1990年03月27日 大蔵委員会

○衛藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。仙谷由人君。

 

○仙谷委員 仙谷由人でございます。今度、徳島から当選をさせていただきまして、大蔵委員会に属することになりました。

 私、十九年間弁護士の生活をやっておりました。そこで、質問に入る前にお断りを若干いたしたいと思うのですが、どうも弁護士の言葉遣いというのは、割とぞんざいといいますか、荒っぽいものでございます。横柄でございますので、大臣あるいは政府委員の皆さん方にちょっと失礼に当たることがあるかもしれませんのですが、御了承をいただきたいと思います。

 そしてもう一つ、私ども社会党の新人議員で、先生と呼ばない、呼ばせないというふうに取り決めをしております。せんだってからの御論議を聞いておりますと、大臣は委員というふうにおっしゃっておるようでございますけれども、どうも政府委員の方々が私ども若造をつかまえても先生というふうに言っておるようです。何か、なめられておるのか冷やかされておるのか、そういう気持ちになりますものですから、先生と言うのはひとつ御遠慮をいただきたいと思います。

 さて、租税特別措置法に関して質問をいたしたいわけでございますが、その前に大臣に、非常に抽象的、一般的なお話になるわけですが、日本人の、あるいは国民、企業の税に対する意識といいますか、あるいは法意識といいますか、そういうものについての御認識、御所見を伺いたいと思います。

 私の経験からいいますと、どうも国民、日本人は、税に対しては、ある種の取られるという意識、あるいは反対からいえば何とかしてごまかしたいという意識があるようでございます。そしてまた、法人、企業という形をとった場合には、ある種ゆがんでそのことが増幅されておるのではないかというふうに感じておるわけであります。もっと抽象的に言えば、公の取り決めといいますか、公というものに対する国民の感覚がややルーズなのではないか、そんなことを考えておるわけでございます。

 弁護士のレベルでいいますと、税法違反事件あるいは選挙違反事件というふうなものを担当いたしますと、被疑者、被告人の方々の、俗語で言えば罪の意識が薄いということになるわけですが、もっと言えば、そういうものにひっかかるのは運が悪かった、いわば自動車のスピード違反の取り締まりにたまたま遭って捕まった、逮捕されたのと同じであるというふうな感覚が、どうも税法違反事件あるいは選挙犯罪等々には強く感じられるわけでございます。

 さらにその上に、企業の関連事件ということになりますと、あの人は会社のために一生懸命やっ

たんだからお気の毒であるし、会社のために犠牲になってくれたんだから会社の恩人であるというふうな称賛にも似た声が沸き起こってくるわけでございます。近時の例でいいますと、リクルート事件の松原さんという方が楢崎さんにわいろを贈ろうとして逮捕された事件がございましたけれども、この事件でも、底流にはそういう、松原さんは個人としてはいい人なんだ、悪いことはしたくないのに会社のためにああなったんだ、非常にお気の毒だというふうな声があるわけであります。裁判所の情状論でもそのことが罪一等を減ずる理由になるというのが日本の社会の現状でございます。

 こういうことで、どうも税法違反事件といいますか、税に関する意識の問題としても、何とか課税を免れるような、あるいは抜け道を探すような、そういうことがむしろ会社においては有能であるというふうな風潮があるようでございます。こういういわば風潮といいますか考え方について、国民の納税意識あるいは企業の納税あるいは税に対する考え方というものについて、大臣の御所見をいただきたいというふうに思うわけでございます。

○橋本国務大臣 先ほど中村理事からおまえの答弁は長過ぎるとしかられたばかりでありまして、できるだけ気をつけますけれども、大変お答えのしにくい御質問であります。

 今御質問を伺いながら逆に私が頭に浮かべておりましたのは、もともと私は本院におきまして社会保障とか福祉行政を自分のライフワークにしておりました関係で、医療というものから各国の制度を見る癖がございます。

 そして、その場合に、日本の現状と例えばアメリカを対比いたしました場合に典型的な差異といつのは、医療訴訟の多い少ない、またその質的な内容であります。アメリカの場合に非常に問題になりますのは、患者は常に何らかの問題があれば師を訴える態勢をとっておる、そして医師は必それに応訴できる態勢をとって患者の診療に当たる。結果として、いわば専門医制の中で、自分で多少ともに危険を感じた場合にはより上位の専門医に患者をどんどん送ってしまう、結果として患者のケアという意味からいうと問題を生ずるケースが起きる。

 日本の場合には、むしろ患者と医師の信頼関係というものは、今希薄になったと言われましても非常に強いものがあります。そして、逆に医師にも患者に対して全力を挙げてその患者の生命を救おうという意識があります。その意味では日本というのは相互信頼意識の非常に強い国、言いかえれば、より情緒的な部分を多く残した国ということが言えるでありましょう。アメリカの医療システムの場合、極めて合理的な、いわば経済行為を中心とした医療が組み立てられておる。そして、その中において訴訟というものが非常に大きなウエートを占めている。これはそういう部分から見た私の実感でありました。

 逆に、そういう関係は、今委員が御指摘になった税の世界に移した場合には、その納税意識あるいは税負担に対する意識の希薄さというものを生むのかな、今御意見を伺いながらそんな印象を持ったところであります。

○仙谷委員 海部総理大臣は、先ほどの本会議の施政方針演説さらには質疑の中で、政治献金をめぐる論議といたしまして、企業が社会的存在であるから政治献金をすることは当然なのだという論理をおっしゃっておったというふうに記憶をしておるわけですが、私も、企業はまさに社会的存在であるというふうに考えます。さらに、そのことをより強く企業自身が自覚をしなければならない。そしてまた、企業活動の方法に、今構造協議で取り上げられておりますように、公正あるいはフェアということが強く今の時代に要求されてきたのではないかと思うわけであります。

 税であれ、あるいはその他の方法であれ、利益を社会に還元するという考え方、あるいは業務自体で日本の市民社会の中に貢献していくという気風が日本の企業は非常に少ないのではないかというふうに私は考えておるわけでございますが、大蔵大臣、その点はいかがでございましょうか。

○橋本国務大臣 また社会保障屋の視点に戻って恐縮でありますが、私ども、日本でこうした問題を扱いますときに常に遭遇いたしますのは、いわゆるボランティアというものの基盤が浅いことであります。そして、その原因を調べていきますと、いつも最終的に突き当たりますのは、私は宗教のよしあしについての判断基準は持ちませんけれども、プロテスタントの国であれカソリックの国であれ、教区を単位とした住民の結合意識、その上に根づいたボランティアというものであります。そして企業もまたその中に入っていかなければ地域に存在し得ないという、これは私どもから見ると大変うらやましいことであります。

 しかし、残念ながら、日本の風土の中にそうした地域における基盤というものは非常に求めづらい状況にありますだけに、日本の企業が海外に進出をいたしました場合、ややもすると地域に溶け込め切れないという批判を浴びる原因もその辺にあろうかと思います。

○仙谷委員 私がお伺いしたかったこととやや違う、お答えがちょっとずれておるようにも思うわけでございますが、租税特別措置法を全体として見ますと、うちの業界だけは、あるいは我が社だけは何らかの特権、特典を税制上与えてほしい、あるいはうちの会社だけはお目こぼしをいただきたいというふうな企業感覚にどうも迎合する、あるいはそういう企業の姿勢を助長しておるのではないか。いわば企業の社会的存在としての自覚を促すということではなくして、企業の私的利潤の追求一辺倒におもねている、そういうものがこの租税特別措置法にあらわれておるのではないか、そんな感覚を持つわけでございますけれども、その点は租税特別措置法一般論で結構でございますので、さらにお答えをいただきたいと思います。

○橋本国務大臣 私はその点については委員と見解を異にいたします。税の公平性、公正性というものが担保されるという原則は当然のことであります。その上に立って、社会目的あるいは政策的な見地から、その公平性を多少犠牲にしてもそれだけのカバーをしてあげることが、結果的に社会、国民のためになるという判断から行われておる措置でありまして、私は委員の御指摘とは残念ながら見解を異にいたします。

○仙谷委員 なかなかかみ合ってきませんけれども、もう少し質問を先に進めたいと思います。

 この租税特別措置法にうかがわれる思想というのは、どうも産業社会の発展といいますか、産業の振興に重点の置かれた法制度ではないか。もっと言えば、大企業優遇ということが端的にあらわれておる制度ではないかと考えておるわけでございます。当然のことながら、時代時代によって政策目的というのは変更せざるを得ない、現に、現在日米構造協議というような格好で大きく政策転換あるいは構造転換を促されておるわけでございますけれども、今、日本の社会にとりまして必要なのは、ますます経済重視の政策をとることではなくして、国民一人一人の生活あるいは自然環境の保全という観点から政策全般をとらえ直さなければならないのではないか、そういうふうに私自身は考えておるわけでございます。

 海部首相も先般の施政方針演説で、「地球環境の保全については、」というふうに述べて、「資源を大事にし自然を愛する心、いわゆる環境倫理を大切にして、環境保全のための努力を着実に進め、世界的規模での取り組みへと結実させてまいります。」ということをおっしゃったわけですが、今度の租税特別措置法で、海部首相がおっしゃったような「資源を大事にし自然を愛する心、いわゆる環境倫理を大切にして、環境保全のための努力を着実に進め、」そういう観点からの税制上の措置が新たにとられたということがおありになるのでしょうか。

○尾崎政府委員 エネルギー環境変化対応投資促進税制というのを新たに設けました。これは前にございました経済社会エネルギー促進税制を改組した形になっておりますが、その際、環境問題、

特にエネルギーに関連いたしました大気汚染の問題等を考慮いたしまして、新しい見地から制度を組みかえたということがございます。それが新規としては一番大きなものでございます。

○仙谷委員 大きい小さいは結構なんですが、そのほかには何かおありになるのでしょうか。

○尾崎政府委員 新規のものとしてはございません。例えば公害防止の関係でございますとか既往のものの中の対象施設の洗いがえ等はございますが、新規はただいま申し上げたものでございます。

○仙谷委員 私は、施政方針演説で総理大臣が大見えを切る以上は、そういう観点からの政策が打ち出されなければならないというふうに考えるわけでございます。ただきれいな言葉で言えばいいという問題では政治はないはずであります。

 今、環境保全の見地から税制あるいは税の体系を考え直すべきときに来ておるのではないでしょうか。ただであるとされた環境がこれ以上浪費され続けないためには、値段がつけられなければならないわけであります。すなわち、国庫の収入が減少しあるいは国庫支出がふえる、環境のためにそのようなことがあっても、それを我々は負担していくという姿勢がなければならないのじゃないでしょうか。私どもはこれからの日本を考えましても、資源を多く消費する形の社会ではなくして、資源が循環されるような形の社会、あるいは大規模集中型ではなく小規模分散型の社会をつくる、そういう経済社会構造をつくる努力を本格的に始めなければならないのではないかと考えるわけでございます。税制が国家の背骨であるというふうに言われますけれども、そうだといたしますならば、まさにこの租税特別措置法を意味あらしめる、その存在理由を探すといたしますならば、そのような観点から考えざるを得ないのであります。

 そういう立場から、本日は、租税特別措置法四十三条に関係しまして、水とプラスチックそれから紙の問題について、少々細かくなりますけれども質問をいたしたいというふうに考えます。

 まず水でございますけれども、当然のことながら日本人にとって水というのは生命線でございます。日本のように水道から出る水を飲める国はほとんど諸外国ではないわけでございます。しかし、このごろは水道から飲む水というのは都会では非常にまずい、おいしくないわけであります。ミネラルウオーターが大々的に売られておるところからも明らかであると思います。河川が汚濁して、そしてまたその汚濁の原因が工業用水あるいは生活雑排水、し尿と、いろいろな原因があるようでございますけれども、河川も汚いし、我々が飲んでおる上水道の水もそれほどきれいな水を飲まされておるようではないようであります。

 どうやればきれいな水が流れ、きれいな水を利用できるか、そういう社会につくりかえていくことができるか、そういう点でございますけれども、下水道の建設の進捗状況について建設省の方にお伺いをいたしたいというふうに考えます。

 現時点での公共下水道、流域下水道の進捗状況についてお答えをいただきたいと思います。

○仲津説明員 昭和六十三年度末でございますが、下水道の普及率は四〇%となっております。これは、公共下水道によってカバーされる、それから流域下水道が公共下水道を受けてカバーする、両方合わせたものでございます。

○仙谷委員 公共下水道が四〇%ということでございますけれども、一年間の建設省の下水道に関する予算といいますか、この額と、今おっしゃったパーセンテージは一年間の予算によってどのくらいの進捗があるのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。

○仲津説明員 地方の単独計を含めまして全体で下水道は二兆三千億ほど投入してございますが、これによって年間二百万人強の処理人口の増加を見ております。

○仙谷委員 四〇%が四十何%になるかというのを聞きたかったわけでありますけれども、その点はいかがでございましょうか。

○仲津説明員 下水道普及率は近年、年二%ほど上昇してございます。

○仙谷委員 下水道というのは、家庭雑排水を含めましてそれが管を通って河川に流れ込むという構造になっておるわけですね。その河川に流れ込むときの、いわゆるきれい度の度合いといいますか、あるいは何かBODという単位であらわされておるようでございますけれども、それは大体どの程度のBODの濃度の水が河川に流れておるということになるわけでしょうか。

○仲津説明員 下水道の終末処理場から放流されるBODの濃度でございますが、二〇ppm以下が一般的な基準となっておりまして、現状について見ますと、季節、流入量等による変動はございますが、平均的にはおおむね一〇ppm前後で処理されておると承知しております。

○仙谷委員 時間の関係がございますので余り細かくお伺いするわけにもいかないようでございますが、もちろん一〇ppm程度の放水ということになりますと、直ちに飲み水とかその他の用途に使うわけにはいかないわけですね。

 そこで、今私どもが知っておる範囲では、小規模といいますか、ある種の集団範囲でもいいわけでございますけれども、石井式浄化槽というのがどうも各地域でつくられておるやに聞いておるわけでございます。建設省はこれについては余り積極的な評価をなさってない、この石井式水循環システムについては建設省はある意味で否定的だというふうにお伺いをしておるわけでございますが、その評価と、そしてまた、何か八項認定という問題があるようでございますが、八項認定がされたのかどうなのか、その点お答えをいただきたいと思います。

○鈴木(俊)説明員 お答え申し上げます。

 いわゆる石井式浄化槽、これは明確な概念はないのでございますけれども、当然でございますが、建築基準法に基づきます告示に規定します構造基準に適合いたしますれば、し尿浄化槽として設置することができます。既にいわゆる石井式浄化槽で認定されたものもございます。

 ただ、今委員御指摘の告示第八の件でございますけれども、これは現在評定中でございます。

○仙谷委員 この石井式浄化槽というのは租税特別措置法四十三条に言う公害防止設備というふうなものに該当するのでしょうか、しないのでしょうか。

○尾崎政府委員 石井式下水処理装置がいかなるものかというのは詳しくは承知しないわけでございますけれども、大蔵省の告示によりまして汚水処理用設備の中身が定められておりまして、それに適合するものでございますれば当然対象になるものと存じます。

○仙谷委員 次の問題は、設備そのものは四十三条に言う公害防止設備に該当するといたしまして、これは個人が設置した場合は適用にならないということになるかと思うのですが、環境保全という観点からは、個人の住宅、あるいはこの例でいいますとゴルフ場の浄化槽として設置したというふうな例もあるようでございますが、あるいは学校の設備というふうになってきますと、法人ではあっても、いわば事業活動といいますか、工業的事業活動から生ずる公害防止以外の、まさに生活的レベルでの公害防止というふうな場合の設備にはこの租税特別措置法四十三条というのはどうも適用にならないのじゃないかというふうに感じられるわけですが、その点いかがでしょうか。

○尾崎政府委員 個人、法人ともに適用できるわけでございますが、事業を行っておりまして青色申告書を提出しているという要件がございますので、それに該当いたしませんとその制度を利用できないわけでございます。

○仙谷委員 四十三条は「法人で」というふうに書いてありますけれども、個人でもこれはいいのですか。

○尾崎政府委員 租税特別措置法は所得税に関るものと法人税に関するものと分けて書いておまして、十一条に「青色申告書を提出する個で」云々とございまして、特定設備等の特別償却

が規定されているわけでございます。

○仙谷委員 そうしますと、事業目的に使う限りにおいては適用がある、こういうふうに考えればいいわけですね。生活目的の場合には適用がないということになりましょうか。

○尾崎政府委員 個人の場合、生活のための支出とそれから事業のための支出は分けることになっておりまして、青色申告の場合、事業に関するものでございますので、個人の施設については適用がございません。

○仙谷委員 後でまとめて要望なり提案をしたいと思うわけでございますが、次にプラスチックの問題をお伺いをするわけでございます。

 プラスチックの中で、今農村では農業用の廃ビニールが公害問題として非常に大きい問題になっておると思うわけですが、これをどのように今処理をしておるのか、あるいは処理の過程で出る公害等々の問題についてどのような状況認識をなさっておるのか、農林省にお伺いいたしたいと思います。

○佐藤説明員 農業用廃プラスチックの処理の現状についてお答え申し上げます。

 プラスチックフィルムを使用いたしましたハウス栽培、トンネル栽培などが増加しておりまして、農業用廃プラスチックの排出量は昭和六十二年には十七万五千トンほどになってございます。これを焼却、埋め立て、再生処理などの処理方法別に見ますと、再生処理をしておりますものが三万三千トン、全体の一九%ほどでございます。埋立処理が三万六千トンで二一%、焼却処理が七万六千トンで四三%というような私どもの調査結果になっております。

○仙谷委員 例えば、最近農業用廃ビニールの再生処理装置というようなものがあるようでございますが、これは当然のことながら租税特別措置法四十三条の「資源の有効利用の促進に資する廃棄物再生処理用の機械その他の設備」ということに該当するのでございましょうか。

○尾崎政府委員 お答え申し上げます。

 告示によりましてさらに細かく廃プラスチック類再生処理装置というのが定められております。そのうち特定のものにつきましてさらに詳細に定められているわけでございますが、それに該当いたしますれば当然適用になるわけでございます。

○仙谷委員 先ほどの水処理の関係もそうなんでございますけれども、この農業用廃ビニールといいますかあるいはプラスチックの再生処理、このような関係の設備をこれから今の日本の社会の中で大いに推進をしなければならない時点に立ち至っておるのではないか、私はそういうふうに考えるわけでございますけれども、その点は建設省あるいは農林省、いかがでございましょうか。

○佐藤説明員 まず、農業用廃ビニールのことについてお答え申し上げます。

 施設園芸などによる廃プラスチックの処理につきましては、原則的には廃棄物処理法に基づきまして、産業廃棄物として排出事業者であります農家がみずから処理するのが大原則であるというふうに思っております。しかしながら、排出農家が大変広域に分布、分散しているという点、あるいは排出されますプラスチックが農業用の場合には畑の土とか土砂などによりまして大変汚れているという点、こういったこともございまして再生処理の採算が大変悪いという点、いろいろございますので大変難しい問題があるわけでございますが、適切な回収処理をしないことには環境が大変汚染される原因になりますので、適正な回収処理を推進しているところでございます。

 このため、行政機関、農協、農家が連携いたしまして広域的な回収処理を行うように指導しておりますし、また、全国段階におきましても関係の協議会などを設置しまして、処理方法の検討、回収システムの検討、担当者の研修などを行っております。また、農協などが設置いたします処理施設につきましては、補助や融資の制度で助成することにしておりますし、処理設備の特別償却等につきましては、先ほど御答弁ございましたように税制上の優遇措置の点についてお願いをしておるところでございます。

 今後とも、農業用廃プラスチックの処理につきましては適正に円滑に処理できるように努力していきたいと思っております。

○鈴木(俊)説明員 建設省におきましても、公共用水城の水質保全という観点から、性能のよい小規模合併処理浄化槽につきましては、住宅金融公庫等の融資によりまして上積みの融資をしてその設置を推進しているところでございます。

○仙谷委員 補助助成策というのが予算措置としてとられることは望ましいことであると私も思いますが、今回の特定設備等の特別償却、四十三条の改正規定というのは、どうも償却割合を減少させておるということのように受けとめられるわけでございます。今のように水の問題あるいはプラスチックの問題で私どもが日本社会全体としてこれを推進しなければならないとすれば、従前、特別償却割合がどの程度であったのか、私も勉強してこなかったわけでありますけれども、償却割合を減少させるというのはいかがなものか。むしろ、環境問題の重要性を考えるならば、政策的に環境保全を誘導するということならば、償却割合を増加させるという方向でなければならないのではないかと考えるわけでございますが、その点いかがでございましょうか。

○尾崎政府委員 租税特別措置につきまして私ども議論をいたしますときに、いつもその点が非常に悩むところなのでございますが、特別措置、先ほどお話にもございましたように、いわば公平を害することを覚悟の上で特定の政策目的のために設けるわけでございます。

 それは、その政策目的とするところに民間の活動を誘導するインセンティブの役割を持っているわけでございますが、その場合には、その政策に沿って早くその施策をとられた方に有利に働くように制度を仕組む、そうでないとインセンティブとして役に立たないわけでございます。いつまでたっても同じことであるということであれば特段急ぐことなしに終わってしまうわけでございますので、したがいまして、期限をつけましたり、それから、最初のうちは有利に、時がたつにつれて次第に優遇の度合いを少なくしていく、やがては廃止をする、そういうようなことがどうしても必要になるわけでございますし、またそれが政策税制の見直しという点から必要なことであろうと考えております。

○仙谷委員 環境関係については、今のような考え方ではなくして、改めて優遇の諸施策、そのうちの一つとしての税制というのをお考えいただきたいと思うわけであります。

 さらに、今私どもの身の回りに、古い紙、古紙の再生紙を使おうといういわば官民一体となった運動のようなものがあるわけでございますけれども、この再生紙利用について、現況、特に官庁レベルでどうなっておるのか、この点をお伺いしたいと思います。

○井田説明員 お答え申し上げます。

 古紙の利用促進につきましては、従来から省資源、省エネルギーの観点から積極的に取り組んできておりまして、我が国の製紙原料の約半分が古紙というぐあいになっておるわけでございます。また最近では、都市ごみ問題もございまして、ますます古紙の利用の重要性が高まってきておるところでございます。

 通産省といたしましても、平成二年度から率先いたしまして省内で使います紙類をすべて再生紙に切りかえるというぐあいにこのたび決定をいたしたところでございまして、あわせまして池省庁、それから政府関係機関、民間企業等々、対外的にも積極的にこのような働きかけをしていくことといたしておるところでございます。

○仙谷委員 自治体あるいは官庁では相当再生紙の利用が進んでおるようでございますけれども、先般いただきました資料によりますと、コンピューター用紙あるいはコピー用紙の関係がまだまだ古紙が使われるに至っていないというふうにお聞きしたわけでございます。そしてまた民間では、官庁、自治体のように古紙を使おうというこ

とになっていないようでありますけれども、この点について税制上何らかの優遇措置、例えば再生紙製造設備についての償却あるいは反対に古紙を利用したユーザーに対する税制上の優遇措置は考えられないのでしょうか。そういう措置をすることによって再生紙の利用をより促進させるということが現時点で必要ではないかというふうに考えるわけであります。

○井田説明員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、通産省を初め官庁全体で再生紙を使っていくことにいたしておりますし、それから、民間企業の中でも既に会社ぐるみで再生紙使用に踏み切っているところもございまして、委員御指摘の税制上の優遇措置の必要性につきましては、今後この再生紙利用の普及状況等も勘案いたしまして検討してまいりたいと思います。

○仙谷委員 今の点、大蔵省いかがでしょうか。つまり、先ほど局長がおっしゃったインセンティブの観点から再生紙製造設備に対する償却ということが考えられないでしょうか。

○尾崎政府委員 再生紙の利用の有用性等については、委員のお話しのとおりよく理解できるのでございますが、それに税制上の優遇措置を講ずるかどうかにつきましては、やはり租税特別措置は例外的な措置でございますので、特にそれをつくる必要があるのかどうかにつきましては、費用対効果いろいろ考えまして慎重に判断しなくてはいけない問題だと存じます。

 いずれにしましても、いろいろな点から望ましいことはたくさんあるわけでございますが、そのうち租税特別措置という形で税制上の措置にのせていくということにつきましては、やはり相当制限的に考えていかなくてはいけない問題であろうと思っております。

○仙谷委員 それでは次の問題に移らせていただきますが、週刊誌等によりますと、三越株の増資につきまして、二月十五日に三越が二千万株公募で増資するという決定をした、発行価格を二月二十三日の終わり値を上回る額でございますか、決められたというふうにお伺いをしておるわけであります。そしてまた、三月六日になぜかこの公募増資が中止されたという問題があるようでございます。

 このいきさつといいますか、事実関係について、今私が申し上げたようなことなのか、あるいは取締役会の決定がいつなされて、中止がいつの時点でどのような理由で決定されたのかという点でございますけれども、大蔵省にお伺いをいたしたいと思います。

○角谷政府委員 株式会社三越の公募増資に関する事実関係について御説明いたしたいと思いますが、まず、三越は平成二年二月十五日の取締役会におきまして二千万株の公募による新株発行を決議いたしました。発行価格につきましてはほぼ御指摘のとおりではございますが、より正確に申し上げますと、二月二十三日の東京証券取引所における同社の株式の終わり値に〇・九六五、つまり三・五%ディスカウントでございますが、そういうことで算出される金額を発行価格とする。それからもう一つあわせまして、この計算の結果が二千六十九円、いわゆる最低発行価格を下回るときには新株の発行は中止するということをこの取締役会で決議しているわけでございます。

 そこで、値決めの日でございますところの二月二十三日の東証における三越株式の終値は二千百五十円でございまして、これに今申し上げました〇・九六五を乗じまして得た価格というのは二千七十五円でございますので、いわゆる最低発行価格である二千六十九円を上回っているという状況でございましたので、三越は計画どおり増資を進めるということにいたしまして、二月二十七、二十八日の両日に公募売り出しを実行したということでございます。

 しかしながら、払い込みの前日でございます三月六日におきまして取締役会を聞きまして、発rの中止を決議いたしました。その中止の理由につきましては、三越からの説明によりますと、発行価格を決定した時点におきまして相場は非常に変動した中で行われておりましたし、その後も、御承知のように最近に至るまで株式市場というのは非常に変動を続けてきたわけでございますが、株式市場の状況が非常に不安定であり、あるいは不透明であるといったことから、公募価格割れになったということになりますと、その場合には購入した投資家にいろいろな不測の損害を与えかねないといった問題があるので発行を自粛したというふうな説明を受けております。

○仙谷委員 幹事証券会社の野村証券が、二月二十三日の三越の終わり値を今おっしゃった最低発行価格に維持するために相当の買いを入れたのではないかということが報道等では言われておるようであります。現に、当日の出来高二百九十四万株のうち野村証券だけで八十三万株、野村証券は前日は九万株しか購入してなかったわけでございますけれども、八十三万株、二十六日には百二十万株という買いを入れておるわけであります。それで、二十三日の全体の二百九十四万株のうち野村証券が八十三万株でございますけれども、ちなみに、山一は八万、日興七万、大和も七万でございます。

 この日に、いわゆる野村証券関連の証券会社、私は十六社あるというふうに聞いておるわけでございますが、この野村証券と人的あるいは資本的に、あるいは野村証券と関係のあるいわば銀行グループ、これと密接な関係にある証券会社、中小の証券会社、これがどの程度三越株を買っていたか、大蔵省当局にお答えをいただきたいと思います。

○角谷政府委員 三越の増資に当たりまして、発行価格を決める値決め日でございますところの先ほど申しました二月二十三日でございますが、売買高が非常に急増いたしましたので、これにつきましては、大蔵省といたしましては、その辺の事情につきまして主幹事証券会社から説明を受けますとともに、当日の各証券会社の取引状況についても調査を行いました。しかしながら、主幹事証券会社の売買の内容でございますが、これにつきましては、非常に株式の取引高がふえたといった意味ではかなり誤解を招きかねない面はあるわけでございますけれども、それぞれの売買というのはすべてお客からの注文による委託売買であるといったことでございまして、そういった意味ではいわば株価操作に当たるような事実があるというふうに断定をするような状況ではございませんでした。

 それから、主幹事証券会社以外のいわゆる系列、系統と言われる証券会社でございますけれども、これはどこまでを系列というかについてはいろいろ問題がございます。ただ、一般的に言いまして主幹事証券会社である野村証券の系列と言われておりますものにつきまして、例えば一五%以上の出資割合があるとかあるいは社長が野村から派遣されているとか、そういった八社について取引を見てみますと、この間におきます二月二十三日時点における売買シェアというのは、売りが四・二%、買いが七・七%といったことでございまして、特にこの期間におきまして価格形成に影響を与えるほど大きな売買があったというふうなことではございませんでした。そういったことから、私どもといたしましては、この問題について株価操作、いわゆる証券取引法百二十五条で言いますところの株価操作があるといったふうな断定をする事実はないというふうに判断せざるを得ないというふうに考えたわけでございます。

 なおこの件につきましては、日々東京証券取引所におきまして売買の状況を監視いたしまして、不審な取引があればいろいろチェックするということになっておりますけれども、東京証券取引所からもこの件につきまして特段の報告は受けていないという状況でございます。

○仙谷委員 証券局長から、私が株価操作の問題を聞こうといたしましたら、あらかじめ株価操作ではないというお答えを先にされましたので、何か語るに落ちたような感じがするわけでございますけれども、もう一度、株価操作云々の調査を大蔵省がしたのかどうなのか、したとすれば、どの

ような調査をしたのか。

 先ほど委託取引というふうにおっしゃったわけでございますが、委託取引でも、証券取引法百二十五条の二項でございましたか株価操作というふうに断定できる、そういう項目があると思います。それで、今はほとんどコンピューターが管理しておるようでございますので、委託取引であろうと何であろうと、顧客勘定元帳というのを提出させて見ればある程度のことはわかると思うのでございますけれども、そこまで調査をなさったのでしょうか。

○角谷政府委員 当日の売買状況について、出来高が急速にふえたといったことにつきまして調査したことは事実でございます。ただ、どういう調査をしたかといった問題について個別に申し上げるのは、これは私どもの行政の立場からいいましてやや守秘義務の関係もございますので、詳細はお許しいただきたいと思います。

 ただ、今御指摘の証券取引法百二十五条につきましては、第二項でございますが、「何人も、証券取引所に上場する有価証券等について、有価証券市場における有価証券の売買取引等を誘引する目的をもって、次に掲げる行為をしてはならない。」といったことで、いろいろ相場を変動させるような事実というようなことが書いてあるわけでございます。自己または委託の取引によって相場を変動させる事実ということでございますけれども、「売買取引等を誘引する目的をもって、」ということになりますと、いろいろこれは主観的な立証が必要でございます。その点は、委員は弁護士でいらっしゃいますので非常に御承知だと思いますけれども、こういった問題がございます。

 そこで、例えば自己においてそれを買いあおるという行為があれば、そういった目的についてはこれは容易に立証もしやすいわけでございますが、そういった事実はないということ。それから、確かに野村証券の取引高は大きいわけでございますけれども、ただ、私ども一般的に大きな証券会社が相場に影響を与えることを目的として過度の委託売買であれ自己であれ取引をしてはいけないという原則を決めておりまして、俗に三〇%ルールと申しております。市場取引の中で原則として総体の三〇%以上の取引をすることによって相場に過度の影響を与えてはいけないということを言っておりますが、この全体の取引高に占める当該証券会社のシェアというのも三割を割っているという状況でございます。、

 こういった状況から見まして、私どもといたしましては百二十五条であるという断定はなかなか難しいというふうな断定をしているわけでございまして、そういったことはなかったのではないかというふうに考えているわけでございます。

○仙谷委員 もう一つお伺いしますが、そういたしますと、証券局長がおっしゃった調査、これは公募取り消しを三越がする前になさったのでしょうか、それともそのずっと後でございましょうか、そしてまた、この三越の売り出しの取り消しというのは野村証券を通じて大蔵省に報告等がなされたのでしょうか、その点をお伺いいたしたいと思います。

○角谷政府委員 この取引につきましては二月二十三日の調査でございますので、それがいつとは申し上げられませんけれども、三月の発行中止を行う以前に既に調査に入っていた、調査といいますか説明を受け、その事実関係について調査していたということは事実でございます。

○仙谷委員 そういたしますと、三越の売り出しの中止決定に、大蔵省の調査というのですか事情聴取というのですか、それが影響があったということになるのじゃないでしょうか。

 私は法律をやってきました関係で、取締役会で一たん決まったものを取締役が業務執行をやめてしまうというのは、商法上の規定からいえば取締役の忠実義務違反になるのではないか、こんなふうに考えるわけでございます。つまり、株価を操作して、そして公募を中止すべき金額以上にしたがために、取締役の忠実義務違反の問題が起こってこざるを得ない、そういう状況に立ち至ったのではないか。反対からいえば、こういう野村の買いが入らなければ二十三日の三越株は売り出し中止にすべき価格に落ち込んでおった、そういうことになるのではないかと思うわけでございます。

 先ほどから証券局長のお話をお伺いいたしておりますと、例えば株価操作について、「売買取引等を誘引する目的をもって、」といういわば目的条項があるので、主観的要素があるので非常に難しいというふうな意味のことをおっしゃったわけでございますけれども、このケースなんかも、「李下に冠を正さず」といいますか、客観的な、間接的な事実から見ますと、どうも大証券会社による株価操作が行われたのではないかというふうな、さっき証券局長は誤解と言いましたけれども、そういう解釈を生む。そして、これについて大蔵省当局の調査が、主観的意図の問題を一つの口実にいたしまして非常に甘い。公正な競争についての行政当局の調査が甘いのではないか。今まさに日米構造協議で問題にされております不透明性あるいは不公正ということにつながってくるのではないか。例えば、アメリカ合衆国から今回の三越株の公募あるいは中止というふうなことを見ますとそういうことになるのではないかという懸念をするわけでございます。

 どうかひとつこの点は、国民の生活、国民に不測の損害を与えないということから考えますと、こういう株価操作的な行為に関しましては十二分の注意と調査をして、今後の教訓にしていただきたいと思うわけであります。

 その他質問したい項目もございましたが、時間が参りましたので私の質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。