171-衆-消費者問題に関する特別…-3号 平成21年03月18日



○仙谷委員 いよいよきょうからこの消費者行政に関する法案を含めた特別委員会の議論が始まったわけでありますが、組織論あるいは権限論というのは、わかったようでわからない。特に国民の皆さん方にはわかりませんので、消費者庁ができたら何でもできるというような雰囲気のお話がございますけれども、具体的事件に即して一体全体どうなるのかということを、したがって権利院だったら何ができるか、消費者庁だったらどうなるのか、これを今からケースメソッドをさせていただきたいと思います。

 ここに、円天事件について、私なりにかいつまんで円天事件の経緯を書いたものを皆さん方に資料としてお配りをしてございます。PIO?NETで平成十二年ごろからこういうふうに苦情というか相談がどんどんと来て、いわば、平成十九年、千二百四十三というところが頂点になっておるわけでありますが、十六年から百二十七、十七年から二百四十七、平成十八年から二百四十九、こういうことであります。

 エル・アンド・ジー、結局のところ、現時点では管財人が、破産手続が開始されたのが平成十九年の十一月二十六日、その前に保全管理命令が裁判所から出ておりますけれども、その破産に基づいて管財人が回収したものが二億二千万円。ところが、エル・アンド・ジー、円天グループが集金したのが二千二百六十億円、対象者の数が推計五万人、これが管財人の報告でございます。

 そこに、平成十八年の二月に円天市場GINZAというのがオープンされた以降、弁護団がつくられたのが十九年十月十日、それから出資法違反容疑で強制捜査が本社に入ったのが十九年の十月三日というふうに書いてございます。

 最終的に刑事事件として平成二十一年二月五日に波ら二十二人が詐欺容疑で逮捕されて、ことしの二月二十六日、組織犯罪処罰法違反で再逮捕されておりますが、こういう経緯をたどった事件で、総理、これは消費者庁ができたら、どの時点で何がだれの手によってできたんでしょうか。後で民主党にも聞きます。総理、答えてください。総理大臣の権限でできることとできないことが法律に書かれているわけですから。



○野田国務大臣 消費者庁は、いわゆる円天事件のような利殖商法に対処するため、出資等に関する規制を定める出資法、いわゆる和牛商法等の物品預託契約に関する規制を定める特定商品預託法、悪徳商法等を規制する特定商取引法等を所管することとしております。消費者庁は、経済社会の変化にいち早く対応し、適切な法令を整備すること等により、消費者被害の未然防止の体制整備に努めることになります。また、消費者庁は、みずから所管する消費者安全法や特定商取引法等の執行を通じて、消費者被害の未然防止や被害の拡大防止に関して実効性のある対応をとります。

 具体的には、新法である消費者安全法等に基づき、地方の消費生活センター等からの相談情報等が消費者庁に届けられます。消費者庁は、そこで集約、分析された情報を消費者にわかりやすい形で迅速に公表し、消費者に対して注意喚起を行います。また、上記情報を通じてみずから所管する特定商取引法上の連鎖販売取引に関する規制に違反している事実が認められる場合には、同法に基づく指示及び業務停止命令等の発動を行います。このほかに、みずから所管する出資法違反及び詐欺の事実が強く疑われることから、同法違反または詐欺の事実を認めた段階で警察に告発を行うこととします。迅速に対応できることとなります。



○仙谷委員 では、民主党の方で答えてください。



○小宮山(洋)議員 マルチ商法を初めとする悪徳商法への対応につきましては、被害者の皆さんは、その発生、拡大を防止すると同時に、違法に得た収益を剥奪して、それで損害賠償をしてほしい、救済をしてほしいということを強く要望しているところですので、私どもは、消費者団体訴訟法案にそれがきちんとできる仕組み、消費者権利院と連動してできる仕組みを盛り込んでおりますが、政府案には全くこの部分が盛り込まれていないということは、消費者の皆さんが望んでいらっしゃる大きな柱が欠けていると言わざるを得ません。

 この円天事件の経緯に照らしてみますと、現金の配当が停止された平成十九年の二月までには事件が顕在化しています。この時点までに、消費者権利院は、全国各地の地方消費者権利局の消費者相談窓口で、被害を受けた消費者に接することになります。そして、消費者権利院の全国ネットワークを通じて相談内容が共有され、問題の広がり、被害の大きさを全国的に認識することができます。

 消費者権利官は、これを受けて、速やかに事業者に対しみずから立入調査を実施すること、これによって、エル・アンド・ジーの事業が組織的詐欺であるということが解明されます。

 こうした調査によってその悪質性を認識して、このまま放置をすると財産が散逸し、被害者の救済ができなくなるおそれがあると考えられますので、消費者権利官は裁判所に対し、エル・アンド・ジーの財産保全命令の申し立てを行い、その財産が差し押さえられます。これによって、被害者救済の原資が、かなりの額、保全されることになります。

 また、消費者権利官は、その悪質性、緊急性にかんがみて、行為の禁止または停止命令の申し立てもあわせて行い、新たな勧誘行為が裁判所の命令によって禁止されることになります。こうしたやり方で新たな被害の発生は防止されることになります。

 整理しますと、被害顕在化から立入調査、そして財産保全命令及び行為の禁止、停止命令に至るまで、およそ一カ月程度で緊急的に取り組むことができると考えます。

 これと同時並行的に、消費者権利官は、適格消費者団体に一連の情報を迅速に提供し、その情報に接した適格消費者団体が損害賠償等団体訴訟を提起することになります。その結果、被害者には消費者権利官の申し立てを受けて発せられた財産保全命令によって凍結されていた財産から賠償金が支払われ、可及的速やかにその被害が回復されることになったと考えます。

 また、損害賠償等団体訴訟には、必要に応じて消費者権利官が訴訟参加することによって訴訟が迅速に進み、一年以内に損害賠償を命ずる判決が下されることも十分可能になります。

 ちなみに、今回、回収できたのは、被害総額二千二百六十億円に対してわずか二億円しかありませんでした。また、被害対策弁護団は、この件の破産手続費用の予納金として二千万円を納付したということですが、消費者権利院が関与する一連の財産保全命令などの手続では消費者の皆さんにこのような負担が生じることはなく、私どもがつくったものであれば速やかに対応できると考えます。



○仙谷委員 時間がありませんので、もう一点だけ総理大臣に聞きますが、総理大臣、いいですか。事業者に対する勧告、命令、譲渡等の禁止または制限、回収等の命令というのが、内閣総理大臣が、商品または役務が消費安全性を欠くことにより重大事故が発生した場合にはそのような措置をとれる権限があることになっているんですね。

 これは、民主党の資料にも出してありますが、消費者の経済的な利益、つまり個別契約における利害侵害の問題、市場取引における利害侵害の問題、この二つの範疇の消費者問題については、今私が申し上げた権限、事業者に対する措置ですね、勧告、命令、譲渡の禁止または制限、回収等、これは権限が及ばない、つまりできませんね。イエスかノーかだけでいいです。

 もうちょっと法律を勉強してきてもらわなきゃ困る。そういうことは総理大臣はできませんねと言っているんです。



○麻生内閣総理大臣 できません。財産に関する話でしょう、これは。(仙谷委員「はい」と呼ぶ)できません。



○仙谷委員 終わりますが、極めて法律違反の重大な発言でありますから。つまり、重大事故しかできないというふうに書かれているんですね、法律には。重大事故は、生命、身体の安全に関することです。財産については書いてありません。そんなでたらめなものをつくって解釈をしようとする、危なくてしようがない。これはきちっと……(発言する者あり)いや、でたらめなんですよ、今のあなたの講釈は。できるというのは極めてでたらめ。できないと書いてある。できるようには全く書かれていない。(発言する者あり)できない。できないでしょう。では、できないんだったらできないでいいです。よろしいですか、はっきり答えてくださいよ。(発言する者あり)