1993年04月14日 土地問題などに関する特別委員会

○玉城委員長 仙谷由人君。

○仙谷委員 先ほどから質疑をお伺いをいたしておりまして、国土庁長官の、地価の一段の下落が望ましい、こういう決意をお伺いをいたしまして、非常に頼もしく感じているところでございます。

 昨日、政府の方から総合経済対策が発表をされました。拝見をいたしたのでございますけれども、私どもから見ますと、相も変わらない量的な拡大に走っておるのではないだろうか、GNPの成長率を底上げするために、量的にどうも公共投資を十兆円強積み上げるというふうな、そんな施策でないだろうかなという感じがいたします。もっと具体的に言いますと、相も変わらない産業優先の予算づけあるいは事業構成ということになっておりまして、私どもが今当面しております高齢社会に向かって、どういう社会資本を整備していったらいいのか、あるいは老人や体にハンディキャップを持つ人の生活のために、日常的な生活の利便のためにどういう町づくりが必要なのか、そういう配慮も余りなされてないような感じがいたします。

 あるいは、もっと言えば、自然環境を保全し、例えばきれいな水を循環させるというふうな施策として、一般的な下水道対策ということだけに終始しておるのではないだろうかな、こんな感じを持ったわけでございます。そしてまた、これだけの財政規模の公共投資を行うということになりますと、経済理論的には円高を高進させるということになるわけでございますので、その反対の極といいますか、手当て、つまり地場産業をどういうふうにして急激な円高にさらさないようにするのかというふうな施策にも少々目が行ってないな、こんなことを考えるわけでございます。

 私は日本社会党に所属をしておりますが、せんだっての四月六日に日本社会党のシャドーキャビネットで総額十二兆円強の緊急経済対策を作成して、大蔵大臣にも、あるいは経済企画庁長官にも申し入れたところでございます。私どもの施策では、自然環境に配慮する、あるいはハンディキャップを持つ人々に配慮をした町づくり、あるいは文化や教育、いわば今までの土木事業に偏した公共投資から、人間を大事にする公共投資を大胆にやらなければいけない。私どもの方では、社会生活資本という新たな名称をつくって、そういう範疇に投資をしていかなければならないのではないだろうか、こういう主張をしておるところでございます。

 この緊急経済対策についても国土庁長官も多少関与をされておるのではないかと思いますが、一つは、この段階でことしになっても、いまだ不動産業界等から、あるいは建設業界も含めて、地価税を廃止することが経済対策である、地価を上げないと経済対策にならないという経済をわかってない暴論、あるいはこれから我々がどういう社会にするのかということを全く抜きにした業界的議論がなされておったやに私も聞いておりますが、まずこの点だけ国土庁長官に、バランス、均衡のとれた国土の形成といいましょうか、あるいはこれから我々が向かわなければならない高齢社会、国際化した社会の中で一体公共投資、社会資本整備というふうなもののベクトル、向きをどちらに向けるのかということについて、国土庁長官がもし政府の経済対策の中で御主張をされたようなことがあったらひとつ披瀝をしていただきたいと存じます。

 

○井上国務大臣 昨晩、政府の「総合的な経済対策の推進について」というものを閣議決定をいたしました。その中には先生今御指摘の、社会資本整備と言っておりましたけれども、自民党の方では新社会資本整備、これが政府の閣議決定の中ではそういう言葉は使われませんでした。しかし「社会資本整備の新たな展開」ということの中に、御指摘のような大学研究所の老朽した施設の改善とか医療、社会福祉のための施設、あるいは通勤通学の混雑緩和を目指した鉄道の整備とかそういった新しい範疇の社会資本整備にも手をつけていくんだ、こういうことも盛り込まれておりますし、これは社会党の緊急経済対策の大綱も拝見をいたしましたが、その中にも盛られております。そういう点では、新しい施策がこれからこの総合的な経済対策の中でとられていくと思っております。

 それから、国土庁といたしましてはいろいろな仕事をやっておりますが、やはり現在は地価の問題でございます。地価税につきましては、今大蔵省からも御説明いたしましたように、私どもは、短期的な税収を図るための地価税ではございません。これは土地基本法にも挙げておりますような、土地の資産価値というものを縮減させる、こういうためにつくったものでございますから、地価税を今廃止するというようなことは国土庁としては考えておりません。

 なお、この昨日つくりました経済対策も、確かに公共投資をふやしていくということによって景気を立て直そうとしておりますけれども、今ちょっと見ているのですが、どこかにたしか地価

の問題にも配慮をするということが、今ちょっと探して見つからないのでありますが、公共投資の用地の問題のところだったと思いますが、どこかで地価の動向に配慮するという言葉も入れていただいておる、こういうことで、ある程度配慮をされておると思っておる次第でございます。

○仙谷委員 経済政策についての論争をしますと時間がなくなりますので次に進みますが、日本経済が、今ある意味で戦後史上始まって以来の資産デフレと言われるような、経験をしたことのないような不況に突っ込んでいるということは疑いもない事実だと思うんですね。それは、金融機関がこれだけの不良債権と不良担保を抱えて実質的にあえいでいるということを見てもそうでございますし、それから、ある意味で先行きの見通しのない設備投資にメーカー側も走ってしまった、今供給過剰の状態でどうやったらいいのかというような、そういう状態の中にいるというようなことも事実だと思うんですね。

 それで、それを引き起こした大きな原因の一つが、我々はいわゆる土地本位制といいますけれども、土地を過度の信用創造のネタにした。そのことによって融資を受けて設備投資につき込む、あるいは財テクを行う、こういうことで金融機関も一緒になって悪はしゃぎをした。そのツケの中に今私どもはいると言っても過言ではないと思います。

 そうだといたしますと、この日本経済が安定的に成長していくためには、やはり問題は土地及び土地に関する私どもの意識といいますか、あるいはビジネスの世界での意識というものが変わってこない限り、もう一遍ミニバブルを起こせば気持ちのいい景色になるんだみたいな話は到底受け入れるところではないと私は考えるわけでございます。市場経済でございますので、土地についてもある程度は商品として扱われる、こういう傾向が出てくるのはやむを得ないかもわからない。やむを得かいかもわかりませんけれども、土地は基本的には公共財であるというこの考え方から、マーケットメカニズムをある意味でコントロールできるような施策がないと、いつまでたっても、ちょっと金融が緩んだり国際的な金融関係の環境が変わったりしますと、仮需要や投機の対象になってしまうのではないか、こんなふうに私は考えておるわけでございます。

 先ほど監視区域の話が出ておりました。監視区域あるいは取引規制、金融の総量規制というふうなやり方は、私はある意味で邪道だと思います。やはりインセンティブをつけて、そこに商品として買い出動する部分についても負担が伴うというシステムがあることが、マーケットメカニズムをコントロールする手段としては正しいんではないだろうかと思うのです。

 それから、先ほどからもちょっと話が出ておりますけれども、土地の問題については、やはり売買規制とか監視とかということじゃなくて、利用の規制が画然となされておかないと、あくまでも期待利益、利益期待、そこのところで取引が動いていくということになりますので、そういう意味では昨年の都市計画法というのは十二分に期待をしたわけでございますけれども、期待に反して、住民が参加し、住民の意思が反映するような町づくり、村づくりができるような構成にどうもなってこない。そしてもっと言えば、今中央諸官庁の縦割り行政の中で、自治体が総合的に町づくり、村づくりを進めるような権限がおりてきてない、こういうことが実態だと思うのですね。

 私は都市計画法は早晩見直しをしなければいけないと思いますが、きょうはそちらの話に入るのをやめまして、そういう観点から、せんだって発表されました地価の公示、このことが持つ意味について、もう一度大臣あるいは国土庁からの答弁をいただきたいと存じます。

 そしてまた、先ほど国土庁、昭和五十八年時点でのいわばGNPと地価との関係ぐらいに落としたいというふうな答弁をされておったやにお伺いするのですが、今は住宅地、商業地とも、GNPあるいは世帯収入との関係でいえば、六十二年、六十三年、この間ぐらいにいるんじゃないでしょうか。そういたしますと、あとどのぐらい地価を低下させることが望ましい、こういうふうにお考えなのか、国土庁の方から御答弁をいただければ、こういうふうに考えております。

○鎭西政府委員 まず、去る三月下旬に公表いたしました平成五年一月一日時点におきます地価公示の概況でございますけれども、先ほど来御議論、御説明をしておりますように、三大圏におきます地価は顕著な下落を示しておりますし、地方圏におきましても総じて横ばいまたは下落という状況でございます。

 この結果、例えば一番状況が厳しくかつ国民的な関心のございます東京圏の姿でございますけれども、地価高騰前の昭和五十八年と比較いたしまして、ピーク時でございますと住宅地で約二・五倍、商業地で約三・四倍ということになっておりましたものが、昨今の地価下落というものを反映いたしまして、住宅地では約一・九倍、商業地では約二・六倍という水準になってきております。

 ただ、大都市圏の地価は、既に先ほど来御説明しておりますように、勤労者世帯の年収とかGNP等の関連する諸指標との乖離というものは縮小してまいっておりますけれども、勤労者世帯が年収の五倍程度を目安に良質な住宅の取得が可能となる、そういう水準にはまだ高い水準にあると言わざるを得ないということでございます。

 しからば、ではどのくらい乖離があるのかということでございますが、年収なりGNP、あくまでもこれは相対的な関連指標でございますので少し幅を持って見ていただく必要があるということと、それから余り短期にそれぞれの関連指標を短絡的に比較するというのも適当ではないだろう、こういう制約はございますが、一応長期的に見ますと、こういう指標と地価もパラレルに動くというように想定されるわけでございますが、そういうことからいたしますと、東京圏の地価の水準は、特に相関の深い世帯収入の伸び、これに比べてまだ一割強の乖離がある、こういうように考えているところでございます。

○仙谷委員 先ほどから、いわゆる収入の五倍程度で買える住宅という話がございます。政府の方も簡単にそのことを力説するわけでありますけれども、私、ここには二つの落とし穴があると思うのですね。

 ちょっときょう資料を持ってくるのを忘れましたが、今五倍程度の住宅というふうに言うときに、それが買える場所が一時間半も二時間もかかるような、つまり、六十キロも七十キロも離れたところでしか五倍程度のマンションが買えないという問題があると思うのですよ。

 それからもう一つは、では、その住んだ場所、地域が、住んではみたものの、その近くには図書館もなければ公園もないというような生活環境のところで年収の五倍で買える住宅が発見できたとしても、これが果たして人間的な生活と言えるのだろうか。先ほどの私の申し上げたところからいいますと、では、そこで年をとってきた場合に、車いすで生活できるような町にそこがなっておるのか、こういう問題にまで発展をするんだろうと思うのですね。

 今の、年収の五倍というふうに言われておる住宅の面積も、多分七十平米以下のものを基準にしておるわけでございまして、先進工業国の中で、こんな貧しいスペースで、そしてまた建具とか壁にしても、何か、要するにベニヤ板に色を塗ったのを張りつけてあるようなそんな住環境で、年収の五倍で買えても、これは余り自慢できる話ではないのではないか、こんなことを考えるわけでございます。

 土地代にまだまだ負担のかかったといいますか、住宅の価格の中で土地代の占める比率が非常に大きい、この構造というものは、首都圏あるいは三大都市圏あるいは十大都市圏というのでしょうか、こういう都市化がますます進むところにおきましては、地価がもっと下がらないと、もう一段の下落じゃなくて、二、三段の下落がないと、パブリックスペースがある程度充実をしてきたり

町づくりができてきたり、つまり社会資本投資が効率よくできるというふうにはならないのじゃないか、こんなことをつくづく考えておるわけでございます。

 そういう観点から、私どもは、地価税の果たす役割というのは今までよりもますます大きくなるんではないかと考えておるわけでございます。つまり、景気の大きな変動というのは、こういう仕組みが日本の経済構造にビルトインされていなかったからむしろ起こったんだというふうに考えるべきで、今度の地価の下落も、決して地価税の効用で下がっているんじゃないのですね。金融の引き締めとか総量規制も効果があったかもわかりません。

 もっと言えば、きょう建設省からお答えをいただこうと思いましたのですが、時間の関係ではしょりますけれども、この都市部のオフィスビルの価格の下落傾向あるいは空き室率というふうなもの、建設省からいただいた資料では平成三年ぐらいまでしか出ておりませんが、こういうのを見ますと、多分に、余りにも土地の価格に連動して気分までバブルになって、高い賃料でも平気で一棟借りするような経営のスタイルがどうももたなくなった、やっぱり収益価格に近づいてこないともたないというのが今のビルの賃料等々にはあらわれておるのだろうと私は思うのですね。

 しょせんバブルははじけるわけでございますけれども、二度とバブルを起こさない、地価の高騰は、国民一人一人の生活にとって大変な罪悪だというこの観点だけは忘れてはならないのではないだろうかと思います。

 そこで、先ほどから申し上げておりますけれども、地価税の関係でございますが、ついせんだって、地価税の公示ということが行われました。この地価税の公示からどういうことが読み取れるのか、大蔵省の方から来ていらっしゃいましたら、お答えをいただきたいと思います。

○伊戸川説明員 ただいまの委員の御質問は、地価税の今回の公示の状況はどうであったかということであろうかと思います。

 平成四年分の地価税の最初の申告につきましては、トラブルなく円滑に終了したわけでございますが、昨年じゅうに申告を行いました個人または法人のうち、地価税額が一千万円を超えるものにつきましては、地価税法の規定によりまして、その納税者の氏名または名称、納税地、そして地価税額、これをこの四月一日から四月十五日までの間に納税地の所轄税務署におきまして公示を行っているところでございます。

 今回、全国におきましてこの公示の対象となりましたのは法人、個人合わせまして七千三百五十四件でございます。これは地価税の申告件数全体の約一八%、二割弱を占めております。また、法人だけで見ますと、公示件数は六千七百五十四件ということで、これは法人の地価税申告件数の約二四%を占めておりますが、この法人分の公示件数は公示件数全体の九割ぐらいになっております。なお、公示対象者のうち、地価税額が一億円を超える法人、個人は六百九十一件でございますが、このうち法人は六百九十件、個人は一件だけでございます。また、公示対象者のうち、地価税額の上位百位以内に入る納税者はすべて法人でございまして、これらの申告税額の合計額は一千三百九十八億円となっております用地価税額全体の二六%ということで、約四分の一強を占めているわけでございます。

 今回の地価税の公示の状況のあらましにつきましては、以上のとおりでございます。

○仙谷委員 おわかりになればで結構なんですが、この地価税によって、日本で初めてというふうに言えばいいのかもわかりませんが、企業別の土地という資産をどのぐらい持っておるのか、どのくらいの価値の資産を持っておるのかというのがいわば初めて明らかになったわけですね。これによって初めて名寄せができて、ある会社がどのくらいの土地という資産を持っているのかというのが明らかになってきた。それは、とりもなおさず各会社の、各企業の簿価との関係では含み益があるという話でございます。

 地価税につきましては、こういう高額土地といいますか大資産所有の企業が、土地という資産を、大量かつ高額の土地を持っておる企業が、これは一部の業種に偏った税制であるからけしからぬという議論が出ておったように私は聞いておるのでありますけれども、果たしてその資産とそれに対する負担という関係では、つまり保有している資産と負担という関係ではそういうことが言えるのかどうなのかこの点は大蔵省いかがでございますか。

○渡邊説明員 地価税につきましては、委員御指摘のとおり、土地の保有に対する税負担の公平確保と土地の資産としての有利性の縮減を図るという観点から、保有する土地の資産価値に応じて負担を求める仕組みとなっているわけでございまして、結果として、高額の土地資産を保有しているものほど高額の負担を求めるということになっているわけでございます。

 四月の公示だけではなくて、平成四年の地価税の申告実績を見ますと、地価税の課税対象となりました法人分の土地というものは、法人所有土地の約六割を占めているという形になっております用地価税の納税者となりました法人が二万八千社強でございますが、これが全法人数約二百五十万社の一%を上回るぐらいの数字でございます。それが法人がすべて所有している土地の六割強を持っているということは、法人の中で見ましても、極めて少数の法人に、土地資産額の大半が集中しているという保有の状態をあらわしているというふうに考えているわけでございまして、特定の業種あるいは特定の会社に負担を求めるということではなくて、特定の数の法人が、かなり広範な土地を所有しているという実態を反映したというのが今回の地価税の申告の実績であるというふうに考えているわけでございます。

 したがいまして、法人の場合にどういう負担を求めるかということは、法人税という所得に対する課税以外にさまざまな求め方があるわけでございます。例えば、法人につきましては土地を保有することによりまして資金の調達が容易になる、特に、その価格が上昇している場合にはその能力が飛躍的に上昇するわけでございますが、そのような事業経営の対応力が高まるといったメリットを享受しているわけでございます。

 したがいまして、このような土地保有のメリットがある、これが経常的に得られるということを考えますと、土地の資産価値に応じて毎年経常的に負担を求めるという地価税のあり方ということが是認されるのではないかというふうに考えているところでございます。

 

○仙谷委員 私は、基本的に企業が土地を持つこと自体が悪いとか、企業がもうけるのが悪いというようなことを言うつもりは全くないのですね。

 にもかかわらず、フローの面で収益が上がったらちゃんと公平な税制のもとに負担をしていただく、それから資産を持てば資産保有に応じた負担をするということがなければ、というよりも、その面がやや弱かったからこそ、先ほど相続税の話が出ておりましたけれども、個人は相続税があるのに会社という存在には、法人という存在には相続税がないものですから、個人が相続税で負担をするときに、その売った土地が法人の所有になるということが繰り返されてきた。

 まさに法人資本主義の典型のようなことになってきて、株は持ち合うわ土地は買い占めるわということが、個人の生活を貧しくしてきた大きな原因だと思うのですね。だから私は、会社はどんどん土地を買っていただいてもいいけれども、やはりその分どんどん税金も払っていただかなければいかぬ、これだけの話だと思います。つまり、景気が悪くなって地価税負担分をフロー、法人の所得で払うのが苦しいからこれをまけてくれとかやめるべきだという議論は、少々逆立ちをしておるのではないだろうかというふうに考えるわけでございます。

 ところで、固定資産税の話をちょっとお伺いしたいのですが、平成二年の地価税論議のときに、

やはり固定資産税が資産課税の原則であるから、この地価税導入というのは、国税でいわゆる土地という資産に課税するのはまずいのではないかという議論もあったように思います。自治省の方も、土地の評価額を時価の七割程度に上げるという話が出ておったと思うのですが、そのいわゆる課税標準額を上げるという話と、今回の負担調整の措置の問題とでどういうふうな状況になっておるか、改めて答弁をいただきたいと存じます。

○堤説明員 お答えを申し上げます。

 固定資産税の土地の評価がえにつきましては、次回、平成六年度の評価がえにおきまして、議員言われましたように地価公示価格の七割程度を目標に土地評価の均衡化、適正化を図ることにいたしております。これは、土地基本法が制定されまして、その土地基本法の第十六条の中で、公的土地評価相互の均衡と適正化を図るように努めるという規定が設けられたわけでございますけれども、この規定の趣旨を踏まえまして、固定資産税そのものの土地評価の適正化を図るというふうにしたわけでございます。

 ただ、これまで地価公示そのものも、かなり地価が高騰いたしておりましたときには、投機的な要素が完全に排除し切れておらなかったのではないかなという意見もございますし、また一方、固定資産税の方も評価がそのまま負担につながるということで、どうも評価を抑制してきたのではないかなということでございまして、現在の地価公示に対する固定資産税の評価水準からしますと、地価公示の七割にいたしますとかなりの評価の上昇になるわけでございます。

 そういたしますと、今回の平成六年度の評価がえはあくまで基本的に評価そのものの均衡化、適正化を図るということが主たる目的でございまして、急激に固定資産税の税負担を上げていくということはやはり問題でございますので、土地の評価の上昇が急激な税負担につながらないように、税負担については総合的な調整措置を講ずるということで、特に住宅用地につきましては、その税負担の増加に配慮をするということで住宅用地の課税標準の特例措置なども拡充をいたしておりますし、また事業用地等もかなりの評価の上昇につながりますので、これまでですと三年とか五年で評価額課税にいたしておったわけでございますけれども、今回がかなりの評価の上昇が見込まれますので、十年を超える、大体十二年程度を頭に置きました期間をかけて段階的に上げていく。

 これはあくまで急激な税負担の増加を避けるということでありまして、最終的にはやはり固定資産税としても、これは資産課税でございますので、資産価値に応じた、評価額に応じた課税ということに持っていかなければならぬというふうに考えておるところでございます。

○仙谷委員 税額の方で、標準的な分については伸び率が五%を上回らないようにするということになっているわけですね。とりあえず三年間それをやってみる。先ほど十二、三年の話も出ましたけれども、必ずしも今の時点で十二、三年毎年毎年五%上げていくというふうに決めたわけではない、こういうふうに私もお伺いをいたしておりますし、地価が毎年毎年五%ぐらい下がるという推論に立っても、そして今自治省さんがなさろうとしておることを前提にして考えましても、これも相当、いわゆるこれで資産に対する負担として法律どおり、つまり、公示地価に対する千分の十四の税率を課したものが、ちゃんと税額として納められるというふうになるのは極めて長期間かかるのではないだろうかということになっておるわけですね。それで現実にそういうことができるのかどうなのかというのが一つあると思います。

 それから、果たして固定資産税といういわば今までなれ親しんできたものを、そういうふうな負担を課していいのかどうなのかという、これは政治的な問題もあると思うのですね。むしろ、今までそういう政治的な問題があるから、評価額を上げないとか負担調整をするということで、どうも資産税という観点から見ると固定資産税が堕落型になってきた。

 そしてもう一つは、全国的な地理的な関係を見ますとどうもばらつきがあって、私が持っておる表からいいますと、京都で住むのが一番固定資産税が安くて、京都だったら固定資産税の評価額と公示価格の差が、割合が一四・二%ですね。だけど青森市であれば四三・三%、今こういうことになっておるわけですね。

 これは、ある意味で首長さんの対住民対策とか選挙のこととか考えるものだからこういうふうになっているのだと僕は思うのだけれども、こういうことから考えますと、固定資産税というのは、余り自治省の方も資産税、資産税というふうに言わないで、もうこれは今やっているように応益課税だ、公共サービスに対する負担を住民の皆さん方にある種比例案分しながら公平に負担していただく、そういうふうに割り切った方がいいのじゃないですか。もう余り資産課税として資産に対する負担を求めるということを考えるのをやめたらいかがかな、私はこんなふうに思うのですが、その点について答弁いただきます。といいますのは、これは実効税率から見たら余りにもひどいですよ。ぞうお思いになりませんか。○堤説明員 お答え申し上げます。

 ただいま委員が御指摘になりましたのは、多分最近の、平成三年度なら平成三年度の固定資産税の評価がえの評価額とその時点での地価公示との開差が地域的に非常にばらつきがあるのではないかという御指摘だったと思うわけでございます。確かに、地方団体の方でも固定資産の評価を抑えてきたという面はあろうかと思うわけでございますけれども、片一方、やはり今言いました京都とかそういったところは、あの当時バブルで地価が非常に高騰いたしまして、現在、平成四年、平成五年の地価公示におきましては京都の地価公示はかなり下がっておりまして、そのばらつきというものも、乖離というものもかなり近づいてきておるわけでございまして、その評価そのものを非常に政治的に抑えたとか首長によって判断をしたとか、そういうことではあながちないわけでございますので、ちょっとお断りを申し上げておきたいと思います。

 それから固定資産税を、もう資産課税というものをあきらめて応益課税に徹すればどうかという御指摘でございますけれども、固定資産税の基本的な性格といたしまして、固定資産を所有することと、その固定資産の所在する市町村からのさまざまな行政サービスとの受益関係というものに着目した税でございますので、そういう意味では、応益的な性格というものは確かにあるわけでございます。ただ、具体的な固定資産税の税額を決めます際に、その市町村の行政サービスが幾らだから幾らというふうなことではなくて、やはりそこには資産課税として、資産価値に応じた評価あるいは課税を行うべきだということは忘れてはならないと思うわけでございます。そういう意味で、今回固定資産税の土地評価につきましてもいろいろ御批判がございましたので、地価公示制度の適正化とも相まちまして、私どもは、平成六年度の評価がえからは地価公示の七割を目指して、全国一律に地価公示の七割で評価を行う。

 ただ、そういたしますと、地域によってはかなり評価の上昇割合がばらつきがございますので、これを一律に税率で調整をするとかそういうこともできませんので、住宅用地の特例措置の拡充ですとか、あるいは評価の上昇割合の違いによりまして、評価が非常に上がりますところには特別の課税標準の特例措置を入れたりしながら、大変苦労をしながら、やはり資産価値に応じた、資産課税としての使命というものも果たしていきたいというふうに考えておるところでございます。

○仙谷委員 今、京都の話を陳弁に努められたわけでございますけれども、これは考え方が反対なんじゃないですか。やはり資産課税として甘かったから京都に買いが集中して、土地投機が集中して、京都の土地が上がって、そして今やバブルがはじけて急激に落ちている、京都の話というのはこういう話じゃないですか。

 私は大体、関西の状況を見ておりまして、ある

いは関西資本が我が選挙区に投下された状況を見ておりまして、そういうふうに感じるわけでございます。だから、鶏が先か卵が先かという話になるのかもわかりませんけれども、いずれにしても、あなた答弁しなかったけれども、実効税率の話からいきますと、こんなものは資産課税でも何でもないというふうに断定したいくらいのものですよ。だから、資産を保有するのにはコストがかかる、かからなければならないんだという観点からしますと、私は固定資産税を単に上げればいいという立場ではないけれども、やはりもういかんともしがたいところに入ってきたのではないだろうかということを感じるものですから、そういうふうに申し上げたところであります。

 ちょっと時間の関係もございますので、次に進みます。

 今度の景気対策でも、経済対策ですか、これでも、一兆二千億ですか、自治体に事業をしていただく、土地の先行取得をしていただくというのが含まれております。それから国の方は四千億でございましょうか。昨年夏の景気対策でも、地方公共団体分が一兆円、それから国の方が五千五百億、こういうことで土地の先行取得ということが挙げられておったわけでございます。もしわからなかったら結構なんですが、昨年夏の一兆円の公共用地の先行取得債でございますか、そういう地方債を発行して公共団体に、自治体に先行取得をさせるという政策、これはどのくらいの実効が上がったのか、わかりましたらで結構ですけれども、お知らせいただきたいと存じます。

○井戸説明員 お尋ねの件でございますが、昨年八月の末に決定させていただきました総合経済対策で、地方公共団体の公共用地の先行取得につきまして、一兆円を目途に努力していただこうということでお願いをさせていただいたものでございます。御承知のように、昨年八月以降の措置でもございますので、現実に全体としてどういう状況になっているのか現在っまびらかになっていないわけでございますけれども、私ども、昨年の秋の段階で意向を確認いたしましたところ、大体一兆二千億ぐらいは取得する予定だという報告を受けているところでございます。

 ただ、御案内のように、用地の問題は、用地の所有者とのいろいろな意味での交渉が最後まで煮詰まりまして初めて契約にこぎつけられるということでございますので、どうしても調整等が長引きまして年度末に集中しがちでございます。そのような意味で、現時点でその意向がどの程度実現しているのかについて明確に掌握しておりませんで、年度をまたぎましたものでございますから、今後私どもも調査をさせていただきたいと思っているところでございます。

 ただ、自治体が先行取得をいたします手段といたしましては、委員御指摘の用地の先行取得債を活用することにあわせまして、土地基金でございますとか、あるいは先行取得を主として業務としております土地開発公社の取得料も含めての措置でございますので、そのような意味で、私どもとしましては、秋の意向調査等を踏まえまして、つまびらかではありませんけれども、おおむねそのような数字は達成していただいているのではないかと期待はいたしているところでございます。

 

○仙谷委員 つい最近、掛川市長の榛村さんという人に話をお伺いする機会がございました。同市長の話によりますと、この公共用地の先行取得というのが、いろいろな制約があって、もちろん起債は許可されるところではないし、なかなか難しいのだ、もちろん議会との関係もある、とりわけ、何に使うかという目的がはっきりしないと取得できないのだ、だから、その使途といいますか、使う目的といってもだんだん煮詰まるというような話も一方にあって、したがって、夏の先行取得債という制度は非常にありがたかった、こういうお話も一方でお伺いするわけでございます。

 そしてまた一方で、地価税導入のときからの懸案といたしまして、この地価税収が土地対策にも使われない、もちろん所得税減税も法人税減税もなされない上に土地対策にも使われないという、政府税調答申あるいは国会決議ともやや外れて大蔵省の一般財源の懐に入ってしまった、これは大蔵省がだましたのだというふうに業界が言うような状況があって、今年度の予算を拝見しますと、にもかかわらず一千億円強は土地対策に使うような仕組みになったようでございますけれども、国土庁長官、補助金絡みの問題であるとか事業の主務官庁絡みの話であるとかいうことになりますと、自治体は公共用地の先行取得をするというのは、財源的にもあるいは手続的にもなかなか容易なことではないのですね。

 そこで私は、金融機関の不良債権等々の絡みで、土地を抱え込んでみたものの、これをどこかに処分しなければいけないという問題もございます。それで、そういう観点から、国土庁が総合的な調整官庁として地価税収をうまく使わせていただいて、土地という資源の適正かつ有効な配分のために土地保有の機構でもつくるというふうな施策は考えられないだろうか、何かそういう仕組みを国土庁の方でお考えになってはいかがだろうかということを考えておるわけでございます。私どもは、先ほど席におりまして帰りましたが、菅議員と、公有地拡大のための土地保有機構というふうなものを創設してはどうかという提案をしたりもしておるわけでございますけれども、あくまでも自治体が将来使うための土地を保有機構がバッファーとしてまず買い上げておくというようなシステムをお考えになれないのかどうなのか、そして、その財源あるいはコストは地価税収で賄うということをお考えになってはいかがか、こういうふうに考えますが、お考えがございましたらお答えいただきたいと思います。

○井上国務大臣 今般の地価高騰がけさほど来住宅問題を中心に論じられておりますけれども、私は、住宅もさることながら、大切な社会資本整備、町づくりの基礎になるようなものを実施するのにもこの地価高騰が大変な影響を与えておるということはよく存じておりますし、それから、先般の予算委員会の総括だったと思いますが、菅先生から土地保有機構の御提案がございました。その際にもお答え申しましたけれども、公有地を拡大する、特に地方公共団体において社会資本整備のための基礎となる公共用地を獲得するということは非常に大切なことだと思っております。

 ただ、菅先生が御提案になりました土地保有機構につきましては、民間が処分したいという土地が、また地方公共団体が公共用地として使いたいという土地とマッチするかどうか、そういう点に問題がありますので、また、機構が取得した土地を、果たして円滑に地方公共団体が利用してくれるかどうかというような問題も検討すべきであろうということを御答弁申し上げましたが、現在でもそういった点に問題がありますので、なお検討させていただきたいと思っておる次第でございます。

○仙谷委員 時間が参りましたので、終わります。