171 - 参 - 消費者問題に関する特別… - 7号  平成21年05月22日

○委員長(草川昭三君) 消費者庁設置法案、消費者庁設置法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、消費者安全法案、以上三案を一括して議題といたします。
 この際、修正案提出者衆議院議員仙谷由人君から発言を求められておりますので、これを許します。衆議院議員仙谷由人君。

○衆議院議員(仙谷由人君) おはようございます。特に発言をお許しをいただきまして、ありがとうございます。
 衆議院修正案提出者を代表いたしまして、消費者安全法案二十条一項の修正の趣旨について改めて御答弁を申し上げます。
 消費者安全法案二十条一項の修正の趣旨は、消費者委員会が個別具体的な事案に関して勧告を行うに当たっては、当該事案に関して的確な情報を得た上で、その必要性を踏まえたものでなければならないということを明らかにしたものであります。
 その情報収集のための法的担保として設けられているのが設置法案八条の資料の提出要求等の権限であるわけでありますが、この権限行使の対象は関係行政機関の長に限られ、ここに消費者や事業者等の私人が含まれないことについては衆議院修正案提出者の共通理解であります。
 ただ、この設置法案八条の権限行使以外に消費者委員会が一切の情報を得る手段がないのかというとそうではなく、消費者安全法案二十条一項においても、あくまでも法的権限行使としてではなくて事実上の情報収集の手段としてではありますが、一つ、消費者や事業者等からの自発的な通報、提供という形で情報を得ることや、二つ目に、消費者委員会の要請に対して事業者等が自ら進んでこれに協力する等の形で消費者委員会が事情説明や資料提供等を受ける等の調査を行うことまで否定しているわけではありません。
 以上、草川委員長の御指示に従いまして、衆議院修正案提出者の共通認識について御答弁を申し上げます。
 以上であります。


○下田敦子君 ありがとうございました。
 お手元の資料の四の一というカラーの資料をちょっと御覧いただきたいと思います。地方公共団体における行政部門の状況という数字がグラフ化されてございます。ほとほとに、このような数字のようにわきに置きやられてしまった、こういう状況が現在もございます。
 青森県で恐縮ですが、県の消費者協会、大変一生懸命やった時期が長くございましたが、突如としてNPO法人に委託してしまいました。こういうことで、相談をしていく相談員の雇用の安定化も図り難いとか、あるいはここでの相談事例が自治体の施策に反映され難いとか、いろいろな心配その他弊害がありますが、こういう外部委託の削減もいろいろ昨今言われている状況にございます。どうぞよろしく、その辺のことを長い目で御尽力をいただきたいと思います。
 さて、次の質問でございますが、不当な収益の剥奪、被害者救済制度、これは附則の第六項関係にございます。このことについてお尋ねいたします。
 違法収益を被害者に返す、いわゆる違法収益の被害者還付制度の必要性の声が強くありますけれども、消費者被害の救済制度は本法案に必要かつ重要な法制テーマであったのではないかなと、私はそういうふうに思っておりましたのですが、なぜこれがこの度盛り込まれなかったのか、そして検討事項となったのか。三年を目途に必要な措置を講ずるとされていますが、三年と言わずに早急に制度化を図るべきだと考えますが、いかがでございましょうか。仙谷修正案提出者議員にお尋ねをいたします。

○衆議院議員(仙谷由人君) この不当収益の剥奪等被害者救済制度、相当悪質な業者から被害を受けて、その救済に走り回るといいましょうか尽力をされた消費者運動の方々や、あるいは弁護士、司法書士の方々からは、何としてでもこの不当収益の剥奪、被害者救済が必要なんだという点が従来からも力説されておりましたし、この法案審議の中でも相当大きなテーマでございました。
 民主党は、適格消費者団体によって損害賠償団体訴訟制度を含んで消費者団体訴訟法案を提出をしていたところでございます。衆議院では、委員会審査あるいは各党間の修正協議でもこの議論をこの際与野党合意に持っていければいいわけでありますが、そこまで認識が一致しなかったということで、この附則第六条でございましたか、附則の六項でございますか、こういう条項として検討をした、検討条項を置いたということになります。
 私どもは、曲がりなりにも行政という機関が行政権限を発動して、ある種悪質であろうとなかろうと、ある法的な主体が持っている財産を没収してくるという権力行使というのは、ある意味で、だれがその悪質性をどのように認定するのかということと絡んで、そうそう簡単にできる話ではないという認識があります。
 にもかかわらず、事実上は極めて悪質な業者が後を絶たないし、そこで被害を受けられた方々の悲惨な状況というのもまた直視をしなければならないわけでありまして、私どもは、現段階では財産保全といいましょうか、悪質な業者が取得した違法収益の固まりは何としてでも押さえて、仮にでも押さえて、損害賠償あるいはそこから回収できるかどうかというのは、別途の司法手続にのせるということしか現時点ではないのではないかと。
 もう少し激しく一挙に取り上げて被害者に分配する、アメリカのある州でなさっておるようでありますが、そういうのができないかということを強く主張される方もいらっしゃるわけでありますが、それができればいいといえばいいのでありますが、ちょっと権力作用が間違った場合とか行き過ぎた場合に、今度はそれをどうするのかという大問題が出てまいりますので、そのあんばいについては、あるいは、どういう仕組みにするのかというのはもう少し時間が掛かると。
 私どもは、現時点では、財産保全だけでもこれは仮の処分としては相当効果的にできるのではないかという認識を持っておりまして、そのことを消費者委員会等々でもこれから熱心に議論をいただいて早急に結論を出していただきたいなと思っておるところであります。


○前川清成君 違うんですよ。私が言っているのは、そもそもここの安全法に書いてある消費者の定義が間違っているんじゃないですかということです。
 大臣があちらこちらでおっしゃっていますよね、なぜ消費者問題に取り組まなければならないのか。事業者と消費者との間では情報格差があります、資金力も違います、知識も違います、交渉力も違います、隔絶しています、こういうことです。日栄から金を借りた会社、中小零細企業と、高利貸しの日栄であるとかあるいは商工ファンドとの間に、情報力も隔絶していますし、交渉力も隔絶しています。資金力も法的知識もすべて隔絶していますよ。それにもかかわらず、ただただ金を借りたのが個人だったら消費者問題ですと。しかし、中小零細企業だったら消費者問題ではありませんと。これがおかしいんじゃないかということです。
 かつては、私が弁護士になったころは、最低資本金は三十五万円でした。一株五万円を七株以上出さなければならなかった。ところが、それがいつか一千万円に引き上げられて、ところが、会社法の改正で資本金は一円でも足りるとなったわけです。すると、お父さんとお母さん二人で八百屋さんしておられる、あるいは魚屋さんしておられる、そこも株式会社ということは十分あり得るわけです。資金繰りのために高利貸しから金を借りました。そのお父さん、お母さんの八百屋さんは、消費者庁は守ってくれない。私は、ちょっとそれは消費者問題の切り分けの仕方がおかしいんじゃないかなと思っています。
 事前に通告していないんですが、真正面に座っておられる仙谷先生、この点、いかがでしょうか。

○衆議院議員(仙谷由人君) 今のお話は、実は企業消費という範疇もあると思いますけれども、法人企業消費は、最近はやりの言葉で言えばBツーBですよね、ビジネス・ツー・ビジネスという領域。ここは、消費の中でも個人の名義でというか、個人が消費した分だけを消費安全法の守備範囲にすると、これは我々もそういう自覚でやっております。
 さっきの保険の例でいうと、中小企業が保険会社と契約を結んで、当然のことながら不払とかいろんなトラブルが発生しますけれども、これは消費者問題とは言わないと。つまり、消費者問題と言う以上は、それは個人が生命保険会社とあるいは損保会社と結んだ保険契約についてトラブルが発生したときには消費者問題と言うという、この安全法の定義はそういう切り分けをしてあるんですね。
 だから、さっきの貸金業者の話も、中小企業、零細企業がまさにもう個人と同じような存在なんだけれども、その人が会社の名前でお金を借りて、その返済をめぐってとかいろんな問題が出てきたときは、これは消費者庁の守備範囲でもないし、消費者問題ではないと。個人が、これは典型的なのはサラリーマンがというような場合典型的なんでしょうけれども、個人がその生命保険会社あるいは貸金業者からお金を借りた場合だけ、この消費者庁が共管として守備範囲にすると。
 これは、そういう取りあえず今のところは限定付けですから、個人はそのぐらい情報量が少ないとか、闘う力がもうないということがはっきりしているとか、そういうことで切り分けてあるわけですが、それはそれで一つの僕は考え方だと思っています。


○藤本祐司君 少しこの件でもお聞きしたかったことが一点あるんです。その一点だけちょっとお聞きしますが、その消費者委員会の委員の人数なんですね。これ、元々十五名以内というふうにされていたのが修正案で十名になりました。機動的に動かすためには十名以内ということで修正されたんだと思いますが、これ、済みません、全く通告しておりませんが、なぜ十名以内だと機動的で十五名だと機動的じゃないというふうにお考えになったんでしょうか。

○衆議院議員(仙谷由人君) 私自身の考え方でもありますが、船頭多くして船山に登るというのが、往々にしてこの官庁組織というか官僚組織が関与をしたらそういうふうになると。結局のところは、事務局がペーパーを書いて、はい、おしまいと、こういう審議会が余りにも多過ぎるというのが、これはもう世間の常識になっておるわけでありますが、実際に仕事をしようとすると、少なければ少ないほどいいとは思いませんけれども、その仕事に応じたやっぱり適正規模というのが何となくあるのではないかと。
 私どもの感覚では七人ぐらいがいいのではないかというふうに、七人とか五人がいいのではないかと、委員はですね。その下に専門委員とかなんとかが付く場合がありましょう。特にこの消費者問題は、極めて幅広く、さっきから問題になっていますように、物すごく専門性の高い分野とか複雑な分野というのがありましょうから。それはその都度なのか、常設で専門委員をお願いするのかというのはまた別途の問題です。さらに、事務局の問題もそれに応じてやっぱり機動的に、特に感度のいい動きのできる委員会にしなければ、せっかくつくった委員会の本来の趣旨、使命が果たされないと、こういうふうに思っておりまして、実は内幕を言った方がいいのかどうかは分かりませんが、我々の方は本当に五名とか七名とか修正協議で申し上げたと思うんですが、まあそんなことにしないでよと言うので、これは多分最終局面で船田委員長の裁定で十人ということになったと思います。その船田委員長の裁定をお受けしたというのが実情です。
 以上です。