障害者自立支援法による障害者への負担増に反対する

2005年10月28日
衆議院厚生労働委員会

在外ハンセン病患者の救済を

○仙谷委員 時間が四十分でございますので、障害者自立支援法案を主としてお伺いしたいと思うのでありますが、その前に、通称旧植民地ハンセン病訴訟、台湾訴訟と韓国訴訟というのがあって、判決が二重に出た、この問題で、大臣の決断をぜひにお願いしたいというふうに考えて、質問をいたします。

 時間の関係で、割と事務的な質問をすることになるかと思いますが、昨日、大臣が原告の方々とお会いになった、参議院で答弁をされた、その前の日、つまり二十六日ですか、この委員会でも答弁をされておりますが、いまだ、これは政府総体としてなのか、厚生大臣そのものの政治的な腹構えといいましょうか、これが何らかの理由によっておできになっていないのか、いずれにしても、私から考えれば道はただ一つしかないのに、どうもまだ迷っていらっしゃるということのように見えます。

 そこで、こういう聞き方をさせていただきます。

 ハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律というのが、平成十三年六月二十二日に国会で成立をしたわけであります。同日付で、これは尾辻大臣の時代ではなかったわけでありますが、厚生労働大臣告示第二百二十四号というのが制定をされております。告示がされております。この厚生労働大臣告示を作成し告示するに際しては、今私が申し上げた法律第六十三号をどのように読んで告示をつくられたのか。

 つまり、旧植民地にこの種の施設が存在したという事実を知らないでつくったのか。つまり、国会の議論が多分そういう前提であったやに新聞にも、新聞といいましょうか判決にも書かれておりますし、私どもも確かにそこまで思い至らなかった部分がある。告示も、韓国と台湾と、当時は旧満州東北地方、関東州ですか、ここにもあったという歴史的な事実を全く知らないでこの告示はつくられておるのか、あるいは、知っていたけれども、この種の旧植民地は除外するんだ、排除するんだという前提に立ってこの告示がつくられておるんですか。その点、いかがですか。

○尾辻国務大臣 私も、まず立法の趣旨がどうであったかということは、いずれにしても気になるところでございます。

 したがいまして、きのう、江田先生にも、その辺どうだったんでしょうということはちょっとお聞きをいたしてもみました。先生も、率直に言ってそのことについて議論をしていない、知っていたか知っていないかということはあるんだけれども、国会においてもそのことについて触れて議論をしていない、していなかったことは事実というふうに言われました。

 そこで、今度は、告示を私どもがつくっておるわけでありますが、そのときにそのことは承知してつくったのかどうかというお尋ねでもありますけれども、承知してつくったかどうか、私も今、いきなりのお尋ねでございますので、確認いたしておりませんからよくわかりませんが、少なくとも国会の御議論の中でそれがなかった、したがって、そのことは想定せずに告示はつくったんだろうというふうに予想はするところでございます。

○仙谷委員 そうしますと、あえて言えば、台湾訴訟と同じように、旧植民地において朝鮮総督府や台湾総督府がつくったこの施設に入所をさせた人たちを、現在御存命の方々を排除する趣旨では、この法律も告示も、ともに排除する趣旨ではないということになるわけですよね。

 そうだとすると、この台湾訴訟のように類推適用というふうに判決文では書いてありますが、いわば私に言わしめれば、法律解釈における目的的解釈、つまり、この法律を改めて読んでみますと、これほど法律の前文で国会議員、国会が謝罪の意を込めてつくった法律というのは、私は少なくともお目にかかったことがございません。そういう日本人のハンセン病患者に対する、ある種の申しわけなかったという気持ちを、施策が失敗したけれども、それは行政当局が放置した、あるいは隔離政策を続けたことが悪いといいましょうか間違っていたということもあるけれども、国会議員もこれを看過し放置したという責任があるということを書いてあるわけですね。

 そういう法律のできた趣旨を目的的に解釈すると、これは「その他」のところでも台湾訴訟の判決が言うように排除していないわけですから、これはつまり、現在もといいましょうか、戦後、日本がまさに敗戦ということによって、諸外国でいろいろな取り扱いをした、諸外国というか旧植民地で取り扱いをした、あるいは不利益な処遇をした、あるいは人権侵害的処遇をした人々をある種ほったらかしにして、日本が施政権を放棄し、そして捨ててしまったような格好になっている人たちに対する処遇ということでありますから、これは先ほどから申し上げておりますような目的的な解釈をすれば、告示には書かれていないけれども、つまり積極的に書かれていないけれども排除されていないんだということで、むしろ拡張適用をあるいは運用を積極的にする必要があるのではないか、特に今の時点ではあるのではないか、こう思います。

 今、台湾訴訟については控訴をしないようにという要請があると思いますけれども、この台湾訴訟判決がもし確定をする、あるいは厚生省が無謀にも上訴して、まあせいぜい、私に言わしめれば、両訴訟とも裁判官もそれほど反人道的であったり、ひねくれたりしていませんから、多分原告の方々にとって最悪の結果としても和解でしょう、和解勧告が出ると思います、こういう基準がありますから。ただ時間はかかりますから、原告の方々にとってはたまらない、こういうことになります。

 そういう事実を前提にしますと、この告示という存在がありますから、もし判決に従って給付を行う、行わざるを得ない、厚生省の立場からいえばですよ、そういうことになったときには、これはもう一遍告示に台湾の楽生園ですか、これを書き込まないと、この支給の執行というのはできないんですか。それとも判決がこう言うんだから、現時点で大臣が告示をきょうでも変えて、つまり書き加えて、支給という予算執行といいましょうか、執行に臨むということも考えられるのではないかと思いますけれども、その点はいかがですか。

○尾辻国務大臣 まず、冒頭言われましたことはまさにそのとおりであり、それで恐らく判決も分かれたんだろうなと私は理解をいたしております。言っております意味は、何も書いていない、ですから、排除していないというふうにも読めるし、入れていないじゃないかというふうにも読める、読みようなんだろうというふうに思っておるところでございます。

 そこで、お尋ねは告示のことでありますが、私もいずれ決断をしなきゃいけませんから、いずれに決断をするにせよ、いろいろなことをまた当然検討しておかなきゃならない。告示を変えればどうなるのかとか、あるいは法律をいじらなきゃいけないのかとか、いろいろなことを今事務方にも検討はさせております。

 ただ、それは何かを前提にして検討させておるわけじゃありませんで、まだ各省庁間とかいろいろ当然調整もしなきゃいけませんので、私どもだけの判断ではいけませんが、今お話しのようなことも含めて検討をいたしておるということでございます。

告示を変えよ  大臣の決断を求める

○仙谷委員 では、もう一点だけ聞きます。

 私も改めて法律と告示の関係をつらつら眺めまして、法律ができたら告示が即日できているんですね。ということは、大臣が政治的な判断をされて決断をされれば、きょうにでも告示を変えられるということなんですね。

 つまり、憲法違反の告示をつくるというのは問題ですけれども、憲法とある種の判決に基づいて告示を変える。台湾訴訟の原告と韓国訴訟の原告に支給ができるように、つまり予算執行をするために、私は、台湾訴訟の判決のように告示を変えないでももうやった方がいい、やるということを言明された方が、これは大げさに言うんじゃありませんけれども日本のためにもいいと思っております。あるいは日本と日本人のために、これは直ちに早くやらなければならない課題だと思いますが、だから改めて申しますが、政治判断、政治決断ができれば、これはきょうでもできるということなんですよ。

 そのほかに何か手続が必要ですか。省議が必要だったり、何か関係閣僚会議の決定が必要だったり閣議了解が必要だったり、あるいは財務省の御了解が必要とかなんとか、そんなことがありますか、この程度のことで。

○尾辻国務大臣 申し上げておりますように、訴訟にかかわることでございますので、当然法務省とも協議をしなきゃなりません。あるいは、今先生おっしゃったことの中に、外交的な考慮も必要だろうというお話を交えておっしゃったんだろうと思います。そうしたことの検討もしなきゃならないと思いますので、手続としてこうしなきゃいけないということじゃございませんけれども、関係省庁はございますので、十分協議はしなきゃならないということは御理解いただきたいと存じます。

救済のための予算措置を

○仙谷委員 では、時間の関係もございますが、もう一点だけ。

 原告の弁護団のお話を聞きますと、大体、原告全員にこの基準に従って給付をすることになっても、総額で三十億円ぐらいだろう、こう言っています。

 この間、この国会で、平成十三年六月に行った厚生労働大臣告示第二百二十四号に基づいてどのぐらいの決算額、つまりどのぐらい支給をしたかということをお聞きしてみました。そうすると、ざっといって四百二十億弱。つまり、平成十三年度は四百四億円払っておりますけれども、十四年が十三億八千万、十五年が二億一千、十六年度が二億九千万、大体こういう金額なんですね。

 この旧植民地の方々の、今度の原告の人数、その他の、先般も何か申し入れがおありになったようでありますが、考えてみまして、原告弁護団は三十億ぐらいだろうと言っておるんです。

 私は、金額的にも、平成十三年度の当初予算は、当然のことながら平成十三年度はゼロでありますから、四百四億円も「予備費にて対応」というふうに書いてございますので、これの一〇%にも至らないのであれば決断いかんで直ちにこの程度のことは執行できる、こういうふうに私であれば思うし、私が尾辻大臣の立場か西副大臣の立場であれば、そうしてくれということを官邸に申し入れるか、財務省にもその説得をするであろうと思いますけれども、大臣はそこまでは現時点では言明できないですか。

 ここでおっしゃられた方がいいですよ、きょう。何か、あした韓国へ帰るとかなんとかおっしゃっているらしいじゃないですか、どうぞ。

○尾辻国務大臣 確かに原告団の数でいいますと三十億ぐらいだろうと思いますが、今後また、いろいろなその辺の数字も、私どもがもし決断するとすれば詰めて決断をしなきゃならないということになります。

 そのときにどういう数字で試算してみるかというようなこともございますが、先生おっしゃるように、原告団の数だけであれば三十億ということになることだけは確かでございます。私どもも、数字のことも当然また検討はいたしておるところでございます。

○仙谷委員 先般の共産党の笠井議員の質問の中にも出てまいりましたが、検証会議の報告書というのが、何か厚生省がつくられた、これはことしですか、報告書がつくられたのは。

 報告書をごらんいただくとわかりますけれども、これはもう明らかに二重の人権侵害だというふうに書いてあるわけですね。厚生省が二重の人権侵害だというふうな検証会議の報告書を受け取ったのがことしだとしても、ことしの段階では、これはこういう判決が出ておって、中身的には、やはりこれはもう厚生省としてもお認めになって、政府全体としては、早く人権侵害のわずかな回復としてでもこういう補償をするという方に踏み切った方が私はいいと思います。こんな報告書も受けているんですから。そのことだけを申し上げておきます。

障害者のすみよい街づくりを

 次の問題、この障害者自立支援の問題について、私の方から若干の質問をさせていただきます。

 大体ずっと、席を外したこともありましたけれども、この間の議論を伺ってまいりました。我が民主党からも、支援費制度を存続すること、そして、その費用は義務化、国家の義務として行うこと、それから、できる限り基盤整備事業を行う、こういう趣旨の対案を提出してあるわけでございます。この間の議論を聞いておりまして、傍聴席に詰められている方々あるいは国会前でずっと大変な苦痛に耐えながら見守っていらっしゃる方々のお気持ち等々もそんたくをしながら、なぜこんなことになるんだろうかと。

 まさか、厚生省も支援費制度、鳴り物入りの支援費制度で進めようとしてきたノーマライゼーション路線を意地悪く後退をさせよう、そんなおつもりでこの障害者自立支援法案をおつくりになっているはずはないのに、特に、尾辻大臣が指揮をとっていらっしゃる現在の厚生労働省でありますから、そんなはずはないのに、何でこういうある種の争い的になっているのか不思議で不思議でしようがないということを一方で感じながら、ずっと拝聴をしておったわけであります。

 これは、ここの委員会に出席しておる全議員あるいは関係者の皆さん方が全部お気づきになっていらっしゃると思うわけでありますが、先進国の中で、日本が、ノーマライゼーションが相当行き渡っているといいましょうか、実現できているというふうにはなかなか評価できないと思いますね。だから、厚生省の関係者も必死に何とかやろうと。浅野さんの障害福祉課長時代の資料がきのうも出てまいりましたけれども、これはもう相当前の話であります。

 私も、人生の中で余り多くの経験をしているわけではありませんけれども、地元の青年と十五年ぐらい前に触れ合って、車いすの方です、その人がロサンゼルスへ行ったらびっくりしたと言うんですね。ロサンゼルスというのは、アメリカですから、本来は、公費といいましょうか、国とか州の施策として障害者に殊のほか手厚いというわけではないはずでありますけれども、このロスという町は、何でこんなに障害者が町に多いんだろうと思ったと言うんですね。

 それは、よく考えてみたら、ロスに障害者が多いのではなくて、ロサンゼルスという町は、障害者が外に出てきて働いたり、遊んだり、活動したりできるいろいろな条件が整っている、サポートする仕組みがある。あるいはバリアフリーの町づくりができているとか、あるいは困ったらどこかへすぐ相談に駆けつければ、日本でいえばJAFみたいな人が助けに来てくれるとか、いわばそういうサービスの仕組みが行き渡っているから町に多い、こういうことなんだという話を聞かされました。

 ああ、そうなんですか、そこへいくのはなかなか大変ですねと。これは公費だけではこういう町の姿というか、あるいはライフスタイルをつくるわけにはなかなかいかないと思いますけれども、しかし、やはり公費が基本にならなければいけない、私はこう思いますね。

 後からそうじゃない話の部分もさせていただきますけれども、先進国の中で、対GDP比、いわゆるいろいろな障害をお持ちの方々に使われている給付費といいましょうか支出が、大臣、今度の十七年度予算を拝見すると、これですべてじゃないとおっしゃるのかもわかりませんが、七千七百億円の支援費の事業費、それから、この委員会で大いに問題になっている居宅生活の支援費は九百三十億円ということでありますから、五百兆のGDPに対比すると、やはりヨーロッパのこれは三分の一なのか、五分の一なのか、十分の一なのか、そんな感じなんだろうと私は思います。

 これは、医療費の問題では、経済財政諮問会議あるいは厚生省も、先般、二〇二五年の目標をある種掲げました。私は、ノーマライゼーションを進めようとするまさにこの障害者支援の関係予算こそ、目標値を掲げるべきだし、掲げてほしい。そのことがありますと、この間のいろいろな議論、論争のところは相当緩和されるといいましょうか、厚生省なり日本政府に対する、我々も、あるいは障害をお持ちの方々も、その御家族や関係者や施設の運営者というものも、随分考え方が変わると思うんですね。

 日本の場合、GDPに対する一%というのが御承知のように防衛費五兆円ですから、一%とは言いませんけれども、現在の七千七百億から進んで、せいぜい五年後にはこの倍はちゃんとやるんだというぐらいの、つまり二〇一〇年、一兆五千億ぐらいの支出が、給付が行われるぐらいの目標値を掲げてこの問題に対処するんだ、このぐらいのことはおっしゃれませんですか。

○尾辻国務大臣 先ほどもお答え申し上げたところでございますけれども、平成十六年度の予算は六千九百四十二億円でございました。これに対しまして、平成十七年度が、今先生この数字を言っていただいたのだと思うんですけれども、七千五百二十五億円、すなわち額で五百八十三億円でございますが、比率でいって八・五%伸ばしております。

 ですから、私どもは、このように着実に伸ばしておりますので、毎年このとおり伸ばせるというふうにも申しませんけれども、十六年度から十七年度にかけて八・五%伸ばした。それからまた、十八年度の概算要求はもっと大きく伸ばして要求いたしておりますので、そうした積み重ねで、ぜひ、今先生おっしゃるように、我が国にふさわしい障害保健福祉関係の予算にしなきゃならないというふうに思っております。

 ただ、超長期的にといいますか、もっと長期的な数字を今私がここで申し上げるわけにはいきませんけれども、そういう努力はしなきゃならぬということは、私どももそのとおりに考えております。

ノーマライゼーションに向け、全国民的な環境整備を

○仙谷委員 私は、この平成十六年度障害者施策の概況というのを拝見しました。こういうのを拝見しましたら、やはり、ノーマライゼーションを強力に推し進めるということであれば、相当気合いの入った予算の要求と目標値の設定と、そのことについての霞が関のみならず全国民的な意識といいましょうか雰囲気の涵養みたいなものがないと、なかなか今の財政状況下ではいかない。

 私は、この間の社会保障議論を拝見しておって、よく自助、共助、公助というような言い方がされます。しかしこれは、自助とか共助の世界というのは、障害者の自立支援というふうなテーマで自助や共助というような概念なりそういうシステムが当てはまる部分というのはあるんだろうかと。

 つまり、健康保険とか介護保険のような保険制度をやってみて、さあどういう範囲が障害をお持ちの方々のリスクを担保するのかというふうに考えますと、やはりこれは共助にはなじまない。自助を強調しても、これはなかなか容易ならざる話であることはもう自明。ということになると、自助の名のもとによる家族負担とか、結局もとのもくあみにかかって、座敷牢でもつくるかみたいな、もうむちゃくちゃな話に返らざるを得ない、そういうふうになっていくんだと思うんですね。やはり基本は公助ということにならざるを得ない。

寄付金控除へ 税制改正が必要

 ただ、もう一つ私が最近気がついておりますのが、ここのところ、これから大臣にも気合いを入れて施策を進めていただきたいのでありますが、これは国全体、特に財務省の問題が大きいのでありますけれども、現場というか、我々が地元でいろいろな方々と接触をしますと、御家族、保護者の方々もいらっしゃいます。それからいろいろな、善意で集まって施設をつくり、あるいは施設がなくてもいろいろな行事を行いとか、この障害者の問題に取り組んでいらっしゃる方々は非常に多うございます。

 それで、異口同音に言われるのは、仙谷さん、寄附をしたいんだけれどもどういうふうにしたらいいのか、寄附の受け皿はどこなんだと。あるいは我々が、我々というのはその人たちが、活動しているところに少々のお金は出してもいいんだと。少々というのは、十万の人もおれば百万の人もおれば一千万の人もおるし。私が死亡するときには、遺産の遺贈先として、例えばそういう活動をしている団体に受け取ってもらうことはできないんでしょうか、例えばそういう相談というか話は受けます。

 そこで、さあこの世界、どのぐらい寄附を受けているのか、厚生省に聞いたんですよ。そうしたら、いや、統計がありませんと言うんですね、統計が。最近、NPO法人とか、何というんですか、特定、認定NPO法人ですか、何かそういうところの資料ぐらいあるんじゃないのと僕が言ったんだけれども、それも今のところありません、こういう返事でございました。

 私は、これはこの間のこの委員会の議論の中で、私もそういう友人や知り合いはおりますけれども、そういうというのは小規模作業所を運営している方々でありますが、この小規模作業所が寄附を受け取れるような仕組みとか、あるいは、もう既にNPO法人成りをしている団体とか、特にこの障害者の福祉をなさっている、その事業をなさっている団体が寄附を、寄附金控除、所得控除を受けられるようなことにもっと必死の努力をされたらいいのではないか。よその族議員のように、毎年末の自民党税調と政府税調が大げんかのもとになるぐらい、あの電話帳の中にやはり書いてもらうか何か、私はようわかりません、自民党のことは。しかし、激しくこの寄附金が、庶民の寄附金あるいは企業の寄附金でもいいんですね、障害者の支援の施策のところに入ってくるようなことをお考えになって、その前提としては、少々この調査統計をおとりになったらいかがかと思うのでありますが、いかがですか。

○尾辻国務大臣 確かにおっしゃるとおりであると思います。

 障害者が地域で自立して、安心して暮らしていくためには、先生が先ほど自助、共助、公助というふうな表現でおっしゃいましたのでその表現で申し上げますと、公助として障害福祉サービスが必要であります。これはまずそのとおりであります。また一方、大きな意味での共助として、寄附を含むさまざまな地域の主体による支援もまた重要なことであるというふうに考えます。

 現に、各都道府県の共同募金会などによって障害分野を含む福祉事業に対して寄附金による支援が行われているところでもございますけれども、日本のこうしたことに対する今までのやり方というのは、外国と比べるとまた、かなりそういうことに対する国民の一般的な意識というのが大きくはないと私も考えます。

 したがいまして、今後、互いに支え合っていく生活、みんなで助け合いましょうということは、今回の障害者自立支援法の中でも申し上げているところでありますけれども、こうしたことというのはさらに進めていかなきゃならないと思っております。

 そこで、きょう、非営利活動に対する寄附金に対する税制のあり方についてもお話しいただきました。本当に参考になるお話をしていただいたというふうに思いますので、私どもも、社会保障をお預かりする立場からもこうしたことに対する研究もさらに進めてみたいと思いますし、もし可能であれば数字も集めてみたいとは思いますけれども、さらにそうした税制のあり方についても議論を深めていく課題であるというふうに認識をいたします。

○仙谷委員 平成十七年六月、税制調査会、これは政府税制調査会です。基礎問題小委員会・非営利法人課税ワーキング・グループ、「新たな非営利法人に関する課税及び寄附金税制についての基本的考え方」というのが税調の方からも出されております。

 その中で、今私が申し上げていることとの関係ではこういうくだりがあります。「こうした中で、これまでになく、「民間が担う公共」の領域の役割が重要となっている。その主たる担い手が公益的な非営利法人であり、その活動を資金面で支えるのが寄附金である。」これを積極的に税制面からもそろそろ拡充をしないと、今までのように全部税金、税金とは言いませんけれども、税金で中央官庁に集めて補助金でばらまくとか、このやり方だけでは、あるいはそういうやり方が中心では、地域における障害者の自立とその支援というのは生き生きしたものになってこないと私は思うんですね。

 だから、公が中心でなければいけないけれども、くしくもここに書かれておりますように、民間が担う公共とか新しい公共というカテゴリーを実現できるようにひとつ施策をおとりいただきたいということを私の方から強調しておきたいと思います。

 もう一つの点は、実は、もう既に前国会で障害者の雇用促進という問題は法改正がなされておるということなんでありますが、私は、今度の自立支援法の論議を通じて、やはりノーマライゼーションで、障害をお持ちの御本人たちも、あるいは御家族の方々も含めて、あるいはノーマライゼーションの姿というのは、普通の仕事に勤められるという人が障害を持っていらっしゃる方の中で大きくふえてくることが一番ノーマライゼーションだと思うんですよね。

 ところが、改めて資料を拝見するとなかなかこれが伸びていらっしゃらない。実雇用率というのでしょうか、これが伸びない。それから、納付金も、三百人以上の企業は義務的な雇用数があって、そこで不足した分については一人五万円か何かを払わなければならないことになっているのに、依然としてそれをお支払いになっている企業も甚だ多いということのようです。あるいは、公共機関においても教育委員会が一番成績が悪いとか、こういうのが出ていますね。とんでもないことだと思うのでありますが。

 この納付金の問題とか、雇用率一・八%というのをもうちょっと拡大するとか、財界を中心とする経済界が少々抵抗しようとも、私は、ノーマライゼーションをより推し進めなければならないという決意があるのであれば、納付金を一人十万円にでもするとか、ちょっと大胆な政策をとらないと、依然として三十年間一日のごとき障害者雇用だみたいな話はよくないと思いますね。

 ここはひとつ大臣が、この際、決断をされるといいましょうか、政治的な判断をする、あるいはそういう議論を巻き起こすという決意をしていただいて、障害者のごく普通の企業における雇用を拡大していくことこそが大事なんだという、その施策を、新しい施策を打ち立てるんだ、その決意をお聞かせいただきたいと思います。

○尾辻国務大臣 この法律でも、障害者の皆さんの所得保障ということについて、三年後にしっかり見直すということを決めておるわけでございますから、今お話しいただいたことも大変大事なことでございますし、ぜひ、今具体的におっしゃったようなことも含めて検討させていただいて、三年後の見直しはしっかりしたものにしたい、それに向けての議論の中で、今のお話なども、申し上げましたように具体的に議論をさせていただきたい、こういうふうに存じます。

○仙谷委員 質問の持ち時間が終了いたしましたので終えますが、最後に一点だけ大臣に、前国会の審議の中で附帯決議がこの衆議院でも確認をされております。大臣自身も、前国会において付された附帯決議の趣旨、これを十分尊重して政省令の制定などに生かしていただけるというふうに我々が理解しておけばよろしいでしょうか。

○尾辻国務大臣 前国会でしていただきました附帯決議につきましては、私どもも十分尊重をさせていただきます。

○仙谷委員 終わります。