1998年02月04日 大蔵委員会

○村上委員長 次に、仙谷由人君。

○仙谷委員 民友連の仙谷由人でございます。

 松野参考人そして佐伯参考人には、御多用中のところ参考人として御出席をいただきまして、まことに御苦労さまでございます。御礼を申し上げます。

 そこで、まず松野参考人の方からお伺いをいたしたいと存じます。

 今、私、平成三年八月二十一日と平成四年二月二十六日の議事録を持ってきております。そのときに時の証券局長松野局長に、飛ばしについて相当厳しい質問をした記憶があったからでございます。局長も覚えていらっしゃると思います。相当厳しい質問をさせていただいたわけですが、ただ、その時点では局長も我々も、マフィア資本主義とか、やくざが絡んでめちゃくちゃになった日本のマーケットをどう立て直すのかという問題意識はあったと思うのですね、あのときには。

 そして、時まさに間接金融から直接金融へという国際的な流れの中で、日本だけがどうも直接金融の世界がばくち場になっているのではないか、あるいは一般の顧客はごみとか掃きだめとか言われてまともに相手にされていない、法人の上得意だけが損失補てんを受けた、やくざにはもっと別の特別の取り扱いをしている、そんな問題意識の中で、例の九一年に損失補てん大スキャンダルが起こったわけでございます。

 時の証券局長松野さん、大変御苦労をされたと思うわけでございますが、あれから六年半でございます。ちょうど平成四年二月二十六日の大蔵委員会で質問をさせていただいておるわけでございますが、そこから数えましてもちょうど六年でございます。一向に証券市場が、公正なルールのもとに国民が参加するような市場に再建されていない。大変私は残念に思いますし、このことが日本の今の経済の中での資金循環の大変な閉塞状況、脳梗塞状態をもたらしていると憂慮をしておるわけでございます。

 そこで、今度の山一の自主廃業について松野局長にまず感慨をお伺いしたいわけでございますが、当時山一の飛ばしというものが一部でささやかれておりましたし、私自身も、先ほど申し上げた二回の、大蔵委員会と予算委員会で、山一に飛ばしがあるじゃないか、あると言われているじゃないか、ちゃんと調べたのか、こういう質問をした記憶がございます。これから調べるというのが大体結論的な、これから詳細に検討するというのが当時の局長のお答えであったと記憶をしておりますし、概略そのようにこの議事録の中でお答えになっておるようでございます。

 ところが、松野さんが平成四年の六月におやめになった後、さあ次の大蔵省証券局がこの飛ばしの解明あるいは山一の飛ばし体質にメスを入れるということができたのかどうなのか、多分できなかったのでしょう。

 そこで、今回は、新聞報道によると、あるいは我々が巷間マーケットから直接聞くところでも、二千数百億、二千六百四十八億という金額を新聞紙上で書いてございますけれども、この飛ばしが足かせになって外国の証券会社にすら身売りができなかった、だから倒産した、こういうことになっておるのですね。簿外があった、こういうことになっておるわけです。あのときにこの飛ばしを、当時間題になった飛ばしに何とかメスを入れておけば、ひょっとすればこんなことにならなかったのにというふうなお気持ちは松野さんにはございませんか。

○松野参考人 そのときの詳細な答弁を覚えているわけではございませんが、確かに飛ばしについてお尋ねがあったと記憶しております。

 ただ、飛ばしというのは言葉としては非常に悪い印象を与えるわけでございますが、先ほど初めに申し上げましたように、飛ばしそのものというのは、これは仙谷委員既によく御存じのように、企業間の取引行為でございまして、証券会社が取引の当事者になっているわけではございません。企業と企業の間で含み損がある株式を簿価のままで売買する、条件つき売買、現先取引でございますが、そういうようなことが行われて、それを飛ばしというふうに呼んでいたわけでございます。

 したがいまして、それは証券会社がそういう行為を仲介するか否かにかかわらず、飛ばしというものが当時存在していたのではないかということは、私どももいろいろな情報があったわけでございますが、ただ、その行為自体が、先ほど申し上げましたように証券取引法に触れる行為である、触れる取引であるということが言えないという問題がございました。これは条件つきの売買でございますし、あるいは取引当事者の企業は大体株式担保の短期金融だという認識を持っていたわけでございまして、そういう取引を法律で違法だと決めつけるということはできない。

 そうなりますと、問題は、証券会社が責任を負わなければいけないような飛ばしに関与しているケースがあるかどうかということが一番の問題でございまして、御質問も多分そういうふうな趣旨であっただろうというふうに私は思っておりますが、そういうことで、証券会社に、たしか私のときもそういう形のものがないかというのを聞いて、もしあれば、それは処理をするのであれば証券事故として処理をしなければ法律違反になります、つまり損失補てんになるおそれがありますということで、たしか数件証券事故として処理をしたケースがあろうかと思います。

 お尋ねの山一証券のケースにつきましては、証券会社が仲介をしているケースはあったと思います。ただ、それが証券会社が責任を負わなければいけないということについては、会社自身が、私どもの尋ねに対しては、そういうものはないという報告をしてきていたわけでございまして、そういうふうな形の取引というのは、そういう格好をとっている限りにおきましてはもちろん証券会社の帳簿を一切通らないわけでございます。したがいまして、どうしてもそれを把握するというのはできないというのが率直なところでございまし

た。

 今申し上げましたように、飛ばし取引自体が違法でないというところに一つの限界といいますか、私どもとしてやれるところに限界があるわけでございまして、それはいわば企業間の自己責任に基づく自由な契約の世界での取引であるというふうに考えざるを得ないのが飛ばし取引であるというのが当時の考え方であったわけでございます。

 確かに、結果としてそういうようなものは証券会社の責任になって、証券会社が簿外で引き取ったというふうに言われております。これは非常に遺憾な問題でございますし、明らかに証券取引法に触れる行為でございます。そういうような違法行為を証券会社が行うということは、我々としては、特に損失補てんを禁止するための法律改正をお願いしたばかりでございまして、その当時、ちょうどその法律が成立をして施行された時点でございますから、よもやそういうようなことをやるとは率直に申し上げて考えていなかったというのが正直なところでございます。

 

○仙谷委員 松野局長が当時から非常にいい人だというのはわかります。しかし、職務上、事証券会社に対していい人であっては困るんですね、当時から。今もそうです。

 つまり、検査というふうな立場に立つと、本当は山一にとっても厳しい検査をして、簿外になりそうな現先取引、あるいはもう既になっておる分についても、何らかの保証をしているから、つまり、債務保証をしたり仲介をして保証をしているから最終的に山一が背負わなければいけない分が二千六百億円になって、手かせ足かせになって倒産したということになっておりますよね、結論としては。これ、六年たって今から見ますとそうなっているわけです。検査としては、今おっしゃった中に、当時の大蔵省が証券会社と悪く言えばなれ合っている、よく言えば非常に温かい、そういうことしかできなかったみそがありますよね。

 つまり、現先取引が事業会社と事業会社の間でなされている、それは我々の関知しないことだとおっしゃいました。裏で山一が保証している、その場合には最終的にまさに飛ばしとして山一に返ってくる、今回のケースはそうだ、こういうお話なんでしょうが、もともと、山一の得意先であるA会社からB会社に現先取引が行われて、実際には評価が低い債券なり株式が高い貸付金なり売却代金として売られていった、BからCへ行く、この間に山一が入っていなければ問題ないというのはそのとおりですよ、それは。しかしそういうのは飛ばしと言わない。

 そしてもっと言えば、そもそもその発生は山一とA社の営業特金なりなんなりの、要するに、一任勘定であったのか営業特金であったのか知りませんけれども、山一と金を委託した会社の取引の中から生まれた含み損といいますか評価損があるから決算期ごとにこれを移すという話で飛ばしという話になっているわけですね。なっていたわけです。そういうものがあるんではないかという疑いは当時から物すごくかかっていたわけですよ。なぜそのことを取引先の相手方にまで踏み込むような調査が当時できなかったのか。

 今から考えると、そこまでやって??山一は単年度で九一年は多分二千六百億ぐらいの業務純益出していますよ。二千六百億ぐらいの簿外債務があっても、それを償却することはそれほど大変じゃなかったはずですよ、まだ九〇年、九一年、九二年というような年では。今になってくると、粉飾決算しても数億円ぐらいしか山一なんかなかったじゃないですか、この間。そういう体力のあるうちにメスをなぜ入れなかったのか、ここが問題だと思うんです。

 おとといの、これは参議院の予算委員会で現在の証券局長はこう言っています。「山一証券に関して言えば、その当時それが受け渡し金額ベースで二十六企業、約二千五百八十億ほどそういったもの」、つまりグレーゾーンの現先取引があったと、こういうふうに松野証券局長から聞いておるという答弁をなさっておるんですね。

 九一年の十二月ごろにそういうことございましたか。つまり二千五百八十億円ほど受け渡しベースで現先取引のグレーゾーンにあるものが山一証券にありましたか。御記憶どうですか。

○松野参考人 今の数字は私は全く記憶にございませんし、恐らくそのとき聞いたことはございません。

○仙谷委員 そうしますと、巷間言われております、九一年の年末と次の年の年始にかけて証券局長が山一の方に指導をした、こういう話が新聞紙上で書かれましたですね。そのことに絡んでお伺いをするわけですが、日時風に言いますと、まず、飛ばしの話は九一年の八月のこの国会の予算委員会の中で議論になったのが大きく議論になった話だと思います。つまり、損失補てんから飛ばしの問題が出てきたということですね。その後九一年の十一月に金融ビジネスが大変大きくこの山一の飛ばし問題を取り上げたんです。「「口が裂けても言えない」本当の赤字額 山一証券」「宇宙遊泳玉一兆円」と。つまり、飛ばして宇宙を飛んでいるという話ですな。当然のことながらこの辺のことは御存じだと思う。

 そして九一年の十二月二十六日には、大蔵省が大手証券四社に対する特別検査の結果を発表しているんですよ。まだこのときには山一に、先ほど申し上げた二千五百八十億円ですか、そういうグレーゾーンの現先取引があるという話は、認識はしておったかもわかりませんが、この特別検査結果の中に出てきてないと思うんですよ。それで、年が明けてから今度は飛ばしの問題は、大和証券、コスモ、山種というふうに、これは訴訟の和解とか調停の結果払わなきゃいけないと。飛ばしてあったのが、全部そういう証券会社が実は何らかの保証してあったとか念書が入っていたとかということで裁判になって、結果としては裁判所を間に挟んだ損失補てん的なことが行われるという事態になったんですね。それで九二年の二月にまた飛ばし問題が国会で問題になった。

 それで大蔵省は、飛ばしの情報開示を促して有価証券報告書に記載せよと。あるいは、九二年の四月には東証もそういうことを決めた。それから四月の二十八日になりますと、山種の飛ばし取引について業務停止処分にしています。それから五月の二十六日には、参議院の大蔵委員会で証券局長が、和解もしくは調停、訴訟の例は十五件で千七百五十五億円、大和、コスモ、丸万には処分をしないという答弁をなさっておりますよね。相当飛ばしのことを意識しながら物事が進んでいっているんですよね。

 ところが、この山一に対する現先のグレーゾーンのものが、ここで問題になっているように二千五百億円か五百八十億円かはともかくとして、相当の金額があったか、あるいはこの年の、さっきおっしゃったように十月の三日でございましたか、参議院で法律が、つまり損失補てんの禁止も含む証券取引法の改正ができたものだから損失補てんできないと。そこで、このグレーゾーンの現先取引の処理の仕方について松野証券局長に山一の方から相談があったんじゃないですか、あるいは指導を受けたいという要請があったんじゃないですか。

○松野参考人 この問題、私も、六年以上前の話ですからなかなか記憶が定かでないんですが、確かに山一証券から、取引先企業との間でそういう問題があって、いわゆる飛ばし取引に絡む相談があったというふうな記憶はございます。(仙谷委員「ございます」と呼ぶ)ございます。

 それにつきましては、私は詳細なやりとりは覚えておりませんけれども、要するに、飛ばし取引そのものについて、これは先ほど来申し上げておりますように行政当局としてどうこうと言うことはできない取引だ。ただ、証券会社がそれについて最終的な責任を負わなきゃいけないものであれば、もう損失補てんの禁止の法律ができて、改正されて一月一日から施行されるという状況にあったわけですから、それはその法律で認められている証券事故という形で処理をするしかない。そう

しなければ、損失補てん、文字どおり禁止行為に該当する。

 証券事故という形であればこれは損失補てんにならないということが法律に明記されているわけでして、これについてもいろいろと御議論がございました。抜け道をつくっているんじゃないかとかいう議論がございましたけれども、私どもとしては、証券取引の性格上、証券事故というのは必ず起こり得るので、これは避けることはできない。そうなれば、それに対して補てんといいますか、トラブル解決をするために補てんをするような形になった場合、これは、それも法律違反だということになってしまうとむしろ投資家保護上問題が起こるということで、一定の要件を決めまして、余り記憶、最近証取法を読んでおりませんので忘れた部分がございますが、たしか主な措置としては、さっきございましたように裁判をする、あるいは裁判上で和解をする、あるいはもう一つ、民事調停で調停をするというようなそういう形をとれば、それは、それに基づいて補償する場合には損失補てんに該当しないというような道を設けたわけでございます。

 したがいまして、山一証券についても、そういう方法で引き受ける場合には、処理をするということであれば適法であるということは、多分そういうふうな趣旨のことは申し上げたのじゃないかというふうに思います。

 

○仙谷委員 時間の関係で、これ以上その問題お聞きするのを控えますが、最後に、松野さん、結局これは、山一から飛ばしの後片づけが海外現法とかなんとかというところまでいって、簿外になって飛ばしたあげく、これ全部山一が保証しているから、最後、受けなければならないという簿外債務になったわけですよね。保証なんかしていなければ、あるいは仲介をして、いや、うちは必ず最後は責任持って面倒見ますからみたいなことを言っていなければこんなことにならない。つまり、この背後の心理には、いっか株価は戻すだろうとか、そういうある種の安易なというか、右肩上がりの神話のもとでみんなやっていたというのが僕は背景にあると思いますが、それでとうとう山一はこうなってしまった。

 では、当時、現先が幾らあるのか、あるいは営業特金で残って当時しこった、こういうふうに表現もしていましたけれども、そういう玉がどのぐらいあるのか、厳しく検査をして追跡をして、山一の責任があるのであればそこで責任をとらせる、そういう厳しい検査と厳しい処分があれば山一は助かっていた、現在のような状態にならなかったとお思いになりませんか。

○松野参考人 仮定の問題でございますが、それは確かにおっしゃられるようなことも十分考えられると思います。

 先ほど御指摘でございました特別検査というのを当時やっておりましたが、これは例えば、たしか私の記憶では四社に同時に入っておりまして、検査官も非常にそういう意味では手薄であった。しかも、損失補てんでまだ報告をしていない損失補てんがないかというのにむしろ重点的に力を入れて検査をしていた。あるいは野村証券の場合ですと、たしか例の東急電鉄株式の問題に力を入れて検査をしていたというようなこともございまして、検査官の数が少なかった。あるいはそういうものに重点を置いて特別検査をした。これは、一般検査では全部見るわけでございますが、特別検査ということで、かえって非常に狭い範囲で検査をしていたということがそういうものを厳しく見ることに若干、何といいますか、時間もないし人もいないというような状況であったということは御理解をいただきたいというふうに思うわけです。

 結果として、検査で見つけて厳しく対応すればよかったではないかと言われますと、まさにそのとおりだと思います。ただ、検査で全部がわかるかということにつきましては、これはなかなか、特に証券取引行為のように第三者の取引の仲介をするというような形の場合には、率直に申し上げて、先ほど言われたように取引当事者を反面調査をしなきゃいけないという問題になるわけでございますが、現在の証取法の調査権限からいいますと、違法行為というものがはっきりしないにもかかわらず反面調査をするということは、これはなかなか、やはり行政権の行使としてもそこまでやることができないという制約があることも御理解をいただきたいと思うわけです。

○仙谷委員 今の一点だけだけれども、違法じゃない違法じゃないとさつきからおっしゃるのだけれども、これは法律違反にはなっていないかもわかりませんが、少なくとも現先取引に玉が、株式が使われているというのは、昭和五十一年以降昭和五十九年まで出された「債券の条件付売買の取扱いについて」という通達には違反していますね。要するに、株式を現先に使ってはならない、現先売買の対象にしてはならないということは、つまり債券じゃないとだめなんだということは大蔵省が確立した原則だったのじゃないでしょうか。それはもう答弁、結構です。

 三和銀行の佐伯頭取の方へ少々お伺いいたします。

 谷内さんから、谷内さんを接待して、一つは不良債権償却証明書をもらったという新聞報道があるのですが、まず、こんな事実があるのか。谷内さんから不良債権の償却証明をもらったとすれば、何件ぐらいそういうもらった債権があるのか。金額にして幾らぐらいなのか。報道によりますと、九五年の二月の二十一日から二月の二十四日までの大阪本店の検査の中でそういう事実があったというふうに言われておるのですが、いかがですか。

○佐伯参考人 償却証明というのは毎年、検査部から来て償却証明を出してもらいます。したがって、新聞報道は実は昨日見たのですけれども、そういう事実がといいますか、もしその人がそのときに来ていれば、当然、谷内さんから償却証明を出してもらっているということだと思いますけれども、ちょっと私、その数字とかあるいは何年間この人にもらったかというのは現在把握しておりません。

○仙谷委員 先般から、そのうち調べるみたいなことをおっしゃっているようですから、三和銀行の方でもこれはぜひお調べいただいて、国会に報告をしていただきたいと思います。といいますのは、これ、無税償却か有税償却かの税に絡むんですよ。ですよね。つまり反対に言えば、補助金が出たのと同じことになるわけですから。国民の方からいえば、入ってくる税金が入らなくなったという話ですからね。だから、それはもうぜひお調べいただきたいと思います。

 次に、例の、九五年四月に大蔵省が東洋信託銀行に対して行った検査の報告書、示達書を三和銀行が、いわゆるMOF担なのかあるいは企画部なのか知りませんが、入手をしたという事実、あるやに言われておりますが、こんな情報収集といいますか、産業スパイみたいな話があったかどうか確認されておりますか。どうですか。

○佐伯参考人 その件につきましては、今、資料もございませんし、捜査中でございまして、私どもの方として確認はできておりません。

○仙谷委員 この示達書をMOFからもらってきたと疑惑をかけられている方はわかっておりますね。その人には、会長なりあるいは三和銀行の中の調査委員会なりで調べていらっしゃいますか。

○佐伯参考人 捜査とは別に、私どもの中でも調査をしております。

 ただ、捜査中のことでございますし、我々もはっきり確認が、確定はしておりませんし、ちょっとお答えはお許しいただきたいと思います。

○仙谷委員 頭取が、もらってきた人と何か共犯関係になって、刑事上の犯罪に問われる可能性があるというのだったら、答弁を差し控えさせてもらいたいというときに、はいそうですかと私も引き下がるのですが、まさかそこまでは共犯関係がないと思うのですよ。企画部の何か長がつく人がもらってきて、トップにこの示達書については報告をした、こういう情報も聞こえてくるのですが、頭取自身は、この東洋信託銀行の検査結果、

これについて報告を受けた記憶がありますか、ありませんか。

○佐伯参考人 私については、指示したこともございませんし、受けたこともございません。

 ただ、そのほかのところにつきましては、私がここで今知っていることを申し上げて後で捜査の結果と違ってもいけない、こういうことでございます。

○仙谷委員 残念でございますが、時間の関係がございますのでこの程度にいたしたいと思います。

 頭取、三和銀行から某政党に職員が出向していたことがありますか。現在していますか。

○佐伯参考人 ちょっと質問のあれが、某何ですか、某、どこに出向している……(仙谷委員「政党です」と呼ぶ)政党ですか。政党という形では、ございません。

○仙谷委員 優先株の引き受けの話が出ておりますね。これは報道で読ませていただいた限りなのですが、会長は、全銀協の会長時代に、本来は個別銀行が市場原理にゆだねて資本を調達するのが原則だけれども、今回は緊急異例の措置であって、信用収縮の悪循環を断ち切ることが大事だから、三和銀行も優先株を公的資金で買い取ってもらいたい、こういうことを三和銀行としてはお考えなのですか。

○佐伯参考人 本来はと言いましたのは、優先株というのは、こういう制度といいますか、新しい国の資金を入れてということがなければマーケットでしか取れないわけですし、そのマーケットが締まってしまえば優先株が出ないというのが、出せないというのが現在の状況で、したがって本来優先株はマーケットでと申し上げたのはそういう意味であります。

 しかし、このまま自己資本が傷ついてマーケットがクランチをしていくという状況では、何らかのほかの形で優先株なり自己資本増強策を図らなければいけないのではないかという意味で私は申し上げたわけでございます。

○仙谷委員 公刊物ですから、三和銀行の自己資本比率なりあるいはその含み益が日経平均何万円で消えるかというのも必ずしも正確ではないのかもわかりませんが、三和銀行は一万五千円ぐらいの日経平均の株価であれば自己資本比率が八・二〇六、こういうふうに言っているところがありますね。一万五千円で一ドル百三十円ぐらいであれば八・二〇六、株式の含み益は日経平均が一万四千七百六十三円になるとゼロになる、こういうふに、例えばこういう本には書いてあるのですね、書いてございます。

 つまり、決算、有価証券報告書等々から分析してそうなっておるのだと思いますが、他の銀行に比べてもいい方なのですね、三和銀行は。三和銀行であればマーケットで取れると思うのですよ。現に、日本興業銀行と住友銀行は、いやいや海外のマーケットで取るから公的資金要らないよ、あるいは日本興業銀行の頭取さんは、金融ビジネスの二月号で、いやいやうちはマーケットで取るから要らぬ、こう言っていますね。三菱銀行も、最初は非常に消極的だった、こう言われております、これは劣後債のようですが。何で三和銀行が、それほどマーケットで取れる力があるのに、公的資金を取ろうとされておるのですか。

○佐伯参考人 少し偉そうな言い方になりますけれども、金融界全体としてクランチが起こっているといいますか、海外の調達あるいは国内の調達も含めて、必ずしも、私どもの銀行が、それではぎりぎり八・〇を達成しておさまってよろしいという形のときに、日本の金融界全体がどうなるかということも含めて考えますと、自分のところのために使うだけではなくて、金融界全体のために使うという事態が起こり得るということであります。

○仙谷委員 その種の横並びのお考え方と意識が護送船団であり、もうそれが通用しなくなっているのじゃないかということがずっと言われて久しいわけですよ。そこがまず第一点。それともう一つは、多分この種の発言をされたときには、まだ三和銀行の行員が贈賄容疑者として捜査対象に、表向きはまだなってなかったときですよね、呼び出しは受けていたと思うけれども。捜索令状を持ってこられて、いわゆる捜索を三和銀行本体が受けたという時期ではまだないと思うのですね。あるいは現時点では、どうも大蔵省に対して、特に大蔵省検査に対して贈賄という犯罪を犯した人が三和銀行にはおるらしい、それも中枢部だ、MOF担というところだと。そしてまたもう一つは、あげくの果てに、他の銀行の機密書類まで横流しを受けた、こういうことがあるのですね。

 それから、さっき申し上げた不良債権の償却証明についても、結論的に不正が行われたかどうかはともかくとして、接待漬けにした検査の中で不良債権の償却証明が出されておるのではないかという見方はされますよね、今回のこの谷内さんと御社との関係は。

 そういう銀行が公的資金を堂々と導入するというのは、国民感情から考えて、まさかのときにはこの公的資金、三和銀行が先頭を切って他の銀行のために公的資金の導入をやる。その導入された公的資金で買った三和銀行の優先株は後になって売れるでしょう、立派な成績を持っていらっしゃるから。つぶれる銀行があったら、これはどぶに捨てたのと同じになりますね。その種のお金を、まあいわば現在容疑中の三和銀行が堂々と公的資金の導入を受ける。こんな、李下に冠、瓜田にくつを入れずというものですよ、こんなことがまかり通るとお思いですか、世間の常識から考えて。どうですか。

○佐伯参考人 先ほど申し上げました導入を積極的に発言した時点と今では、確かに状況は違いますし、今どうすると言われても、私もまだ、引き続きという答えも、あるいはやめるという答えも申し上げようがないのですが、金融システムを維持するという形で出された法案でございまして、その法案が、あるいは審査基準が出た段階で私どもも考えたいと思っております。

 大変申しわけございませんでした。

○仙谷委員 金融システムの維持ということは非常に大事です。しかし、そのお題目ですべてが許されるということではない。ここだけははっきりさせていただきたい。我々も、金融システムは維持しなければいけないし、しかし、より自由で公正なマーケットも維持しなければ、国のひもつきの金を銀行が受けるなどという恥辱に本当にあなた方が耐えられるということ、その神経が私はわからないのですよ。それで申し上げているのです。

 終わります。