第3弾 公的資金注入問題

   & 生保契約者の声を反映させよ

  6月10日財務金融委員会

 

○仙谷委員 まず、保険業法の問題に入る前に、一、二点、「りそな」に対する公的資金注入に関連してお伺いをしておきたいと思います。

 竹中大臣が、金融庁の課長以下のところから「りそな」を介して監査法人にああしろこうしろというふうなことをやったんではないかという我々の疑念に対して、調査をした、報告をしていただきました。

 平岡委員の方から、先般、金曜日の日に、その報告に対する質疑をさせていただいたところでございますが、それをお伺いしておって、やはり平岡さんが申し上げておるように、どうも、大臣の方がやや逃げておるというか、回避されておる部分があるように思います。それは非常に大事な点でございますので、私の方から確認的にお伺いしたいと思います。

 

 重松(新日本監査法人)メモを金融庁は入手していた

 大臣の部下といいましょうか、金融庁当局の職員に対する調査の中で、五月九日に重松さんという新日本監査法人の代表社員の方がつくられたメモというものがあるようでありますが、それを、「りそな」を介して、金融庁の銀行一課長以下は入手をしておったんでしょうか。いかがですか。その点については、竹中大臣の調査の結果はどうなっておったですか。

○竹中国務大臣 先般、御指摘のように調査をさせていただきました。

 回避している、逃げているという御表現がございましたが、私自身は、本当に金融行政の信頼性を回復するために、逃げることなくきっちりとぜひ調査をしたいと思っておりますし、そのつもりでございます。

 お尋ねの五月九日付のメモ云々でございますけれども、これに関して、具体的なやりとりについて、私、詳細なコメントをする立場にはないと思っておりますが、いずれにしましても、職員に対して、金融行政の信頼性を損なう疑念があるという御指摘をいただきましたことについては、いろいろな形で先方に対して圧力をかけるとか、ないしは圧力をかけているような誤解を与えるような、そういったことは一切なかったという回答を得ておりまして、そのような旨を報告させていただいている次第であります。

○仙谷委員 だから、その結論部分、圧力をかけていないとか恫喝をしていないとおっしゃっている部分が、具体的に見ると、どうもそこのところをすっ飛ばして、結論部分だけで、やっていないと否定されても、それは、我々、いろいろな尋問とか調査するときに、いや、だけれどもこの点はどうなっているの、つまり、だから、否定をされる根拠が、そのことを認めることによって全部崩れる可能性があるから聞いているんです。

 つまり、あした参考人の方も出てこられるわけですよ。「りそな」の方に聞いて、新日本の方に聞けばわかる話なんですよ。うそであることがわかっちゃった、もしそういうことになったら竹中大臣の顔がないと思うから聞いているんじゃないですか。そんないいかげんな調査だったらしない方がいい、こういうことになるんじゃないですか。

 だから、そのぐらいのことは、つまり、どこまで疑わしいと思って調査をするかどうかは別にして、一応、こういうことも、相手さんが、「りそな」の方がこんなことを言っている。結論としてこれは、妙ちきりんなことに、繰り延べ資産の三年編入みたいな話になっているわけですよ。ここは、金融庁の課長が言うように、非常に論理的におかしいわけだ。つまり、こんな新しい会計基準が勝手につくられるんじゃ困るという話になる可能性があるわけですよ、これは。

 なぜそうなったのかという話は、やはり談合以外に考えられないと僕はにらんでおるんだけれども、談合がどこでどういうふうに行われたかという、その徴憑としては、割とこれは具体的で、非常に核心部分なんですよ、この重松メモというのは。だから聞いているんじゃないですか。

 

 核心は重松メモに対しての金融庁の態度

 だから、あなたの方も、もし今の段階で聞いていないんだったら、改めて聞く、重松メモというものがあったのか、それから、重松メモというのを間接的でも見たのか、あるいは、「りそな」からファクスか持参、手渡しで渡されているのか、見てから、そのことについてどういうことを言ったのか、言わなかったのか、これが今回の核心じゃないですか、五月九日の。いかがですか。

○竹中国務大臣 御指摘のように、私なりに一生懸命調査をしておりますけれども、それが結局違ったじゃないか、そんなことになると、これは私自身も大変困るわけであります。

 調査の基本的な原則については、以前もお話をさせていただいたのでありますけれども、その出所等々が確認できたものについては、かつ、それが十分に証拠性があるというふうに判断した場合には、これは、我々としてはきっちりと検査、調査をするつもりでございます。

 例えば、一例として申し上げれば、議員もこの間御質問くださった、大塚耕平議員に対して出された手紙でございます。これは、申し上げましたけれども、私はもう大塚先生に既に私の住所をお知らせいたしました、ここにどうぞ知らせてくださいと。コンプライアンス室もつくって、そこに弁護士も置いて、そこにお知らせしていただくというルートも近いうちにつくろうと思っております。そういうところできちっと、証拠性があって、かつ、だれが申し出るか、確認できるようなものがありました場合は、これは、当然のことながら、調査をしなければいけないというふうに思っております。

 ただ、確認のできないメモに関しましては、やはり私としては、私のできる範囲で部下に問いただして、それに対して疑義がないかということを確認するというのが、私ができることであるというふうに思っております。

 そうした点に関して、また先方との個々のやりとりについては、これはいろいろな報道がなされているのは承知をしておりますけれども、それについては、私たちとしては、確認できないものについて一つ一つさらに立ち入ってというのは、ないしは、それについて具体的に言及するというのは、これは差し控えさせていただかなければいけないと思っております。

 繰り返し申し上げますが、ぜひ御理解いただきたいのは二点でございます。一つは、証拠性があって、相手も確認できるようなもの、これは、私に対するホットライン、弁護士に対するホットライン等々で確認できたものにつきましては、必要があると認めたら、これはしっかりと調査をさせていただきます。

 しかし、確認のできないメモ等々について、私たちがやるべきこと、できることというのは、これはやはり私の部下に対してしっかりと、問題がないか、疑念がないかということを確認することであって、それについてはしっかりとやらせていただいたつもりでおります。

○仙谷委員 竹中大臣は裁判をされたことはないですか。裁判されたことないですか、原告とか被告で。裁判当事者になったことはない??今はない。それは幸せなことでございます。

 要するに、今大臣がおっしゃった、証拠とすることができるかどうかとおっしゃいましたね。この種の書証というものは、成立について、まず、相手方が確かに争うか認めるかということ、そういう手続があるわけですよ。だから、例えば私がこういうコピーがあるよと出したときに、金融庁の方で、確かにどうもあったようです、そういうものが存在したことを認めますと言ったら、これはもう証拠になるわけですよ。

 今存在が争われているけれども、これは裁判手続ではありませんから、もし大臣がその気になれば、「りそな」に部下をして電話をかけさせて、こういうものをつくったことがあるかないか、つくったものと異同があるかないか、コピーの段階で変造的にコピーされているかどうかということを聞けばわかる話なんですよ、この程度のことは、本当は。

 そこで、成立に疑いがなくなった段階では、今度は、ここに記載されていることが本当かどうかという吟味に入らなきゃいけないんです。書面が真正に成立されておっても、書かれてあることが全部本当だとは限りません、うそを書いている人もおります。ある人が書いた書類であることを認めても、書いた人が夢に見たことを書いたり作り話を書いたり、講釈師見てきたようなうそを言いというのを書く人もおるんです。だから、それは吟味をすることが重要なんです。

 しかし、本件の場合は、私が言っているように、その中で、五月九日の重松メモというものがどうも「りそな」までは提出をされて、さらに金融庁の方でそれを読んで、ああじゃらこうじゃら、こうしてこい、ああしてこいという議論が行われて、結局言われたとおりになっておる。言われたとおりではないけれども、足して二で割ったような話になっておるということからすると、どうもこの重松メモというのは存在したんではないか、現に金融庁にも写しがあるんではないかというふうに私は経験則に基づいて合理的に推測しているんですよ。(発言する者あり)いや、蓋然性より高い、これは。

 そこで申し上げておるのだから、コンプライアンスも弁護士が入ってどうのこうのも当然のことなので、余りそういうことを、本当は今の段階でまだそれを公にしたくないのか、そこを認めたらほころびが出るからそうおっしゃっているのか知らぬけれども、要するにこの点があしたも核心部分になりますので、どうぞひとつ、今のような中途半端なお答えならば、もう一回調べてこの委員会で報告をいただきたい。この問題について最後までしらを切り通そうとしたって、竹中さん、これは通用しませんよ、本当に。どうですか。

○竹中国務大臣 冒頭で、あなたは裁判をしたことがあるかというふうに言われて、ちょっと私の勘違いで、裁判で、私、原告で、今名誉毀損で訴えている件が三件か四件かありますので、その意味では裁判をしております。大臣になる前は裁判に携わることはありませんでしたが、大臣になってからそういうことがございます。

 それで、私の記憶違いでなければ、重松メモというふうにおっしゃいましたが、その重松メモについてこの委員会で御議論いただいた、ないしはお示しいただいたことはなかったのではないかと思っております。その意味で、この重松メモとおっしゃるものがちょっと確認できないというふうに私は先ほど答弁をさせていただいたつもりでございます。

 繰り返して言いますが、ごまかすとかうやむやにするとかいうつもりは全くございません。私としてできることが何かということで、精いっぱいやっているつもりであります。

 繰り返しますが、確認するんだ、相手がこれを否定するかどうか確認するんだ、そのとおりであろうかと思います。ところが、確認できない紙があるわけですね。その確認できない紙に関しては、これは情況証拠だからということで、それ以上のことをできるかというと、これはやはり私たちとしてはできないということなんだと思うんです。

 これは、確認できて、相手が、否定しますか、否定しませんということでありましたら、次の段階として我々は調査をしなければいけないんだと思っております。そのために、確認するために、先ほど言いましたように、私の住所もお知らせして、それで弁護士を通してということも考えているわけで、我々としては精いっぱい、行政に対する信頼性を持っていただくための努力をしているつもりでございます。

 その原則はしっかりと守りながら、解明すべきは解明して、行政に対する信頼性を高めていきたいと私自身強く思っておりますので、その点も含めて、明日また午前中も御審議いただくと思いますが、ぜひとも我々の立場というものも御理解賜りたいと思います。

○仙谷委員 きょうは時間がございませんので、それでは、重松メモを、今金融庁の中に存在するかどうか、そういうもののコピーなりファクスを受けたことがあるかどうか、これを改めて調べてください。

 ちょっと話題を変えますが、きょうの新聞でもそうでありますが、ニュースで、いよいよ「りそな」に対して公的資金の注入をするという報道がされております。

 私は先般も、注入するときの一株当たりの株価はどうするんだと。現在の時価、きのうであれば六十六円であったようでありますが、これを前提にするとたかだか三千億弱にしかならないんじゃないかと私は計算しておりますが、そういう資本金で、一株当たり六十六円の株価というときに、二兆円の資本注入をする、これは株式の数としては、単純に普通株で計算しますと、簡単に言えば二百億株以上の金額ということにならざるを得ない。片や「りそな」が発行済みの株式総数は五十六億株ぐらいですから、これはどうするんだろうか。新聞を見ると、しかし、普通株の株式が同じぐらい、フィフティー・フィフティーになるぐらいの数を入れるんだと。何か変なことを言っているな。全然根拠ある数字が発表されていない。

 

 数字を基礎にした議論が行われていない

 このごろの経済部の記者かどこの記者か知りませんけれども、ほとんど勉強不足か何か知らぬけれども、財務省か金融庁か知らぬけれども、ここの数字もない発表を平気で流して書く、あるいは揣摩憶測で一部書く。そもそも、根拠のある数字を前提にした議論が新聞の紙上でもこの場でもほとんど行われていないんじゃないかという危惧を私は持っているんですね。

 これは一株どのぐらいの金額で、国が買うことになるわけですが、預金保険機構が買うことになるわけですが、どういう計算で買おうとするんですか。それから、当然のことながら、転換株式、優先株の転換価格というふうなものをどういうふうに設定しようとするんですか。私が前回質問するときにお示しした資料だと、今までは、安いので五百円、高いのでは千二百五十円もつけて買っているんですよ。言っておきますけれども、今六十六円ですから、これはどういうつもりなんですか。

○竹中国務大臣 まず、最初の方で委員が重松メモについて調査をしろという御指摘がございました。

 我々としては、いつ、何を受け取ったか受け取らないかということは、監督上知り得たことに関しては全部申し上げるわけにはいかないのでありますけれども、委員の方でそういうものをこの委員会でお示しをいただいて、それに基づいてということでありましたら、それは考えさせていただくということになろうかと思います。

 それと、「りそな」の公的資金に関してはまさに憶測記事が多いということに関しては、これは本当にそうだと思っております。憶測が多くて、私自身も、新聞を見て、知らないことがいっぱい出ていてびっくりすることが多々あるわけでございます。

 直接お尋ねの、これは確かに非常に大きな金額の増強を行う。商法等々のさまざまな規定をクリアする、しかも我々としては、方向としては三分の二の議決権シェアを占めたい、特別決議で決議ができるような議決権シェアを占めたいと思っている。その場合の商品設計といいますか、普通株、種類株をどのように組み合わせるのかといった問題でありますとか、その場合の価格をどのようにするかというのは、これはまさに今我々が審査している大変中心的な議題でございます。これはしかし、今申し出をいただいて、まさに経営健全化計画とあわせて審査しているところでございますので、その商品性につきましては、審査が終わった段階まで少しお待ちをいただかざるを得ないというふうに思っております。

 ただ、いずれにしましても、その価格づけにしましても、これは、フィナンシャルアドバイザーといいますか、専門家の意見も聞きながら市場の動向とそごを来さないような形でしっかりと行わなければ制度設計が成り立たないというふうに思っておりますので、繰り返しになりますが、先方からの申請を受けて、しっかりと今審査をしているところでございます。

○仙谷委員 当然のことながら、六十六円の株価を、普通株で前提にするわけですから、御承知だと思いますが、商法二百八十の二、「新株ノ発行」という項目がありますね。そこの五項では、「市場価格アル株式ヲ公正ナル価額ニテ発行スル場合ニ於テハ第一項第二号ノ発行価額ニ付テハ其ノ決定ノ方法ヲ定ムルヲ以テ足ル」というふうになっているわけですよね。つまり、これは新株発行に際して、取締役会の決議の方法のときの規定でありますが、市場価格がある株式は当然市場価格が前提になるんだ、ここがまず一点ですね。

 それを前提にして公正なる価格を決めなきゃいかぬ、こういうことでありますから、当然こういう常識的というか、当たり前の基準はお守りになって、まさか一株が六十六円の時価のものを百円で買ったり千円で買ったり、そんなばかなことはしないでしょうねということを申し上げておるんです。

○竹中国務大臣 仙谷委員が御指摘になった商法の細部の条文をちょっと持ち合わせておりませんが、公正なる価格で決定されなければならない、これは当然のことであろうかと思います。

 その場合に、上場されてマーケットがあるものでありますから、市場価格が前提になる、市場価格と矛盾するような価格で売買するということはあり得ないことである、これはもう明確に申し上げておきたいと思います。

○仙谷委員 それでは、保険業法の方に移りますが、先般、金融庁の事務当局の方にこういうデータをつくってほしいということをお願いしたんです。現在の低金利政策で生保各社がどのぐらいの利子収入を失っているのか。つまり、長期金利が一%、あるいは一・五%、二%、三%というふうなケースの場合に、生保各社はどのぐらいの利子収入を得ているはずなのか、このシミュレーション、それから、長期金利が何%になったら逆ざやが各生保会社ごとに解消するのかというのをつくってほしい、こうお願いしたんです。その時点では、そんなものありまへん、こういう話だし、そのとおり、現時点でもございませんでしょうか。

○竹中国務大臣 委員御指摘の問題意識というのは大変重要であるというふうに私も思います。ただ、技術的には難しいということも同時にございます。

 まず、生保の資産運用の方法、大変これは多様でありまして、低金利が運用収入に与える影響について、これを一律に把握するのは難しいというのが一つであります。ただ、概算で何か示せないか、何らかのメルクマールはないのかということでございましたら、これは、十三年度末における生命保険会社の総資産残高は百八十兆円であります。その中で、預貯金とか公社債、外国証券、貸付金、つまり金利型の資産、金利を直接生み出す資産というのは約百三十兆円ございます。したがって、例えばですけれども、金利が一%上昇したら、単純計算いたしますと一兆三千億円収入が増加するということになります。そういうめどは一つ我々も持っています。しかしながら、先ほど難しいと申し上げましたのは、他方で、金利が上がりますと、債券価格が下落するという資産の面での影響が出てきて、それでキャピタルロスを生じる。したがって、直ちにこれがどのような影響をもたらすかということは総合的に判断するのは難しい。

 お尋ねの第二点目でありますけれども、長期金利がどのぐらいになれば逆ざやは解消するのか、このお尋ねもあったというふうに思いますが、これも同様に大変難しい。これも、運用方法がさまざまであって、新規契約の動向がどうなるかとかいうこともあるわけでございますが、これもあえて一つのめどを申し上げれば、非常にマクロのざっくりとした数字にはなりますけれども、十三年度末において生命保険会社の平均予定利回りというのは三・五六%であります。一方で、運用利回りが二・三一%。そのギャップが一・二五%ということになりますから、今の新しい試算ではなくて、総平均で見て、運用利回りが一・二五%改善すれば逆ざやは解消する。大変ざっくりとした数字で申し上げれば以上のようになります。

○仙谷委員 先ほども申し上げたんですが、本当に数字を前提にしない議論が多過ぎる。もう再三再四数字を、金融庁の方に算出をお願いしても、そんなものはない、あるいは、非常に私のところへ来るのが横着な、いっぱい白抜きのところがあったり。まあ、今回の「りそな」問題と、特に大騒ぎしている生保の予定利率の引き下げ問題についても、基礎的なデータなしで、何か揣摩憶測、蓋然性と、何か推測の世界で議論をしている、そういう気がしますね。私は、こんなことがあってはならないと思うんですね。

 

 生保の株主総会をもって保険契約者が

     切り下げを承認したことにはならない

 時間がもうほとんどなくなりましたが、一点だけ、さらに契約のことについてお伺いするのでありますが、実際問題として、とりわけ株式会社という形態をとっている会社で、株主総会の議決で予定利率の引き下げの決議をした場合に、なぜそのことが保険者と保険契約者の契約内容の変更をもたらすのか。団体法的な決議がなぜ個人の当事者間の契約の中身を律するというふうなことができるのか。

 代表なければ課税なしというのは、これはアメリカの独立革命でありますが、代表のないところに、いいですか、契約者がだれにも委任していない。委任をした人が代理人とか代表者として何らかの法律行為をして、そこで決議がもしされたんだったら、それが契約内容を律するということは、そういう論理展開、法律構成をとることはできないわけではないと思いますが、代表を私はだれにもされていません、されていない人がどこかへ行って株主総会だと称して決議をした、それがなぜ法律関係上、個別契約の中身を律することができるのか、それも不利益処分ができるのか。これは、単純な民法の理論からいっても、商法の理論からいっても、こんなことがあり得てはならない。こんなことがあり得るんだったらもう資本主義やめた方がいい。いや、本当ですよ、これ。統制国家しかあり得ない。あるいは、もう少し言えば、危機管理のとき以外にはあり得てはならない。私は、こういう観点から、もう自民党で勇気ある十八人の若い人が、きょう首になった人もおるみたいだけれども、ちゃんと問題提起をした、こういうふうに理解をしておるんだけれども。

 いいですか。なぜ、団体法の規制というか法律的行為がなされたときに、個別の契約関係を律することができる法律効果を持つのか。これは、あなた、我妻大先生でも、こんな難しい議論というよりも、こんなことはあり得てはならない、単純に言い切ると思いますよ。これはどう解釈し、どう説明するんですか。どうですか。

○竹中国務大臣 仙谷委員の御指摘、これまでの答弁の中でもいろいろ議論させていただいたつもりでありますが、これは、主体的な判断、自治的な手続というふうに言う、ところが、今のお尋ねは、特に株式会社形式の場合に、株主総会というのが契約者と全く違う実態になっている、それに対してどのようにこれを正当化するのか、極めて重要な御質問だと思っております。

 これは何度か御説明をさせていただきましたけれども、今回のスキームでは、これは条件変更でありますから、その条件変更の意思決定の手続として、二段階で考える。

 一つは、保険会社として、会社としての機関意思決定、これは株式会社の場合は株主総会になる、相互は総代会になる。もう一つの方法として、保険契約者の権利の保護のための手続ということで異議申し立ての手続をとっている。これに対しては、保険契約者が膨大であることとか保険の団体性にかんがみて、異議申し立ての手続を行う。実際に、異議申し立ての手続というのは、その他の条項についても現実には既にこれまでの法律でも定められているわけでございます。そうすることによって、御指摘のような問題に対して一つの解決策を提示したつもりでございます。

○仙谷委員 これはこの間もおっしゃっていて、今もおっしゃったんだけれども、会社の意思が決定された、その意思は相手に対して表示されなければならない、表示して到達されなければならない、到達しても効果は発しない、つまり、契約の内容の変更の申し出にしかすぎない。申し込みなんですよ、これは。意思表示の申し込みなんですよ。承諾という行為が要るんですよ。承諾という行為がないと、意思表示の、そこで合致ということはありませんから、新たな意思表示、新たな意思表示の合致、新たな契約内容ができるということにはなりません。

 これは僕は、決定的に、会社が通知を出したら意思表示になる、それはそうかもわからない。相手方、契約者の承諾がない限り、こんなものは、新たな契約条件の変更なんというのは成立しない。いいですか。それを、異議がなければ黙示の承諾があったとみなすというふうなこういう擬制は、こういう明示の法律契約があらかじめ前提になっている場合には、絶対にあり得ない。これは、もし法廷へ出たら必ず負けます。必ず勝てない。これは、契約が変わっていないということにしかならないと思います。

 この大命題は、改めてこの法律をもう一遍考え直して出し直さない限り、この法律はいろいろな欠陥がありますけれども、法律的にも大欠陥、新たな意思表示の合致がない、このことだけは申し上げておきます。