理念無き民営化−巨大な「公社」という名の株式会社が誕生する

郵政民営化特別委員会 (6月3日) の質疑

歴代総理と靖国問題− 小泉総理は何を学んだか

○仙谷委員 民主党の仙谷でございます。

 きょうは、郵政民営化と称する小泉さんにとっては大テーマ、国民にとっては全くわけがわからない、この問題についてお伺いをしたいところでございます。

 自民党の先輩の議員の先生方、同僚といいましょうか同年配の方々、そしてまた若手の方々、私も話をする機会を持っているわけですが、そこで聞こえてくる声は、どうも郵政民営化というのは、自民党の中でこれを強力に推進しようとするのはたった一人だ、小泉純一郎総理その人をおいて、あとは竹中さんが、渋々か嫌々か知らぬけれども支えているだけじゃないか、こんな声が一つ聞こえてくるんですね。  それからもう一つの声は、小泉総理は自民党をぶっ壊すと言って自民党総裁になって、総理大臣になられた、自民党をぶっ壊す前に日本をぶっ壊すんじゃないか、こういう声が聞こえてきます。

 この日本をぶっ壊す話は、一つは、現在の状況から見ればだれしもそういうふうに思うのは当然でございますけれども、外交、とりわけアジア外交において、ここまで閉塞状況きわまれり、そして、主観的な願望なのか信条なのかわかりませんが、堂々と国会で相変わらず述べていらっしゃる。他の国がどう思おうと、どう反応しようと、あるいは他の国というのは、ヨーロッパ、アメリカ諸国がどういうふうに評価をしようと、そんなことは全く関知していないと言わんばかりの態度であります。

 一昨日に至っては、河野衆議院議長が総理大臣経験者五人をお呼びになってお話をされた。そして、本日の新聞を拝見いたしますと、中曽根元総理も、これはまずい、態度を変えた方がよかろう、この種のことを発言されたというのが報道で出ております。

 私は、五月十六日の予算委員会でも小泉総理に、中曽根さんの例も引き、そして先般の河野議長と前総理大臣五人がお話しになられてある種合意を見たと報道されているような内容について、同じようなことを申し上げたはずでございます。

 そこで、改めて小泉総理に確認をまず一点だけしておきたいんですが、この国会でおっしゃっているようなことを四月二十三日の胡錦濤さんとの首脳会議でちゃんとあなたの方から主張したのかどうなのか、それから、中曽根総理の昭和六十一年八月十五日付の胡耀邦総書記あての書簡というのはお読みになったことがあるのかないのか、この二点だけちょっと答えてください。

○小泉内閣総理大臣 私は、胡錦濤国家主席との会談の内容について、どういうことをとつまびらかに言うのは差し控えたいと思いますが、私の靖国参拝に対しての考えは会談の中で述べております。

 それと、中曽根総理の直接胡耀邦書記にあてた手紙というのは、読んだ記憶はありませんが、当時の後藤田官房長官が出した談話あるいは中曽根元総理自身から、胡耀邦主席とどういう話をしたかということは、中曽根元総理の口から伺っております。

○仙谷委員 詳しくこの問題に入ることを避けたいと思っておるんですが、中曽根さんは、私の実弟も海軍士官として過般の大戦で戦死し、靖国神社に祭られている、したがって、個人的には靖国神社にお参りをしたいと。しかし、先般も申し上げましたけれども、結果として、総理大臣が靖国神社に参拝することがアジア諸国の国民に大きな傷を与える、だから政治家として公式参拝を行わないことを決断いたしたという、個人的には非常に感性的な書簡を書いていらっしゃったわけですよ。

 今、小泉総理に問われていることは、我が国のトップリーダーとして、総理大臣として、政治家としてどういう政治判断をすることが日本の中長期的な国益にかなうか、このことだろうと思います。換言すれば、総理の、総理としての適格性が問われている、そのように私はこの間の論議を聞いておりまして改めて感じているところでございますので、その旨を申し上げて、郵政の問題に入ります。

郵政民営化−何が変わり何が変わらないか

 まず、今わかりにくいのは、先ほど我が党の小沢鋭仁さんもお伺いをしていたわけでありますが、この小泉総理と竹中大臣が推し進めていらっしゃる民営化というのは、国民、今、郵便局を対象にといいましょうか相手にといいましょうか、生活のレベルで国民が郵便局と接しているわけですね。これが、何が変わって何が変わらないんですか、この郵政民営化法案で。総理、どうですか。

○小泉内閣総理大臣 まず、目に見えて変わるところを少し挙げろといえば、これが民営化された暁には、郵便局へ国民の皆さんが行った場合に、今の郵政三事業以外の業務をしていると思いますね。

 例えば、郵便局に行って、今、いろんな物品、サービス、これは限られております。いわゆる郵政三事業に限られております。どの商品を売ってはいけない、どの事業をしてはいけない、そういう、国営事業でありますから、制約されています。これが、民営化になって郵便局へ行ったとする。そうなりますと、おお、郵便局にはこんなものも売っているのか、こういうものも買えるのか、今までになかったものも扱っているのかということは、目に見えてくると思いますね。

 それと、これはなかなか目に見えにくいんですが、国営ですからどうしても、郵貯資金等は、各特殊法人等の資金供給する場合には、国債を主に運用していますから、どうしても、国民の必要な分野に提供するわけでありますが、同時に安全というものを十分考えなきゃいけない、資金の。かなり、民間事業がやっているような、成長分野であるけれども多少危険が伴うなと、損失を大きく出しかねないような運用というのは手控えなきゃいけませんね。そういう点からこの資金の運用については制約が今加わっていますので、これがかなり解き放されて、今よりも自由な収益活動を伴う、同時にある面ではリスクを伴うかもしれませんが、資金が民間の分野に流れていくと思います。

 それと、これは行政改革で、できるだけ国民は公務員の数を減らしなさいということを要求しておりますが、常勤職員の約二十七万人と短時間職員の十二万人を加えると四十万人の国家公務員が、ああ、この仕事も民間人でできるのかということがわかるようになると思います。そして、民間人になって、経営者が、民間会社になったんだから決して倒産させてはいけない、各民間の似たような企業と競争します。

 この競争におきましても、同一条件ですから、今までの三事業に制約されないで、同じ民間の会社と同一条件の中でいろいろな仕事を展開していいといいますから、それぞれ創意工夫を発揮できる。なおかつ、創意工夫を発揮しても収益を上げなきゃなりませんから、収益を上げるためにはできるだけの努力をする。ほかの会社で高い商品を売っていたら、できるだけ低い、安い商品を出そうと展開するでしょう。あるいは、ほかの似たような会社が時間制限がある場合には、自分のところは、時間制限をしても、ある面では時間延長も考えるでしょう。いろいろな面において、国家公務員がやるよりも時代の変化に対応して柔軟な対応をしてくれるのではないか。

 そして、今まで国営ということで税負担を免除されていたわけでありますが、民間と同一条件ですから、当然法人税等を負担しなきゃならない。こういう点についても、税金を国庫に納めてくれる、財政的にも寄与してくれるし、何よりも、公務員を削減しなさいという国民の要求にもこたえられる。

 我々は、今、民間がどういう事業をやるかという場合に、小包の配達を一つとってみても想像できないようなサービスが展開されているわけですから、今我々が想像できないような事業展開もしてくれるであろうと。

 特に、窓口サービス会社、郵便局会社になりますけれども、これは今までにない郵便局サービスを展開してくれるし、あるいは、郵便局舎というのはかなり一等地、いい土地に建てられる郵便局舎もあります。これも、国営である限りは制約がありますけれども、民営化されれば、いい土地においては郵政三事業以外にほかの事業もできるのではないか。収益を上げられる、あるいは国民のいろいろな要求にこたえ得るような事業もできるのではないか。有効土地利用にもつながる。

 これは、民間と競争は熾烈になると思いますけれども、この競争のあるところにこそサービスが拡張される。そういう、今では我々が想像できないような事業展開とかサービス展開をしてくれるのではないかと期待しております。

デメリットはないのか

○仙谷委員 何かたらたらと説明されましたけれども、余り説得的じゃないんですよね、それは後で言いますけれども。

 それでは、翻って、これは国民にとってデメリットというのはないんですか。やはりデメリットはあるんじゃないですか。小泉・竹中路線のもとで進められる郵政民営化で、でき上がった絵によって、国民にとっては不利益とかデメリットとか危険度が増すとか、何かそんなことはないんですか。あるかないか、答えてください。

○小泉内閣総理大臣 これは、今の郵便局が全部存在するとは限りません。身近な郵便局がなくなる可能性は当然出てくると思います。

 過疎地には設置するという義務基準が設けられておりますが、都市におきましては、例えば中央区などにおいては郵便局が五十局以上あると思いますね。果たして、一つ二つあるいは数行郵便局がなくなってサービスが低下するかというと、民間のサービス展開するところがありますから、不便を感じなきゃいいわけです。だから、身近にあった郵便局がなくなった付近の人は、ああ、ちょっと不便になったなという感じが出てくると思います。

 それは、市町村の合併でもあるいは各中央官庁の地方の支分部局におきましても、行政改革で統廃合の問題が出ると必ず反対が出ます。役所、市役所、町役場あるいは中央官庁の支分部局、こういう部局が統廃合されると、近くにいた人は、おれたちのところにいてくれ、いろいろな役所の行政事務、一々、合併したからといって遠くに行くのは嫌だという陳情が必ず出てきます。

 しかし、それは、あらゆる地域に国家公務員なり地方公務員が全部、行政事務を置くところへ全部置いてくれればこんな楽なことはないんです。しかし、それには当然負担が伴います。だからこそ、中央官庁の出先機関も支分部局を統廃合する場合には、あったところが統合によってあるいは廃止によってなくなる、遠くに行かなきゃならないというところは不便を感じるでしょう。市町村合併でもそうです。町役場が、三つか四つの町や村が市と合併するという場合に、議員の数も減りますけれども、同時に町役場もなくなるところがある。すると、一々、今まで近くにあったのが遠くに行かなきゃならないと不便に感ずる。

 郵便局も、私は今の郵便局が全部保持されるとは言いません。当然なくなるところも出てきます。しかしながら、過疎地域とか離島地域には必ず、設置義務が置かれているわけでありますから、そういう不便は起こさないような措置を講ずる。しかしながら、そうでない、かなり多く設けられている都会の部分、都市の部分においては、なくなった場合には、廃止される場合には、その近くの郵便局を利用していた方々には不利益といえば不利益になるということは否定いたしません。

○仙谷委員 国民にとってのデメリットは、この民営化がされると発生するデメリットは、郵便局の統廃合によって郵便局がなくなる人だろう、そういう地域の人は不便だろう、それだけなんですね。今の郵政公社を五分割して株式会社化するという、それが先にある、へ理屈をつけるからそうなるんですね。

 小泉さんがおっしゃってこられた民にできることは民に、つまり、民にできることなのに、今は官がやっているとか、官が主導的にやっているとか、官が規制をかけて民間が自由に事業展開ができない、それを、規制を撤廃したり官がやることをやめたり、そして、現在の民間がやっておったり、新規参入をしてやってください、これが、民にできることは民にという話じゃないんですか。今のお話は、現在、民がやっていることに、半官半民のようなこんな巨大なリバイアサンが、怪物が進出するぞという話でしかないじゃないですか。何で民ができることは民にですか。

巨大な怪物となって民業圧迫

 いいですか、今おっしゃった、小泉総理がおっしゃった、何かいいことの中に入っていましたね、いいことの中で、こんなことができるんだ、こうおっしゃったけれども、それは今民間がやっていることじゃないんですか。今、民間の業者が全部やっているじゃないですか、銀行業から何から。何で今からしゃしゃり出る必要があるんですか、そんなところへ。違うんですか。

 では、竹中さん、何か自慢そうに言っているけれども、民営化後の新規業務等と書いてあるんじゃないですか。こういうビジネスモデルをつくろうとするんでしょう。どこかのコンサルティングに高い金を払ってこんなものをつくってもらったんだろうけれども。貸し付け、シンジケートローン、私募債、株式、クレジットスワップ、CDO、ABS、ファクタリング、ローンパーティシペーション、よくわからぬ、保証業務。我々でわからないようなことばかりいっぱい書いてある。

 これは今、民間がやっていないんですか。民間銀行や民間の証券会社や投資ファンドや、そういうところがやっていることじゃないんですか。これ、民間がやっていないんですか、やっているんですか、答えてください。

○竹中国務大臣 一つ、高いお金を払ってコンサルタントがやったんだろうとおっしゃいますが、それは違いますので。準備室で一生懸命汗を流してやった作業でございます。

 これは、民間でできているじゃないかと。公社がやっていることも、お金を集めたり、ゆうパックを運んだり、これも民間でできていることなんです。だから、民間でできているから民間でやればいいじゃないかとまさに今仙谷さんおっしゃったとおり、だから、民間でできることは民間でやりましょう、そしてしっかりと競争をしていただきましょうと。

 加えて、郵政の場合に重要なのは、二万四千という全国に張りめぐらされた貴重なネットワークがある。このネットワークでしっかりとこれまでも社会的な機能も担ってきましたから、これはしっかりと残していこうということなんです。この二万四千のネットワークを活用して、我々は、改革をするに当たって、資源活用の原則、雇用配慮の原則等を掲げておりますから、それを活用して、さらに地域に、地域住民の生活の利便に資するようなサービスをやっていただこうではないか。

 その中には、まさに窓口で、さらに地元のNPOと連携したり、地元の市町村といろいろ考えながら新しいサービスを提供したり、いろいろなものが出てくるだろう。これは、今はそういうことはできないわけです。二万四千の拠点がありながら、郵便と郵貯と簡保と、国の機関であるがゆえに限定的なサービスしかできないわけでありますから、まさにそういうことをやっていないところは、新たにサービスを提供していただこう。そして、民間と同じような業種で今既に公社がやっていることは、だから、民間でできるんだから、その分民営化してやっていただこう。そういう形で民営化のメリットを生かして、国民の利便を高めていこうというふうに申し上げているわけです。

郵便局の機能は5つに分割されるとどうなるか

○仙谷委員 何でこんなに五つに切り刻んで、同じことをやらせようとしているのか、私はわからぬのですよ。つまり、代理店契約を、郵貯バンクと郵便保険会社は、金融業務を窓口会社に代理契約するんでしょう、代理委託契約するんですね。国民から見ますと、郵便局へ行ったときに出てくる元の郵便局員、職員、従業員、この人は、名札を幾らぶら下げて出てくるんですか。

 つまり、一人の中に、窓口会社の職員としての地位と、郵便貯金銀行から窓口会社が代理委託業務を受けてその業務を処理する地位と、保険会社から代理業務を受けてこなす地位と、郵便事業会社から代理業務を受けてこなす地位と、一人の中に四つ持つわけだ。混然一体として一人の職員がその業務をこなすわけでしょう。国民にとって何が変わるんですか。

○竹中国務大臣 今、地位、地位とおっしゃいましたが、職員としての地位、身分は、郵便局会社の職員としての身分、地位、それに尽きます。

 その場合に、代理業務を行うから、銀行の商品を販売する、そして保険契約のあれを販売する。これは、何か非常に混同するというような言い方をなさっているように思いますが、しかし、例えば、これはちょっとあえてわかりやすい例として申し上げますけれども、地元のコンビニでコーラの会社がつくった商品を売る、パンの会社がつくった商品を売る、販売業としては当然やるわけです。

 窓口会社というのは、その意味では、地元の地域、地元に密着した販売窓口、販売業務を行うわけでございますから、これは、いろいろな仕入れ元から、代理契約等々に基づいて窓口で顧客サービスをするということでありますから、これは先ほど言いましたようにイギリス等々でも行われていることでありますし、現に、今の郵便局の特定局の事業というのはそうなっているわけですね。

 普通の特定局へ行きますと、切手を販売したり書留を受け取れたり、いわゆる郵便窓口業務というのは、局によりますけれども、平均すると三割とかそういう程度なんだと思います。あと七割とかは、貯金を売ったり保険を売ったりするということをやっているわけですから、それがさらに多様化して拡大していく。多様化して拡大していくことによって、地元の利用者へのサービスが高まっていくわけでありますから、そのメカニズムそのものをまさに我々は活性化して、生かしていきたいというふうに申し上げているわけです。

○仙谷委員 甚だ大胆かつ大ざっぱな話でありますけれども、細かく聞きます。いいですか。

 では、あなたがおっしゃる株式仲介、それから、投信販売はもうやっていますよね、いいですね。投信販売はもう今年から始まったんですよね。生保の販売、変額保険、損害保険と書いてありますよ。これを窓口会社の職員がやります、代理業務として販売します、そこまで認めましょう。販売代金を郵貯バンクの職員として融資することはできるんですよね、これは。

○竹中国務大臣 お尋ねの趣旨ですけれども、郵便局の職員が郵貯バンクの融資の業務を行うことができるのかということでございましょうか。

 これは代理業の中身が今後どうなっていくかということですが、通常考えられる範囲で、この融資の審査というのは、これは専門の金融的な知識が要るわけですから、郵貯銀行の方で審査をして、実際の資金の交付等々の窓口にはなるかもしれませんが、郵便局の局員さんが融資判断するとか審査をするとか、それはもちろん想定されていないと私は思います。

 前回の委員会でも申し上げたんですが、これは決して郵便局の局長さんが銀行の支店長さんのような形になるということではございません。あくまでも販売等々、預金業務等々の販売の代理を委託するわけでございますから、もちろん物すごく長い将来的に将来を考えて、どういう内容の委託を結ぶかというのは、これは何十年先のことはわかりませんけれども、当面考えられるのは、預金の受け入れというような業務を代理して受ける、そのようなことが想定されているわけです。

郵便局で本当に融資業務ができるのか

○仙谷委員 私は法律的に聞いているので、できるかできないか聞いているんですよ。できることになっているんじゃないですか、これは。融資できるんだから。

 つまり、いいですか、全く別のポジションを持つ人が、生身の人間としては一人の中に四つのポジションを持って、利害相反であろうがなかろうが、それを混然一体と処理することができる、そういうことになっているから危ないと思って聞いているんじゃないですか。これがバブルのときの問題だったわけでしょう。堂々と変額保険と書いてあるけれども、変額保険の大問題じゃないですか。違うんですか。変額保険を売ってそれを融資する、反対に、融資するから変額保険を売るんだと。全部そうだったじゃないですか、バブルのときは。

 私が経験した例では、信託銀行は当時から不動産取引仲介をやっていました。合法的にできた。我々が買い主と売り主を連れて融資してくれと行ったら、どうぞ、土地の売買代金を融資しましょう、そのかわり、この専任媒介契約書に判を押してくれと売り主と買い主から金利以外に三%取った。なおかつ、売買代金を買い主に融資し、買い主が売り主に払う、売り主からそれを定期預金で取り上げる。これがバブルの一つの大きい問題だったんじゃないですか。

 あるいは、もっと言えば、メガバンクでもみんなおかしくなったのは、株だ、ゴルフの会員権だ、ディーリングだ、デリバティブだと貸し込んでそういうものを買わせたということじゃないですか、親密取引先と称して。これを個人のレベルでやろうとしているんでしょう、今度は。できることになるんでしょう。

銀行法では他業禁止が明記されている

 審査をすると言うけれども、では、サラリーマンが収入証明書を持っていって、この枠内で、例えば月百万の枠内では郵貯カードを使って決済できますかと、このシステムをしないで何のビジネスモデルなんですか。これを扱うのが、具体的な人間としては同一人の中に利害相反するポジションが入っている、それを許す体系になっているから、こんなものは、今、伊藤さん、出ようとした。伊藤大臣が出ようとしたのはわかります。こんなものは現在禁止されているじゃないですか、全部。何で現在禁止されていることがこうやすやすとこんな法案に載ってくるんですか。銀行法と保険業法で禁止されている、そうじゃないんですか。他業禁止、代理店の兼業禁止、持ち株会社の、事業会社の保有禁止じゃないですか。

 これだけがんじがらめに銀行業と、あなた、得々として物を売るとかなんとかと言うけれども、物からサービスから売ることが許されるような法体系には現在なっていないんですよ。どうしてこういうことができるという大胆かつでたらめな発想になるんですか。総理大臣、お答えください。

○伊藤国務大臣 私から御説明をさせていただきたいと思います。

 今まで郵政の事業というのは三事業一体に行われていたわけであります。このたびの郵政の民営化によって、この三事業、そしてもう一つ窓口ネットワークというのがありますから、四つの機能というものを自立させて、分離をさせて、そして、それぞれの機能の専門性というものを高めていく、そうした改革の制度設計をしているわけであります。

 今、委員のお尋ねは、その本体において他業禁止されているにもかかわらず、それが一体になって行われるのではないかというふうに思っておられるかもしれませんが、本体は他業禁止なんです。ですから、今回の制度改革においても法律違反が行われているわけではありません。窓口ネットワークにおいて、銀行の代理、そして保険募集、さらに投信商品の販売、こうしたことが行われることが想定をされるわけでありますが、これらの代理販売業務を行うに当たっては、それぞれの業法の規則に従って適切に遂行することが求められているわけであります。

 仮に、郵便局株式会社が郵便貯金銀行の融資の代理業務を行う場合でも、銀行法に基づく内閣府令を定めて、例えば貸し付けを行うことを条件として他の金融商品を販売することを禁止するなど、必要な弊害防止措置を講じることを予定いたしております。

 さらに、委託元である郵便貯金銀行が融資業務を行うには、内閣総理大臣、金融庁が十分な業務遂行能力を認めることが前提となりますし、そして、委託元である郵便貯金銀行に対して、内閣総理大臣、金融庁が実効性ある監督を行うことになっておるわけであります。

 これらの措置を通じて、郵便局株式会社が健全かつ適切なそれぞれの金融業務を行うことができると考えております。

「何でもあり」では借金を抱える危険が増大

○仙谷委員 もし、あなたが、伊藤大臣がそういう解釈をしているとすれば、そういうのを腰ぎんちゃく解釈と言うんです。解釈、運用が、大もとで分離されているからいいんだ、それを具体的に扱う例えば郵便局員が同一人物であっても、そこで混然一体となってもいいんだなんて、法律を実質的に解釈すれば、そんなばかな話になるはずないじゃないですか。何を言っているんですか、あなたは。顔を洗って、もう一遍法律を勉強し直してこいというんだ。そのぐらいの問題なんですよ。なぜそんな無理までしてやらなければならないのかというのが今度のこの民営化法案の大問題なんですよ。できもしないビジネスモデルを机上で書くからそんなことになるんですよ。

 いいですか、私は本当に、国民にとって何が何だかわからぬわけですよ。出てきた人が四つ名札をつけて出てきて、さあ今の段階は、私は金を貸す人です、そうでしょう。あるときは不動産仲介をやります、できるんでしょう、これも窓口職員が。

 このことによって、個人は確かに、商品取引や商品売買やサービスを買うのを決済を郵便局でできるから便利になるかもわからない。しかし、それはそれなりのリスクが増大するということでしょう。だから、金貸し業は、融資の業務は原則として他業禁止なんでしょう。今までの歴史は、金融業の世界でも他業禁止だった。その垣根をどんどんどんどんおろしてきた。今度のこの郵政民営化法案なるものは、金融業にとどまらず、建設業であろうと不動産業であろうと、いろいろなサービス業であろうと物品販売業であろうと、その他業を全部飛び越えて、何でもありの世界をつくろうとしているんじゃないですか。こんなことが許されますか。

 ということは、いいですか、ユーザーにとっては、それだけ借金を抱えるリスクがふえるということですよ、僕に言わせれば。これだけ信用経済になっているわけですから。現に、個人破産はどんどんふえているじゃないですか。カード破産もふえているじゃないですか。いいですか、なおかつ……(発言する者あり)どこがへ理屈なんだ。いいですか、なおかつ、そのことによって発生する問題は、先ほど申し上げたように、現在民間がやっていない業界であればともかく、現在民間がやっている業界に新たに郵便局が参入するわけですから、その分野はトレードオフの世界になるでしょう。

 例えば、住宅ローン一つとって考えてごらんよ。住宅ローンを今度郵貯バンクができることになったら、どんどんどんどん子供は減る、結婚の世帯も減っている、住宅建設はどのぐらいふえますか。改築とか、解体して新築とかいうことはあるでしょう。その住宅ローンを、郵便局がそれをできるとなったら、地方の信組、信金、労金、第二地銀、地銀、このシェアの中で争うんじゃないんですか。団塊の世代の子供が成年になるときのように、どんどんどんどん、百万戸が百二十万戸、百二十万戸が百六十万戸、そんな世界は、少なくとも十年、二十年、三十年、四十年、予測する方がばかだと言われるじゃないですか。

 そういう業界の見通しの中で、何でわざわざ窓口会社と称して、それが郵貯バンクの住宅ローンの代理業務を引き受けて、田舎の人たちに、地元の人たちに、地方の人たちに便利だと。民間の業務を侵食する以外の何物でもないじゃないですか。そしてその上、先ほどからも申し上げているように、実態としては、銀行業法も保険業法も、すべての他業禁止の規定にほおかむりして前へ進む、こんなことでしかないじゃないですか。こんなことが何で許されるんですか。

 谷垣さん、何かじっと見ていらっしゃるけれども、御意見ございますか、法律家として。

○竹中国務大臣 法律家としての谷垣大臣の御意見は後でじっくりお聞きいただくとしまして、今の一連、仙谷委員、いろいろなことをおっしゃいましたけれども、何か名札をいっぱいつけてくるとか、名札は一つなんですよ。名札は郵便局の、郵便局会社の名札しかないんです。そこで、例えばコンビニの例でまた申し上げるならば、パンも売るし、コーラも売るし、いろいろなものを売ります。しかし、売るに当たっては、パンを売るときのルールがある、コカコーラ、コーラを売るときのルールがある。そういう業法、ルールは、それぞれに一般の法規はきちっと適用していただく。だから、何かいきなり融資をして、何かバブル経済がまた来るような、そういうお話では全くないわけです。

 それともう一つ、民間のマーケットを侵食する、侵食するというふうに言われるんですが、我々はこれを十年という長期をかけてやっていくんです。十年の間に、これは決してゼロサムではないわけです。この十年間に、「改革と展望」や二十一世紀ビジョンの中で経済の見通しを出しておりますけれども、実はGDPはこの間に一・五倍になります。今そのような改革の経済運営を行っている。それに合わせて、GDPに合わせて銀行の融資もふえますから、銀行の融資、まあ、GDPに対する比率はどんどん減っていくにしても、それにしても相当規模の融資のマーケットというのは出てくる。

 加えて、政策金融を改革します。住宅金融公庫の残高が六十兆円、その他の政策金融の改革の残高が七十兆円、そういうものについて、これは、住宅金融公庫はこの業務から撤退していって、それで他の政策金融の規模も半分にするわけですから、そこに出てくる新しいマーケットの一部を、これは民営化された新しい郵政が担うかもしれませんが、まるでゼロサムの世界で、民間のシェアを丸々食ってしまうような、そういう話ではありません。

 繰り返します。この間にGDPのサイズは一・五倍程度になる中で、実は、まさにその中で、今民営化することによって、官から民への流れを、これは実現していくことができる、そのための制度設計をしているわけでございます。

○仙谷委員 あなたに聞くから。

 今の銀行法八条の三項の規定及びこれを受けた内閣府令の解釈として、竹中大臣の言われたこと、正しいですか。

 つまり、代理店を、代理店として、銀行業のですよ、行う場合には、それをちゃんと表示しなきゃいけないんじゃないですか。それをこなす人も全部表示しなきゃいけないんじゃないですか。郵貯バンクの代理店として、名札でもつけておいてもらわないと困るんじゃないですか、それ。

 名札なんかつけるわけじゃない。つまり、代理店業務を処理するということを表示しないで、代理店業務ができるんですか、窓口会社が。

 何を言っているんですか。でたらめじゃないか。

○竹中国務大臣 ちょっと誤解があるといけませんけれども、代理をする場合は、そのときのルールは当然あるわけですが、私は、どの会社に身分とか地位とか帰属するというようなことで、いっぱい名札がつくわけではないということを繰り返して申し上げているわけです。

○仙谷委員 わざと質問をはぐらかせて、取り違えて、時間だけ稼ごうとしているんじゃないか。

過去勤務債務の扱いはどうなっているか

共済年金の支払い義務をふまえるべき

 麻生大臣、話題をかえますので、答えてください。

 いいですか、総務省に郵政事業の公社化に関する研究会財務会計制度ワーキンググループ、こういうのがあって、平成十四年七月に最終報告を出したというのは御存じですか。

○麻生国務大臣 そのときには総務大臣をやっていたわけではありませんから細目は詳しいわけではありませんが、その種のものが出されたという事実は知っております。

○仙谷委員 そこにこういうくだりがあります。「退職給付引当金の認識」「現在、退職給付債務に係る引当金を計上していないが、公社会計に「退職給付に係る会計基準」(一〇・六・一六企業会計審議会)を適用し、退職手当及び退職共済年金について、次のとおり退職給付引当金を計上するなどの会計処理を行う。」こういうくだりがあるんですよ。

 そこに「ア」と書いて、「退職手当の取扱方針」「国の職員であった期間の過去勤務分に相当する退職給付債務に係る引当金は、公社設立時点において一括して計上することが適当である。」「イ」は、そういう引当金として計上しないで毎年、「毎期の負担金を会計上の費用として処理することが適当である。」こういうふうに書いてあるわけです。どちらかでいくぞ、こういうふうに書いてあるんですね。

 今、民間の会社は、民間の企業会計基準は、この退職給付に係る会計基準に基づいて退職給付引当金を計上している。していなければ、そういう会社だと思われる。つまり、隠れ債務を持っている会社だというふうにマーケットで評価をされるということは御存じでしょうか。

○麻生国務大臣 一般常識として、企業会計の基準がそのようになっていることを知っております。

○仙谷委員 平成十九年四月以降にこういう会社が五つできて、郵便貯金会社、郵便保険会社、この二つは少なくとも十年の間に株式をマーケットで売却していく、こういう計画ですよね。その際には、今申し上げた、麻生総務大臣が肯定なさった、企業会計基準で退職給付引当金を計上するということをしなければ、とてもマーケットでは売れないと思いますが、竹中大臣、いかがですか。

○竹中国務大臣 公社の職員が将来退職した際に支払われることになる退職給付について、旧郵政省、旧郵政事業庁時代には、国の他の会計と同様、負債として認識されなかったわけですけれども、公社化に際して、企業会計方式を導入したことに伴いまして、これを負債であります退職給付引当金として全職員分を一括計上したという会計制度の変更を行ったものと承知をしております。

○仙谷委員 全然わかっていない。

 これ、麻生大臣でもどなたでもいいんですが、もし退職給付引当金を計上するとすれば、現在の郵政の職員分、これはどのぐらいになりますか。

○生田参考人 済みません、かわりに回答させていただきます。

 公社化に伴いまして、それ以前のいきさつについて私、全然知らないんですけれども、新しい会計基準で退職給付引当金は積み立てております。今、約二兆七千億強ございまして、例えば郵便が今五千五百億ぐらいの債務超過になっているんですけれども、その資金を捻出するために債務超過して、そのバランスシートのそれ以外のところがその分へっこんだわけでありますけれども、退職給付引当金そのものは現在積ませていただいております。

○仙谷委員 これはちょっと違うんじゃないですか。

 私、決算書を見てみました。附属明細書まで見ました。一時金として退職給付は計上されていますけれども、過去勤務分は計上していないという返事をいただいたんです。過去勤務分は計上できていない。毎年の負担金処理として千三百億ぐらいが損金として計上されているだけで、いいですか、退職給付引当金債務としては計算もしていないし、計上もしていないということは、きのうからしつこく私聞いていますけれども、そういうお答えしか返ってきていません。どうですか、本当に計上しているんですか。それだったら、ここにこういうふうに載っているというふうに出してください。

○生田参考人 率直に申しまして、その点、十分勉強をしないで出てまいりましたから、今正確な数字はありませんけれども、過去勤務債務はしていないと思います。したがって、それは残っている債務として今後考えるべき問題と思っておりますけれども、正確にはちょっと、帰りましてから調べさせていただきたいと思います。

○仙谷委員 これは正直なお答えをいただいたわけです。これは実は大変な問題で、この問題が明らかにされないとこの審議を続けられないぐらいの話なんですよ。すべて虚構の竹中プランが吹っ飛ぶ話なんですよ、いいですか。

 財務大臣、国共済の現在の給付現価と財源構成、つまり、今申し上げた国共済全体の、民間の企業会計でいえば、本来ならば積み立てるべきこの過去勤務債務が総額幾らになっているか御存じですか。少なくとも私が問い合わせた結果は、現在はそんな計算はしていない、のんきなこと言っているんだけれども、どうですか。

○谷垣国務大臣 国共済全体で過去期間に対応した給付現価は約三十七兆なんですが、そのうち、今御議論の郵政に該当する部分は、大体約四分の一と算定されておりまして、九から十兆という額であろうと思います。

○仙谷委員 九から十兆と言いましたよね。それから、生田総裁は正直に、郵便事業部分は債務超過だ、こうおっしゃいました。そうすると、総体として六兆ぐらいしか資本金部分がないというのがことしの決算結果なんですよ。

 私は、実は平成十一年再計算ベースというのをもらいました。これによると、約二十八兆七千億が平成十一年再計算ベースの過去勤務債務で、民間企業でいえば積み立てるべき、積み立てないと隠れ債務になっている分だというふうに思うんですね。これは国共済全体ですよ。今おっしゃるように四分の一だと計算すると、大体七兆円なわけだ。だから、谷垣大臣がおっしゃった九兆というのは、極めて正しい数字だと思うんですよ。

 九兆積み立て不足の会社が、何でこんなものが市場で売れるのかという話になります。今申し上げている話は、これは企業会計の問題としては大変重大、重かつ大。この問題を解決しない限り、民営化もへったくれもないというのが私の考えでございます。

 委員長、この問題は私に再質問の機会をとっていただいてもいいんですが、処理をしてください。

○二階委員長 ただいまの仙谷由人君の要求に対しまして、後の五十嵐議員の質問の際にお答えするまで、ただいまから準備をいたしますから、そのように御了承願います。

民間会社にするなら、企業会計原則にのっとって処理すべき

○仙谷委員 この点は、中央省庁改革基本法、この中でも実は、皆さん、三十三条の一項が問題になりましたね、民営化なんかしないなんて書いてある。

 実は、郵政省の現業から公社に移行するときですら、この中央省庁等改革基本法一項の四号、「予算及び決算は、企業会計原則に基づき処理するものとし、その予算について毎年度の国会の議決を要しないものとするほか、繰越し、移用、流用、剰余金の留保を可能とするなどその統制を必要最小限のものとすること。」企業会計原則に基づくと書いてあるじゃないですか。今度はこれを民間の会社にしようとするんだ。民間のマーケットで通用するような企業会計原則を使わない、そういう前提での民営化などということがあり得るはずがないと私は思うんです。

 それで、おかしいなおかしいなと思っていたら、実はこの点は、ここにインチキのネタが隠されているんでしょう。郵政民営化法案第五十一条「国家公務員共済組合法の適用に関する特例」。

 つまり、小泉さんの売りは、今度の民営化の売りは非公務員化だと、さっきも一生懸命言っていたじゃないですか。では、何で共済年金の話だけ公務員に残すんですか。最も、人件費の中でのこの種のものに、フォードであれGMであれ、大きい会社がみんな困っているんじゃないですか。もし純粋民営化理論でいくとするならば、こここそちゃんと企業会計原則にのっとって引当金を積んで、民営化して厚生年金に入っていただけばいいじゃないですか。だから、どうも考えてみると、お金不足でそれができない、それで国家公務員共済組合に残した、これはそういう話じゃないですか。

 総理、今のここまでの話を、私の話を聞いて、何か感想ありませんか。

○竹中国務大臣 国家公務員共済に関してでございますけれども、これは我々の民営化の五原則に沿いまして、雇用とか、そういった待遇には当然のことながら十分に配慮をしなければいけないということになります。したがって、我々の基本方針、去年の九月十日の基本方針でも、待遇のあり方について、制度設計の中で職員の待遇について不利益が生じないように配慮する。

 それで、長期的には厚生年金に当然移行することになるわけでございますけれども、これは公的年金制度の安定性、公的年金制度そのものも安定性を保たなければいけません、それと公平性が確保できますように、具体的な移行の方法等について、関係者の意見を踏まえた慎重な検討が不可欠であります。したがって、職員の身分、条件の安定と公的年金制度の安定性、双方を踏まえて、当分の間は国家公務員共済を適用しようとするものでございます。

 ちなみに、このような職員の身分や組織形態と年金制度の適用関係については、いわゆる旧三公社の民営化時におけます年金の取り扱いと同じでございます。これは専売公社及び電電公社、また、国鉄等々の民営化の事例がありますが、国鉄や電電公社の場合も、十年から十二年という経過を経て国家公務員共済から厚生年金に移行しているわけでありますので、過去の事例にもならって、双方の制度が安定的にいくようにこのような経過期間を設けているものでございます。

○仙谷委員 竹中さん、あなたの好きなマーケットが、そんなええかげんな答弁を評価すると思いますか。これは、いかに非公務員化という売り言葉がインチキかということと同時に、本当は民営化など財政的にできない、隠れ債務を隠したままやろうとしている、こういうことじゃないですか。

 私はきょういろいろな点から、現行法体系とか、今まで金を貸す人、銀行業者が他業をやってはいけないという意味はこういうことだ、すべてそういう観点からも論じてきましたけれども、この年金の債務の話はマーケットの方から見ても大きいですよ。こんなことをしていたら、債務超過の会社をマーケットに株建てをして売ろうとしたら、どういうことになるんですか。いや、昔と同じようなことが起こるんですよ。リップルウッドですよ。これは長銀を十億円でたたき売ったのと同じようなことになりますよ。こんなことをやっていたら、二百二十兆の資産を持つ会社を十億円とか百億円で売り払う、そんなことが起こるんじゃないんですか。債務超過の会社では株価に値がつかないじゃないですかと私は思います。

 きょうはこれで終えますけれども、引き続いて、また時間をいただきます。