180 - 衆 - 予算委員会 - 3号  平成24年02月01日

○中井委員長 これより会議を開きます。
 平成二十三年度一般会計補正予算(第4号)、平成二十三年度特別会計補正予算(特第4号)の両案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仙谷由人君。

○仙谷委員 初めて与党として質問をさせていただきますので、ちょっとどぎまぎしておりますが、まずは、おはようございます。
 きょうは補正予算第四号の審議でございますが、この補正予算にしましても、あるいは本予算も含めて、今、日本がどういう状況に置かれているのか、この時代認識といいましょうか、あるいは状況の分析ということが、私は政治家にとって最も重要な事柄だろうと思っております。その中から、よく言われます覚悟であるとか、あるいは方針であるとか、そういうものが出てくる。
 野田総理が、昨年の十二月二十九日、民主党の社会保障と税一体改革調査会の総会に出てこられて、野田総理の集約で素案が決定をされたわけでありますが、そのときに、歴史的な使命をよく感じてといいましょうか、歴史的な使命を腹に入れてこの場に処する、こういう集約をしたいということで、その決意あるいは覚悟を表明されたわけでございます。私は、時代認識といいましょうか、そして、野田総理の歴史的な使命というものは、まことに当を得た決意あるいは方針表明であったと思います。
 そこで、まずは補正予算についてお伺いをするわけでありますが、補正予算というのは、東日本大震災の復旧復興のために、一次、二次、三次と大変大きな金額を積み上げてきたわけでありますが、さらに第四次補正予算というものを、この際、国民の皆さん方にお諮りをして決めていこう、こういうことをお考えになった。
 今、資料として平成二十三年度補正予算のポイントというのを提示してございますが、これは、いわば官邸の方といいましょうか、財務省と一体となっておつくりになった概略のペーパーだと思います。
 総理、義務的経費の追加、その他の経費、地方交付税交付金と書かれているわけでありますが、これは、概要、どういう点に腐心をされたのか、重点を置かれたのか、そういう点についてお伺いをしたいのでありますが、いかがでございますか。

○野田内閣総理大臣 おはようございます。
 今、仙谷委員から御指摘をいただきました、今御審議をいただいている第四次補正予算のいわゆる中身のお話でございます。
 今般の四次補正予算については、追加財政需要を中心に措置しておりますけれども、今回の予算をつくった背景として、円高の進行と、それからタイの洪水による影響、さらには欧州債務危機など、我が国を取り巻く経済環境の動向に的確に対応することができるように、経済活性化や、あるいは将来に向けての安心、安全の確保に資する、概括的に申し上げるとそういう内容となっております。
 例えば、セーフティーネット貸し付けやセーフティーネット保証の強化などを図り、円高、タイ洪水等による経済環境の悪化リスクに備え、中小企業の資金繰りの円滑化に万全を期すこと、あるいは、エコカー補助金を再開して、円高で輸出が厳しい状態にある自動車産業の国内市場活性化、環境性能にすぐれた自動車の開発普及の促進を図る、また、高齢者医療制度の負担軽減措置、安心こども基金、子宮頸がん等ワクチン緊急接種の基金などの延長を図ることなど、経済活性化や将来に向けた安心、安全に資する施策を計上させていただいております。
 本補正予算と二十四年度予算の早期成立に努め、東日本大震災からの復旧復興を果たし、日本経済が再生するための地歩を固めてまいりたいと思っております。

○仙谷委員 今総理から御答弁をいただきましたが、要するに、医療、子育て、福祉、従来進めてきた、そして、二十三年度、二十四年度の予算でも相当重点的にこの施策を推進させようとしたものに、さらに念を押すかのように国民の生活の安定と安心のために予算をつけた、さらに、先ほどおっしゃられましたけれども、環境対応車の普及促進というふうなこと、あるいは食と農の再生というようなことにもつけた、こういうことだろうと思います。
 総理の言葉でなかったわけでありますが、私は、中小企業の資金繰り支援、七千四百十三億円が改めてついておるというところも、これは円高対応といいましょうか、日本の中小企業のみならず大企業も利益をとっていくのがなかなか苦しいところへ来ている、日本の世界に誇る中小企業が資金繰りでおかしいことにならないように、さらに七千四百十三億円、資金繰り支援のためにつけたということだろうと思います。
 今のお話の中で、事態の変更に伴って出てまいっておりますことに、お触れにならなかった一つといいましょうか、現下の、ここ数日のことでございますけれども、この寒い寒い日本が、気温が寒くて、豪雪といいましょうか、私などは雪の怖さというのをほとんど知らないわけでございますが、大変な雪で、家屋のみならず町ぐるみ押し潰されそうになっているという状況がテレビで我々の前に報道をされております。
 この四次補正を組んだときには、こんな寒い冬になるということはほとんど予想されない、特に豪雪がこれほどになるとは予測をしていなかったわけでありますが、改めて、新聞報道等々を見ますと、除雪を含めて、あるいはそこで生活する人の支援、救援といいましょうか、そういうことを含めて、これは政治の重大な課題になっているというふうに思いますが、これについてはどのように対応しようというふうにお考えなのか、一言お聞かせ願いたいと存じます。

○野田内閣総理大臣 今般の豪雪でお亡くなりになった方に心からお悔やみを申し上げ、また、被害に遭われている皆様にお見舞いを申し上げたいと思います。
 その上で、今御指摘のありました豪雪対策、これは四次補正には入っておりませんが、どうするかということであります。
 まず考えられますのは、二十三年度の予備費が二千八百億ほど残っておりますので、この残っている予備費の活用で除雪等を行うであるとか、あるいは三月に配分する特別交付税の活用なども念頭に置きながら、しっかりと豪雪対策を講じていきたいと考えております。

○仙谷委員 東北地方、北陸もそうでありましょうが、あるいは長野県というところも、この豪雪で、いわば東日本大震災とダブルで被害を受けているような状況にもございます。
 地方自治体へ特別交付税、あるいはいろいろなやり方がおありになろうかと思いますけれども、豪雪対策といいましょうか、雪害を克服する、そういうものを、現地とよく協議をしていただいて、遺漏なきようにお努めを願いたいと、改めて念を押しておきたいと存じます。
 さらに、この補正予算のポイントという紙の注書きのところにこう書いてございます。「一般会計予算総則において、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法に基づき、株式会社東日本大震災事業者再生支援機構の借入れ又は社債に係る債務について、政府保証枠五千億円を設定。」改めて政府保証枠五千億円を設定して、事業再生をされようとする人、会社、これに対して支援をするということでございます。
 つまり、自立的再興といいましょうか、復興を支援するための保証枠をつくったということでございますが、これは、改めてこの四次補正で東日本大震災復興についての決意を示した、こういうことでございましょうか、財務大臣。

○安住国務大臣 臨時国会で野党の皆さんからの御提案を受けて成立した機構に対する政府の枠として、五千億円を追加いたしました。
 この機構は、その前にも政府がつくったものもありますけれども、農林水産業や個別の個人事業者に対する、再生を図るためにこの資金も使っていただくということで新たに設置をした枠でございます。

○仙谷委員 では、もう一つ財務大臣にお伺いしておきます。
 このポイントの注二でありますが、「為替市場のいかなる動向にも十分な余裕をもって機動的な対応を行いうるようにするため、特別会計予算総則において、外国為替資金特別会計の外国為替資金証券発行等限度額を、二十三年度補正予算における百六十五兆円から百九十五兆円へと引き上げる。」枠を三十兆円拡大するんだ、こういうことが書かれているわけでございます。
 これは、もちろん円高にも対応する、あるいはマーケットの乱暴な売りとか買いとか、非常に為替の相場を短期間で極度に振幅させるというふうな行為についても備えをするんだ、こういう意味だと理解をしておりますが、そういう理解でよろしいんでしょうか。

○安住国務大臣 そのとおりでございます。

○仙谷委員 ということで、今、日本を取り巻く状況も、いわば世界を取り巻く状況も、金融経済の世界が、ある種、緊張感を持って見る、あるいは政策的に対応をする必要がある時期だと思います。各国の金融財政あるいは経済の担当者は、いわば毎日背筋が寒くなるような緊張感を持って臨んでいる。
 特に、ヨーロッパの政府債務危機、国家債務危機と言われるものは、実態がだんだん見えてきますと、ヨーロッパの金融危機、銀行危機でもあるということがはっきりしてまいったと思います。
 これは、当然のことながら、ヨーロッパの銀行がいろいろなマーケットでドルをとって、これをアジア、中国、そしてラテンアメリカに貸し付けておる部分というのが、きょうは数字を持ってまいりませんでしたが、相当大きい。二十兆円とか三十兆円のオーダーで貸し付けておる。
 ところが、マーケットでとった資金というのはいつか返さなければなりませんので、というか、むしろ短期資金が多うございますので、これはみずからが返済を迫られる。ヨーロッパのユーロ市場では、なるべく貸し渋りをしないようにというお達しがECBから出たとか出ないとかという話がありますが、そうなると、他の地域、つまり、アジアやラテンアメリカに貸し込んだ資金あるいは投資した資金をどうしても回収しなければいけない。嫌らしい言い方をすると、貸し剥がしということになる可能性がございます。
 これがどのようにアジアのマーケットあるいは消費、貿易に影響するのか、アジアに影響するとすれば、アジアから日本に、いわばサプライチェーンのかなめの一つであります日本にどのように影響するのか、このことをしっかり実体経済の側からも見なければいけませんし、マーケット関係者が、いわゆるファンドがどのような手でみずからのもうけを稼ごうとするのか、つまり、売って売って、空売りで売りまくって清算をするというもうけ方にいつ出てくるのかこないのか、ここが今我々も緊張感を持って見ていかなければならないヨーロッパの金融財政危機と言われておるものの政策的な方から見た問題だと思います。
 この点について、財務大臣は国際会議あるいはいろいろな会議にも出られておると思いますので、この危機感、ヨーロッパの危機感、アメリカの危機感、あるいはアジアの危機感というものについての御認識を若干でも御披瀝いただければと思います。

○安住国務大臣 インドネシアとかベトナム、タイを含めて、やはりヨーロッパの銀行がいわば貸し付けをしているケースというのが非常に多いわけでございますが、昨年から、今、仙谷先生から御指摘があったように、いわば資金を引き揚げるという傾向が少し見られておりますので、そうしたことにつきましては、G20等についても、我々としては大変懸念を表明しておりますし、さきのアジアの通貨危機も、よく考えてみれば、やはりタイのバーツでそうしたことが引き金になった。
 ですから、そういう点では、ヨーロッパでの銀行の資金の安定供給がないと世界に通貨危機が伝播していく可能性が十分あり得るということで、邦銀も含めて、またアメリカも、今御指摘ありませんでしたが、そうした意味ではアジアへの投資というものを、年末までの間で見ますと、やはり投資からいわば引き揚げに向かって少し動きつつあった傾向がありますので、そうしたものがアジアの経済の減速感にもつながっていた。
 そうしたことから、G20の中でもこの問題を主要な議題の一つにしまして、世界経済の維持のためにそうした引き揚げはできるだけしないようにということは、強く私の立場からも訴えております。

○仙谷委員 野田総理が韓国へ行かれ、あるいは中国へ行かれて、為替のスワップ、融通のし合いをするんだ、あるいは、中国のドルが極度に流出するようなことがあり得るとすれば、それはお互いに協力をしようという、いわばそういう意味の協定を結ばれたということを私ども承知しておりますが、これは、ある種の予防的な準備として、まことに適切な両国間の約束であったというふうに思います。
 ちょっと反対の話から、反対というのは、日本がそれほど悪くないのではないかという話がアメリカ筋から出てまいりましたので、その話から入ります。
 私は、今から、ニューヨーク・タイムズのことしの一月六日に出されたコラムといいましょうか、論文といいましょうか論考がございまして、その中身をかいつまんで一覧表にしてみたわけであります。
 結論的に言いますと、さはさりながら、日本も大変大きな危機感を持ってここは臨まないと国を潰すことになるというぐらいの切迫した危機感を持って政策運営、実行に当たるべきだと思っておりますが、そのことを最終的に総理とも議論をしたいと思いますが、まずは、アメリカでこういう見方が最近出てきたということも国民の多くの皆さん方にも知っていただきたいなということを思いまして、これを取り上げるわけでございます。
 つまり、八九年といいますと、まさに日本が最初に消費税を導入した年であります。竹下内閣であります。バブルがまだはじける直前で、絶頂期といえば絶頂期。八五年のプラザ合意で大変円高が進んで、その円高対策のために、日本銀行をして大変大きな量的な緩和をさせた。それで、不動産バブルが一挙に高進した。時はまさに、不動産価格、庶民にとっては、これじゃ家が買えない、マンションが買えない、年収の何倍ぐらいに住宅価格を下げるべきだという議論が起こったときでございます。
 その八九年から昨年二〇一一年まで、九〇年から一〇年までというふうに考えますと約二十年間でございますが、アメリカは、従来は、失われた二十年、日本は失敗した、政策運営に失敗したというふうに、日本自身もそういうふうに言っていた、あるいは、アメリカ、ヨーロッパの金融経済あるいは財政筋はそういう評価をしてきたんだけれども、ちょっと待てよと。実は、失敗した、失敗したと言いながら、うまくやったのが日本ではないか、こういう議論がアメリカで出てきたということであります。
 それはなぜかというと、経常収支がこんなにこの二十年間でふえているではないか。それから、アメリカはこんなに経常収支が悪化して真っ赤っかの赤字国になっているのに、日本は堂々たる黒字国ではないか。資本の流入もほとんどないのに、つまり、中国は経常収支が日本の倍ぐらいあると言われておりますけれども、ただ、資本投資が、資本収入がやはり二千億ドルぐらいありますので、それを引くと日本よりも実は実体経済上の経常収支は少ないのではないか、こういう議論もあります。
 さらに、ドルと円の関係は、これは人為的な円高的施策を誰かがやっているという陰謀説もありますけれども、しかし、さはさりながら、円が強いというのはある種の国力だと見えないこともない。特にポンドとの関係は、我々は目もくらむようにポンドを見詰めてきた時期があったわけでありますし、ロンドンへ行って我々が宿泊すると、ポンド高であることもあって、何でこの程度のホテルでこんなに料金を払わなきゃいけないのかと大体毎回そう思うわけでありますが、ポンドは日本円に対して約半分になっている。
 それから、何よりも失業率がアメリカに比べて半分以下である。後でまた失業率の表を見せますけれども、そうなっておる。
 それから、アメリカ人が割と重視するのは、平均寿命がこんなに延びた。医療ケアが圧倒的にアメリカよりもいいんだ、医療サービスが、水準もあるいは実験的じゃなくて臨床的な先端医療行為も日本が圧倒的にいいんだ、そのためにこんなに平均寿命が延びているんだと。
 それから、我々ちょっと気がつかなかったんですが、インターネットの高速インターネットサービス、光通信ということでありましょうが、これが世界で上から五十番の都市を数えてみると、日本は何と三十八都市がその中に入っておる、アメリカはたった三都市しか高速インターネットサービスのできる都市がないんだ、こうおっしゃっています。
 それから、これは東京に限られたことに近いのかもわかりませんが、五百フィート以上のビル、百七十メートルぐらいということでありますから五、六十階建てのビルということでありましょうが、この二十年間で東京では八十一棟建った、だけれどもニューヨークは六十四棟だ、そういうことを言っておるわけであります。
 あるいは、食文化の世界でも、東京にはミシュランで三つ星が十六軒あるのに、本家本元のパリでは十軒だ、ニューヨークに至っては三軒ぐらいだ、こういういわば文化程度も圧倒的に日本が凌駕をしておるではないか、こういうことをニューヨーク・タイムズは言い出しているわけであります。
 私は、この失われた二十年というのは、別途の理由で、日本はある種の、バブル崩壊をソフトランディングさせた、させつつあるということで、一部の理論からいうと、もっと急激にメスを入れないからだらだらと沈んでいるんだという説もありますけれども、これをごらんになって、総理、どういうふうにお感じになりますでしょうか。

○野田内閣総理大臣 一月六日の、今資料として提示をしていただいているニューヨーク・タイムズのコラム、数字を挙げて整理していただいておりますが、例えば長生きできること自体は悪くない、そういう意味での一定の評価をしてもらうことは決して悲観することはないという面もあると思います。
 ただ、若干ちょっと面映ゆい感じがいたしまして、たまたまニューヨーク・タイムズはこういう切り取り方をしていただきましたけれども、一方で、むしろ去年の夏のエコノミストの記事の方が私は鮮烈でした。
 それは、覚えていらっしゃると思いますが、表紙に着物姿のオバマと、それから同じく和服でかんざしをつけたメルケルがいて、何でそんな和式の格好をしているかというと、後ろに富士山があるんですね、欧州は債務危機、そしてアメリカもいわゆる債務上限問題で決断しないで先送りをする政治がテーマになっているときに、その象徴が日本だ、日本化するという言葉も出ていました。一方で、私はそちらの方に危機感を持っているんです。
 確かに、悲観をすることはありません。ただし、現状に甘んじようとすると、それはじり貧に陥る道だろう。きのうも、TPPを含むFTAAPの議論などもさせていただきましたけれども、そういうことも含めて、何もやらないリスクの方が今の日本は大きくなっていると私は思いますので、いいところは伸ばしながらも、やはり決断をして、課題を解決していくということを目指していくべきだろう。
 もう一つ、人間心理としてです。
 やはり、バブル崩壊後生まれた人たちは、我々は高度経済成長を知っているしバブルも知っている、そういう経験がない人たちは、きょうよりあしたがよくなるという思いを持てない状況がずっと続いているということも深刻ではないか。では、どういう夢があるかというと、きちっと正社員になって結婚をするということが夢になりつつあるという。
 そうではなくて、もっと大きな夢を描いて、日本のために頑張ろう、世界のために頑張ろうという人たちがふえる環境をつくるためにも、今はやらなければいけないことがたくさんあるのではないかなという思いを持っております。
 ただし、御指摘のとおり、悲観ばかりすることはない。それは現実にあるとは思いますが、でも、やらなければならないことはいっぱいあるということでございます。

○仙谷委員 きょうは時間の関係でそこまで数字を持ってこなかったのでありますが、結論的に言えば、ここに書かれているような状態はそれほど悪くない、現象的に。
 どかんと奈落の底へ突き落とされるような状況を避けるために、この二十年間、資金循環とそのストックの方から見れば、何が起こっているかというと、私、いろいろな方と数字を調べてみますと、大ざっぱに言えば、国の借金がいわば八百兆ぐらいふえて、家計は多分二百兆ぐらい金融資産をふやして、企業は六百兆円ぐらい、借金財務から、今や無借金であるばかりか相当大きな、つまり、四、五百兆のキャッシュフローを持っている、こういう状況になっている。つまり、家計と民間の借金部分を国が全部肩がわった。
 これは、自民党政権が意識してなさったのか、あるいは当時の与野党が、やはりここは余り、極端な経済の落ち込みをさせることによって再浮上する、いわば、一九九八年の韓国というのはやむを得ずIMFに介入されてそういうことになったんだろうと思いますけれども、日本はやはりそういうのは避けようよ、もうちょっとなだらかにいこうよ、国が国家の信用でカバーできる部分は何とかそういうソフトランディング路線でいこうよというのが、ある種の国民合意であったのかなという気がします。
 そのかわり、国に、中央政府に一千兆円の借金がどっかりと、その肩にずっしりとのしかかったというのがこの二十年、そういう総括をしておくべきだと私は思います。
 だから、これからはその反対をやるんだということには必ずしもなりませんけれども、一つ一つの課題を、将来を見据えて、つまり、五年後、十年後どういう社会をつくるのかということを見据えて政策展開を確実にやっていくということが必要だと思います。
 そこで、私は今、ヨーロッパ、あるいは昨年は北アフリカから始まったわけでありますが、これを見ていて、やはり財政金融問題、そして雇用、とりわけ若者の雇用というのが全世界的な大テーマだな、こういうふうに考えるようになりました。政策の軸をここに置く。金融危機をどうやって大きなものに、国内経済あるいは国民生活に金融危機的な状況をつくり出さないように我が日本としてするのか、できるのか。
 それからもう一つは、多分、その産業的な裏側であると思いますが、雇用を何とか維持しなければならない。そうしないと、地域、国も危ういものになる、将来も危ういものになる、そういう思いにとらわれて、この間いろいろな議論をさせていただいたわけであります。
 そこで、次のパネルをお示ししますが、これは実は、金融危機とともに各国から流れてきた主要国の失業率及び若年失業率の表でございます。
 ごらんいただきますと、先進国は、ドイツを除いては、大体一〇%に近いところに失業率がいっております。日本は、大体その半分ということであります。
 それから、何よりもこの若年失業率、十五歳から二十五歳まででありますが、韓国は二十から二十四というふうになっておりますけれども、スペイン、ギリシャ、この大きさをごらんいただきますと、どういう世の中になるかというのは、これは想像がつきます。あるいは、イタリアの三〇%というのもなかなか厳しい数字であります。フランス、英国、米国も二〇%内外ということであります。
 そして、今、各国で高学歴の若い人たちの就職が非常に危ういものになっている。それが、ニューヨークのデモであったり、ヨーロッパ各地で行われている、我々にしっかりした職をよこせという動きにつながってきているんだろうと思います。
 日本は、現時点でこういう低い比率、若年の失業率も七・九%にとどまっていると言われておりますが、日本はなぜこういうふうに相対的にはいいところにおるのか、あなたはどう思うというふうに専門家に聞きますと、いや、仙谷さん、それは非正規とパラサイトでもたせているんですよ、こういう端的な答えが返ってきます。
 つまり、非正規の労働者と言われる方々が四割に達しようとしている。そして、我々世代の、親の、つまり団塊の世代の、あるいはもう一つ下の世代かもわかりませんが、そこでお父さん、お母さんと一緒に住んでいるから住居費が余りかからない生活で、したがって、若い方々の生活が何とか保たれている、非正規の収入でも何とかもたせているんだ、こういう答えが返ってまいりました。
 そうだとすると、現時点はいいけれども、将来はどうなるのか。特に、少々改善はされたようでありますが、未婚率、つまり、家庭を持てない、持たない方々がふえると、この日本の社会というのは大変危ういものになるなということを感じておるわけでございまして、そういう意味で、総理の、分厚い中間層を回復する、守る、あるいは、ここからこれをつくり上げていくというのは、私は、政策方向としては極めて正しい、そうでなければならない、こういうふうに考えているわけであります。
 これは少々私もそのことに頭を悩ましておるわけでありますが、ナローパスではあるかもわかりません。一つの出口はないわけじゃないとは思いますけれども、現時点ではなかなか容易ならざる、つまり、世界的な傾向がそうであるというのが、実は先進国においてはこれが容易ならざることであるというのを示していると思います。
 そこで、この資料をちょっと見ていただきたいと思うんですが、「所得金額階級別にみた世帯数の分布」というのがございます。これは約十五年間とってあるわけでありますが、これは実はずるずると低所得の方に世帯が移っている。年収二百万超から五百万ぐらいのところが従来よりも多くなっている。それで、中央値というのがちょうど真ん中の、つまり、百人おれば五十番目の人の所得でいえばその金額でありますが、平成七年から平成二十一年にかけて百十二万円落ちているわけですね。やはり年収で百十二万円、月に十万近く落ちているというのはなかなかつらい。
 多分これが、世代的な労働の担い手の変更を通じて、十年たったら、十年前に五十五歳だった人は一応は日本ではハッピーリタイアということになって、それまで五歳だった人が十五歳、あるいは十五歳だった人が二十五歳になって稼ぎをする、そういう構造でありますから、約十五年あいていますから、十五年間で百十万、これはなかなかつらい構造でございます。
 パネルにはしておりませんが、資料の中で、所得の五分位、二〇%ずつに輪切りをしたところでどのぐらい所得が落ちているか。これは、五分位まで全て、この十五年間で日本は落ちているわけですね。その落ち方が大体一四%から二〇%近くということですが、一番所得の落ちているのがこの第二分位ということになります。
 それから次に、「所得金額階級別にみた世帯数の変化」という表も出してございますが、これも、プラスになっている〇・〇から上のところというのは、要するにそういう世帯数がふえたということでございますが、二百万-三百万、三百万-四百万のところが四%とか二%とかふえて、それで五百万以上のところは世帯の数として減っているという表でございます。
 それから、金融資産の保有がこんなに変わってきて、貯蓄残高ゼロ世帯というのが大変ふえている。これは二〇一〇年には二二・三%にまでなっている。七二年、八七年には貯蓄の残高がゼロの世帯は三%台だったのが、今二二・三%が貯蓄が全くない。こういう中間層が剥がれ落ちそうになっているという状況でございます。
 これをごらんになって、総理の分厚い中間層を改めてこれからつくっていくんだというこの方針、どのような施策で展開をされようとしているのか、総理のお考えをお伺いしたいと存じます。

○野田内閣総理大臣 幾つかの資料を拝見させていただきまして、御説明もいただきましたけれども、いわゆる中間層のところの重心がだんだん低いレベルの方に来ちゃっているということと、剥がれ落ちてくる人たちが出てきているという状況、そういう状況だと思います。
 その意味では、例えば、これまでも、いわゆる第二のセーフティーネットといった求職者支援制度とか、こういうものに我々は取り組んでまいりましたけれども、その種のまさに試みというものをもっと手厚くやっていかなければいけないということを、今の御説明をお聞きしながら改めて実感した次第であります。
 その中でも、前段の部分では若者の話もされておりました。特に、今、若者を初めとする日本の成長力を支える人材の育成をしていくことがまずは肝心だろうというふうに思います。このため、日本再生の基本戦略に示した、学校から職場への円滑な移行、雇用の拡大などを盛り込んだ若者の雇用に関する戦略をことし半ばまでに策定をしたいというふうに考えております。
 さらに、専修学校等民間教育訓練機関を活用した雇用創出が見込まれる介護、福祉サービスなどの分野での職業訓練の実施や、雇用のセーフティーネット、さっき申し上げた求職者支援制度の適切な運用などを通じて、若者を初めとした人材育成にまずは取り組んでいきたいというふうに考えております。

○仙谷委員 パネルでは用意しなかったのでありますが、産業別の就業構造という資料をおつけしてあると思います。一九七〇年から八〇年、九〇年、二〇〇〇年、二〇〇九年と、どういうふうに変わってきたかということが一目でわかると思います。
 先ほど失業率の話をしましたが、一番右端に就業者数と書いてあるのをごらんいただきますと、一九九九年から、やはり就業者数というのはどうしても、二〇〇五年を境にして、現時点では減らざるを得ないというのが一つの問題。
 それからさらに、問題ではなくて、傾向として、これは黄色の線が電気、ガス、水道業ということでございますので、そこから右の方は、いわば第三次産業といいましょうか、あるいはサービス化された事業群、あるいはサービス化された事業で働く人々ということで、このサービス化部分での就労者、労働者というのが圧倒的にふえております。農林漁業、それから製造業、あるいは鉱業、そして建設業も減らざるを得ないというのが今の避けられない構造であります。
 先進国は大体こういう傾向になるわけでありますが、日本がまだこれに対応する政策が、特に九〇年代あるいは二〇〇〇年代に、意識的にこれに対応できる教育と労働市場政策がやや弱かった。そのために、現在も、さっき申し上げた非正規とパラサイトというものが多くなっている。あるいは、アントレプレナーの方の起業がそれほど伸びないということが言われているわけであります。
 ここで、今度の補正予算も含めて、あるいは予算の中で、専門学校、専修学校への助成というふうなものも行っているわけでありますが、日本はやはり、積極的労働市場政策といいましょうか、手に職を持ってもらうようなこういう教育、あるいは労働市場政策、あるいは職業再訓練というふうなものを、先ほど求職者支援事業の話が出ましたけれども、これを行わなければならないというふうに考えるのでありますが、どなたか、大臣、お答えいただきたいと存じます。

○平野(博)国務大臣 仙谷議員のお問い合わせでございます。
 先ほど来、仙谷先生から、いろいろこの二十年来の状況、経過についてのお話をいただきました。
 そういう中にありまして、この多様化した時代に、しっかりした人材を送っていかなきゃならないということは最大の使命だと思いますし、また、それを受け入れる社会構造もしっかりつくっていかなきゃならない、こういう立場で、私ども、政権交代以降、やはり、未来への投資、さらには人への投資、こういう考え方で施策を遂行してきたことは仙谷先生も御案内のとおりだ、こういうふうに思っております。
 特に、私の今の所掌の立場で、文科省の立場でいいますと、仙谷先生からお示しの資料にもございますように、特に、人材さらには将来への投資、こういうことの観点で見ますと、文教関係の予算の増加率、さらには科学技術という将来の飯の種、こういう観点での予算を大幅にふやしてきたこともそのあらわれの一つだというふうに御理解をいただきたいと思います。
 マニフェストの方にも書かせていただきましたが、特に、私ども申し上げたいことは、高校授業料を無償化する、いわゆる人に投資していく中で、負担を軽減しながらでも人に投資をしていくんだ、こういう考え方、さらには奨学金の充実、さらには、より質の高い教育環境を整備する、こういうことで、三十五人学級の実現に向けて取り組んできたところであります。
 そういう中で、先ほど、いろいろな分野での、各種学校を含めて、多様化した社会に対応でき得る人材、こういうことで、このことについてもしっかりと受けとめていかなきゃならないと思いますし、文部科学省としては、今後とも、よりグローバル化していく社会の中に対応でき得る人材、これをどう発掘するかということと同時に、その大きな観点は、大学を大きく改革していくことによってこの社会に対応していきたい、こういうふうに考えているところでございます。よろしくお願いしたいと思います。

○中井委員長 平野大臣に申し上げますが、科学技術を将来の飯の種というのは、ちょっと夢がないな。もうちょっと品のいい言葉を。また考えて直してください。

○平野(博)国務大臣 失礼いたしました。ありがとうございます。
 将来の礎にしたいと思っております。

○仙谷委員 今、教育の方からのお答えをいただいたわけでありますが、先ほどからお示ししているように、生産年齢人口が変わってきた。それから、若い世代の方が、どうも稼ぎ得る単価も落ちてきておるのではないか。それから、先進国における産業構造、就労構造が転換をしている、したがって、その中で世帯所得も低下ぎみに落ちておる。
 だからこそ、安心して働く、あるいは、安心して家庭を持って、子育てをしながら働ける環境というものが改めて構築をされなければならないというのが、今回の社会保障と税の一体改革、そこでの基本的な考え方、そしてそれは、急を要するといいましょうか、遅きに失している部分もある、こういうことだと思うんですが、厚生労働大臣、いかがでございますか。

○小宮山国務大臣 仙谷委員がおっしゃるとおりで、おとといですか、発表いたしました人口推計でも、非常にこれからの人口構造が逆ピラミッド形になってしまう。
 そういう意味で、今回の社会保障改革の中でも、これまで高齢者三経費が社会保障と言われていたものを、子ども・子育てをしっかりと応援する。それから、先ほどからおっしゃっています若者の雇用、これは非常に焦点だと思っておりまして、今回、社会保障の中には、一人一人が働く権利ということで就労というところを初めて入れまして、その中で、女性、若者、職業訓練、これをしっかり力を入れていきたいというふうに考えています。
 先ほどお話ありまして、総理からもお答えがあったように、専修学校など民間のところもしっかり使って、これからの新しい成長産業である介護とか医療、環境、そうしたところの人材を育てていく。また、学校の中で、大学にジョブサポーターを派遣しまして、ちゃんと大学の教育と仕事が結びつくように、そのようなことも力を入れてやっていく。
 遅きに失したというお話もございましたが、私もそう思いますので、そこはこれからシフトをして、子供に対して高齢者の十九分の一しか予算を使っていない、こういう国は先進国に余りありませんので、子育て支援と若者の雇用、そうしたところはしっかり力を入れていきたいというふうに考えています。

○仙谷委員 先進国にふさわしいといいましょうか、あるいは今の世界経済あるいは産業構造の転換に対応し得る良質な労働力を持った人材を育成していく、そのためにやはりこれから、文科省のみならず厚生労働省もまさに一体となって、子育てのところから始まり、そういう良質な労働力を持った若者になり、家庭を築き、お子さんを育てていただきながら安心して働く、これを一刻も早くつくらないといけない。
 これは長期的な課題のように見えるけれども、ちょっと手をつけるのが遅かった分だけ、社会保障という枠であろうが、社会政策という枠であろうが、経済政策という枠組みであろうが、教育政策という枠組みであろうが、まさにその辺は一体となって、連携ということよりも一体となってやっていただかなければならないと思っております。
 今後とも、そういう観点で、伝統的名門官庁である文科省も厚生労働省も、ともすれば縦割りの中で、いや、うちはこれだけやっているからいいんだみたいな話が時々出てくるわけでありますが、ここは、両大臣それから官邸含めて、大胆に政策展開できるようにしていただければと思っております。
 少々、日本の財政、近々の、ことしの財政についてお伺いをします。
 といいますのは、先般のニュースで、貿易収支がどうも昨年、赤になったのではないかということが報道をされておりますし、数字上、確認もしておるところでございます。
 今、ヨーロッパで国債が売られて金利が急上昇する、あるいはCDSと言われる国債の保証をする証券の保証料が大変急上昇するという国が、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガル、あるいはフランスまでもその影響が及びかねないというふうなところまで来ておるわけであります。
 よく見てみますと、財政の赤字とさらに経常収支の赤字になっておる国は狙われやすいというか、マーケットからというかそういうスペキュレーターから狙われて、ターゲットにされているようにも思われます。
 そこで、財務大臣にお伺いするわけでありますが、来年度、日本の財政の赤字、そして新しく発行する国債、新発債ですね、さらには財投債、借換債は幾ら発行することになっているのか、まずお答えをいただきたいと思います。

○安住国務大臣 総額は百七十四兆を、市中消化を基本にやらせていただきます。特に借換債が百十二兆、これは過去に発行した国債の借りかえということになりますが、新規国債が四十四・二、復興債が新たに加わりましたので、これが二・七、財投債が十五・〇兆円ということになります。

○仙谷委員 相当膨大な国債を発行しなければならないわけであります。つまり、予算上四十四・三兆円でしたか、国債発行ということが書かれるわけであります。
 国債の償還あるいは金利の支払いというのは、従来出した国債についても、当然のことながら、これは支払わなければならない。特に金利の支払いだけは待ってくれないというのが金融とかビジネスの世界の話であります。つまり、元本はちょっと待ってよというのがきかないわけではない。ただ、国際社会ではそれをやるとデフォルト国家になりますから、ますます金利が上がる、こういうことになろうかと思います。
 この金利問題というのは、実は余り皆さん、皆さん方というか、日ごろそんなに気にしないで生きておるわけでありますが、この長期債、基本は十年で払うことになっている国債でありますが、この長期債が最近一%内外、一・〇〇五とかそういうのがついておるというのは新聞紙上で毎日のように見えるわけでありますが、この国債がもし一%上昇すると、一%上昇しても二%でありますから、民事法定利率というのは日本の場合に五%、商事法定利率は六%でありますから、我々の時代の常識は、五%、六%の金利というのは別に高い金利ではなかった。今は、この間ずっと低金利で十五年、二十年暮らしております。
 ということは、利回りが悪いということで、投資をする先が少なくなってくる、あるいは、高齢者の預金を持っている世帯は利子収入が少ない、こういうことをも意味するわけでありますが、ただ、一%金利が上がったら利払い費が大体どのぐらいふえるのか、これの概算はどういうふうにしておりますか。

○安住国務大臣 その年の利払いが仮に一%上がった場合は、その後年度から支払いがふえるということになりますので、今の、先ほどの例で言えば、二十五年度にもし一%であれば一兆ですが、その次の年に二・四兆、そのまた翌年に四・一兆増加を一%上がればしてしまうというふうな計算になります。

○仙谷委員 これは、軽く二・四兆、四・何兆とおっしゃるけれども、その分はどうしても利払いをしなければいけないということになれば、これはどこか政策経費を削るか、今の財政フレーム全体、九十二、三兆の財政フレームを維持するとしても、削るか、あるいは財政フレームも大きくして、またまた利息の支払いのために借金をするか、どちらかしか方法がないわけですね。
 今言われたオーダー、二兆円とか四兆円とかという単位の金額で、政策経費、例えば社会保障費、あるいは公務員の人件費でも国会議員の歳費でもいいんですよ、どこかからその数兆円を持ってくるというのは、どういう意味をもたらすでしょうか。

○安住国務大臣 例えば、二十五年で後年度一兆と申し上げましたけれども、予算規模でいうと、例えば二十七年度の四兆ちょっとという額は、公共事業費や防衛費も四兆円台ですから、その分が本当に飛ぶぐらいの大きな金でありまして、これを今、仙谷先生がおっしゃったように、一般歳出経費を削ってやるといっても、なかなかやはり大変だと思います。
 ということは、やはり金利が上がってくればどうしても、注意をしないと、雪だるま式にこれをまた国債を発行するような悪い循環になっていく可能性というのはあるので、そうならないようにやっていかなければならないということだと思います。

○仙谷委員 今の状態、この金融問題、特に利払い費が、小さく言うと利払い費が一体全体どうなるのかというのは、ここは財政規律をしっかりと確立させる方向に動く、つまり、今の財政の構造から、もう少し借金が少ない、あるいは社会保障経費をしっかりと、全世代を包括保障できるような財源だけでもつくる、これが焦眉の課題だと思います。
 自民党の谷垣総裁も、焦眉の課題であると。焦眉というのは眉を焦がすほど急がれるわけでありますから、焦眉の課題であるというふうにおっしゃっていただいているので、私も「焦眉」という本を書いたことがあるぐらい、財政の規律の問題、それから、先ほどから申し上げておりますように、日本の産業構造をより知識集約型、高付加価値型に変えていく。サービス化させた、あるいはソフト化させる経済構造に変えていかざるを得ないとすれば、そのための教育、社会政策といいましょうか、社会保障政策が必要だ。
 それは焦眉の課題だということでありますから、総理、これはもう何が何でも、きょうはちょっと電力、エネルギー政策について聞く時間がなくなりましたけれども、この社会保障と税の一体改革、焦眉の課題として、これを何とか野党の皆さん方にもお願いして実現していく、それが、財政規律を確立し、今の世界的な金融、経済、財政危機から我が国をも、そしてアジアをも守る一つの大きな政策だと思いますが、いかがでございますか。

○野田内閣総理大臣 昨年来、東日本大震災が発災した以降、第一次補正、第二次補正、第三次補正、それぞれ復旧復興型の予算を編成してまいりましたけれども、その際には、まさに被災地のために、国民のためにということで、与野党がまさに力を合わせて協力をし合いながら、そしてさまざまな御提起もいただきながら前進をさせてきたというふうに思います。
 同じように、今、仙谷委員御指摘のとおりの焦眉の課題についても、これは、国民のために、あるいは将来の国民のために避けて通れない、逃げられない問題でございますので、これもしっかり議論をしながら結論を出して、そして壁を乗り越えていく、そういう政治をぜひ進めていきたいと思いますし、野党の皆様の御協力も改めてお願いをしたいというふうに思います。

○仙谷委員 総理の所信あるいはその他のスピーチ、メッセージの中に、決められない議会、決められない国会、決められない政治、ここから我々は熟議によって合意形成をしていくんだ、こういう決意があると思います。
 私は、自民党、公明党の皆さん方初め野党の皆さん方は、決して、この全世界的に広がる決められない政治、決められない議会を日本もそのままそういう混乱のもとにやっていっていいとは思っていらっしゃらないと思うんですね。
 国民も、世論調査なんかしますと、いろいろな支持率とかなんとかありますけれども、たった一つ変わらないのは、国会で与野党がよく議論をして合意形成してほしい、決めてほしい、このことだけは国民の変わらない声だと思います。
 解散を自己目的化して、解散すれば何とかなる、そんなものではありません。政策の方向性は、先ほど、日本が取り囲まれたいろいろな危機の中、確実な政策の軸を、つまり社会保障と金融対応ということを打ち立てる、そのための与野党の誠実な議論が必要だと考えておりますが、総理、いかがでございますか。

○中井委員長 仙谷君、時間が来ましたので、答弁はこれにて終了させていただきます。
 これにて仙谷君の質疑は終了いたしました。