2004年10月18日 予算委員会

小泉「改革」で国民生活は悪化

  カネまみれで腐敗した自民党政治を清算せよ

     衆議院予算委員会で総理を追及

仙谷由人は、10月18日、臨時国会の予算委員会初日の野党トップバッターとして、小泉首相に対し、質問にたちました。

 以下、当日の議事録を仙谷事務所で再構成したものです。

 次に、仙谷由人君。

○仙谷委員 民主党の仙谷でございます。

 なかなかこの場にお出にならなかった総理が、ようやく予算委員会に、参議院の選挙後四カ月ですか、たってからお立ちになったわけですから、念を入れて御質問しようと思っておるわけでございます。

 きょうは、民主党の方から、一つは経済財政、それから政治と金をめぐる問題、年金問題、郵政事業改革、外交そしてイラク問題、自治体の財源問題、独禁法、官製談合、公共調達の問題、地域活性化の問題、農業再生、教育改革の問題と、種々山積する問題についてお尋ねをしようと思っておるんですが、とてもすべては私の方からはできないと思います。できない部分は同僚議員に任せたいと思っておりますので、ひとつ御了解をいただきたいと思います。

 今、構造改革と言われる小泉さんの政策が始まって三年になるわけでございますが、多くの国民、特にサラリーマンの方もそうでありますが、地域に住む普通の人々にとっては、これは何なんだ、小泉さんがおっしゃるほど生活がよくなっているわけではない、むしろ、どちらかというと生活不安が押し寄せてきているのではないか、特に将来の不安もひしひしと感じられる、こんな気持ちで毎日を過ごされておるのではないかと私は考えているところでございます。

 先般の本会議の代表質問で、我が党の、民主党の岡田代表が、小泉さんは努力した人が報われる社会をつくるとおっしゃるんだけれども、努力しても報われない人でも尊厳ある人生を送ることができる、再挑戦の機会を得ることができる、そういう社会を実現することが政治の役割ではないか。どうも、努力した人が報われるということを言いながら、本当の競争政策は行われていない、中途半端にしか行われない。相変わらず、権力や、あるいはいわゆる括弧つきの政治に近いと言われる人たちがどうも甘い汁やおいしいお酒を飲んでおるのではないか、そういうふうに、この間の事態を見ても、思っている方々がほとんどではないかと私は思っておるんです。

 例えば、社会保険庁の汚職事件にあらわれているような問題。あるいは、今度の、十三日に発表されました、西武の浮動株が公表よりもはるかに少ない株式しか市場にはないのに、あると偽って長年取引をされた、こういう問題。あるいはダイエー倒産をめぐっても、銀行救済なのかダイエーで働く人々を救済するのかよくわからないけれども、とにかく、大きいところはいいよな、倒産がないよな、中小企業だったらとっくの昔につぶされているよな、こういう思いで今起こっているもろもろの問題を見ていらっしゃると私は思うんですね。

 そこで、総理にお伺いをしたいわけでございます。

小泉「改革」で日本はこうなった

名目GDP、国と地方の長期債務、勤労者世帯の実収入、自己破産、自殺者

 総理、パネルを使わせていただきますが、「小泉「改革」で日本はこうなった」と書いてみました。名目GDPがこんなに減っちゃった、国と地方の長期債務はこんなにふえた、勤労者の世帯の実収入も年収でこんなに減った、自己破産はウナギ登りだ、自殺者も三万人を超えてまだまだふえ続けている、こういう事態になっているわけであります。名目GDPもごらんのように減って、雇用者所得、実収入も減る。

「1人あたり人件費」

 そして、資料で「一人当たり人件費」というところがあると思います。資料でお渡しした下の方の図をまず見ていただきたいんですが、一九九〇年を一〇〇というふうに指数化しますと、大企業は一一一・九、少々伸びている。しかし、零細企業に至っては、当時の一人当たり人件費が、八六・九、ここまで落ちているということであります。

 そして、パネルにはつくってきませんでしたけれども、資料でお配りしてあると思いますが、一人当たり人件費が、大企業では、九七年七百四十八万が二〇〇三年では七百四十四万、つまり、率に直しますと〇・五%減っている。中堅企業では五百五十八万円が五百二十一万、率に直すと六・六%減っている。中小企業に至っては四百十六万が三百七十九万。零細企業に至っては、九七年では一人当たり人件費が三百二十九万であったのが二百八十一万。

 小泉さんや竹中さんが、景気は回復している、これから巡航速度に乗って日本はいい方へ行けるんだという意味のことをおっしゃっているわけでありますけれども、どうも違うのではないかということが見てとれると思います。

 急激に二極化が進む

 こういう二極化、特に、この一人当たり人件費が大企業と零細企業でこんなにワニの口のようにあいてきた事態、これについて総理は、反省と、どうすれば、こういう二極化、極端な二極化へ向かうような方向に日本をしないで、従来にも増して中間層が生き生きと働いて充実感を持てる、そういう社会にしていく、そのために有効な政策はこれだ。私は、郵政改革実現化ということを自己目的化して、これ一本にかけるような話ではない、そういう事態ではないというふうに思っておるのでございますが、お考えはありますでしょうか。何にもなければ、ないと答えてください。

○小泉内閣総理大臣 人それぞれ見方がありますが、批判的立場に立って見る、悲観的な立場に立って見るのと、そうでないのとは違っていると思います。

 私も、努力が報われる社会、これは大事なことだと思っております。そして、努力してもどうしても無理だという方に対して、国が、公共団体が、また、お互いがどうやって支え合っていくかという、そのような社会が必要であるということについては異論がございません。

 私が総理大臣に就任して経済の活性化の中で一番議論になった点は、不良債権処理の問題でした。この不良債権処理をしないと経済が活性化しないという点については、国会の中におきましても、大きな議論が何回か交わされました。

 そういう中で現在の状況を見ますと、今、仙谷議員は悲観的な見方をされておりますが、私は、だんだんこの悲観的な見方が是正されて、やればできるんじゃないかなという意欲が出てきたと思っております。

 具体的な数字を挙げますと、最近の日本経済、堅調に回復しているということは、政府だけではございません、日銀もそういう見方をしております。そして、かなり民間の経済研究所もそういう見方をされているんじゃないでしょうか。現に、実質GDPは、五四半期連続でプラスになっております。

 また、不良債権処理を進めると、どんどんどんどん失業が多くなる、企業も倒産がふえるということで批判をされておりましたが、現実には、不良債権は、予定どおり来年には正常化される。現在も、主要行の不良債権比率は、二〇〇二年の八・四%から、ことし三月には五・二%に減少しております。来年には四%台になるであろうという政府の見通しどおりに推移していくことを期待しております。

 また、失業率も、二〇〇三年一月の五・五%だったのが、ことしの八月には四・八%に低下しております。

 また、就業者数もふえてきておりまして、有効求人倍率につきましては、ことし八月には〇・八三と、十一年ぶりの高水準になってきております。

 こういう状況の中でも、不良債権処理を進めていながらも、企業の倒産件数は減少しております。本年九月の件数は、前年比一〇%減少しております。

 こういうことから、まだまだ地方とか中小企業には景気の回復状況にはばらつきが見られますが、今後とも、この景気の現状に対する好転というのは、さらに中小企業にも地方にも広く浸透させていくように努力をしていくことによって日本経済の活性化につなげていきたいと思っております。

銀行貸し出し残高が減少−− 中小企業が苦しんでいる

○仙谷委員 一言だけ反論をしておきます。

 不良債権処理でありますが、不良債権というのは、銀行がお金を貸せる銀行に改善をしてもらう、そのために公的資金も注入をする、ここが重要だったと思うのですね。

 ところが、どうです、総理。私、今詳しいのを持ってきていませんが、例えば、きょうの日経新聞の景気指標の銀行貸出残高のところを見てくださいよ。〇一年からことしまで、ずっと四、五%の残高減少じゃないですか。今は四百三兆円ぐらいなんですよ。三年ぐらい前は五百八十兆か五百五十兆ぐらい貸し出しがあったと思いますが、これだけ全国銀行で貸し出しを減らしたら、間接金融で事業をやっている中小企業というのは決定的に苦しくなっているというのはおわかりになりませんか。

人件費が減らされている

 そして、今総理はおっしゃったけれども、ことしの三月期決算で高収益を上げた会社というのは相当ございます。それは認めましょう。しかし、事業会社がこういう高収益の決算をできたのは何か。一つは人件費の削減、さっき申し上げたとおりであります。さらに次は、金利が低金利である。実質上、ゼロ%金利を日銀と銀行間でやっている。長期金利も低いままだ。それで資産売却。この三つぐらいが、事業会社がよくなって、むしろキャッシュフローも、家計部門はどんどん減って、もう貯蓄率もどんどん減ってくる。一方では、事業会社が、キャッシュフローがよくなって、いいところは金を借りないでも設備投資できる。悪いところはどんどん倒産していかざるを得ないということじゃないですか。

 今、そういういい会社にとっても、あるいは全体としても、何となく、景気が回復しているのかなというある種の幻想を与えている理由ははっきりしているじゃないですか。日銀がこれだけじゃぶじゃぶの資金供給をすれば、これだけ銀行が貸し渋っても、まあまあ金は回っているように見える。どうです、発券高が七十兆円台なのに、国債の残高は九十四兆一千億じゃないですか、日銀の国債残高だけでも。不均衡を拡大させているということにしかすぎないじゃないですか。

 その上、我々が調査をしますと、中国の輸入もあるいは輸出もそろそろ減ってきている。鉄鋼の輸入量もネットでは減る。あるいは自動車の生産も減る。日本の鉄鋼輸出もネットで減っている。来年の景気動向について分析をしているエコノミストの中で、本気で来年いいと言う人はほとんどいないんじゃないですか。特に、ブッシュさんの大統領選挙が終われば……(発言する者あり)あなたは、桜の花が咲くころによくなると言って失敗した人でしょうが。ブッシュさんの大統領選挙が終われば、この大統領選挙減税が終われば、アメリカの方もほとんど下方傾向に向かうというのが常識的な見方じゃないんですか。

 いま定率減税廃止とは、どんなつもりか

 ここから質問なんですが、そんなときに政府は、定率減税を廃止もしくは縮減しようとされておるんでしょうか。総理、どんなおつもりでこの定率減税を廃止したり縮減するという方向なんですか。財務大臣には後で聞きます。まず総理大臣。こういう基本的なことは総理大臣。

○小泉内閣総理大臣 後ほど財務大臣から答弁があると思いますが、今後、税制改革がこの予算編成の前に党内でも議論されます。そういう税制改革全体の中で、この定率減税はどうあるべきか、議論していきたいと思っております。

○谷垣国務大臣 定率減税は、平成十一年、小渕内閣のときに、当時の極めて停滞をきわめていた経済状況にてこ入れしようというのが一つの目的。もう一つは、所得税体系を抜本的に見直すまでのつなぎの措置。こういう二つのことから導入されたものでありますけれども、当時の平成十一年度の非常に停滞した経済状況から比べますと、今、仙谷委員は現況をかなりディズマルにお書きいただきましたけれども、はるかによくなっている。ですから、当時の措置がよかったかどうかというのを議論できる環境になってきているというふうに私は思っております。

 それから、もう一つは所得税体系全体の見直しですが、今までも御議論がありました三位一体の議論との関係で、どうしても所得税を中心に税源移譲しなければなりませんので、所得税体系の全面の見直しが必要でございます。

 したがいまして、この定率減税の扱い方に関しましては、今委員は景気の面から御指摘がございましたけれども、景気にどういう影響を与えるか、これはもちろん議論しなきゃなりませんけれども、どういう方向で持っていくかということについては議論を尽くしていただきたい、このように考えております。

負担のみを一方的に強いる減税廃止を行ってはならない

○仙谷委員 先ほどからお示ししておりますように、雇用者所得あるいは人件費という切り口で見ても、おっしゃったように、平成十一年からも必ずしもよくなっていない、これは常識だと思うんですね。

 つまり、大企業、製造業を中心にしては、それは少々よくなっているでしょう。先ほどの指標もそうでした。しかし、その他の業界に勤めている人が大体八〇%以上おるんじゃないんでしょうか、日本は。そういう中小企業、中堅企業あるいは零細企業で働いている人が日本は八〇%以上いる前提で考えて、厚生年金保険料を上げるわ、そして、小売販売額とか消費者物価指数あるいは消費支出、いろいろな指標をとっても、ここで個人の懐を冷やすような話、もう預貯金も取り崩して消費せよというふうなことをこれからも続けるのかどうなのかというのがこの定率減税問題なんですよ。

 シンクタンクの試算によると、七百万円ぐらいの収入で夫婦二人の人であれば、定率減税をなくすると大体年間八万円ぐらい、八万二千円ぐらい減収になる。一千万円の収入の人だと十七、八万円減収になる。こういうふうに言われているじゃないですか。

 これを今の時点で取っ払うという覚悟で、ますます、まあ収奪とまでは言いませんが、苛斂誅求ここにきわまれりみたいな話になってくるんじゃないですか。

 総理大臣、どうですか。ここは今の段階で決断をして、アメリカの経済指数や中国の経済指標も見ながら、そして日本のこの財政の赤字、日銀の国債買い入れというこの不均衡を前提にして、慎重な経済運営をとらなきゃいけないんじゃないですか。定率減税だけをばさっと切ってしまう、そんなことがあり得てはならないと私は思うんですが、いかがですか。

○小泉内閣総理大臣 これは、定率減税だけ一つの見方ではできない問題なんです。所得税全体の問題、同時に歳出削減の問題、国債発行抑制の問題、そして経済全体の問題、財政再建の問題、総合的判断をしなきゃならない問題なんです。定率減税だけとって、いいか悪いかという問題ではございません。

○仙谷委員 時間の関係もございますのでこの問題はこの程度で終わりますが、政府そして自民党が、まあ私に言わせれば、サラリーマンあるいは中小企業の経営者を含めた普通の、一千万内外の収入しかない人に背を向けてこれから政治を進める、よくわかりました。

政治とカネの腐敗を断ち切れ

 それでは、同様の観点から、政治と金のお話を聞きましょう。

 これも、私に言わしめれば、この日歯連事件というのは、自民党政治に近づくために大金をばらまく、これをすれば、ほかの人がどうなっても、みずからの業界はまあまあうまくいくんだ、この政治ですね、この行動、これの端的なあらわれだと私は見ているんですよ。つまり、公平に競争をして努力した人が報われる話じゃなくて、少々すき間に入り込んだり、あるいは金で人的な友好関係をつくって、そこで政策的にその業界がまずくならないように、少なくともまずくならないように、できれば優遇措置を受けるように、そういう思惑のために金を大胆に大量にばらまいた事件だ、こういうふうに思うんですね。

 私のところへもこういうのを送ってくれました。「日歯連盟だより」、これは平成十五年四月十五日、いろいろな、彼らの要望する政策的なことが書いてあります。当時の自民党の幹部でございましょう、古賀誠先生、野中さん、青木幹雄参議院議員。政治力をもってこれから実現していこうね、一緒にやろうね、職域代表の参議院議員も出してほしいね、出しましょうということがここに書いてあります。

業界と政党の癒着構造を変えねばならない

 私は、この日歯連の事件というのは、改めてそういう観点から、日本の政治が縦割り業界に、税制や、今回の場合は診療報酬とかそういう問題でありますけれども、縦割り業界にそういうある種の優遇措置をする、そういう資源の配分をしていく、そのために、個別の業界と自民党という政党、自民党の各派閥、族議員、この、人の特別の関係をつくるためにお金が使われた。もうこの政治構造自身を変えなければならない。何年言い続けたのかわからないけれども、変えなければいけない。

 私は、今の日本の、国、地方を合わせて一千兆円の財政赤字というのは、日本社会のあらゆる矛盾の表現だと思っています。財政赤字があるから矛盾が出てきているんじゃないんです。矛盾があるから、それを糊塗しようとして、とりわけ自民党政治を延命させようとして、税を国民に負担願うことを嫌って財政の赤字で賄ってきた。子供や孫の懐に手を突っ込んで、生まれてきていない子供のキャッシュカードをつくってやってきた。こう見ているんですね。

 そういう観点からこの日歯連の事件を見ると、権力に近づいて、歯科業界、まことに苦しい、毎年毎年三千人ふえるから苦しくなるんですよ、歯医者さんも。そこで、生き延びようとする人たちが、一人当たり年間三万円、九万人の歯医者さんのうち、六万人が日歯連の会員だ、日本歯科医師会の会員だ。年間十八億円。この十八億円を使って運動してきたというのが、これを見たらはっきりするじゃないですか。

 ちなみに、この間、日歯連が実現しようとしたことは、細かく言いますと、そしゃく障害者の診断書の作成や障害者手帳申請手続を緩和してほしい、かかりつけ歯科医の初診料の請求がやりやすくしてほしい、歯科衛生士教育期間延長を凍結してほしい、あるいは本人負担三割というのがありました。それがちょうどこの平成十五年です。そういうのも、できたら自民党のお力によって、厚生省が幾ら言っても三割負担を阻止してほしいと医師会も歯科医師会も言っていたじゃないですか。

巨額な日歯連の献金額 

 そのためにどのぐらい献金をしたか御存じですか、総理、自民党に。国民政治協会への献金だけでも、平成十一年度六億六千万円、平成十二年度五億九千三百万、平成十三年度四億五千万、平成十四年度四億六千三百万、表の献金だけでこれだけあるじゃないですか。そのほかに、名前はきょうは申し上げませんけれども、お一人お一人の議員の後援会とか資金管理団体とか県支部に、今申し上げた国民政治協会を通したお金ではなくて、少なくとも、平成十一年から十四年までに、日歯連から、これは例えば、何とか県歯科医師連盟を通したのとは別に、日歯連から直接各議員の資金管理団体や選挙区支部に配られた金が六億五千九百七十七万五千円じゃないですか、私の計算だと。ちゃんと、公表数字だけでそうなっているんですよ。これを巨額なお金だと言わずして、どう考えればいいんですか。

 もうちょっと言いますと、最高は、逮捕された吉田幸弘さんという人が一億三千百万です。中原爽さんという人は八千二百九十七万五千円です。こういう金額を三年や四年の間にどうして払うんですか。代弁人、代理人をつくるというもくろみなのか、政策を金で買おうというもくろみなのか。普通の人はそうとしか考えられないじゃないですか。

 さあ、ここで総理、総理も官房長官の方に指示されたというふうに一部報道されましたが、ある業界があって、ほとんど同じ構成員で、半ば準強制的に政治連盟の会費が払われるという政治連盟、業界の横にある政治連盟、こういう政治団体からは、自民党の受け皿である国民政治協会、つまり政治資金団体と言うらしいんでありますが、この政治資金団体に入れられる寄附であろうと、自民党本部に直接入れられる寄附であろうと、やはり限度を決めた方がいいんじゃないですか、これ、少なくとも。禁止せよとまで言いませんけれども。

 例えば、最大限譲るとすれば、年間一億円でどうですか、総理。どうですか。お答えください。

○小泉内閣総理大臣 具体的な政治団体間の資金の提供について額の制限を設けるかどうか、一億円でどうかという話でありますが、私は、こういう点についても、今後、今、自民党でも検討しております、公明党でも検討しております、民主党でも検討されていると思います。日歯連の問題と、今、仙谷議員が指摘されました、政党なり政治家に献金する、資金を供給する問題、これは分けて考えなきゃいけないと思っています。

 まず、法律に従って政治資金収支報告書を出す、これはもう当然であります。法律を守らなきゃならない、これも当然であります。同時に、民主政治でありますから、選挙をやればわかりますが、どの有権者も団体も、みずからの意向を通すために、支持政党、議員を見きわめます。自分たちの要求を通してくれるかどうかによって献金の額も考えようというのは、労働組合も政治団体も同じだと思います。

 そして、私は、そういう資金を提供するというのが悪いとは思っておりません。要は、どういう団体が、どういう労働組合が、どの政党に、どの候補者に献金しているかというのを有権者がわかるというような、そういう透明性というのは必要だと思います。それに基づいて有権者がどう判断するか。

 今言った日歯連の問題についても、要求を、例えば自由民主党にぶつけて、受け入れられた問題と受け入れられない問題があります。例えて言えば、日歯連は何億献金しようが、三割負担を阻止してくれというのを阻止できなかった。

 逆に、いろいろな問題におきましても、これは献金の多い少ないにかかわらず、国民の歯科医療のために必要だなということだったら、政党としてこれは必要な改善だと思うならば、自民党だろうが民主党だろうが公明党だろうが、それの要求に沿って政策に反映するのもこれは悪いことではございません。

 私は、そういう意味において、今の御質問でありますが、献金額を制限するというものも含めて、額はどの程度にするかという問題についても各党間で今後協議する必要があると思っております。

○仙谷委員 実は、総理、先般の本会議で、やはり政治献金は広く薄く集めるのが筋だ、正しいとおっしゃったから、私は、最大限譲歩して一億円と言ったんですよ、今。これでも庶民から見れば厚くかもわかりません。広く薄くだったら、毎年毎年五、六億円の金が自民党に自動的に入ってくる、これは薄くとは言えないんじゃないですか。自民党だって政党交付金が年間百五十億でしょう。そのうちの五億といったら、これはそんなに薄いお金じゃないと私は思いますよ。だから、その庶民感覚というか、市民感覚を総理に聞きたいと思って聞いたのです。だが、全然答えになっていないです、それは。

 いいですか、九月二十九日には、総理が総務相に政治資金規正法の見直しを指示した。官房長官がそれを記者会見で、団体間の上限を決めるんだ、金融機関に送金の流れを限定するんだ、金融機関の振り込みとか、受けることを。透明化するんだとおっしゃったから、私は本気かと思っていたんですよ。ああ、これはいよいよ進むなと思っていた。

 ところが、どうです、今のお答えは。広く薄くが、何かもうわけのわからぬ、まあ、みんなの党で相談してくれみたいな、こんな程度の話では、遅々として進まずというか、後退しているじゃないですか。この点はもう一度お答え願います。

 総理の広く薄く感覚というのは、こういう業界団体が、政策を掲げている業界団体が政党に献金しようとする場合は、どのくらいが広く薄くの感覚なんですか。金額で言ってください。十億でも二十億でもいいですよ、あなたの感覚がそういう感覚ならば。どうですか。

○小泉内閣総理大臣 私は、政治団体間の献金と個人献金、企業献金とは別だと思っております。

 政治団体というのはいろいろな方々が団体をつくってやるわけですから、政党交付金が二百五十億とか三百億ということから考えて、制限するばかりじゃなくて、透明性を確保するんですから、各団体がこれだけ献金したということがわかって、有権者に判断材料を与えるということは大事だと思っておりますが、その額が、企業献金、個人献金の額と政治団体の額とは違っていいと思っています。

 それと、政党に対して国民がどのように寄金を提供するか。自分たちの要求を政党に、議員に反映させたいと思って、票で応援する人、資金で応援する人、労力で応援する人、さまざまであります。それをいかに国民からうまく吸収して、国民の支持を得て、政党が選挙で勝利して、政権を担当して政策に反映していく、こういうのが民主政治ですから、私は、そういう点についても、企業献金、個人献金と政治団体の額というのは差異があっていいと思っていますので、額がどの程度がというのは、今後、各党間でよく協議していただきたいと思います。

総理の構造改革はにせものだ

○仙谷委員 僕は、総理の広く薄くの意味がまさに馬脚をあらわしたというか、全く具体的に考えていないということがわかりました。

 それと、もう一つつけ加えますと、今総理がおっしゃったことは、総理がやろうとしている構造改革がにせものだということを自白したようなものなんですよ、言っておきますけれども。

 この縦割り構造の、業界団体を中心に資源を配分する、これは税制でも予算でも補助金でもそうです、あるいは診療報酬でもそうです。このやり方が日本は限界に来ている。一九四〇年から続いている、統制経済のときから続いている、業界単位で物事を仕切っていくという構造、これが政治の構造なんだけれども、経済もその構造がなかなか直らない。官製談合の世界が直らないということが、今の日本の公正な競争社会ができないことにつながっているんじゃないですか。私は、ここは物すごく深く結びついていると思うんですよ。

 総理が、縦割りの、省庁、族議員、業界、業界団体、政治連盟、あるいは政治連盟の隣の、自民党何とか支部がついているじゃないですか。この構造をたたき壊さない限り、経済構造改革なんというのは絶対できません、言っておきますけれども。そこと関係があるから私は申し上げているんですよ。それだけを申し上げておきます。

橋本派への献金の真実解明を

 裏金の話をしましょう。

 平成研への一億円というふうに報道をされています。しかし、だれが平成研への献金だということを認定できるんですか。だれもわからない。口悦という料理屋で橋本龍太郎さんという元総理大臣が、一億円の小切手を青木さんや野中さんにも見てもらいながら懐にしまった。それを、小切手がどう献金されてどのように分けられたのか、だれもおわかりでないじゃないですか。だれが認定しているんですか。

 こういう事実があった、総理は、あったらしいな、そういう認識をしているんですか、していないんですか。こんなことはでっち上げかもわからない、新聞が書いているだけだ。いやしかし、検察庁がこれは起訴したわけですから、報告しなかったということについては。全くのうその事実をでっち上げて、村岡兼造さんまで起訴に及んだということは、私には考えられないんですけれども。

 総理、どうですか。総理の認識としては、こういう事実があったというふうに認識しているんですか、していないんですか。あったらしいという認識はあるんですか。

○小泉内閣総理大臣 私は、平成研の会計、収支状況については知りませんが、現に今、裁判手続にかけられている。なおかつ、一億円の日歯連側から平成研への献金というのは、当初記載されていなかったのが後日修正して記載されたということを聞いております。こういう状況から考えると、一億円の献金があったんだと思います。

○仙谷委員 では、そこまで総理の答弁を聞きましたので、次の質問に移ります。

 これは、結局、後に訂正されたと言うけれども、社会的に問題になるというか、メディアの世界で問題になる、あるいは、検察庁に呼ばれて取り調べが始まったということで、訂正というか修正の報告をしたということになっているわけですね。

 ということは、もらってから約三年間は裏金だったということなんですよ。どういうふうに使われたのかは、さっきから総理がおっしゃる、透明度が全くない。どこに消えたのかはわからない。繰越金に計上したけれども、実際はそんな金はもう既にない。どうも二〇〇一年の参議院選挙のときに分けたらしい。こういうことが言われているんですね。

 当然のことながら、こんな処理が、何年もおくれて、修正しましたで済むものですか。今、企業の世界ではコンプライアンスということが言われておりますけれども、こんな法令の遵守意識で、まあ自民党の先生方の中には、随分この間修正の報告をしていらっしゃる方がおるようでありますけれども、こんなことでこのコンプライアンスが守れているというふうに、総理、お考えですか。

○小泉内閣総理大臣 献金があった場合には記載しなければならないという、政治資金規正法ですか、法律にのっとって対応しなかったからこそ、これに関係する方々が逮捕され、今、裁判手続にかけられているのだと思います。

 これは、なぜ記載しなかったのか、私も不思議でしようがありません。まず、法律を守るのは当然なんですから、法律を守るということをしっかりと肝に銘じていただかなきゃならないと思っております。

○仙谷委員 ただ、この入金及び入金に関する処理については、橋本元総理は、わしは知らぬ、こう言っているんです、私は関係ないと。いや、実はこの会計処理については責任があったんだということを、そういう指示をしたんだと多分言われているんでしょう、滝川さんと共謀の上、虚偽の記載をしたということで起訴されておるのが村岡先生でありますから。

 こういう前提なんですが、先ほどから総理がおっしゃっておる透明度という観点からいえば、このお金がどのように使われたのかというのは、やはり透明度を高めるためにも調べる必要がある。検察庁がわかるのであれば、ちゃんと報告を出してもらう必要がある。検察庁がそれはちょっと待ってほしいとおっしゃるならば、この委員会で、あるいは衆議院で調べる必要がある。

 総理の透明度感覚、これだけ力説される透明度感覚からいって、この一億円の使われ方というのは解明をする必要があると思いますが、自民党総裁としても、あるいは日本の国政を預かる総理としても、いかがお考えですか。この使い道について、ちゃんと議会が自浄能力も発揮しながら、調査能力も発揮して調べる必要がある。こういうことについて、総理のお考えを聞きます。

○小泉内閣総理大臣 私は、今、この問題につきましては、裁判手続にかけられておりますので、法律にのっとって処理されるべきであり、国会において、議員がかかわっている問題であるならば、議員がしかるべき説明をする必要があるのではないかと思っております。

指名献金、裏金献金、迂回献金をやめよ

○仙谷委員 総理、他人事みたいなことをおっしゃっちゃだめですよ、こういう問題については。自民党総裁でもあるわけですからね。

 ちょっと話題を転じますが、日歯のお金のうち、我々の調査によると、日歯側からお金は直接渡したけれども、国民政治協会という名前の自民党本部の事務局長、元宿仁さんというんですか、この人にお願いをして、一たん国民政治協会に入ったように処理をしてもらって、お金は直接派閥や議員に渡したというケース。それから、封筒に入れて何々先生用と書いて、それを国民政治協会という名前の自民党本部の元宿事務局長のところへ持っていって、国民政治協会が受けたようにして引き受けてもらって、それを後日、わからないように分割したりして、衆議院議員、参議院議員の支部の口座、衆議院第何選挙区支部の口座に振り込んでもらったというのがあるんですよ、こう言っておるんですね。ちゃんとそれは、元帳にも台帳にも残しておきましたと。自民党というよりも、名前は国民政治協会からいただいた領収書に、番号も、関連がわかるように番号を書いてあります、こうおっしゃっておるんですよ。

 自民党は、この種の指名献金、指定献金、迂回献金なんか一切ないんだ、こういうふうに言ってきました。一切ないと。あったら大変ですからね、これは。だけれども、時々、事件というのは、事実は小説より奇なりといいまして、ほかの事件で捜索が入ったときにそういう証拠というのが出てくるんですよ、当人たちには困ったことに。当人たちには、私、困ると思うんだけれども。

 話はかわりますけれども、今度の西武の事件も、インサイダー取引とか株式がこれだけ少なかったというのも、先般の総会屋事件で捜索・差し押さえが入ったときにそういう資料が出てきたのかもわかりませんよ。どうも、事件というのはそういうふうにして発展していくんですね。警察や検察が見逃しにできないと思うような重要な証拠が出てきたときには、もうこれは、相手が政治家であろうと大財閥であろうと、やはり捜査に着手しなきゃいけない、こういうことになっておるわけですよ。まだここがほどほどには実行されているから、日本も健全なところがあると私は見ておるんです。

 しかし、そういう経過で、今度のこの日歯連の事件も、どうも検察庁さんも資料をちゃんとお持ちになっておるようです。

 そこで、法務大臣、どうですか。この問題について検察庁の方から、そういう事実があったかなかったか、お答えいただけますか。

○南野国務大臣 お答え申し上げます。

 個別事件の具体的な事実、それらに関係しているものにつきましては、証拠関係につきましてはコメントを差し控えさせていただきます。よろしくお願いします。

○仙谷委員 迂回献金の一つの端的な例として、佐藤勉さんという人が、この平成十三年ですかに三百万もらったとか五百万もらった、迂回献金でもらったということが巷間言われているというか、少なくとも新聞報道にはありますね。それで佐藤さんを取り調べをしたんだ、こういう話がございますが、佐藤勉国会議員を取り調べたのかどうなのか、それについてお答えいただけますか。

○南野国務大臣 今お尋ねの迂回献金等につきましてのことでございますが、それらの御指摘につきましては、現在、東京地方検察庁に対し告発状が提出されているものと承知いたしており、検察当局において適切に対処するものと思います。

 以上でございます。

○仙谷委員 適切に対処するということは、ちゃんと呼んで取り調べをしておるというふうに理解いたしました。

 これは、報道機関にも、佐藤勉議員からは、名誉毀損だとかなんとか、抗議も全然ない、告訴もないということでありましょうから、まあ、ほぼ当たらずといえども遠からずというぐらいの事実関係はあったんじゃないかと思います。

 この件もちゃんと伝票に番号が振られておって、どうも、金員授受の趣旨はともかくとして、金員が国民政治協会を通って特定の佐藤議員のところに持っていかれたということは本当のようでございますし、そしてまた、きょうの朝日新聞の報道によりますと、我々の調査と同じように、九九年には有力派閥幹部三人に一千万あてが配られて、これは後々、国民政治協会、自民党を通ったような処理がされた。お金自身は別途渡された。それから、平成十三年十一月には、やはりこれも名前を申し上げるのは控えますけれども、時の主流派閥、ここの党の幹部と有力議員、合わせて三人に合計五千万。一人には三千万、二人には一千万ずつ。これも領収書がある。領収書に番号が振られておって、日歯側の出金伝票の番号と合致しておる、こういうふうに言われておるんですね。

 それで、私は、ここで総理にも、あるいは法務大臣にもお願いしたいんでありますが、ロッキード裁判のときと同じように、この種の非常に不健全な、脱法的、あえて的とつけますけれども、まあ脱法と言いたいんだけれども、この種の献金がこの間の日歯連の事件で捜査の当局が認知したものがあれば、つまり、物証があり、それを説明する供述があるとすれば、ちゃんと報告書を出すべきだ。ロッキード事件のときの灰色高官と同じように、報告書をつくって出すべきだ。証拠そのものも出していただいたらなおいいんだけれども、それはこの予算委員会で議決してもらわないと出てきませんので、まずは法務省が、刑事訴訟法四十七条に基づいて、公益のためにそういう報告書を提出するということを求めたいと思うんです。どうですか、法務大臣。(発言する者あり)

○南野国務大臣 初心者でございますので……(発言する者あり)

 捜査の結果、具体的な事実関係は、立証に必要な範囲で公判において明らかにされるべきものであり、公にした場合には、今後の捜査、公判に重大な支障が生じることから、明らかにいたしかねることを御理解願いたいと思います。

 以上です。

○仙谷委員 重大な支障が生じるのは、多分、名前が出される人たちだと思うんですけれども、そうじゃなくて、やはり今や日本は、この種のやみ献金、迂回献金とか、小汚いというよりも全く汚い不健全な金の流れ、これをクリーンに開示する。この数年間の企業のスキャンダルも、政治のスキャンダルも、行政のスキャンダルも、全部隠して、臭い物にふたをしようとするところが全部問題になった瞬間に凋落を始めるじゃないですか。

 クリーン、オネスト、ビューティフルというのが我が岡田代表のスローガンですよ。これは、今の経済界でも、そうでなければ何にもできないと言っていますよ。(発言する者あり)いや、笑い事にしちゃいけない。

 本当に、これをやるためにも、そういうコンプライアンスの世界をつくるためにも、この際、法務省、決意をして、刑事訴訟法四十七条に基づいて、ロッキード事件のようにちゃんと報告書をお出しになったらどうですか。もう一度、どうですか。

○甘利委員長 南野法務大臣、午前中の時間が来ております。簡潔にお願いします。

○南野国務大臣 はい、簡潔に申し上げます。

 先ほど申し上げたとおりでございます。

○仙谷委員 では、午後の時間がございますので、この点についてはもう一度質問したいと思います。

○甘利委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時一分開議

○甘利委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。仙谷由人君。

証人喚問をすべきだ

○仙谷委員 午前中に、いわゆる政治と金の問題をお伺いしてまいったわけでありますが、例の平成研に対する一億円の献金といいましょうか、我々からいえば裏献金でありますが、この問題。それから、迂回献金、指定献金、指名献金と言われるような、国民政治協会を形式は通すんだけれども、実質的には金の流れは必ずしもそうではない、議員個人や派閥に入っているという問題を指摘させていただいたんですが、よく考えますと、これは、我々が議会人として誇りをかけて解明しなければならない、そういう問題でもあるというふうに私は思います。

 今まで自浄能力というふうなことが叫ばれながら、日本の議会というのは行政優位の中で来ておりますから、独自の調査権限や調査能力というものが必ずしも十分に法制度の上でもつくられていない。さらに、行政庁がそのことに余り協力をしないというようないろいろな問題がありますけれども、にもかかわらず、ここまで何年になりましょうか、ロッキード事件からでももう十五年ぐらいになるんでしょうか。延々と、石川五右衛門ではありませんけれども、くめどもくめども尽きぬ、次から次へのスキャンダルというふうな話では、政治そのものが国民の信頼を得られない。ここからの日本の政治というのは、信頼なくしては成り立たない。すべての施策が疑いの眼で見られるようでは、国民との間のコミュニケーションを通じて改革を行っていくということが成り立たないと思うんですね。

 議会は、みずからが調査能力を発揮する、自浄能力を発揮するということが必要であると私は考えております。党利党略、派利派略にとらわれないで、自民党の先生方にも、この予算委員会の名誉にかけてこのことを解明するということにしていただきたいものだなと思っているところでございまして、委員長にも、その点、重大な決意をしていただきたいと思うわけであります。

 そこで、例の一億円事件は、村岡兼造さんが昨日テレビにも出演されまして、私も拝見をいたしましたが、なぜこうなったのかわからない、こういうことを言っております。とりわけ、金の使い道、使われ方についても全くタッチをしていない、なぜこうなったのかというふうな、まことに面妖な事件であります。これを解明せずして議会の存在理由というのはないのかもわからない、そういう危機感を持っております。

 そしてさらに、先ほどから指摘をしておりました、迂回献金、指名献金、指定献金、こういう疑いの極めて濃い問題もございます。私は、ここは諸外国のように、行政庁が、とりわけ検察庁という強制権限がすべての証拠を持っていっておるわけでありますから、もう一度、法務大臣、この議会の予算委員会の調査に協力する、自浄能力を発揮するために、行政として、検察庁が収集した証拠を、協力してこの委員会に出すというおつもりにならないんでしょうか。もう一度お答え願います。

○南野国務大臣 お答え申し上げます。

 国政調査の執行に関しましては、法務省といたしましても法令の許す範囲内でできる限り協力すべきものと考えており、このような観点から、公訴事実の概要などについてお尋ねがあればお答えしてまいりたいと存じます。

 他方、捜査の結果判明した具体的な事実関係につきましては、今後、必要な範囲で公判において明らかにされるものと思いますが、その他の場面で公にした場合には、今後の捜査、公判に重大な支障が生じますことから、明らかにできないことを御理解いただきたいと願います。

○仙谷委員 私は、司法は司法の立場で峻厳に事件を立件し、処理していただきたいんでありますが、ここまで事件が、ある種証拠を握られて、そうして取り調べもされておりますのに、どうも、例えば平成研事件でいいますと村岡さんだけしか在宅起訴にならない。これは、国民だれが見てもおかしいと思っていると思うんですね。どうも、捜査とか検察官というのは、妙な思惑とか政治的な判断をなさるところかな、こういうふうに普通は直観的に感じておるんじゃないか、こんなことを感じます。

 刑事事件的に処理するのがやや難しい問題があるのかもわかりませんけれども、それならばそうとして、議会にもっと積極的に、要請があれば協力するというふうに態度を変えていただきたい、こういうふうに考えております。

 そこで、検察庁、法務省が、委員長、余り協力的でございませんので、私どもといたしましては、司直の手でちゃんと捜査を遂げて起訴をして、公判もすべしだということを我が同僚議員が告発、あるいは検察審査会への申し立てということをしておりますが、さらに加えて、院は院として、衆議院は衆議院として、この問題、日歯連疑惑、日歯連スキャンダルについて徹底的な調査をすべきだというふうに考えております。

 そのためには、日歯連の臼田貞夫さん、内田裕丈さん、この方を証人に喚問すべきだというふうに考えております。さらには、受け手でございました滝川俊行さん、自民党の事務局長さんのようでありますが……(発言する者あり)平成研の会計責任者でありますが、滝川俊行さん。それから、自民党の事務局長でございます元宿仁さん。この方々もお呼びをして、一体どのように金の授受が行われて、どのように分けられたのか、そして、その事務処理がどう行われたのか、ちゃんと解明をして、このような不透明なことが繰り返されない仕組みを考えるためにも証人としてお呼びして、我々が問いただす、あるいは証拠的書類を証人喚問のときに持ってきていただく。議院における証人の宣誓及び証言等に関する法律、ちゃんとその第一条の三で書かれております。

 私は、そういう証拠に基づいたちゃんとした調査を遂げて、報告書をつくり、総括をし、どういう法律をつくればいいのかということまでも構想するのが、早急にそれを行うのが衆議院の役目だと思います。私は、諸外国の国会との比較においては、そういう点が全く欠けているのがこの日本の国会だと、海外視察をしますとよく感じます。つまり、絶えず党利党略でそのことが、やるとかやらないとか、引き延ばすとか、うやむやにしてしまうとかいうことが行われてきたのが日本の国会であります。

 それと、その種のことと、党利党略的なこともあるんでしょうけれども、事件の種類あるいは事案の種類によっては、議院が誇りをかけてみずからを剔抉するといいましょうか、えぐり出して、解明して対応策を考える、これがなければ、議会の存在理由がますますなくなると思います。

 そして、当然のことながら、村岡兼造さん、橋本龍太郎さん、そして青木幹雄さん、野中広務さん、各先輩議員、この問題にかかわった、かかわっているということが半ば公然たる事実になっておりまして、そしてその中身がわからない。この議員の方々も、あるいは前議員の方々も、この委員会に証人としてお呼びをして、はっきりと事実をお話ししていただいた上で我々がちゃんとした対応策を考えていく、このことが必要だと改めて考えているところでございます。

 委員長、今申し上げましたような方々について、証人喚問を請求いたします。あわせて、先ほど刑事訴訟法四十七条ただし書きを引用いたしましたが、院として法務省の方に、要するに迂回献金というふうに疑念の抱かれている献金の事例について、報告書を作成し、提出するように求めていただきたいと思います。

○甘利委員長 後日、理事会で協議いたします。

政治資金規正法の改正を

○仙谷委員 これは、今るる申し上げましたように、私は、この段階では極めて重要なテーマになってきたと思っております。党派を超えて、同僚議員にそのことをお訴えしておきたいと思います。

 次に、先ほど総理に、政治団体間の寄附の量的制限についてお話をいたしました。

 民主党は、現在、政治資金規正法の改正案を百五十九国会に提出して、継続審議になっている案件がございます。それは、まず一番に、寄附を受領できる政党支部数を制限すること。二番目に、公共事業の受注者や利子補給対象の融資を受けている法人から政治献金を禁止すること。そして三番目に、後援会等の機関紙等への広告を適正なものに規制すること。それからもう一点は、収支報告書等の保存期間を五年に延長し、インターネット上で公開をすること。こういう法案を提出してあるわけでありますが、遅々として、与党の方に審議に応じていただけないのか、とにかく決着がつかないわけであります。継続審議になっているわけであります。

 総理、先ほど総理は透明性を強調されましたけれども、この収支報告書等の保存期間を五年に延長する、そして、今日的にはインターネット上でこれを公開する。インターネット上の公開ということについてどうお考えですか。お答えをお聞かせ願いたいと思います。

○小泉内閣総理大臣 この問題につきましては、各党で今協議を進めていると聞いておりますし、党内におきましても議論を進めております。私がここで、こうだと言うことは差し控えたいと思いますので、よく協議していただきたいと思います。

○仙谷委員 Eガバメント、IT政府を推進されようとする総理でありますから、この程度のことは、私は、インターネットで公開をするということは当然であるというお答えをいただけるものだと思ってお聞きしたのでありますが、どうもそうならなかった。現在は、この収支報告書のコピーすらできないという状態がまだ続いているんですね。これでは、公開をしたといっても道半ばということであります。

 このたび、私どもは、この裏献金、迂回献金、指名献金、日歯連スキャンダルを前にしまして、もう少し手足を縛るようになるけれども、先ほど申し上げました政治資金規正法の改正をやらなければならない。

 具体的には、まず一番目には、政治団体間の寄附の量的な制限であります。上限規制であります。そして、迂回献金、指名献金を端的に禁止するということであります。さらには、外部監査を義務化する。こういう政治資金規正法の改正をしなければならない。

 それから、総理も何かそういうことをおっしゃったというふうに私は聞いておるんですが、寄附の銀行振り込みの義務化。つまり、現金の授受はしない、必ず一定額以上のものについては銀行振り込みでなければならないという、あるいは郵便局を使ってもいいのかもわかりませんが、振り込んで、表のお金として、ちゃんと金の流れ、金の動きがわかるようなことを政治献金を扱う場合にはしなければならない、そういうことも考えております。

 さらには、先ほどのインターネット上の公開とも深く関係があるわけでありますが、政治献金の出し入れに関しては政治活動登録番号、納税者番号制のような感じもしないでもないわけでありますけれども、政治活動を行い、そのための政治資金を集める、そのことを許される立場というのは、嫌であっても何であっても、政治活動の登録番号、これぐらいはつけて、だれかが名寄せをするときにはそれも甘受するということでないと透明化は図れないというふうに感じているところでございまして、そういう内容を持った政治資金規正法改正を行いたい、こういう提案をしておるわけでございます。

 きょうの午前中から、政治資金の透明化ということについては何回も力説をされた総理大臣でございますから、今私が申し上げた、政治団体間の寄附の量的な制限は、すべてこれは透明化の問題でございます。この透明化、迂回献金を禁止、外部監査の義務化をする、寄附の銀行振り込みの義務化をする、政治活動の登録番号の導入をする、さらには収支報告書の保存期間を五年に延長してインターネットで公開する、こういう透明化の方向に向けた我が党の提案、当然のことながら、総理は賛成をしていただけるんではないか、こういうふうに自負をしておるわけですが、総理、いかがでございますか。

○小泉内閣総理大臣 今、仙谷議員が御指摘された点についても、我が党内においても議論を積み重ねております。制限すると同時に、いかに献金をしやすいような環境を醸成するか。

 現に、個人献金を奨励する、そういう場合に、個人が自分の支持する政党、議員に、ある程度、一定額は必要であると思いますが、どの程度まで公にしたらいいのか。どの程度まで個人の、この人を応援する、していない自由を確保するのか、両面があるんです。その両面を私はよく検討していただきたいと思っております。

○仙谷委員 先ほど証人喚問を請求いたします際に、お一人、私の方で失念をいたしておりました。まことに申しわけないと思います。

 衆議院議員の佐藤勉さん、取り調べを受けたことを法務大臣の方も決して否定はされなかったわけでございまして、ぜひこの委員会にお呼びして、詳しく事情をお伺いするべきだというふうに考えます。佐藤勉衆議院議員も証人喚問をしていただきたい。委員長にお願いをいたします。

○甘利委員長 後日、理事会で協議します。

出生率の減少で年金法改正の前提が崩れた

深刻な少子化対策

○仙谷委員 それでは、時間もほとんど尽きてきたようでございます。もう少し質問の中身を用意したのでございますが、年金改革についてもお伺いしようと思ったのでありますが、時間が参りましたので他の議員に譲りたいというふうに考えますが、あと二、三分ございますので、年金関連で少々質問をいたします。

 年金改正法のときに大問題になりましたのは、少子化の問題だったんですね。特殊合計出生率の発表がおくれた、おくらせたということでありました。実は、私もこの問題は大変なショックを受けた数字でございました。

 厚生大臣、その前提の前提として、ことしの一月から六月までの出生の数というのはどんなぐあいに、どのくらいの数が生まれて、それは昨年との比較においてはどのようになっておりますでしょうか。つまり、昨年は特殊合計出生率一・二九、低位推計に一年後で追いつくということであったようでありますが、ことしの一月から六月、この半年間ではどうなっておりますでしょうか。

○尾辻国務大臣 急なお尋ねでございましたので、今手元に資料がございません。後ほどお答えさせていただきたいと存じます。

○仙谷委員 事前には伝わっていなかったのかもわかりませんが……(発言する者あり)いや、細かい数字とおっしゃるけれども、これは細心の注意を払って……(発言する者あり)いや、予告したんです。細心の注意を払っていただかなければならない数字であります。

 私の方からお答えします。

 昨年より約四千九百人減少しておるんではないんでしょうか。対前年比マイナス〇・九%という数字になっておるんじゃないんでしょうか。いかがですか。

○尾辻国務大臣 今先生のお示しの数字は、私の手元の資料ではしっかり確認できませんけれども、おおむねそういう数字であるということは承知をいたしております。

○仙谷委員 一昨年から昨年、二〇〇三年は、一月?六月の速報値というのがマイナス二・六%だったんです。現に、年間の確定値もマイナス二・六%、前年比ですね。それで一・二九の出生率になった。今度はさらにそこからマイナス〇・九%ですから、このまま確定すると対前年比マイナス〇・九%ということになりますから、出生率が一・二九よりもまだ下がる。

 現に、東京都が、昨年、特殊合計出生率が〇・九九八七になりました。渋谷区は〇・七五になりました。今まで、大体全国平均というのは、東京に、昔は三十年ぐらいかかって追いついたんだけれども、一九七〇年代は。今は十一年とか十二年で全国平均が東京の特殊合計出生率に追いつく。そうすると、十年たてば日本の出生率は一を割る。こういう、深刻な上にももっと深刻なことになるというふうに予測せざるを得ない。年金問題の前提として、やはり余りにも楽観的な、一・三二に回復するとか、一・三二を維持するとか、一・三九になるとか、こういうことは成り立たないんではないか。

 私は、政府の方に、この少子化対策への対応というのをもっと真剣に考える。それで、これを統一的に考えない限り、今のような、厚生省と文部省と労働省、あるいはほかの省庁も関係あるんでしょうけれども、ばらばらにやっているんではどうにもならぬ、このことだけを申し上げて、出生率あるいは少子化の深刻さということをもっと深刻に考えていただきたいということを指摘して、質問を終わります。

 前原議員に質問を交代いたします。