1996年12月13日 本会議

消費税率据え置きに関する二法案についての反対討論

○仙谷由人君 私は、民主党を代表して、新進党提案のいわゆる消費税率据え置きに関する二法案につきまして、反対討論をいたします。

 私ども民主党は、真剣た議論を重ね、その結果、右二法案に反対するという選択をいたします。

  だれしも負担の増加を喜ぶ者はおりません。とりわけ、橋本内閣の行おうとする行政改革、五つの構造改革の姿が国民には唇気楼のようにしか見えない現状において、加えて住専問題や厚生省スキャンダルなど、税の使われ方の不透明、不公正な事態が顕在化し、担税同盟までつくられようという市民の声が充満する中では、本法案に反対することはまずます重苦しい選択をしなければならないのであります。

 私ども民主党は、さきの総選挙の際の公約の中で、今回の消費税率の五%への改定については、二年前の所得税等の恒久減税の見合い分であり、かつ、その一%は地方消費税として国から地方への財源移転を進めるものであるという意義を踏まえ、これを基本的に容認することを表明してまいりました。また、消費税制度そのものにつきましても、現行所得税がいわゆる水平的公平、世代間の公平という点で問題を有していることに照らすと、これと相補う税制として肯定的に評価すべきであるとの認識に立つものでございます。

 もちろん、消費税率の改定をめぐって国民の中になお不満の声が存在していることは、十分承知をいたしております。この不満は、一つは、消費税制度に内在している逆進性の問鷺に起因するものであり、また、累次の見直しにもかかわらず、いわゆる益税が完全に解消していないことに基づくものであります。

 消費税の逆進性緩和や益税解消については、これまでになされた制度改正にとどまることなく、来年四月施行までの間さらに検討を続け、低所得者層への福祉的給付の拡充や還付制度の創設、インボイスの導入、免税点の思い切った引き下げ、簡易課税制度の二層の見直し等の改革を実現し、もしくは少なくともその方向性を国民に提示することが必要であります。(拍手)

 また、徹底した行政改革を断行し、行政の効率

性、透明性を高める必要性につきましては、この場で改めて申し上げるまでもないことであります。

 民主党は、先日、行政監視院法案を今国会に提出したところでございますが、政府・与党の皆さん方がこれに賛同するか否かで、税金の使われ方とその評価についてまじめに取り組む覚悟があるのか、国民に負担を押しつけながら、知らしむべからずよらしむべしとの政治と行政を続けていくだけなのかが問われていると考えております。このことを改めて申し上げておきたいと存じます。

 民主党は、引き続き、大蔵省・金融行政改革、予算編成、公共事業の抜本的見直し等の課題につきましても、順次具体的な提案を行ってまいりたいと考えております。

 民主党は、現下の我が国の財政の危機的な状況をも踏まえるならば、単に税率改定を先送りして安易にツケを将来の世代に回すのではなく、必要となる財源についてははっきりと国民の皆さん方に説明をし、かつ、税金の使途がだれにむはっきりとわかる監視のシステムを整備し、御理解をいただきながら負担を求めることこそが、未来に責任を持つ政党としての基本姿勢であると確信するものであります。

 今回、新進党が提案された消費税率据え置きに関する関連二法案は、所得税等の先行減税に関する財源の手当てはおろか、十八兆円という減税を主張しながら、この理解不能な提案をしているのでございます。加えて、単に税率を二〇〇一年まで据え置くというのみで、益税解消等への新たな制度改正提案も何ら含まれていないなど、およそ政治に責任を持つ姿勢の見出せない提案であります。(拍手)あえて申し上げれば、ポピュリズムとし公言いようがないと断言するところでござい支す。

 したがいまして、新進党提案の関連二法案につきましては、内容的に独全く賛同する余地のないものであることを申し上げて、私の反対討論といたします。(拍手)