衆 - 郵政民営化に関する特別委員会… - 3号

平成17年10月07日

○片山委員 自由民主党の片山さつきでございます。何分新人でございますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 私も、郵政民営化を突破口といたしました改革の続行に国民の御判断を仰いだ九月十一日の歴史的な選挙で、反対の候補者しかおられなかったところに、地縁も手がかりも全くなく、しかも公示の八日前に事務所を開きまして、毎日ただひたすら改革路線の政策を訴え、多い日には二千人以上の方と握手をさせていただき、一言一言を交わして、その方々の改革への民意に支えられて小選挙区を制し、今ここで質問に立つことができているわけでございます。まさに一票一票の重みを今ひしひしと感じております。

 特に、総理も入っていただきましたが、私の選挙区の浜松は、やらまいかの精神で、新しい産業、歴史を次々興して、たゆまぬ企業努力で厳しいグローバル競争、特にこの十年の厳しいグローバル競争を勝ち抜いて勝ち残ってきた土地柄でございまして、郵貯なんて、最近定額類似タイプの商品は銀行で売っているじゃないか、そして、スピードが大事なんだ、郵政民営化ぐらい、僕たちがリストラを一生懸命やっているのに、国がやらぬでどうすると、むしろ、背中を押されて、せかされて出てきたわけでございます。

 そして、この特別委員会の場に出てまいりました民主党案、先ほど先輩の松岡先生がおっしゃったように、大分、大きく今までの御主張と食い違っております。

 あれほど三事業一体でなければネットワークは崩壊と言っておられたではないですか。簡保は二年後に廃止、保険は分割・民営化、郵貯についても、一番の人気商品、百四十兆以上あるわけですが、定額預金は廃止する、これが大体定期に振りかわると思っておられるようですが。公務員の身分は何が何でも失わせてはいけないと多くの民主党の先生がおっしゃっておられましたが、それは非公務員。これは、若干なりとも今回の圧倒的な選挙結果の民意を受けとめていただいたのかなと思うわけではあります。

 政府案と決定的に違いますのは、この中心である郵貯、郵便はもちろんのことながら、郵貯が実質公社による一〇〇%官営。国の責務で行い続け、巨大な官を残し続けている案でございます。

 民間にできることは民間にの小泉改革路線からするといかにも中途半端な感じが否めないと思いますが、この案を出すに至られた基本理念の変遷について、まず民主党さんに伺いたいと思います。

○仙谷議員 御質問をいただきましてありがとうございます。

 今片山委員がおっしゃられたことは、相当の事実誤認があるようでございます。

 きょう、私、マニフェストを持ってきておりますが、二〇〇三年、二〇〇四年、二〇〇五年とずっとマニフェストでこの郵政改革については、私どもは、機能的にまず金融問題と郵便事業の問題というのは分けて考えなければならないという立場に立っていたわけでございます。

 この郵政改革、ことしの郵政改革につきましては、これもまたホームページでゆっくりとごらんいただければいいわけでありますが、三月二十九日付で私どもの、民主党の「郵政改革に関する考え方」というのを出してございます。

 そこで、私どもは、まず政府の小泉郵政民営化法案というものは、先ほど灰色のお話がございましたが、民営化という白い服を着たものの、その体は限りなく黒に近い灰色の体のままであろう、そういうふうに現在も考えておりますし、そういうものだと思っております。

 私どもは、これを基本的に改革するとすれば、郵便事業、そして金融サービスのうち決済機能については、国民の側から見ますとこれは権利として保障し、確保しなければならない、それが国民の生活にとっての極めて重要なライフライン、インフラだろうという観点に立っておるわけでございます。

 それから、金融問題については、御指摘がございましたので、ここはこれからの、民主党案と政府案、小泉案が、どちらが現実的にマーケットとの関係においてよく妥当するかという問題になろうかと思いますけれども、先ほど竹中大臣もおっしゃっておりましたが、三百四十兆円というお金、そして、現在、郵貯が資金残高二百十兆円と言われているわけでありますが、その使途を見ますと、私の計算によりますと、郵便貯金の残高は二百十兆円で、二百三十四、五兆円が全部公的なところに回っている、公的なところに運用をされている、これをして運用というのかどうなのか。

 つまり、この大きな資金量をそのまま丸ごと運用できるのかどうなのか。政府のビジネスモデルも三十五兆円と言っておるわけでありますから、二百十兆から三十五兆円引くと、あとの分はどのように運用されるのか。これは全部、公的資金あるいは国債や公共団体等々に、あるいは特殊法人に回したこのお金をどのように引き揚げて、どのように民間に流すのかというのは我々はわかりません。そんな手品ができるのかどうかわからない。

 ここは多分、入り口の方もダウンサイジング、縮小を図る、預け入れ限度額を低減しながら、そして郵貯の残高の減少に応じて国債保有を減少させていくということがなければ、国債管理政策上も、つまり長期金利の問題もうまくいかないだろう、こういう立場に立っているわけでございます。

 もう一つは、このことが今までもたらしてきたむだ遣いの問題でございます。

 つまり、私の求めに応じて財務省からも資料が出てまいりましたが、丸々現金で約一兆円のお金が、一般会計からだけでも一兆円のお金が毎年毎年財投機関に流されております。地方公共団体まで含めると、多分三兆五、六千億のお金が、郵貯のいわば間接的な利子の支払い、簡保に対する利子の支払いとして三兆円ぐらい払われているんじゃないんでしょうか。

 この構造を変えるためには、入り口からも規制をしていかなければならないというのが私どもの考え方でございまして、そのために、今回のこういう郵政事業、それから資金の決済機能を、これは国家としてきちっと保持しつつといいましょうか、堅持しつつ、金融機能についてはダウンサイジングしながら、これから十二分に自由な活動もできるようなことを担保していく、そういうのがこの法案の理念でございますし骨子であるというふうにお考えをいただければと思います。

 それから、さっき松岡先生がおっしゃったことで多少気になるのでありますが、地域に対するユニバーサルサービスをちゃんと守ることができるということをおっしゃっておるわけですが、そのための地域貢献基金ということになりますと、これは三島JRに対する経営安定化基金と同じ運命をたどるのではないか。結局は、国民の間接的、直接的な負担が発生している。これは、現在の地域の問題、都市と地域の問題というものをよくお考えいただければというふうに思っております。

 以上であります。

○片山委員 あくまで基本理念の変遷については明言を避けられておりますが、きのう本会議で、基本理念はこれでも変わっていないというようなお話もありましたので、それをおいおい追及させていただきます。

 原口理事、六月十五日に、簡保はだれでもどこでも利用できる国民のインフラ、小沢鋭仁議員は六月三日に、庶民の保険は国民の必要最小限の権利とおっしゃっておられますが、新規契約を二年後に廃止すると、無診査で入れる簡保はなくなるわけですから、いわゆる保険排除が起きるのではなかったんでしょうか。廃止すると、これは百八十度の転換となりますが、その辺を含めてもう一度明確にお答えいただきたいと思います。

○仙谷議員 原口さんが委員会かどこかでそういうふうにおっしゃったのかもわかりませんが、それはある種の彼の懸念をその時点で表明したにすぎないんだと思います。私どもは、先ほど申し上げましたような観点から簡保事業というのは考えております。

 とりわけ、簡保というのは発足の当時から、いわば当時の言葉で言いますと細民のというふうに言われておりますけれども、いわゆる普通の庶民の方々の最低限の保障だ、こういう趣旨で、とりわけ民業補完として出発をしておるわけでありますけれども、現時点ではそこは、民間の生保会社とダウンサイジングをした上で競争していただくということの方が、国民の生命保険、自助によるある種の将来保障といいましょうか、そういうものにとってもふさわしい、こういうふうに考えているわけでございまして、これは従来から変わっておりません。

○片山委員 それでは、保険について、簡保は二以上に分割するというが、その基準と、五年間でどのように株式を処分し切るのか、具体的な見通しをお聞かせいただきたい。

○仙谷議員 まず株式の処分の方でありますが、これは政府案と同じように、これから市場動向やあるいは経営の動向を見ながら考えていくということになるんでしょう。

 それから、この二分割、これは二つとは限っておりません、二つ以上に分けていく。例えば私の個人的な、個人的な考え方を申し上げたらまずいから申し上げませんが、いわばこれはサイズの問題として、百十兆ぐらいですか、今簡保の資産というのは。これはやはり余りにも大き過ぎる。やはり適正規模というのがおのずから、簡保事業、生保事業を営むにしても、他の生保会社との関連、あるいは資産運用をなし得る一つの適正規模がおのずからあるのではないか。そこはこれからの、私どもの郵政保険会社出発後においおい考えていくということでもいいのではないか、こう思っております。

○片山委員 今のお答えで非常によくわかったのは、詰まっていない面でございますが、これだけの大会社、当然東証一部上場にならないと売り切れないでしょうが、二〇〇七年十月からのビジネスイヤー、事業年度で八、九、一〇と最低三事業年度の経営指標が達成できないとできない。そして、資産査定、審査、IR、ロードショー、どんなに早くても二〇一一年からしか売り出しができないというのがプロフェッショナルな実現可能性でしょう。そうしたら、二〇一二年九月、民主党さんの期限、すぐ来てしまいますよね。一回で全部売るんでしょうか。実務をどこまで考えていらっしゃるのか、本当に大丈夫か。

 だから、政府案の十年というのは、そういう実務をきちっと考えたいいところなんですよ。こういうところも頭に入れずに書いておられる。政府が十年と言うから五年、足して二で割るのは簡単なことです。原口委員も六月十五日に、ただいまの話ですが、十年でもできないんじゃないかなとおっしゃっていたじゃないですか。また、既契約は今百十兆円、確かにこれからだんだん減っていきます、新規を受けないんですから。あえて分割するほど、だんだん減っていってもツービッグになるのかについての経営試算も今示されておりません。また、日本全国で入院率や疾病率、都道府県でかなり違っております。これを何であえて、対数の法則からいくと一まとまりにした方がずっと有利なのに、分ける理由があるのかも全くわからないということ。それから、地域で分けた場合、転居を何回も繰り返す方の利便性はどこにあるのかということの回答もございませんでした。

 こういった部分も含めて、次に郵貯について聞かせていただきます。公社の一〇〇%子会社で行われるそうですが、この会社の法的性格、商法上の会社なのか、また新たに法律を書いて特別会社にするのか。七百万円、五百万円に政府保証をつけるとおっしゃっている以上、相当な会計や財務のコントロールを期す必要があります。また、税金負担をどうされるのか。銀行免許は持ち株会社法上、郵便事業会社の一〇〇%子会社では当然持てないでしょうが。そのあたりもすべて明確にお答えいただきたいと思います。