170 - 衆 - 議院運営委員会 - 6号  平成20年10月21日

○小坂委員長 ありがとうございました。
 質問には一通りお答えをいただきまして、また後ほど自由質疑の時間がございます。そこで補完もできますので、よろしくお願いを申し上げます。
 次に、仙谷由人君。

○仙谷委員 民主党の仙谷でございます。
 八カ月間の検査官としてのお仕事の経験を踏まえ、特に民間からの御就任ということでございますから、お役人とは違った目でこの会計検査院の実情を見ていただいて、これから改善をしていただくということが山浦さんには大きく期待をされていると思います。
 そこで、くしくもきょう新聞紙上に補助事業、補助金の問題が掲載をされたわけでありますが、しかし一方では、頻々と新聞報道等にあらわれ、あるいは国会論議の中でもあらわれてくる問題が、これが不正経理の問題なのか、不当支出あるいは過剰支出の問題なのか、あるいは法律的にはそうは言えないけれども、政策としてあるいは事業執行として、結果としてとんでもないという問題なのか、無駄遣いの問題なのか、こんがらがって出てきていると思いますね。
 例えば、この間問題になった居酒屋タクシーというのは、これは会計検査とか行政監察という目で見ればどういうことなのか。あるいは、地方の出先の事務所が乗用車を我々から見れば過剰に保有してこれを使っているというような問題はどうなのか。あるいは、汚染米に絡んで、全国食糧保管協会というところが一括随意契約をして、倉庫業者を全部集めて保管料から累進的に会費を取って、天下り四人ないし五人を養っていく、こういうことが、経理上きちっとできておっても、いかなる問題なのか。この随意契約とかあるいは天下りを養うための社団法人が国民の税金で結果として養われているというふうなことが、国民に対しては極めて大きないら立ちをもたらしているというふうに私は思います。
 そこで、ことしの七月二十九日に、福田内閣は行政支出総点検会議というものをつくりました。つまり、無駄ゼロ会議というのであるようでありますけれども、なぜこんな会議がつくられなければならないのか。つまり、第三者機関としての会計検査院がありながら、会計検査院の存在を否定するかのようなこういう会議がつくられて、これも屋上屋を架して何をやっているのかよくわかりませんけれども、こんなものがつくられた。このことについて、会計検査院はどのように見ていらっしゃるのか。
 それから、不正経理と不当支出と無駄遣い、この違いをこの段階で例を示して明らかにしていただければありがたい。
 それから、もう一つは、この八カ月間、今私が申し上げたような事例をごらんになって、実際問題として、これは会計検査院法の会計検査官の権限が、権限規定なり守備範囲なり、あるいは検査の方法というふうなものが、つまり業務監査とか政策評価に至ることができないという不十分なものであることに原因があるのかどうなのか、このことについて山浦さんの御見解をいただきたいと思います。

○山浦参考人 盛りだくさんの御質問で、うまく答えられるかわからないんですけれども。
 まず一つは、検査官として就任しまして、国民として、あるいは一納税者としての視点が極めて大事だというふうなことを改めて思いました。それは、確かに、行政それから出先機関、そしていろいろな補助金等の交付先、そういったところの会計経理の実態を見ますと、やはり会計学あるいは監査の専門家としての前に一納税者として、この検査官の職責は極めて重要だ、こういうことで、改めて思った次第でございます。
 その上で、まず、無駄遣いということがよく言われますけれども、私自身はこれを三つに分類しております。また、この三つの分類が、先ほど仙谷先生の方から御指摘のあった不正経理、不当支出等々のお話につながってくると思います。
 まず一つは、コストを削減できるところができていない。これは、例えば我々の指摘でいいますと、随契をやめて競争契約に移行すべきだ、こういったことで、しきりにいろいろなところで指摘しておりますけれども、ここに当たります。コスト削減は無駄遣いの対応策の一つであります。
 それから、二つ目には、箱物行政とよく言われるんですけれども、無駄な箱物、無駄な建設、こういったものがあります。この中には、利用勝手が悪い、あるいは利用率が悪い、そういったものもあります。それらを経済性、効率性という面から検査院はいろいろな形で指摘をしております。
 それから、三番目は、いわゆる不正です。特に、国損が発生した場合に、それを返還してもらえれば国損自体は解消するんですけれども、中には未返還のまま、例えば個人でありますと、裁判等で結局返還を受けられない、こういったものもあります。恐らく、そういったものも無駄になるでしょう。
 今、私自身が、こういう国の財政が厳しい折に、基本的な検査官としての視点はこの無駄の撲滅ということを挙げておりまして、そういった視点から検査官会議でしきりに発言をしているところでありますし、検査に当たっても現場の調査官を指揮しているところであります。
 例えばタクシーの問題を挙げられましたけれども、実は、検査官の検査権限あるいは判断の一つの限界はやはり、国会で予算が通る、そうしますと、どういった使い方であろうと、その予算の範囲内であればいいではないか、それについては検査院としてなかなか指摘しにくいというところがあります。
 それは、今度、国会の方でこの問題、昨年からことしにかけて指摘されまして、それが我々検査院としての新しい切り口を与えていただいたと思っております。そういった意味で、居酒屋タクシーの問題あるいは国交省の車の用役の問題とか、そういったものについても、いわゆる予算の範囲内であっても、その使い方について常識から外れているもの、無駄なもの、先ほど言ったような余計なコストをかけるもの、こういったものについて指摘ができるということがありましたので、これまでの国会での審議が、それを受けまして我々にとっての切り口を随分と広げることができたと思っております。
 今後とも、そういった意味で、国会の審議の中身については我々慎重に受けとめて、それを検査に反映していきたいと思っております。
 検査院の職の中に、正確性、合規性、経済性、それから効率性、有効性という五つの視点を検査の視点として挙げておりますけれども、特に政策評価にかかわるところがなかなか、予算編成の段階では当然検査院としては口を出すことはできません。一たん国会で審議された予算の使い方を通して、結果としてそれが、例えばさっき言った三つの無駄のどれに当たるか、それぞれで態様がありますけれども、それに当たれば指摘するということになりまして、その結果を受けて、またこれが、財務省等の予算の査定とか、あるいは国会の審議で反映させていく、そういうサイクルの中の一部を担っている、こういうふうに我々は考えております。
 当然、検査院の検査権限には、先ほど言った判断の範囲に限界がありますけれども、その範囲の中で、こちらの方の指摘事項をさらに国会等に反映してもらっていけば、適正な経理が、やがて健全な経理ができていくのではないかと思っております。
 特に、検査院の仕事として、どうしても予算と法律が前提にありますので、その範囲で精いっぱいの検査活動をしていく、これが我々の役割だ、こういうふうに思っております。