171-衆-予算委員会-3号 平成21年01月08日



○仙谷委員 民主党の仙谷でございます。

 ちょっとあらかじめ申し出をしてございます順番を変えまして、この予算委員会の雰囲気を感じ取りながら、定額給付金問題をまずは議論をさせていただきたいと思います。

 実は、定額給付金と一般に言われておるわけですが、定額給付金給付事業助成というのが補正予算書とかあるいは政府提出のペーパーに書かれておるんですね。定額給付金給付事業助成、そういうふうに書いてあるんですね。これは私も全くわからないんですが、国としてはこの事業に絡んで法律はおつくりにならないんでしょうか。総理、財務大臣もしくは総務大臣、お答えになれる人があればお答えください。



○鳩山国務大臣 御承知のように……(仙谷委員「いや、結論だけでいいから。法律つくるかどうか」と呼ぶ)法律はつくりません。つくらないでできるという考え方です。



○仙谷委員 もちろん、そうなると政令もないということですね。



○鳩山国務大臣 そうなると思います。



○仙谷委員 国として、この事業執行をするについての法規範というのは何があるんですか。



○鳩山国務大臣 先ほど申しかけましたけれども、これは自治事務という扱い、分類をしております。自治事務とは何かというと、地方自治体が行う事務であって、法定受託事務以外のものはすべてであります。したがって、自治事務の中には法律や政令を根拠にしているものもあればそうでないものもあるわけでございまして、結局、私もいつも法律を読んでいるわけではありませんけれども、地方自治法のさまざまな規定からこれを読み取っていくという形になっていると思います。



○仙谷委員 端的にお答えいただきたいんですが、国としてのこの事業執行についての法規範というのは何かあるんですかと聞いている。何にもないんだったら何にもないというふうにお答えいただければありがたいんですが。



○中川国務大臣 この法案が成立させていただきまして、関連法案も成立させていただいた後にこの定額給付金を地方にお渡しをするというのは、国の予算の執行権の範囲に基づいていると考えております。



○仙谷委員 国が予算を執行するということですか。執行令というのがあるんですか、何か。

 つまり、この事業で各市町村にこれだけとか何か渡すことになるんでしょうけれども、その基準とか、いろいろまあ地方公共団体との関係の、ある種公法的権利義務を定めるものは何かあるんですかと聞いているんです。



○中川国務大臣 予算を執行すること自体が法律と同じ効果を持つ、これは憲法で認められている権限に基づくわけでございますけれども、それに基づいて国が行う予算の執行でございます。



○仙谷委員 そうしますと、地方公共団体が、国が何かこうやるということに対して従う法規範的な効果というか拘束力、地方自治体に対する拘束力というのは公法上何があるんですか。



○鳩山国務大臣 それは、十分の十補助という形になるわけですから、そういう予算の執行でございますので、いわゆる法規範、法律とか政令で定めてやるものではありませんから、そういうものはないんです。



○仙谷委員 だから、地方公共団体が、国がこの予算を決めたと。予算というのは、要するに国が使える金額の範囲ですよ。大まかな、こういう項目のもとでこういうふうには使えるという話。どのように使うのか。これは、予算執行であれ何であれ、やはり一定の法規範があって、これに基づいて使われなければ法治国家と言えない、私はこういうふうに若いころから習ってきましたし、現在もそう確信しています。

 そのことを自民党の先生方も否定なさるのであれば、みずから、法治主義とか法の支配とか、つまり国権の最高機関とか、これをすべて否定することになると私は思って、極めて今回のこの定額給付金のやり方について憂慮をしている。これは、いわゆるレクと言われている、財務省の人や総務省の人が中心になって来られておりますけれども、申し上げてあったはずであります。

 反対の方から、総務大臣、総務大臣にばかり集中して気の毒だけれども、地方財政法九条、十条って読んだことがありますか。読んだことがおありになるのだったらお答えください。これは一番大事なところ、今回の問題で。



○鳩山国務大臣 いろいろなレクの中で見せられたかと思いますが、自分で読んだという明確な記憶はありません。



○仙谷委員 まず、九条が原則なんだけれども、原則はちょっと後から言います。十条はこういうふうに書いてある。

 「地方公共団体が」、いいですか、地方公共団体が主語。「法令に基づいて実施しなければならない事務であつて、」つまり法令がないといかぬということですね。「国と地方公共団体相互の利害に関係がある事務のうち、その円滑な運営を期するためには、なお、国が進んで経費を負担する必要がある次に掲げるものについては、国が、その経費の全部又は一部を負担する。」

 今回は全部負担するとおっしゃっているんですよ。おっしゃっているんだけれども、一番最初に私が確認したように、法令に基づいて実施しなければならない事務になっていない。法令はないということを平気でおっしゃっている。どうするんですか、これ。改めてこれから法律をつくるか、あるいはこんなやみのような手段をやめるか、どっちかしかないんですよ。どう理解しますか、この十条。



○中川国務大臣 まず、予算は、先ほど仙谷委員もおっしゃられましたように、これは成立したら法律と同じ効果があるわけでございます。

 この予算を予算書に基づきまして執行するわけでございますが、今回の定額給付金は補助金でございます。さっき総務大臣からも答弁ありましたように、十分の十の補助でございます、補助金でございます。したがって、これは、自治体に対して無理やりこれを受け取れという強制力はございません。これは、自治体の方が、その補助金を受け取るかどうかは自治体が御判断をなさるということでございます。



○仙谷委員 雲の上で二兆円が浮いておるわけじゃないんですよ。予算執行だって、法令に基づいて自治体がやらなければならない、実施しなければならないという事務にするかどうか。これは別に、自治事務であろうと法定受託事務であろうと変わりません。いずれの場合も組み方次第ではできる。しかし、法令に基づかない事務を自治体にやらすときは、自治体が勝手にやるときはどうなるのか。財務大臣、知りませんか。

 九条に書いてあるんですよ。「地方公共団体の事務を行うために要する経費については、当該地方公共団体が全額これを負担する。」と書いてあります。(発言する者あり)質問、おかしいですか。地方公共団体が法令に基づかないで行う事務については全額これを負担すると書いてある。

 なぜこんなことが書かれるのか。これは、中央政府、地方政府の、お互いの財政規律、これを守るために書いてあるんでしょうが。地方自治体が勝手に事務をやって、お金ちょうだいと言ってきても上げません、これだけの話じゃないですか。そのかわり、十条でちゃんと限定列挙してあるじゃないですか。法令に基づいて実施すべき事務を限定列挙してあるじゃないですか。(発言する者あり)ありません。それは、あなた方がインチキやっているということの証明にしかすぎない、そんなことは。

 どうですか。私は、こんなやり方は許されない。なぜ堂々と法律をつくろうとしないのか。参議院で六十日かかるとか、参議院で否決されるとか、そんな思惑だけでこの定額給付金をやろうとするからこうなっているんじゃないですか。

 我々はちゃんとした国権の最高機関、皆さん方は、それに基づく、まことに三年半前の超過議席を単にここにきかせているだけにすぎない政権だけれども、それでもまあ、曲がりなりにも形式的には民主主義国家の政権ですよ。なぜ、民主主義国家の政権が事業をしようとするとき、正しく国会で議論をして議決を求めようとしないのか。これがわからない、僕は。どうですか。



○鳩山国務大臣 地方自治法にもいろいろなことが書いてあるわけですが、結局、国が義務づけるか義務づけないかというような問題があって、これは国が義務づけているわけではないんです、今度の定額給付金は。したがって、その費用は国が見ることができるという解釈をいたしております。



○仙谷委員 いかがわしい解釈でございますので、この問題については、委員長、財務省、総務省含めて、あるいは内閣法制局含めて、ちょっと統一見解を出してください。

 これはいかがわしい。つまり、法なき国家になる、法なき行政執行の国家になってしまう。そう思いませんか。



○衛藤委員長 後刻理事会で協議します。(発言する者あり)

 仙谷君、もう一度発言してください。



○仙谷委員 私は、地方財政法九条、十条との関係で、こんな入出金は、幾ら補助金といっても地方に渡すわけにもいかないし、これは両方の財政規律の問題です。

 もう少し大きく考えれば、法治主義とか議会制民主主義とかそういう観点から考えても、こんな法律もなければ政令もない、法規範たるものが何にもない。ところが、一千八百の地方自治体相手に公法上の権利義務関係をつくるわけでしょう。これは自治体だって、今度は自治体が条例をつくった瞬間に住民との関係で権利義務関係ができるんですよ。

 では、この不服申し立てはだれが受けるんですか。不服申し立てはだれが受けるんですか、名あて人はだれになるんですか。市町村ですよ、当然。そうすると、この事業はだれの事業なんですか。皆さん方は堂々と、国の景気対策だ、経済対策だどうのこうのと。国の施策が何で、もし問題になったら、市町村が責任をかぶって訴訟を受けて立たなきゃいけないんですか。簡単じゃないですか。つまり、国が国の施策としてやる以上、一定の規範をつくって、みずからの責任を持って事業をやる、これが法律をつくるということじゃないですか。

 私は、この脱法的、このインチキなやり方についてはやめてもらわなければならない。インチキだ。やめてもらう。

 これについて、ちゃんと内閣法制局も含めて答弁してください。そんな予算だけができたらできる、そういう論法だったら、財務大臣、予算ができたら何でもできるんだったら法律要らぬじゃないですか、予算を通したら。そういう話になっちゃうんですよ。(発言する者あり)



○衛藤委員長 まず、総務大臣鳩山邦夫君。



○鳩山国務大臣 先ほどの私の説明はやや舌足らずでした。つまり、国が義務づけしていれば、国がすべてその事務費等も見なければならない。しかし、義務づけていない今回のようなケースは、国が出しても出さなくてもいいという形になっているようですね。

 それから、地方財政法の第十六条というのがあります。「国は、その施策を行うため特別の必要があると認めるとき又は地方公共団体の財政上特別の必要があると認めるときに限り、当該地方公共団体に対して、補助金を交付することができる。」これを根拠にいたしております。



○仙谷委員 では、統一見解を出させてください。



○衛藤委員長 政府に対して申し上げますが、統一見解を明朝八時四十分の理事会までに提出をお願いいたします。以上。

 仙谷由人君。



○仙谷委員 法なき政権運営をどんどんなさっているので、私は心配をしておるんです。

 次に、またまたやらかしたのが、天下り容認推進政令が出てきた。法律に反するものをへっちゃらでつくった、ひそかに十二月につくった。こういう話であります。

 つまり、私は、この間の自民党あるいは自公政権のたまりにたまったうみ、まあ、自民党の政治家でも寿命は尽きたと言っていらっしゃる方が相当多いわけでありますが、このうみをだれでもがわかるように言うとすれば、縦割り、補助金、天下りという、今も十分の十の補助金を何の法律にも基づかずにやろうとした定額給付金の問題がありましたけれども、要するに、金を垂らして、欲しければとりに来いみたいな話ですよ。縦割り、補助金、天下り。今度は天下りが、カモがネギをしょってどこかへ飛んでいくように、補助金を持っていろいろな法人とかあるいは民間企業に天下っていく。これを差配するのが何々省の官房長であるというのは、半ば常識化した、官房長の仕事はそういう仕事だというのは、霞が関と永田町、そしてそれと関連の深い企業は常識化している話ですよね、これ。

 きょう、立花さんとおっしゃるんですか、事務局長さんをお願いしてございますが、いらっしゃいますか。

 立花さん、経団連はこの天下りというものについてどんな見解をお持ちだったでしょうか、経団連としては。



○立花政府参考人 仙谷先生からの御質問でございますけれども、現在、私、国家公務員制度改革推進本部の事務局長ということで、公務員ということで、ちょっと立場を異にするものですから、どういうふうにお答えしたらいいのか、私、正直言うとちょっと戸惑っております。

 前身の経団連がどういうことを言っていたのかということからいえば、経団連の方でも、たしか四、五年前に公務員制度改革についての提言をまとめたことがございましたが、天下りの問題につきましては、基本的には望ましくない、そういうことで、要は、天下りをしなくても済むような仕組みをどうやってつくるかということで、そういった観点から必要な改革を提言させていただいたことがございました。御参考までに。



○仙谷委員 では、うなずいていただくぐらいで結構ですから、二〇〇五年四月十九日、日本経済団体連合会、「さらなる行政改革の推進に向けて 国家公務員制度改革を中心に」という冊子があります。この中で、こういう記載があります。

 「透明・公正な再就職システムの構築 キャリアディベロップメント制度の導入」というふうに表題、小見出しがついて、「具体的には、各府省の人事担当部局が最終的に再就職の仲介を行う現行の慣行を改め、内閣において一元的に管理するとともに、こうした透明度の高い人材マッチングシステムを通じた再就職を行うことを基本とすべきである。」要するに、「各府省の人事担当部局が最終的に再就職の仲介を行う現行の慣行」と書いてある、これを改めなきゃいかぬと。要するに、あしき慣行というのでしょう。

 もう少し読みますと、「なお、いわゆる「天下り」の弊害が大きい現状では、当面、事前承認の仕組みを維持することとし、その実効性を高める観点から、」「早期に見直しを図るべきである。」こういうふうに書いてある。

 そうだったですね。返事されますか。いいですか。では、うなずいて、はいと言われたというふうに速記に書いていただいて、先に進みましょう。

 そこで、総理、昨年の十二月の十九日に職員の退職管理に関する政令というものが閣議決定をされて、総理の名前で、平成二十年十二月三十一日施行で、公示というのですか、告示されている。御存じですね。中身も御存じですね。

 この中身について、法律と中身が変わっている部分が天下りとわたりについて存在するんですが、それを御存じになって、その上で総理も、うん、これでいいと思って世の中に出したんですか、どうですか。



○麻生内閣総理大臣 今言われました、十二月三十日、御指摘の政令の条項ですけれども、これは、御存じのように、委員長が任命をされていないというために再就職等監視委員会が権限を行使し得ないという状況下でありますので、委員長が任命されるまでの間の経過措置として、再就職など規制の実効性を確保するため設けられたものだと理解をいたしております。法律の施行に関し必要な経過措置というものは政令で定めることとされておりますので、法律改正までは必要ないというように考えておったというように理解しております。



○仙谷委員 今お答えになった部分も大変重要な部分ですからじっくりと議論をさせていただきますが、その前にもっとわかりやすい部分、わたりというのが、これはもう世間の大ひんしゅくを買っている部分ですね、天下りの中でもこれはひどいと。一つ、二つ、三つ、四つ、こういうふうに行くわけですね。これについては、国家公務員法の一部を改正する法律案では、十八条の五で、「内閣総理大臣は、職員の離職に際しての離職後の就職の援助を行う。」こういうふうに書いてある。「職員の」なんです。

 しかし、国会の議論の最中に、どうもこのわたりをこの条項を使ってやってしまうんではないか、こういう懸念が与野党ともに出てきて、むしろこれは、この法律自身は民主党は反対ですから、自民党、公明党賛成で成立した法律。賛成はするけれども、これはなかなか将来にわたってややこしい問題、霞が関の天才的なだましのテクニックがあるキャリア官僚群が何をやらかすかわからないということで、これは議員間で議論が行われて、それを踏まえて、渡辺喜美行政改革大臣は官民人材交流センターの制度設計に関する懇談会というものを立ち上げたわけですね。

 それは、いろいろな有識者がいろいろな懸念をしながら、官民人材交流センターで議論をして報告書をつくられた。それが二〇〇七年の十二月の十四日であります。その最後の項目のところに、「各府省は、既に退職した公務員に対し二回目以降の再就職あっせんを行わないこととすべきである。」という結論を念のために書き込んだというんですね。

 ところが、この昨年の十二月に総理の名前で出された政令には、見てください、附則十二条、監視委員会による承認の基準というところに、資料も配ってあると思いますが……(発言する者あり)理事会に出してあります、これと全く同じのを出してある。附則十二条には、「あっせんを受ける職員の離職に際してのあっせんに該当すること。」これが監視委員会による承認の基準。次が問題なんです。「ただし、企業側の依頼に応ずるために、元職員をあっせんすることが必要不可欠であると認められる場合は、この限りではない。」と。どうしてこういうものが潜り込むことになるのか。これは明らかにわたり容認、わたり推進、わたりのためにつくった附則である、政令である。

 法律で決められていないことを、そして、その後、その法律の解釈、運用をめぐって懇談会まで開いて、そこで念のためにこうしてはいけないんだ、わたりは許されないんだということまで注記されたことについて、麻生さんがほかで忙しくしている間にこんなものを書いちゃったんですよ。これ、どうします総理。これは下克上と言わずして何と言うか。ひょっとすると、霞が関のクーデターと言うべきかもわからない。

 私は、本当にこの種のことがやられるのを、昔一遍やられたことがありますから記憶にあるんだけれども、今度はこれはいけない。わたりはやらせないという今までの内閣の国家公務員制度改革の一つの方針、これは厳守する、だからこの種の附則は許さない、こう言明をしていただきたいんですが、いかがでございますか。



○麻生内閣総理大臣 今御指摘のありました退職管理によります政令では、わたりのあっせんにつきましては原則承認しないということとしておりますのはもう御存じのとおりです。

 例外として認められておりますのは、企業などの依頼に応じるためには、既に退職した者の情報提供などを行うことが必要不可欠という場合もあります。かつ、押しつけなどの公務の公正性を損ねるおそれがないと認められる極めて例外的な場合に限られるとされていると思っております。

 各府省のあっせんの承認につきましては、改正国家公務員法の趣旨を踏まえて厳格に運用してまいりたいと思っておりますので、わたりにつきましては基本的にはちょっと考えられないんですが、いずれにいたしましても、この附則第十二条というところに関しましては、一のイ、ロ、ハ、二のイ、ロ、ハとずっとかなり細かく政令はされておりますので、御心配の向きを踏まえて、私も厳格に対応していきたいと考えております。



○仙谷委員 そんないいかげんな話だったら、もう必ずやられますから。やられますから。これは、この条項を「ただし、」以降削除するということをはっきりおっしゃらない限り、やられてしまいます。

 そしてまた、さっきから申し上げているように、法律で決めていないこと、あるいは国会審議の中でこの法律の意味はこうである、解釈、運用としてはこうするというふうに合意ができたことに明白にこれは反抗しているんですよ、反対しているんですよ。違うことをやろうとしているんですよ、やらせようとしているんですよ。そういう政令をつくっているんですよ、堂々とつくっているんですよ。今まではこそこそとやっていたわたりの承認が、堂々とできるようになるんですよ。

 こんなことを皆さん方が、霞が関の皆さん方のたなごころの上で遊ばれているのかどうか知らぬけれども、認めてきたから日本がこんなになってきたんじゃないんですか。違うんですか。ノーチェックが一番まずいじゃないですか。そうでしょう。

 岩永君、この間の公取委員のあの恥ずかしいノーチェックを見てください、同意人事で、皆さん。本当に与党がチェックできていない。政府もできないような仕組みとやり方を持ち込まれて、今の答弁も、皆さん方が一生懸命後ろから持ってきた紙を見て、わけのわからぬうちに答弁しておるじゃないですか。こういうことが続くから、全部やられてしまうんですよ。

 そして、結果、堂々と法律に反する条項が政令に書き込まれた。もう必死ですよね、霞が関の人たちは。三月が近い、人事ローテーションをしなければ、上は詰まるし下は次のポストに行けない、人事ローテーションをするためにはどこかに天下りさせなきゃいけない、ああ、あそこの法人もある、ここの銀行もある。そうでしょう。全部今までローテーションで回すから、わたりまで必要になってくるんじゃないんですか。

 それで、時とすればというかほとんどの場合、荷物に補助金とか契約とか委託金とか背負って行かれておるじゃないですか、行っておるじゃないですか。そうでしょう。これをやめなければ、無駄もなくならないし、優先度の高い政策なんか展開できないというのが、少なくともこの十年、我々の反省すべき点じゃないですか。どうですか。これは直ちに撤廃をする、削除するとおっしゃってください。



○麻生内閣総理大臣 今、この段階で直ちに撤廃すると言うつもりはありません。ただし、今、仙谷先生の御指摘のあったところは、私どももこれは十分に理解をしているところであります。したがいまして、特にこのわたりの点が一番問題になったと理解をしております。

 今から、少なくとも人事監視委員会が今、国会同意人事として否決されておりますので、その関係上、いろいろなことがかなり偏ったことになっていると思いますが、この問題に関しまして責任というものを、少なくとも人事委員会が否決されております段階でなかなか進まないというのが現実でもございますので、その間、一日も早くきちんとしたしかるべき方が人事委員会に配属されることを我々は心から期待をしております。

 ただ、それができるまでの間、私の責任でそれをやらねばならぬということだと思っておりますので、そういった御指摘を受けないように対応してまいりたいと思っております。



○仙谷委員 これは、一年たったらわかるけれども、ていよくもてあそばれて、我々が政権交代でもしていたら、そんな、一年後に許さないですよ。今、これは駆け込みで、三月までこんな政令を、あなたが少なくとも今ここでは実質的には否定したいようなことを言っているけれども、形式的に残る限り、彼らは三月末までにやりますよ。やらないとふん詰まりになって動かなくなるという恐怖感があるんじゃないですか、彼らも。本当に私はそう思いますよ。これはもう直ちに削除した方がいい。削除しないと麻生内閣は、わたりを許容し、容認した内閣だ、こういうことになります。

 さらに、先ほど、何か人事が不同意だからどうのこうの、こうおっしゃられました。つまり、ここにある監視委員会というのが、再就職等監視委員会の人事が不同意だ、不同意で機能しないと。今度は、再就職監視委員会を内閣総理大臣と読みかえるものとする、こういう附則までつくったんですね。こういう附則までつくって天下りをどんどんやろうということにしてしまいそうなんですね。これは、なぜこんな政令を、読みかえることができるなんというのを、法律の規定に反して違うことを政令で決めることができるんですか。どなたかお答えできますか。



○宮崎政府特別補佐人 お答えいたします。

 「再就職等監視委員会に委任する。」という規定が十九年改正後の国家公務員法の中に数カ所ございます。ただ、これは監視委員会が権限行使できる状態にあるということを前提とした規定でございますところ、どうしても国会同意が得られないという外的な障害がございまして、委員長及び委員が任命できないという事態に立ち至りました。このような前提が成り立たない状態にございます。

 そこで、このような法の想定外の状況のもとでどのようにするべきかということについて、私どもも含めて検討いたしました。

 それで、今回の、平成十九年の改正法におきましては、適正な退職管理の確保のための重要な措置として、違反行為の調査、それから自己求職規制等々の例外に関する承認の制度を設けておりまして、こうした調査や承認の制度は適正な退職管理を確保する上において必要不可欠なものだというふうに法が考えて設けたものだと考えられます。

 こういたしますと、政府といたしましては、委員会への権限委任規定が適用できない状況のもとにおきまして、法の要請を誠実に執行するという憲法七十三条の考え方の観点から考えますと、やむを得ざる措置として、適正な退職管理を確保するため、委員長等が任命されるまでの間、内閣総理大臣がみずから調査等の権限を行使することとしたい、また、そのような方法をとることが法の趣旨に反するということにはならないということで、法律の中に経過措置の委任政令がございますので、その限りにおきまして、経過措置の形で最小限の措置をとらせていただいたということでございます。



○仙谷委員 今までも内閣法制局長官は法匪的な人が相当おりましたけれども、あなたは史上最高の法匪だね。ここまでは、ちょっとまともに法律を勉強してきた者からすれば、そこまでねじ曲げて解釈して、これができる、こんなことが許されるという論理をつくる。今のは論理になっていなかったですよ。単なる状況説明みたいなのをだらだらだらだらやっていた。

 なぜ、政令が法律に優先することができるのか、あるいは、法律に劣後する政令で、法律に書かれた監視委員会という存在を総理大臣に読みかえたりすることができるのか。こんな換骨奪胎がなぜできるのかという理屈に全くなっていない、あなたは。

 ましてや、この再就職等監視委員会というのは、独立性のある、委員は身分保障のある、そして外部機関である、第三者性のある機関だ、こう言われていたんじゃないか。何でそんな独立性のある第三者機関を、ここが機能しないからといって、今度は最高の人事行政権の行使者たる同じ内閣総理大臣をこっちに持ってくるのか。そういうことをしてはいけないから、権限委任をして、監視という権限は委任をしちゃって、内閣総理大臣のところからは実質的になくしたというのがこの委任の意味でしょうが。そんなことは行政法上はっきりしているじゃないか。(発言する者あり)

 同意人事に応じないとおっしゃる。ところが、あなた方は、ここが本当に自民党のでたらめでだめなところ。国会で決まらなければ行政が何をしてもいい、こういう結論になっちゃうんですよ、今の論理は。国会で一たん否定されたら、違うことを考えなきゃいかぬじゃないですか。法律を変えるか、人事の案を変えるか、妥協するか。それが政治じゃないですか。何で国会で否定されたものを役人のレベルの政令で変えたりすることができるんですか。そんなことは法治国家の原則じゃないですか。どなたか良識ある人はいないんですか、この内閣の中に。

 今回の場合にも、法の執行の権限を持つ人、法執行の主体者を変えるということを政令でやってしまったという話なんですよ、この改正附則二十一条は。こんな手品みたいなことはできない、やってはいけない。もしできるんだったら、最高裁判所の裁判官がいなくなったから、不同意になったから、では内閣総理大臣が裁判官をやりましょうかというのとよく似た話じゃないですか、そうでしょうが。こんなことは許されてはならないんですよ。

 だれかちゃんと答えてください。もう法制局長官はいい、あなたは法匪だからいい。



○衛藤委員長 委員長が指名します。内閣法制局長官宮崎礼壹君。



○宮崎政府特別補佐人 先ほども申し上げたことに二点補足させていただきます。

 憲法と申しましたのが一つでございます。確かに、一般的に法律で書いてあることを政令でひっくり返すということはあってはならないことでございます。したがって、今回のことは非常に、通常ないことだということはおっしゃるとおりでございます。

 しかしながら、憲法七十三条を見ますと、内閣の職務といたしまして、第一号に「法律を誠実に執行し、国務を総理すること。」というのがございます。したがって、改正後の国家公務員法の要請するところが何であるかということになるわけでありますが、先ほど申し上げましたように、適正な退職管理を全うするためには、調査権であるとか、また各種設けられた承認の権限を適正に行使するということが必要不可欠だろうというふうに考えて、法律がその制度を設けているんだろうというふうに考えたところでございます。

 したがいまして、万やむを得ないといいますか、やむを得ない措置として、政令の委任規定を用いましてその政令をつくらせていただいたわけでありまして、一般的に政令が法律を覆すことができないことはもとよりです。

 もう一点でございますが、もう簡単にいたしますけれども、今回の権限は、御案内のとおり、例えば調査権につきましては、改正後の国家公務員法の十八条の三と四で内閣総理大臣の権限として書かれているわけでございます。それから、内閣総理大臣は、後ろの方で、退職管理基本方針を定めるというふうなことも法律で書いてあるわけであります。

 したがいまして、法律の趣旨としては、本来、内閣総理大臣が行うべき仕事なんだけれども、これを委員会に委任するというふうにいたしました。委員会が立ち上がっていれば、内閣総理大臣が自分でもやるということはできないわけでありまして、これは行政法の教えるところでありますが、委員会が立ち上がらない、どうしても外的な障害によって立ち上がらないという場合にどういうふうに法律を考えるべきかということで、そのようにいたしたわけでございます。

 また、御指摘の、合議制の委員会を法律は考えているじゃないかというのはまことにもっともでございますが、それとあわせて考えましても、調査権なり承認権というものを法律が設けている点の、その誠実な執行という観点からすると、やはり内閣総理大臣が必要最小限度の期間その権限を行使するというふうにする必要があるというふうに考えたところでございます。



○仙谷委員 では、立法の趣旨として、あなたに聞かないけれども、これは国民の皆さん方に聞きますけれども、なぜ、再就職等監視委員会、独立性の高い監視委員会というのをわざわざつくらなければならなかったのか、つくらなければ与党の言いわけにならなかったのか。こういうことでしょう。こういうものをつくらないと、公正さが担保できないと言われるから。内閣総理大臣が勝手に天下りを承認したりしなかったりするわけにはいかない。今まで人事院だったものを内閣総理大臣にするんですよ。どうやって客観性を担保するのか、透明性を担保するのか、そういう問題の結果、再就職等監視委員会というのが生まれたわけでしょう。あなたみたいな解釈したら、何をやってもいいという話じゃないか。よくまあそれで内閣法制局長官をやっていらっしゃるね、あなた。

 憲法七十三条を何と心得ているんですか。憲法七十三条に何て書いてありますか。「法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。」これが内閣の仕事ですよ、一つは。もう一つは、「この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。」と書いてあります。憲法と法律に反する政令をつくってどうするんですか。あなたがそれを先導してどうするんですか。

 ましてや事柄は天下りの問題なんですよ。ここまで、これだけ世の中に批判を浴びた天下りの問題なんですよ。これを皆さん、本当にこのまま通すんですか。もし自民党に、そこまで霞が関の皆さん方のへこをかついで走りたいんであれば、法律を変えて三分の二で通してごらんなさい。もう一遍提案して、法律で再就職等監視委員会を削除して、内閣総理大臣が何でもできる、そういう法律を国会に提案して、それをちゃんと三分の二を使って可決すればいいじゃないですか。それが手続ですよ、法律ですよ、憲法ですよ。そうでしょう。こそこそと政令でするなんということは許されるはずがない。どうです、総理、これは総理の名前で出ている政令ですから。



○麻生内閣総理大臣 今御指摘にありましたように、第十八条というのが、「再就職等監視委員会への権限の委任」というのがあります。そこで、「内閣総理大臣は、前条の規定による権限を再就職等監視委員会に委任する。」と書いてありますのは、もう先ほど仙谷先生の御指摘のあったとおりです。

 その監視委員会ができなかったということで、基本的に「内閣総理大臣は、」というところへ戻ってきたというのがこの背景なのではないのか、私自身はそう理解しておりますので、それを私一人がやれるか、物理的にやれるかと言われたら、これは甚だ難しいことははっきりいたしておる、私自身もそう思っております。



○仙谷委員 そんな程度の解釈で皆さんもいいんですか。人事同意で、人事が不同意になったから再就職監視委員会が機能しない、だから権限が私のところに戻ってきたと。権限が戻るんですか。権限委任をした権限が、法律に基づいて委任した権限が戻るんですか。(発言する者あり)あなた方、事実の問題と法律問題をちゃんと整理してすっきりした頭で考えないと、ばかにされますよ。

 委員長、これは、これから繰り返し繰り返し法律で決めていないことを政令でやられる可能性がある。私、きょうもう二つも指摘しているんですよ。法律も政令もなしに何か予算が決まったら何でもできるという話が一つ。今回は法律に反することを政令でこそっとやろうとしている。こんなことがこの国の常態化したら大変なことですよ。だれも憂えを感じませんか、自民党の方も。どうです。そんなにまでして天下りを認めたいんですか、どうです。



○麻生内閣総理大臣 これは天下りを認めたいとか認めたくないとかいう話ではないんであって、基本的にわたりというものは原則廃止という方向になっておると理解をいたしております。

 ただし、今の状況で、いわゆる人材何とかセンターというものができ上がるということになるんですが、それが実際的に動き出すまでの間は、少なくとも、どういうような人脈、どういうような相手、これは全くそこではわからないわけですから、それまでの間、しばらくは今の状況、たしか三年と記憶しますけれども、そういった形での委員会にかわるもの、いわゆるセンターにかわるものを置いてやらねばならぬというように理解をいたしております。

 現実問題として、再就職という問題を、五十幾つで退職させられるということになった場合、それを勧奨退職、いわゆる早目の退職ということをさせないということになりますと、これは猛烈な勢いで人件費がかさむことにもなりますし、また、いろいろな意味で人事の目詰まりが起きるということで早目にということになるか、ずっと勧奨退職を延ばしていくかというような問題もここで新たに喚起せねばならぬ、もう御存じのとおりであります。それまでの間どのような形でやるかというのでいろいろ考えられてこういう経過になったんだ、私自身はそう理解をいたしております。

 ただ、わたりに関しましてはまた全然別な話でして、天下りの話とわたりの話と、ちょっと似て非なるところがあろうと思います。

 いずれにいたしましても、状況というものを考えた場合に、我々としては、これまで多くの御指摘があるところでもありますので、こういったものはきちんとした第三者の監視委員会でやるのが正しい、私自身もそう思っておったんですが、その同意人事が得られなかったためにこういった形になったというのが背景だと理解をしております。



○仙谷委員 当時の担当大臣の渡辺喜美さんが何かきのう記者会見したらしいですね。それで、甘利大臣あてに……(発言する者あり)後ろにいらっしゃるんですか。甘利明大臣に申し入れをした。

  このような状況下において、昨年末、世情等の混乱の隙をみて、脱兎のごとく「天下り関連政令」を閣議決定させた。このことは、麻生内閣が霞ケ関守旧派の代弁者、行政改革の抵抗勢力であることを国民に意識づけさせたと思料する。

  就中、再就職等監視委員会の委員が任命されなければ不可能になる今後三年間の各省天下り斡旋を、「総理の承認」において行えるようにしたこと、今まで密かにやってきた「渡り斡旋」を是認したこと、などは

ここからが大事。

 党行革本部の平場の議論などまったくなされず決定された言語道断の暴挙である。

 さっき、あり方懇の話をしましたね、人材交流センターの制度設計に関する懇談会の。そんな議論を何回しようとも、あるいはこれを見ると、私は初めて知りましたけれども、党行革本部の議論も全く関係なしにどこかでするっと政令でもつくられた日には、せっかくの国民世論を踏まえた議論も何にもならない。「これらのことは「天下りを根絶すべし」という国民の声を完全に無視したことになるといえまいか。」と書かれているじゃないですか。

 自民党内は、本当に天下りをなくする、いかにすればこれを少なくしたり、あるいは透明性、合理性のあるものに変えることができるかと議論してきたんでしょう。何でこんな、渡辺喜美さんからしてもインチキなことで、私から言えば憲法違反ですよ、これは。憲法七十三条違反じゃないですか。

 そして、先ほどから申し上げているように、事もあろうに天を恐れぬ不届きな所業ですよ、これは。国会で決めたことを、何で官僚がこんな政令をつくれるんだ。そうじゃないですか。あなた、昔の陸軍が暴走して、国会が何を決めようと戦争したのと同じじゃないですか。危ないですよ、これは。こんな危ない内閣になっちゃっているんじゃないかという懸念を持って、つまりガバナビリティーの問題としてきょうはこの問題を申し上げました。

 本当に真剣に自民党の皆さんも考えてくださいよ。この政令というのは本当に癖が悪いんですよ、するっと来て。政令を国会で議論したことというのはありますか。(発言する者あり)岩永さん、究極のモラルハザードみたいな議論をしない、ここはチェックをする機関なんだから。

 それでは、次の問題に進みます。

 年金記録の訂正というのがございます。厚生労働大臣と総理大臣に資料をちょっと見ていただきたいんです。お配りした資料の多分三枚目ぐらいにあると思いますが、消えた年金とか年金記録とかというのは、こういう手続でなされているということのようであります。

 皆さん方には、まず生年月日のところを見ていただきたいんです。大正十四年、後はちょっと消してあります、大正十四年の方。それから、変更後の金額欄、八十一万五千三百円とありますね。それから、下の欄ですが、裁定申出書、この日付が十月十七日。それから、右側の郵便はがきの日付も見てください。十月十七日。

 ということは、これは、やりとりの結果なされたのじゃなくて、申し出をして、そしたら探していただいて、ここに書かれているように二カ所の分が判明して、あなたの記録はありますからこういう手続をしてくださいと、多分現場でお書きになったものだと思うんですね。だれかがお書きになった。つまり、御家族の方がお書きになったんだろうと思います。代理人氏名と書いてありますから、御家族の方が代理人で行かれたんだと思います。

 こういう手紙が来たんです。国民年金は、五十六万八千四百円受給は、その限りではできておる。しかし、昭和二十一年から三十四年までの十一年間の厚生年金が社会保険事務所で、ねんきん特別便に応じて社会保険事務所へ行ったら見つかった、発見された。六十五歳からの受給ですともう相当になる、あるいは厚生年金の場合はもうちょっと早くからできますから、結局、結論的には何か二十四年間の受給が飛んでいたということのようです。

 体のぐあいも悪く、つえをついて十五分ぐらいしか歩けませんと。まあ八十四歳ですから、それは八十四歳の男性ということになると、なかなか私どもも自信はありませんが。厚生年金がこの八十一万五千円。しかし、何か口頭で、払うのは一年後ぐらいになるだろう、こう言われたんですが、これは大臣、ここまで来て、なぜ正式の文書が届かないんでしょうか。



○舛添国務大臣 今委員がお示しになった方、これは、そちらにあります年金額仮計算書、これは窓口に来られたときに、仮ですけれどもこれぐらいお受け取りになれますよということでやりました。この方は、加入期間が足りないといってゼロ円だったのが、そこにありますように、八十一万五千三百六円、仮ですけれどもあった。

 それで、これは、その下に二十年の十月十七日と書いてありますように、江東の社会保険事務所に来訪していただいて、そこでそういう手続を行った。それで、十一月の十日に業務センターにこの裁定請求書が送られてきた。それで、業務センターから江東社会保険事務所へこの裁定請求書が戻ってきた。

 ここは今調査をしていますが、こういうことは本来あってはいけないことでございますので、一刻も早く、この方はお年を召されておりますので、こういう形で裁定申出書がありますので、裁定請求書を受け付けて、今急げということで裁定処理を行わせているところでございます。



○仙谷委員 この仮計算書というのは、裁定に至る前段階ですか。つまり、ここまで八十一万五千三百円と書かれていて、なぜ裁定というか支給決定ができないんですか。



○舛添国務大臣 これは、私が仮計算書をつくれということを命じて、そして、そこに担当者の名前を書いて判こも押すようにして、自分の責任で、きょう受け付けて、コンピューターではじいてみて、こういう計算ですということで、あくまで仮の計算書を出させる。そして、その下にございます左側の裁定申出書というのを出す手続になっております。それに基づいてきちんと正しい計算をして裁定を出す、その上で年金をお支払いする、今そういうルールになっておりまして、もともとは年金額の仮の計算書もないままでしたので、とりあえず御安心いただくために、今は窓口での計算はこうだということを昨年つくらせました。そして、今それをやっておりますので、その後、その下についている裁定申出書に基づいて裁定作業をやっている。

 それで、本来もっと早くやらないといけないのを、江東のセンターと業務センターで一回余分に行き来したということで、これは今厳重に注意をし、その調査をして、一刻も早く正式の裁定書が出るように急がせているところでございます。そういう理由でございます。



○仙谷委員 これは金額に直すと一千八百万ぐらいになるんですか、元本だけでというか。八十四歳の方が、そのお金の相当部分でもあったらもうちょっと安心して病気治療もできるのにみたいなことをおっしゃるわけですね。

 そういうときに、今大臣がおっしゃられたようなプロセス、こういうことで進んでいっているので、このぐらいの期間ではこういう裁定書が出る、決定書が出る、そのときには、あなたの確定した金額が、要するに確立した権利、受給権になりますよというようなことを、何でちゃんと文書で渡さないんでしょうか。



○舛添国務大臣 それは、今の委員がお示しくださった左の下の申出書に基づいて、その裁定をし、こうなりますよということをきちんと文書でお届けして、そして、何月何日から例えばあなたの銀行口座に振り込みます、そういう手続でございます。

 この方の場合は、今少しおくれ過ぎている、私に言わせてもおくれ過ぎている、だからこれを急がせるということで、正式の裁定手続にどうしても時間がかかります。今、少し人員をふやしてこれを急がせる。一般的にですけれども、平均七カ月かかっています。先般、国会で麻生総理も御答弁なさいましたように、七カ月というのはいかにも遅いじゃないか、三カ月ぐらいがせいぜいの限度じゃないかという御指示もございました。そういう体制に持っていけるように、裁定というのは非常に難しくてプロがやらないとできないのを、今二百八十人でやっているところを五百人体制に持っていって、こういうことがないように全力を挙げたいと思っております。



○仙谷委員 厚生年金ですか、保険料を払う方が遅延したら一四・六%の金利がつくんですよね。ここまで遅延をさせて、ほぼここまで出てもまだ一年かかると。これは遅延損害金か何かつけてお渡しするんですか、利息か何か。



○舛添国務大臣 まず、今から一年かかるというのは、そうならないように極めて急げということで今やらせております。

 そして、今の御質問ですけれども、まず、一四・六%、この率が高いんではないか、保険料を遅延した場合。これについては、今検討中でございます。

 しかしながら、このお支払いについて、遅延したからといってこれを利息をつけるというようなルールはございません。



○仙谷委員 裁判所か何かで、裁判にでも訴えられて、これだけの遅延損害金を払えと言われたら、これは認諾でもしないとしようがないんじゃないですか。

 国税は、国税通則法で原則七・三%なんですって、還付金を渡すときは。今はそれを特例によって四%プラス公定歩合にしているらしいですね。

 私、この文書を全体見たり手続を見ても、それから今の、金利を払わない、遅延損害を払わない、これは全く請求者というか、年金加入者というか、保険者の方に責任のない話で、おくれて、ひょっとすれば見つからないまま亡くなったかもわからないというような、とても国が時効を主張できるような話ではないというような案件ですよね。それにしては横着だなというか、謝りもなければ金利もないし、金利もなければ、もうちょっと説明を、ここまで来た人についてはプロセスについての何か、あなたの権利はこうなっていますよ、ここまでではなっていますよという、なぜそれがないんだろうかと思って不思議でしようがないのであります。

 この金利の問題も含めて、厚生労働大臣、早急に検討をしていただきたいんですが、いかがですか。



○舛添国務大臣 私自身、今、過去四十年以上にわたる社会保険庁の不祥事、そのことによってこういう結果が生まれてきた。この問題だけではありません。標準報酬の改ざんの問題もあり、さまざまな問題があって、今、一つ一つ着実に解決していくというつもりで、被害者救済ということを前提にやっております。そういう中で、今委員が御指摘になったことも、まさに国税との比較をすれば問題になるわけでありますから、これはきちんと与野党の皆さん方の御意見も賜りながら検討をさせていただきたいと思います。

 一日も早い被害者救済、これを第一に、全力を挙げて過去の不祥事の後始末をやり抜きたいと思っております。



○仙谷委員 何か、ついせんだって一月の六日に、九月までに判明した年金の記録が改めて出てきて、改めて確定をされた人たちの案件が一月の六日に厚生労働省から発表をされた。六十二人。これは、九月末日までの試算の状況というのを社会保険庁が発表されたということでありますが、これからもどんどん出てくる。発表できる程度になったものについては、ほぼやはり、けじめをつけた該当者に対しては謝罪も含めた通知をするとか、そういうことをぜひやっていただきたいということを申し上げて、この問題を終わります。

 さて、もう一問ぐらいの時間しかございませんが、麻生総理大臣、そして中曽根外務大臣にお伺いするわけであります。

 例の麻生鉱業の、捕虜を、強制であるかないかはともかくとして労働に使ったということが、ニューヨーク・タイムズ、そしてインターナショナル・ヘラルド・トリビューンで報道を二〇〇六年の十一月にされたということがあったやに伺っております。そのことについて、外務省が反論文をニューヨーク総領事館のホームページに掲載した。ところが、その事実が最近になって、何かいろいろ厚生労働省の地下の倉庫から相当記録が出てきたというようなことがあって、そのことがまた報道をされて、外務省はそのホームページを削除したということがあったようであります。

 これについては、中曽根大臣、いずれも外務大臣の公電による指示によってホームページに反論文が掲載をされて、その反論文がまた外務大臣の公電による指示によって削除されたということのようでありますけれども、事実は間違いありませんか。



○中曽根国務大臣 今委員からこの件についての大体の状況の御説明がありましたけれども、改めてちょっと正確に御説明させていただきますと、御指摘の報道は、さきの大戦中の我が国企業における強制労働などについて扱ったものでございまして、その一部に旧麻生鉱業についての記述が含まれていると承知をいたしております。

 この記事につきましては、事実誤認等が種々含まれておりましたために、外務省が通常の業務の一環として在ニューヨーク総領事館のホームページに反論を掲載いたしました。委員からもお話がありましたけれども、その後、旧麻生鉱業に関しましては、連合軍捕虜を労役させていたという事実が昨年の厚生労働省の調査で新たに明らかになったわけでございます。

 反論の背景となる事実関係につき掲載当時承知し得なかった事実が後で判明したことを踏まえまして、外務省はこの反論をホームページから削除いたしました。委員のおっしゃるとおりでございます。



○仙谷委員 そうすると、外務省が反論文を書いたけれども、反論文の方も、その骨子において、一番大事な、基本的な反論文の骨格が事実によって間違っていたことがわかったから削除した、今のはこういう話ですか。



○中曽根国務大臣 これにつきましても、今申し上げましたけれども、最初に調査したときと調査結果が変わりましたので、結果といたしまして関連資料は政府部内で存在していたということが後日わかりましたために、当時の対応は必ずしも十分でなかった、そういうふうに認めざるを得ないと思います。



○仙谷委員 外務省に責任があるのか、厚労省に責任があるのか、あるいは総理大臣官房に責任があるのか知りませんが、これはかなり恥ずかしいんじゃないんですか。現職の外務大臣の血筋といえば血筋の、あるいは御出身といえば御出身の名門の会社が、戦前、捕虜を使って労役させた。当時の日本にとってはその評価はどうだったかはともかく、現時点での連合軍の感覚からいえば、もし事実がそのとおりだとすればこういうことだという批判をされるのはある部分やむを得ないですね、捕虜を労働させるというのはジュネーブ議定書の問題もありますから。そうですよね。

 にもかかわらず、事実が違うと指摘して反論文を書いたけれども、それが相当程度というか骨格の部分において間違っていたということになると、これはちょっと外務省としては恥ずかしい話になるというか、あるいは、日本の外務省としては、国民の皆様方とアメリカのメディア等々に対して何らかの謝罪的な行為とか反省が必要なんじゃないんですか。



○中曽根国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、当初の調査が十分でなかったということでございまして、当時の対応が必ずしも十分でなかった、そういうことでございます。



○仙谷委員 この問題は実は本当はもう少し深刻です。というのは、当時の外務大臣は、麻生総理が外務大臣で、みずからに関係のある会社の麻生鉱業のことについて公電を打ってホームページに反論文を載せさせた。何かここに公私混同的な雰囲気がにおいますね。

 それからもう一つは、当時の麻生大臣は多分、とてつもない国家ですか、この中で自由と繁栄の弧という主張をされて、日本、アメリカ、オーストラリア、インド、四カ国同盟論を主張して、これには中国の反論が非常に多かった。その後、オーストラリアの政権がかわった。今度は、そのころにオーストラリアの中で、この捕虜として労働されたのは、多くは、三百人のうち二百何十人は旧オーストラリア軍の兵士ですよね。これはもう少し、オーストラリアでも随分報道されているみたいですから、丁寧にオーストラリアにも本当のことを、実はこうでありましたと外務省として真摯な態度をおとりになった方がいいということを申し上げて、質問を終わります。