんな前提で国民の公的資金をつぎ込まれたんじゃたまらない。これだけは申し上げておきます。その程度の経済理論で、経済見通しで公的資金をつぎ込まれたんじゃたまらない。

 後で大蔵大臣とも議論するために用意してきていますけれども、八九年、九二年の八月十八日、九七年の十月三十一日、九八年の三月三十一日、九八年の八月二十八日、この金融機関の株価の推移表を見れば明らかじゃないですか。何かしなければいけないということで指摘されたって、まともなことをほとんどしてきていないから、どんどん金融機関の株だけ下がるんじゃないですか。平均株価が上がっても、金融機関の株だけ下がっておるのですよ。

 こういう経済構造をつくってきたのが日本の政府で、それは佐々波委員長自身の責任ではないかもわからないけれども、今度の公的資金を三月の段階で投入するに当たって、厳しく、金融機関個々一体一体の資産内容なり財務内容なり営業のトレンドというものを見て投入するかどうか決めていただかないと、国民の税金がどぶに捨てたのと同じようになりますよ。

 この一枚目の、まず「日本長期信用銀行の決算書上のバランスシート」という、この一枚をまず見てください。これは、決算書にあるがままを書いたものでございます。その下に「修正バランスシート」と書いてございます。これは、七千五百億円を今回長期信用銀行が経営改善策の中で放棄する、こうおっしゃっておるんですね。もし、現時点でなくて三月期に、七千五百億円の債権に、全額放棄するんですから全額引き当てていたらどうなるのか。さらに加えて、有価証券の評価損、非上場を含むわけですが、これは損益計算書上、はっきり、堂々と長銀が公表している数字です、二千四百七十一億円。純資産的にバランスシートをつくると、もう既に、七千五百億円を一〇〇%引き当てると、自己資本が二千九十九億円マイナスじゃないですか。どういう審査をしたんですか。

 つまり、きのうの長期信用銀行の頭取さんをお呼びしての審議の中でも、この三枚目を見てください、三枚目にある、長銀から??我々から見ると、まともな企業も少々あるが、ほとんどがいかがわしい企業ですよ。事務所を訪ねていっても、ワープロで刷った一枚の短冊みたいなものを一つのビルに五つも六つも張りつけてあるような企業じゃないですか。そういうところに単体で一千億内外という、いいですか、百億とか十億じゃないんですよ、一千万じゃないんですよ、一千億内外という金を貸し付けて、これが一兆五千億あるんですよ。多分、そのうちの七千五億を今度償却

する、放棄する、こう言い出したんだろうと思っているんですよ。この種の債権が長銀のいわば大変なうみとしてたまっているということを三月時点で審査したんですか、しなかったんですか。

○佐々波参考人 数多くの御指摘ありがとうございました。

 ただ、三月時点の公的資金投入につきましては、操り返し申し上げておりますように、金融システムの安定というのを第一義に考えておりまして、個別行につきましては後ほどでもより詳細な御説明があるかと思います。私どもといたしましては、三月??私自身、審査委員を拝命いたしましたのは二月二十日でございまして、その後、システム安定につきまして、非常に急速な市場の状態の中に迅速性というものも加味しながら精いっぱいやらせていただいたつもりでおります。

 あわせて申し上げますと、私自身の責務といたしましては、円滑な審査委員会の運営ということにありますので、その点もよくお含みいただきたいというふうに思います。

 以上です。

○仙谷委員 少なくとも長銀について、いわゆる長銀が第一分類と言っている、あるいは第二分類と言っている、あるいは第三分類と分類している個別の債権を、ラインシートを取り寄せて審査したんじゃないんですか、してないんですか、見てないんですか、それだけ言ってください。

○佐々波参考人 御質問にありました審査プロセスについてですけれども、個別行のバランスシートにつきましては、日銀及び大蔵当局のバランスシートをもとにして審査いたしましたので、詳細につきましてはそちらの方からお答えいただきたいというふうに思います。

○仙谷委員 委員会としてちゃんと吟味したかどうかを聞いているんですよ。経験だけでいいですから。やってないんだったらやってないと言ってください。

○佐々波参考人 吟味につきましては、審査委員会の回数等についてお答えしたいと思います。

 三月十二日から二日間にかけまして、立て請け、深更に及びますまで委員会を開きまして、できるいっぱいの審査というものをいたしたということを申し述べたいというふうに思います。

○仙谷委員 委員長、今のは質問の答えになっていませんけれども、時間が長かったからいいという問題じゃないですからね、言っておきますけれども。徹夜したからいいという問題でもないです。

 問題は、例えば長期信用銀行の資産について劣化しているのかしていないのか、劣化しておるのであれば引き当てるべきではないか。引き当てれば、この銀行が将来この銀行の優先株を取得して、国民に迷惑をかけないように換価できるのか、現金化できるのかというような観点も必要だったと思うんですね。あるいは三月期の償却の仕方が中途半曙である、こんなことではこの銀行は再起できない、もし再起させるための資金だとしても、そういう観点だってあると思うんですよ。

 今になって急に七千五百億円丸々放棄しますなんてばかな話がどこにありますか、たった五カ月しかたっていないのに。だれが考えたっておかしいじゃないですか。そうでしょう。

 少なくとも、日本リース以下のこのセプンシスターズと言われるノンバンクの債権、これが第二分類であるとしても、二〇%は引き当てておいたというんだったら話はわかりますよ。だけれども、このバランスシートの二枚目で計算してございますが、七千五百億円を一たん除いて、今の長銀が言っている第二分類債権、第三分類債権を合わせて一〇%引き当てただけで四千百七十三億円もマイナスになるじゃないですか、自己資本が。一〇%引き当てただけですよ。

 こんな会社が何で健全行だということで資本注入を受けられるんですか。こんなことわからなかったんですか。お答えください。

○佐々波参考人 ただいまの御質問は、これまでの話と今後についての視点を含めましてお答えしたいというふうに思います。

 審査委員を代表いたしまして、委員会の場におきましては、自己査定結果を踏まえて資産の健全性について大蔵大臣及び日銀総裁に御質問申し上げてお答えをいただきました。そのお答えをいただくに際しまして、急遽ラインシートを請求されて資産内容の洗い直しというものが行われましたというふうに承知しております。主要行についての同一時点での資産内容を初めて比べるという機会を得ましたことは、私どもとともに日本にとっての監督行政運営強化について寄与したものというふうに承知もしくは理解しております。

 それから、今後につきましてですけれども、各行から健全性確保計画の提出を求めておりまして、今後、こういった経営内容というものをより一層詳細に審査いたしまして、今後とも、おしかりを受けることのないような内容にしていきたいというふうに心しております。

 より個別の内容については、私どもとしては詳細については承知しておりません。

○仙谷委員 今、ラインシートを取り寄せて吟味したとおっしゃっておりますけれども、もし本当にちゃんとラインシートを取り寄せて、こんな幽霊会社みたいなところに一千億も貸されておるのを吟味したら、こんな結果出るはずないじゃないですか。

 大体、わかっているんですか。この一兆五千億の長銀の関連会社に対する融資が第何分類にあって、どのぐらい引き当てをされていたのか、わかっているんですか。わかっているんだったら公開してください。この問題が解決つかない限り、長銀に対する新たな公的資金の投入なんということが、国民感情としても、国民のカンジョウのカンジョウは二つですけれどもね、国民の懐勘定としても、怒りの感情としても、こんなこと許せませんよ。今から明らかにできますか。どうですか。

○佐々波参考人 ただいまのラインシートにつきましては、言い直しますと、大蔵省、日銀にお順いしたということです。

 それから、個別行についての内容については、私自身は承知しておりません。

○仙谷委員 これ、今のお話を聞くと、私はマーケットに過剰に反応してもらいたくないから聞いておるんだけれども、その程度の審査しかしなかったということになると、これはマーケットに対して余りいい影響を及ぼさないんじゃないでしょうかね。単なる横並びだということになるんじゃないですか。

 じゃ、もう一点聞きます。

 いいですか、この長期信用銀行というのは、委員長、今度の改善策の中で、早々と優先株に対する配当、一%の配当をするという約束をして政府から公的資金の資本注入を受けたわけですが、これをほごにしている。その前に、六月の株主総会では、普通株に対しては百四十四億円の配当をつけている。任意積立金を二千九百億余り取り崩して、そこまでして配当はするわ、優先株に対する配当はやめるわ、これどうなっているんですか、こんなやり方は。詐欺に等しいじゃないですか。三月から、あなた、六月ですよ。どうですか。

○佐々波参考人 配当については、二点あるかと思うのですけれども、一つは、九年度赤字決算にもかかわらずその配当を行った理由いかん、それからもう一つは、先般の業績修正によっての集配の問題と二つあるかと思います。

 最初の方につきましては、赤字決算であるにもかかわらず配当を行っている銀行というものはありますけれども、これは配当可能利益というものを、各行の商法違反にはならないというふうに理解しております。

 それから、審査委員会といたしましては、各行から提出された経営の健全性確保計画というものの中の、中長期的な配当の維持が可能であるというような記述をもとにいたしまして、資本充実を害する懸念がないという判断のもとにはそれを認める、各行の経営判断に任せるというのは、委員

会としての意見が一致したものというふうにお答えしたいというふうに思います。

 それから、引き受けをいたしました優先株の保全の観点からは、配当が得られなくなるというのは大変遺憾であるとは思いますけれども、今後は、詳細なリストラ計画、先ほど申しましたような市況の回復というものによって現在のような状態からの回復というものを願うものでございます。

 以上です。

○仙谷委員 国民が納得できるようなお答えを全然なさらないじゃないですか。これ、普通の世界で中小企業の人が、ことしはこういうふうに配当を払いますと誤信をさせて資本金として取り入れたら、三カ月後に、いや、経営改善政策でもうことしから配当やめさせてもらいますと言ったら、これは完全に詐欺になりますよ。ね、日野さん、昔のあなたのやっていることだとそうなるでしょう。これを詐欺というんですよ。もしそれを、その種のことも資産内容の調査から見抜けなかったとすれば、これは節穴だったということしか言えない。

 私は、これからまだまだいろんな口実をつけて資本注入みたいなことをやろうやろうとする人たちがおると思いますけれども、もし仕事をお続けになるんだったら、国民の税金を使うんですから、あなた自身の目でラインシートを見て、足で歩いて、債権を調査してやるぐらいの緊張感を持ってやってください。

 次に、話題を変えます。

 宮沢大蔵大臣、「金融機関の株価の推移」というのをきょうつくってまいりました。実は、昨年の十一月四日、この場で質問をさせていただきました。つまり、三洋証券が会社更生の申請をしたときでございます。十月三十一日までの株価をそのときには書いてあったのです。

 何が言いたかったかといいますと、例の、先般の議論でも問題になりました九二年八月十八日の一万四千三百九円の日経平均株価のときの金融機関の株価、ところが、九七年の十月三十一日には、約二千円日経平均が上がっているのになぜ金融機関はこんなにひどいのですか、もっと、大本営発表をやめて、当時の政府ですよ、宮沢さんじゃなくて、当時の政府が大本営発表をやめて、どこにこの原因があるのか、株価が何を表現しているのかということをちゃんと認識しなきゃだめだ、こう申し上げたのですね。

 しかし、まだそのときには、不良債権処理も本気でやらなきゃいけないとも思っていない。景気は回復に向かって足踏み状態であると堂々と皆さん言っていた。そんなことはないでしょう、もういいかげんにそういうおためごかしというか、そういうのはやめませんかという話をしたんだけれども、どうも年末までは、クリントンさんから電話がかかってくるまではそうならなかった、当時の橋本内閣ですね。

 その後、いかがですか、これは。九八年の三月三十一日の平均株価がほとんど十月三十一日と変わらないのに、金融株だけはどんどん落ちている。九八年の八月二十八日、せんだっての、バブル崩壊後最安値をつけた、このときにも当然のことながら落ちております。きょうは、平均株価は少々戻しても、金融株は全般にそれほど高くない。こういう状況にあるのですね、今。

 新聞は、あるいはメディアの方は長銀にだけ焦点が当たっていますけれども、金融機関のこの現状について、株価から見て、大蔵大臣、どういうふうにお考えですか、全般について。

○宮澤国務大臣 これだけずっと、お示しの、九二年から下がってきたことは、これはもうこの表の示すとおりであります。それは恐らく、もともと金融機関の株というのは実は非常に高位にありましたことは御承知のとおりです。いろいろな、配当等から見まして、こんなに高いものかなというほど高かったことはもう御承知のとおりですから、それにも関係がありましょうけれども、それは、やはり一般的に、金融機関が不良債権を持っているということが株価に反映されていて、その中で含み益の多い金融機関が比較的高位にあり、そうでないものの値下がりが目立つ、こういうことではなかったかと思います。

○仙谷委員 そこで、今度は大手十八行のバランスシートというのがそこについていると思います。

 大手十八行を三月期決算で、非常に単純化して、貸出金と有価証券を資産項目、負債の方を預金とその他負債、そして貸倒引当金、資本の部。資本の部は額面です。額面というよりも、それぞれの大手十八行、日本信託だけちょっと計算上難しかったものでありますから除いてありますが、この資本の部、資本金というふうに計上している分を合算したものでございます。日本の大手金融機関十八行を一つの金融機関として見立てて、バランスシートをつくってみたのが上の表でございます。

 さらに、今度は修正バランスシートとして、第二分類債権を、梶山さんがよくおっしゃっておったように二〇%を引き当てする、第二分類について。日経平均を一万四千円と仮定して、有価証券がどのくらい含み損があるか。これは、ついせんだっても各紙がこういう格好で、二十九日付の新聞でしょうか、有価証券含み損一覧表というのを出しております。あるいは、いろいろなシンクタンクからも速報で我々のところへも流れてきております。

 それを前提に、含み損を使って計算をしますと、貸倒引当金を十七兆九千億から二十五兆六千億に積み増さざるを得ない。そして含み損を計算して、つまり低価法で計算すると、何と日本の銀行の資本の部は十四兆六千三百三十四億円から一兆八千百十億円の資本しか残らない。こういう状態に今日本の大手行は追い込まれている。体力がここまでなくなっている。こういう現状を深刻に認識すべきではないかと私は思うのですが、いかがですか。

○宮澤国務大臣 今資料をいただいたばかりで、数字の計算を私、にわかにできませんけれども、日本の銀行の含み資産というものが急激に減って、いわゆる資本というものが非常に脆弱化している、それはもう御指摘のとおりと思います。

 

○仙谷委員 ただ、この計算が粗っぽいということは認めます。あらあらです。あらあらであるけれども、このぐらい深刻なんだというのは、十八行を一つの金融機関に見立ててバランスシートを組み直してみれば、低価法というか、実際の財産価格で組み直してみれば、これほど深刻だ、こういうことなんですね。

 さらに、もう一つ。今度話の観点が変わりますが、日本の銀行はオーバーバンキングだとか、あるいはオーバーキャパシティーだとか、こういう言い方をされていますよね。さっき我が同僚の古川議員の質問に答えて、いや、やはり多過ぎますなという意味のことを答えられていたと思いますが、このオーバーバンキングとオーバーキャパシティー。

 さらに、かてて加えて直接金融と間接金融の比率、国民の預金の直接金融への資金の出し方、間接金融への預け方、企業サイドの、直接金融で資金をとる、間接金融から金を借りてくる、この比率が今のままでもっと思いますか。あるいは、これで日本の金融界は、この体質のままビッグバン時代を乗り切れるというふうにお考えですか。どうですか。

○宮澤国務大臣 一つ一つ申し上げたいこともありますけれども、しかし、大きなデッサンとしては、今おっしゃったような問題を確かに持っておるというふうに私は思います。

○仙谷委員 結局、私、今の時代は、政府部門もそうですけれども、銀行という部門も、自分で資源配分をするには余りにも大きい預金を抱えて、そのリスクがとれなくなっている、こういう時代だと思うんですね。どうかこれを、みずからが貸し付けた貸付金を債券化してリスクを分散する、一方では。一方では、直接金融やってください、私も直接金融の世界、投資信託も扱わせてください。これをやらない限り、間接金融でこれほど大

きいものを自分が資源配分するということは、貸し付けるということは、銀行がリスクをとるわけですから、リスクがとれなくなっている、こういう規模と時代だと思うんですね。

 そうしますと、どうしても直接金融の流れをつくらなければならない。これは十年も前から言われている話だと思うんですが、どうもここが、思い出してみますと、九二年の金融制度改革でも、まだ銀証の垣根がどうのこうのという議論に終始した、こういう反省が私にもございます。ございますけれども、実情そうだった。

 ちなみに直間比率を、まさに直間比率を比べてみますと、企業が資金をとる直間比率でありますが、日本は、間接金融から日本の非金融法人がとっている比率は四四%、直接金融から三〇%です。アメリカは一〇対六二。イギリスは一二対六六。フランスは一七対六六。ドイツは日本とよく似たというか、日本よりもまだ間接金融の比重が高くて六三対二二、こういうことになっています。

 しかし、いずれにしてもこれは、これだけマネーの量が多くなってきて国民の金融資産が膨れ上がりますと、とてもじゃないけれども間接金融を整理していかざるを得ない。間接金融から直接金融の流れをつくらざるを得ない。つまりそのことは、日本のマネーセンターバンクも、大胆な再編成が行われないともたない、そちらの面からも再編成がないともたない、淘汰がないともたないということをあらわしているんじゃないですか。どうですか。

○宮澤国務大臣 という状況でありますから、それらの銀行も、新しい金融商品を開発したり、あるいは傘下に証券会社を持とうとしたり、持ち株会社制度ですが、そういったような大変な努力を今しておる。仙谷委員の言われました大まかな問題は、まさにそういうことだと思います。

○仙谷委員 そこで長銀のような格好になるのか、みどり銀行のような格好になるのか、あるいは弱小の金融機関がぱたんとつぷれることになるのか、いろいろなケースが想定されますけれども、再編合理化という波は必然だという前提を考えた方がいいと私は思います。

 ところが、先般から問題になっているように、銀行というのは、物を売って何か現金でも抱えておれば再建途上も商売ができる、会社更生法の手続中のようなことができるということにならないのですね、お金そのものが商品ですから。そしてまた、決済機能を持っていますから、そうそう簡単に一遍息の根をとめて再出発というわけにはいかないのです。まさにシステミックリスクの問題でございます。そういう危機管理が必要だということです。

 そして、長銀だけが問題なのではなくて、大きな流れとしても、あるいは現時点での日本のマネーセンターバンク十八行、十九行の問題だというふうに設定しても、これは長銀だけの問題じゃない、ある種の必然だ、そのための危機管理をどうするのかということが今、国会に問われているのじゃないですか、というふうに私は認識しているのですよ。

 そこで、危機管理と、もう一つ重要なことは、借り得とかごね得とか、あるいはつぶれたら国家がやってくれるんだから高い金利でどんどん資金を集めればいいんだとか、高い金利の方にどんどん預金をほうり込めばつぶれても国家が面倒を見てくれる、あるいはつぶれるときには全部国家が始末してくれるんだから、そしてうまくいけばそこの株式もまた復活できる、こういうモラルハザードをいかにして排除するか、防止するかという観点がないと、危機管理をやったのはいいけれども、もうモラルハザードのやり放題、悪いやつほどよく眠るという世界が現出するわけであります。

 ここは、要するに、モラルハザードをなくしながら危機管理をやる、この原点だけはどんなことがあっても手放してはならないと私は思うのです。どうですか。

○宮澤国務大臣 そのとおりだと思います。

○仙谷委員 そこで、お伺いしますが、金融機能と決済機能というのは、確かにこれは公共性がある、あるいは公共財であるというふうに言ってもいいと思いますね。

 先般から、公共性と政府の介入というか権力の介入という問題意識で議論をさせていただいているつもりなんですが、銀行は、なぜ免許制で、検査を受けなければならなくて、早期是正措置の対象になる。なぜなんですか、これ。つまり、一般の事業会社が、免許制であったり財務内容について当局の検査を受けなければならなかったり早期是正措置を課されたりしないのに、銀行はなぜそういうものを課されるのですか。いかがですか。

○宮澤国務大臣 一番基本的に申し上げますならば、人の財産を預かって、善良なる管理者としてその管理に当たらなければならないというのが一番基本であって、その次に、しかし貸出業務につきましても、預かっている財産を危殆に陥れないような、そういう貸出業務を行わなければならない、そういう部分が他の産業と異なっていると思います。

○仙谷委員 反対からいいますと、免許制であったり検査であったり早期是正措置、こういうのは、マーケットに対する、あるいは私企業に対する政府の介入であるというふうにお認めになりますか。

○宮澤国務大臣 免許制である、銀行検査がある、あるいは最近で申しますなら早期是正措置でございますか、銀行法に基づきます改善命令のようなもの、これらはやはり、そういう業であるがゆえに生じておる政府の介入と申しますか、関与であると思います。

○仙谷委員 そうすると、平常時でもそうでありますから、ここで問題になっておりますように、金融システムの動揺あるいは崩壊近しとかシステミックリスクの発生とかというのは、これはある意味で、いかなる形、いかなる程度であるかは別にして、今私が申し上げた免許、検査、早期是正措置、そういう一連の手続のさらに先にある国家の介入、政府の介入がない限り、公共性を維持する、公共性を守るんだ、そういうことにはならないんじゃないですか。つまり、国家の介入が、システミックリスクを守るためには、防止するためには出てくるんじゃないですか。いかがですか。

○宮澤国務大臣 その一番成就的な形が金融監督庁による検査であると思っております。

 そして、検査の結果、よければそれでよろしいし、問題があれば恐らく金融監督庁において注意を促される、いろいろな種類があると思いますが、そういうことと思います。

 

○仙谷委員 ちょっとまだ議論が同じ土俵になかなか上がってこられないんで、聞き方を変えます。

 今度ブリッジバンク法案というのが出ておりますね。金融管理人が代表権、業務執行権、財産の管理処分権と持つことになりますね。これは国家権力が介入して、株主の権利を、取締役の権限を制限もしくは奪い去るということになるんじゃないですか。いかがですか。

○宮澤国務大臣 株主総会の固有の権限を一方的に奪い去るということは我が国の法制上できないと思っておりますから、それとの調整は非常に問題がございますが、金融管理人は、かなりの権限を振るうことができるのは、そのとおりです。

○仙谷委員 いやいや、ちょっと待ってくださいよ。整理してくださいよ。

 株主総会の権限を奪い去ることができないのに、金融管理人は、株主総会の権限を無視してというか排除して、代表権を持つんでしょう、業務執行権を持つんでしょう、財産の管理処分権を持つんじゃないですか、ブリッジバンクというのは。ブリッジバンク法案の、破綻認定の後はそうなっているんじゃないですか。

○伏屋政府委員 お答えいたします。

 まさに今先生が言われましたように、金融管理人が選任されますと、その業務を代行するとい

うか、行うことができるという規定がございます。

○仙谷委員 宮沢大蔵大臣、先般、国有化のためには株主総会の特別決議が必要で、株主の権利を無視した手続は困難だとおっしゃっていますけれども、ブリッジバンク法案、これは株主総会を無視して代表者を選び、行政命令的にですよ、業務執行権を与え、財産の管理処分権を与える、あなたの論理からいってどういう理屈からこれができることになるんですか、おっしゃってください。

○宮澤国務大臣 そこはよろしいんですけれども、この法律に書いてございますことは、被管現金融機関における株主総会の特別決議、これは、商法等の定足数に係る規定にかかわらず、出席した株主等の議決権の三分の二以上の多数をもってできることとするとともに、再度の株主総会等において同一の多数をもって上記の仮決議等を承認した場合には、そのときに特別決議等があったものとみなすこととするということをわざわざ法律に書いておりまして、それからまた、被管理機関がその財産をもって債務を完済することができない場合には、商法等の規定にかかわらず、裁判所の許可を得て、営業譲渡、資本減少等を行うことができることとするということで、法律によりまして、かなりの、いわば株主総会の持っております権限を、ある意味で弱めると申しますか簡略化するということは書いてございますけれども、基本的に株主総会の存在を無視する、アメリカの場合はそれができるわけですが、それはやはり我が国の法制ではできないと私ども考えております。

○仙谷委員 今おっしゃったのはみなし規定の話でありますから、基本的に。株主総会の決議がなくても法律によって特別決議があったものとみなすとか、裁判所の許可を得て営業譲渡や資本減少まで総会の決議があったものとみなすという規定になっているじゃないですか。こんなものはみなし規定じゃないですか。

 あなたが今おっしゃったように、法律の規定によってできるとおっしゃったんでしょう。みなし規定を置くことによってできるわけでしょう。擬制をできるという話じゃないですか。擬制でできるというだけの話であって、大臣、いいですか、株主総会の決議があるかないか、株主の意思がそこで発言をされたかどうかなんて全然関係ない話じゃないですか。何をお考えになっているのですか。

○宮澤国務大臣 この点は、この法案の作成におきまして、いわばこれは司法と行政の接点の問題でございますから、行政内部においては、当然、法務省とかなりぎりぎりの検討をしたわけでございますけれども、最後に残りましたことは、擬制でいろいろなことはできる、いろいろなことはできるが、株主総会というものはついに存在する、これを無視するということはできないというのがやはり基本的な考えであります。その権限をいろいろショートカットしたり、三分の二というのをいろいろしたりしますけれども、しかし株主総会というものは存在する、これを無視できないというふうに考えているわけです。

○仙谷委員 その種の議論は、アプリオリにできるとかできないというのは、なぜかというところが全部抜けているのですよ。

 いいですか。どうせ憲法二十九条の話なんでしょう。憲法二十九条の二項に、「財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。」「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」ここで書いてある公共というのは、皆さん方がおっしゃっている、システミックリスクを排除するというのは、公共の利益とか公共のためではないのですか。どうですか、お答えください。

○宮澤国務大臣 難しい議論になりますと、ようお答えいたしませんが、しかし、そういう意味合いだと思います。ただ、株主総会という、これは、人格はやはり存在するということに立っているわけで、これは無視できない、公共のためといえども。

○仙谷委員 そうすると、無視はできないけれども、擬制、つまりみなし規定を法律で置けばできるという理論ですね。

○宮澤国務大臣 みなし規定にはやはりそれなりの限度がありまして、その本体をゼロにするようなみなし規定というものはやはりあり得ないと私どもは思っている。

○仙谷委員 限度はだれが決めるのですか。アプリオリに天が決めるのですか。だれが決めるのですか、お答えください。

○宮澤国務大臣 それは、行政権と司法権の接点の問題でございますから、事実上の立法上は、私どもは法務省においてその限度を考えてもらっている、こう申し上げるべきだと思う。それはしかし、それすらも将来違憲だという判決を受ける危険は、これはございます。

○仙谷委員 そこのところは、私は、司法権と行政権の侵害の問題ではなくて、まさに私権に対する公共性ゆえの制限が、所有権に対する制限が、いろいろな具体的な状況の中で合理性を持つかどうか、それこそ司法判断を最終的に仰ぐ、時代とともに変わり得る可能性のある事柄だと思うのですね。

 したがって、私どもは、古今未曾有の、皆さん方の話を聞いていたら天地がひつくり返るようなことをおっしゃるこの金融システミックリスクの発現というものに対しては、ほとんどマイナスに近づいている株式を強制取得する、このことは、今までの考え方からいったら問題があるかもわからぬけれども、しかし、許されると。ここを許されてシステミックリスクを排除しなければ、到底ブリッジバンクのような生ぬるいつなぎ政策ではだめだ、こう思っているわけですね。そういう考え方なんですよ。

 何か御意見はございますか。

○宮澤国務大臣 あります。

 それは、専門家にチャレンジをする気持ちはございませんけれども、死にかかっている株主権でもそれは株主権でございますから、もう死にかかっている人間は人間でないという、そうおっしゃったのではないのですけれども、やはりそこには人格というものがある、法人格というものがある、素人でございますが、そう思います。

○仙谷委員 死にかかっている話をされましたけれども、別に補償をしないと言っているわけじゃないのです。

 それから、一つお考えいただきたいのは、人間の命と、しょせんは金は金なんですよ。人間の命とは重さが全然違うのですよ。人権の中でも、生命を維持する権利と財産を保持する権利の重さは、質、量ともに違うということだけはお考えください。

 それからもう一点、では今度は別の話題にしましょう。

 ここにブリッジバンク法案というものがございますね。この法案は、しょせんは破綻認定をしないと発動できないのですね、破綻認定をしないと。何か今の世の中の議論を聞いていると、野党がこの法案審議の中でこの法案をすっと通さないから長銀問題も片づかないんだという議論が行われてみたり、何かどこかの党の政調会長さんは、破綻前処理の方策が野党案にはないからけしからぬ、こう言ってみたりする。ブリッジバンク法案とか与党が出している法案の中に、何か破綻前処理の方策というのはあるのですか。明確に答えてください。

○宮澤国務大臣 いや、そういう話がございましたら、それは誤解でございまして、破綻をどうするかというのがこの法案でございます。

 

○仙谷委員 これはメディアの方にもよくわかってもらわないと、もう混同されて、長銀の問題とこのブリッジバンク法案の問題と。

 要するに、我々の言い方からいえば、長銀は、事実上破綻もしくは破綻に近いけれどもまだ破綻していない。このときに、長銀にどういう支援というか救援をすれば、最も国民経済的に最小コストで、危機管理をしながら、さっき申し上げたよ

うにモラルハザードを排除できるか。この二つの観点で、どうやれば最小コストでこの長銀問題を切り抜けられるか、こういう問題だと思うのですね、こっちは。今、そのスキームとかルールはほとんどないということだと私は見ています。いかがですか。

○宮澤国務大臣 おっしゃる意味は、破綻をした金融機関を……(仙谷委員「破綻前」と呼ぶ)破綻前、破綻前の……

○仙谷委員 我々は事実上破綻だと思っているけれども、皆さん方は破綻と思っていないのでしょり。

○宮澤国務大臣 はい、さようです。

○仙谷委員 そういう状態の危なっかしいところを……

○宮澤国務大臣 でございますから、その銀行が、自衛のために合併をしたいという話が起こっておるわけでございます。

○仙谷委員 だから、それは、後から時間があったら聞きますけれども、皆さん方が力を入れて、両方の背中をよいしょよいしょ押して、合併させよう、合併させようとしていますけれども、自主的な合併であれば、それはあなた、マーケットの世界というか私的自治の世界だから、ほっておけばいい話ですよね。だから、さくら銀行が三千億円、資金をどこかから取るという話も、これは自主的にやっていただいていい話でございます。

 だから、私が言っているのはそういう私的な話ではなくて、程度問題とかやり方はありますが国家がそれこそ介入をして、破綻寸前というか、破綻近しというか、あるいはこのままではもう何年ももたないだろうというところを、国家が介入しながら何とかこれを整理する。つまり、整理というのは清算と再生と両方ですから、整理をする、そういう破綻前のスキームというのは今は我が国にはありませんねということを言っているのです。いかがですか。

○宮澤国務大臣 長期信用銀行とあえて申しますが、常識的に考えまして、長期信用銀行がそういつまでも長期信用銀行という名で残っていることはないだろうと一般に考えられておりますが、そのような苦境にあって、長期信用銀行が友達の銀行と合併話を進めておる。

 その合併話の中に、国は資本率が非常に低下いたしましたときには状況いかんでこれを補強することができるという制度がございます。したがって、この合併話の中には、この制度が活用される、制度を利用するという部分が入っておりますので、この制度がなくて合併話だけが進行しているというわけではない。

 ただし、この制度を資本を投下する場合からいいますと、状況によって、そういう状況をもたらした銀行はそれなりのいわば責任を負わなければならない。社会的に何もしないでそれができるはずはない。それは経営陣の総退陣であり、あるいは退職金の返還であり、海外支店の廃止であり、本店の売却であり、従業員の削減であり、いわば極めてきついリストラをしなければ国のそういう処置は期待できませんよということの上に両行が合併話を協議している、こういうふうに考えております。

 ですから、先生のお話によりますと、そういう条件ができまして、本当に片っ方の銀行がいわば、どなたかせんだってスクラップとおっしゃいましたが、ちょっと適当な言葉がございませんが、もはやその名前で存続することはないという、そこまで決心いたしましたときに、国はそのような要請に応じるべきかどうか。先生のお考えを進めていきましても、答えはイエスというようになるように思うのです。

○仙谷委員 今のお話は、ルールはないけれども、自主的に合併するのであれば資金注入だけはやってあげるよというルールはあるという話ですよね。そうじゃないですか。

 どういう段取りで進めるかというような、つまり早期是正措置がかかった段階でどうするかとか、そういう話ではないのですよ。今のままの、破綻前処理などという言葉がメディアの世界で言われておりますが、そんなものはなくていいんだ、合併で、それで資本注入をしてやればいいんだということならば、もう御自由におやりください、時の政府が裁量行為でどんどんやっていただくしかありまへんな、こういうことになるのですよ。それでいいんですかと私は聞いているのです。

○宮澤国務大臣 それは何日も御審議をいただいたことですし、昨日も参考人が言われたように承知しておりますが、長期信用銀行は金融監督庁長官のもとに極めて厳しいリストラ計画を提出いたしました。それによって自分たちは自分たちのいわば責任をとるので、ひとつ金融監督庁に、政府に御考慮を願いたい、こう言っておられるのでありまして、のんべんだらりとただ救ってくださいというようなことでないことはもう御承知のとおりでございます。

○仙谷委員 しかし、先般からの長銀に対する政府の態度を見ていますと、このリストラ計画についての反応が甘いですよね。長銀のリストラ計画について、経営改善策について大歓迎みたいなことを言っているでしょう。歓迎をする、喜ばしいと言っているじゃないですか。

 何が喜ばしいのですか、こんなもの。さっきから申し上げているように、回収できる債権は投げ捨てるわ、まだまだいっぱいあるような感じは醸し出されるわ、全然我々の前に明らかになっていないじゃないですか。どこがリストラなんですか。

 さらに、かてて加えて、株主に対する責任の追及の仕方が全く甘いじゃないですか。何で株主が権利が残って、国民が税金を投入して長銀を支えなきゃいけないんですか、合併できるようにきれいにお化粧してあげなきゃいけないんですか。

○宮澤国務大臣 これも申し上げておりますとおり、歓迎というような気持ちは一切持っておりません。いやしくもかなりの銀行がその姿を消すという、そのことの大きな影響を考えますと、とても歓迎という感じではございませんで、むしろ、あれだけのリストラをしたということは、気の毒ではあるが、長銀としてはこれは当然のことであるというふうに考えております。

 それから株主のことでございますが、ここは考え方があると思いますが、長銀の考えでは、いずれにしてもこれは両行の合併になる、合併比率の場合に長銀の株主は非常に不利な条件を甘受しなければならない、それによって株主が責任を負う、こういう考え方をとっておるように思います。

○仙谷委員 先ほど、私どもでつくった修正バランスシートをお見せしましたけれども、ああいう観点からいうと、長銀の株主は一銭の配当もなく一銭の残余財産の分配もなくても何にも言えない状態じゃないですか。そこを、非常に厳しい、その程度では困るんですよ。国民の方は泣いても泣き切れない。

 話題を変えます。

 次に、このブリッジバンク法案で、破綻、それから金融管理人の選定、それから審査判定委員会の判定、営業譲渡、それから、あるいは整理回収銀行、ブリッジバンク、こういう格好になるわけですね、このスキームを見ますと。この破綻認定から判定まで、期間はどのぐらいを想定しているんですか。

○伏屋政府委員 今先生の言われました期間の話でございますが、全体は法律に二年プラス延長三回という話はしてありますが、今、選任されて、さらに審査判定基準に基づいてブリッジバンクヘ移行する期間は、なるべく短ければ短い方がいいと私どもは考えております。

○仙谷委員 大蔵大臣はどのぐらいだと思います。

○伏屋政府委員 なるべく短い方がいいと申し上げましたんですが、今までの実例でいいますと、例えば半年とかかかっているものもございますし、なお努力すべき点もあるかとは思います。

 

○仙谷委員 大蔵大臣、今のようなお答えなんですよ、実は。ここが、私、専門家に聞きました

ら、この法案の持つ最大の弱点、最大の欠点だと言われているんですね、この期間が。

 つまり、債権の仕分けとか、不良債権であるか優良債権であるか、あるいは第二分類だったらaであるかbであるかとか、その仕分けをここでやらなきゃいけないものだから。そして金融危機管理委員会の中に判定委員会をつくって、これこそ大変な作業ですよ、一本一本いかないといけませんから。借り手からいえば生死を決するような話ですからね、これは。これは時間がかかる。時間をかけないと、さっきの、三月の長銀の公的資金投入のようにむちゃくちゃやると、拙速をやると大変なことになりますから、やる。

 それで、半年と言われたけれども、まあ半分の三カ月にしましょう。三カ月もこの仕分けの期間をかけると、いい得意先は全部いいところへ行ってしまう、残ったのは、そういう言い方をしたらなんですが、余り善良でもない、健全でもない借り手が残る、こういうことになるわけですね。

 それから、国際取引では、この間、菅代表が予算委員会で聞きましたけれども、この金融管理人がレシーバーという訳文で、皆さん方が、政府が外へ流している以上、やはりレシーバーが立ったということはデフォルトだ、こういうことになるというのですね。インターバンクの中でも、これは非常に資金がとりにくい状況になるだろうということが専門家の間で言われておるわけでございます。

 先般来の議論との関係でいうと、じゃ、これは半年か三カ月にしましょう、大蔵大臣、この間の資金手当てはどこがつけるのですか、日銀特融ですか。

○宮澤国務大臣 今のお話ですが、それは私どもの中でも実は議論をしておりますし、先般もこの委員会でもお尋ねがあったと思いますが、ぐずぐずしていると、いい取引先はよその銀行に持っていかれる、よその銀行との話がつくというのなら、それならば実際そんなに心配したことはありませんので。今の世の中の状況は、三十年も銀行と本当にまじめに取引している人たちですら縁を切られるような世の中でございますから、なかなかよそが、うちとというふうにはやってくれない。今の状況は残念ながらそういう状況だと私は思いますものですから、そういうことになればむしろ問題は少ないがなと思います。

 むしろ申し上げたいのは、そうやって選別しましたときに、残ったものはいわばいいお客さんばかりである、悪い債務は整理回収銀行が買っていったという状況で、それなら丸ごといただきましょうかという銀行が出てくるのを期待する、こういうのが実情ではないかと私は思っているのです。

 資金繰りは、預金保険機構がいたします。

○仙谷委員 本当ですか。この間の日々の資金繰りは、日銀特融しかないのじゃないですか。判定までですよ、破綻認定から判定までですよ。

○伏屋政府委員 お答えいたします。

 先生先ほど言われました話で、今大臣が言われたように、ブリッジバンクの段階は預金保険機構からの融資でございますが、管理人の段階のときには、まさにそういう日銀の融資ということです。

○仙谷委員 僕は、自由党の鈴木さんの肩を持つわけじゃないのだけれども、この間鈴木さんが、日銀特融でやればいいじゃないかと。これも日銀の信任上、全部日銀特融でやるというのもいかがなものかという気持ちがあるから聞いておるのですが、もうむきになって大蔵大臣が、いつまで日銀特融が続くとおっしゃるのですか、こういう反論的答弁をされました。

 ところが、このブリッジバンクのスキームでも、半年とか三カ月の間、日銀特融が続くという話になるのじゃないですか。まさに日銀の信任を、あるいは規律を汚すことにつながるような話になるのではないか。つまり、もし判定までの期間、いつまでも日銀特融をずるずる続けるなんというスキームだとすれば、日銀的観点から見ると非常にゆゆしいことだということにもなるのじゃないですか。

○伏屋政府委員 お答えいたします。

 今この法案で想定しておりますのは、まさに日銀の融資といっても、いずれ預金保険機構から資金援助という形で返ってくるといういわば当てがあるわけでございまして、先日大臣が言われましたのは、いわゆる単純な日銀の特融がどのぐらいの期間続けられるだろうかという御趣旨で大臣はお答えになられたと思っております。

○仙谷委員 もしそうだとすれば鈴木淑夫先生が非常におかわいそうで、やはり鈴木先生の今度の質問のときに訂正をされた方がいいと私は思います。

 最後に、ちょっと時間がなくなりましたが、今度、長銀と住友信託の合併の話が出ていますね。

 私は、これは法律家の常識から考えると大変おかしいと思っているのですよ。というのは、高橋さんという住信の社長さんが、いいところしかとらない、こう言っているわけですよ。そうすると、どう考えても、いいところを営業譲渡で住友信託に渡す、長期信用銀行として残ったものは、余りよくない債権と負債を整理していく、こういうことにしか、住信さんの社長の言い分を聞くとそうしかないんじゃないかと思うんですね。

 そうじゃなくて、合併を無理やりやらそうとすると、不良債権をまず償却しなければいかぬですね。どこかへ売り飛ばさなければいかぬですね。これを受ける受け皿はないじゃないですか、今。破綻していないんだから。自由に不良債権を売買してくれるんだったらいいけれども、そんなことになっていないじゃないですか、こんな大量のお金を。

 そうだとすると、無理やりここに引き当て分を資本注入して、例えば、一兆五千億とすれば、それの七割ぐらい引き当てをして、引き当て金を積ませて、つまり一兆円ぐらい資本注入をして、無理やり合併させるみたいな話にしかならないじゃないですか。

 また時間があったらこれをやりますけれども、私の常識と経験からいうと、この合併というのは、言葉は踊っていますけれども、営業譲渡でない以上、大変無理筋であると思います。いかがですか。

○宮澤国務大臣 でございますから、長期信用銀行側はそのような不良債務をリストラをやって整理をしなければならない。それがああいうリストラのきっさになるわけでございますが、まさにおっしゃいますように、銀行自身が整理をいたしませんと合併というものが成り立たない、そういうことでございます。

○仙谷委員 終わります。

○相沢委員長 これにて仙谷君の質疑は終了いたしました。