政府はなぜ、りそな銀行に2兆円も注入するのか

公的資金2兆円注入の根拠を問う

5月21日財務金融委員会

 突然発表されたりそな銀行への政府の資金注入に対して、5月21日の財務金融委員会で仙谷由人が体系だった批判と竹中大臣に対する追及を行ない、報道で紹介されました。

○小坂委員長 次に、仙谷由人君。

 

国民に対して謝らないのか

○仙谷委員 予期されておったこととはいえ、ついに「りそな」が実質的に破綻をした、こういうことだと思うんですが、そこで、預金保険法の百二条の認定をしたという報告をきょうされたわけですね。

 先ほどからお伺いしておりまして、竹中さん、これはだれが、総理大臣なのかあなたなのか知りませんけれども、もうちょっと国民に対して謙虚な恭順の意を示すような御発言があってしかるべきなんじゃないですか。だれも、申しわけなかったと言わないのはどういうことなんですか。どうですか。

○竹中国務大臣 現実に、一度公的資金を注入した銀行で、再び投入しなければいけなくなっている、しかもその金額が、金額はもちろん確定しておりませんけれども、相当の多額になる、こうしたことが起きたことに関しては、これは甚だ遺憾なことである。我々としては、金融問題を、さらに不良債権処理を加速して、この問題を真に二年程度で解決するために、新たな決意を持って金融再生プログラムをつくっているわけでございますけれども、それに向けて全力を挙げるのが我々の仕事だと思っております。

 再び公的資金を注入することになって、こうしたことを招いたことについては、甚だ遺憾であるというようなことは記者会見でも申し上げさせていただきましたし、NHKで申し上げる機会もありましたので、同じような発言をさせていただきました。

○仙谷委員 きょう配られた報告とか概要説明とか拝見しても、極めて事務的なんですね。これは、そういう事務的な報告だからそれでもいいのかもわかりませんけれども、大臣とか政治の立場にある者が、簡単に公的資金とおっしゃるんだけれども、これは税金ですわね。今の状況からすると、税金じゃなくて、生まれていない子供のツケ回しみたいな、カードローンを使って二兆三千億ですか、早々と、承諾も得ないで使ってしまう、こんな話になりかねない。もう少し緊張感を持って、税金をこう使わせていただくということじゃないと、もう国民は白けちゃってどうにもならないんじゃないですか。

 

仏の顔も三度まで

 それで今、一度どうのこうのとおっしゃったけれども、ここは一度じゃないんです、御存じのとおり。仏の顔も三度までと言うんだ。居候、三杯目はそっと出しと言う。堂々と、二兆三千億円公的資金注入しますなんということを言われたんじゃ、これはタックスペイヤーとして、何言ってるんだこのやろうという感じになりますよ、本当に、私みたいな上品な男でも。

 ましてや、本件の場合、二回資本注入をやったという経緯のほかに、ことしの二月に、今から考えてみると、弱者連合だなんということを本人が言うふざけた合併を認めた。さらには特別検査もやっている。さらには三月十一日に、りそなホールディングスは一千二百億円の新株発行をやる。これも金融庁は認めているじゃないですか。そんな会社が、二カ月程度たったら、あれよあれよ、先ほどの五十嵐さんの質問を聞いていたら、全く自己資本が空洞化しているような銀行になっちゃっている。計算上の繰り延べ税資産だけが自己資本のほとんどを占めるなんという、こんなふざけた話がどこにあるんですか。

 これを監督当局として、ここまでひどくない事例でももうちょっと、あなたの責任じゃないかもわからぬけれども、恭順の意を示して、国民に、まことに申しわけない、特別検査もやったけれども抜かりがありましたということを認めなきゃどうにもならぬじゃないですか。

 私、もう二年前になると思うけれども、三十六兆円も使って何やっているんだという質問を予算委員会で柳澤さんにしたら、当時の柳澤金融担当大臣、烈火のごとく怒った。私は、お金がどのぐらいかかったかというよりも、かけた上で、この日本の金融システムなり、資本注入を受けた銀行が、金融機関としてもちゃんとした機能を果たせているのかどうなのか、ここが問題だということを言い返したでしょうが、あのときに。全く、その当時言った杞憂というか危惧が、現実化しているじゃないですか。

 これだけの金をつぎ込んで、決して少ない金額じゃないですよ。一兆幾らですか、あさひ、大和、近畿大阪含めて。全部で一兆一千六百八十億円だ、つぎ込んだ金が。国民の税金つぎ込んだらこういうことですよ。それが現時点でこうなったということについては、もうちょっと謙虚な気持ちで、あるいは税金を使うことについての緊張感を持ってやっていただかなきゃいけないんじゃないですか。いかがですか。

○竹中国務大臣 我々は、公的資金、貴重な、今すぐ税金を使うわけではないにしても、国民の負担になる可能性のあるその公的なものを使うことに関しては、当然のことながら、これは非常に重く受けとめております。緊張感がないというふうに言われましたが、それはちょっと私たちのここ何カ月間かの働きの中で、もう少し御表現の仕方もあるのではないかなというふうに、はっきり言って思います。そんなことはございません。

 私たちの今回の措置に至ったこの重い気持ちは、記者会見でも、先ほど言いましたテレビでも、私なりに表現をさせていただいたつもりでございます。

 日本の金融に問題があると、私自身、金融担当大臣に就任した直後から申し上げている。その上で、これまでの検査は十分であったのか、これまでのガバナンスの仕組みは十分であったのか、過去の資本注入のお金は本当に有効に生かされたのか、そうしたことを含めて、反省すべきは反省して、もう一度高い目標を立てて、不良債権問題を二年で終結させるという目標を立てて、それで、それを実行するためのプログラムをつくるということを現実に我々は行ったわけです。その過程で、資本不足の銀行が生ずる可能性もあるだろう、したがって、それに対しては公的支援の枠組みもつくって、その際の混乱がないようにぜひともしたい、そういう強い決意のもとで金融行政を行ってきたつもりでございます。

 今回、結果として、こういうふうに公的資金、これはそういうことをやらないで日本の金融機関が健全化していってほしいと、私も本当に思います。しかし、今回、さまざまな検査、繰り延べ税金資産に対する評価の中でこういうことが起きたということに対して、我々は今の持っている枠組みの中でしっかりと対応して、しかし同時に、繰り返し申し上げますが、二年でこの問題を終結させるという目標、これを必ず実現させるために必要な措置をとっていく。今回の措置もそのために必要な措置であるというふうに思っております。その辺はしっかりと対応をさせていただきたいと思うし、その辺の我々の思いと実際の行動については、もちろん厳しく評価していただくと同時に、御理解もいただきたいと思います。

 

金融危機対応会議で総理は数字を見たのか

○仙谷委員 結局、国民に対して申しわけないの一言が言えないんですね。

 二年でこの不良債権問題処理すると大見え切られたけれども、私は、こんなやり方で、二十年かかると思っています。二年でやるなら、こんなやり方じゃ絶対できない。それは、あなただったら、大臣だったら、この不良債権問題の深い深い深淵というのを知っているはずだ。業務純益だけでこなすようなやり方で、二年でできるなんて、そんなばかな話は絶対ない、私はそう思っていますから、余り大見え切らない方がいいですよ、そんなところで。

 私は、緊張感あるとおっしゃったけれども、緊張感、本当にあるのかどうか疑わしいから言っているんですよ。どういうことかというと、さっき五十嵐代議士も申し上げておったけれども、要するに、数字が我々のところに届かないんですよ、この百二条一号認定をする。どういう数字をあなたが見てやったのかが全然我々のところに明らかにならない。ということは、私に言わせれば、金融危機対応会議の中で、あるいは総理大臣は数字を見てないんじゃないか、竹中さんも数字をちゃんと見ないでこの認定をしたんじゃないか、今疑っているんですよ。

 つまり、対応会議に出した数字があるんだったらちゃんと持ってきてちょうだいと、きのうから言っているんですよ。例えば、私がきのうから要求したのは、三年ぐらいの業務純益の変動、不良債権額の変動、貸出資産の残高の変動、不良債権処理額の変動、預金の変動、株式償却損の変動、税効果会計の変動、国債保有額の変動、異動と言ってもいいけれども、三年ぐらい持ってきてちょうだいときのうから言っているけれども、全然できないじゃないですか。

 それで、失礼にもほどがあるけれども、ホールディングスがいろいろ発表してきた生の書類を送ってきた、余り忙しくてできなかったのかもわかりませんけれども。ということは、塩川さんはいなかったけれども、金融危機対応会議で、あなたなり総理大臣はどんな資料をもとにしてこの認定をしたのか、極めて疑わしい。極めて疑わしいと思うんです。

 

数字の根拠に基づいた議論をすべきだ

 対応会議に出した書類があるんであれば、企業の極秘にかかわるような事態があれば消してもいいから、ちゃんと国会に出してくださいよ、国民に明らかにしてくださいよ。ひとり二兆注入とか、二兆三千億とか、わけのわからぬ数字が走るだけじゃないですか。今回、基本になる数字、何にも我々も知らされていないし、メディアの方も報道していませんよ。どうですか。

○竹中国務大臣 金融庁に資料を請求したけれども数字が出てこなかったと今先生おっしゃいましたですね。ちょっとその辺の事情、私よく理解できないのでございますけれども、その対応がまずかったということでありましたら、おわびを申し上げなければいけません。

 当然のことながら、数字に関しては、その都度その都度、すごいいろいろな細かい数字も含めて、私も当然見ておりますし、それは全部というわけにいきませんが、重要なエッセンスは事前に総理にも御説明をしております。金融危機対応会議そのもので、そういった数字を精査するという場ではございませんですけれども、これは事前に担当の御出席の方々にもそのような御報告は行っております。

 数字を出せ、こういう数字を出せという御指示がございましたら、もちろん、出せない数字はともかくとして、我々の判断の材料になったもの、御参照いただくもの、これは当然のことながらお出しできると思いますし、しっかりと対応させていただきたいと思います。

○仙谷委員 いや、自民党の先生方も多分持っていないと思いますよ、今私が申し上げたのは。持っていないでしょう。業務純益から、不良債権から、貸出残高から、不良債権の処理額から、預金、それから株の償却損益、税効果会計、つまり繰り延べ資産の異動、国債の保有額の異動、各決算期のですよ、こんなもの、何かありますか。自民党だけに出して我々に出していないんだと、これはまたけしからぬ話だけれども。(発言する者あり)

 ええ、極めて基本、つまり、素人が見ても経営状態がどう移っていっているのかがわかる、私でもわかる数字を要求したわけですよ。できたら一覧表にして出してくれ。出てこないじゃないですか。どうも、ないんじゃないかと思っているんですよ。どうですか。

○西原政府参考人 お答え申し上げます。

 大変申しわけありません。実は作業が間に合いませんで、ディスクロージャー誌とか有価証券報告書、こういったものを中心に御提示をさせていただきまして、今先生のおっしゃるような項目に従って一表にまとまったものをちょっとつくる余裕がなくて、そういったものを御提出させていただいたわけでございますが、非常にわかりにくいということで、改めてそれを整理させていただいて、表にした形でつくり直させていただきたいと思います。

○仙谷委員 今回の審議だけやり過ごしたらいいと思ってネグったんじゃないかと私は思っているんですよ。

 例えば、じゃ今の、りそなホールディングスの株式の時価総額を出してこいと言ったら、だれも出してこないじゃないですか。こんなもの、どうして出ないんですか。幾らですか、時価総額。

○西原政府参考人 お答え申し上げます。

 五月二十日時点で、りそなホールディングの株価が終値五十一円でございましたので、これに基づいて発行済み株式数にそれを掛けますと、時価総額が二千八百八十三億円となります。

 

今まで資金注入した優先株はいくらの価値になっているか

○仙谷委員 この数字は大事な数字だと思って、きのうから聞いている。さらに大事な数字は、例の、先ほど申し上げた資金注入した優先株が今どのぐらいの価格なのか、今どのぐらいの価値を持っているのか。これも教えてくれと言ったら、来ました、来ました。提出会社の状況という、一回ごと中を読んで、転換比率を計算して、転換株がどのぐらいになって、全部私が計算しなきゃできないものを送りつけてくれましたので、しようがありませんから、昔とったきねづかで計算しました。きょうお出ししてある資料の二枚目です。

 私は、五十一円とか四十九円とか四十八円とか、ぶらぶらぶらぶらこの株がしているものだから、五十円で計算すると、先ほど西原さんがおっしゃったのとほぼ近い、二千八百十七億円というのが普通株式の時価総額。

 優先株式、計算してみました。間違っていたらまた後で訂正をいただきたいのでありますが、要するに、八千六百八十億円を優先株として資本注入したわけですね。

 一枚目の方に返っていただきますと、そこにある乙、丙、戊、己ですか、この四回分、払込額が、それぞれここに記載してあるように、六百円、五百円、千二百五十円、千二百五十円、こういう払い込みの優先株式の引き受けであったわけでありますが、それぞれの転換比率というのは、百六十六円を下がったときには、百六十六円で五百を割って、そこで転換比率を出すんだというふうなことが書いてある。あるいは、戊と己は、三百五十九円八十銭以下の株価になったときには、その千二百五十円払ったのを三百五十九・八〇で割ってやると、そこに転換比率が出てくる。

 こういうふうになっておりまして、それを計算すると、普通株としては大体三十八億株を取得するということになるであろう、多分、株価が三百五十九円以上にはね上がる、あるいは百六十六円以上にはね上がることがない限り、大体こういう株数になるだろうということだろうと思います。

 これに五十円を、つまり現在の時価を掛けてみますと、千九百一億円。つまり、八千六百八十億円ほうり込んだその国民の税金は、現在価値で一千九百二億円になっている。六千七百七十八億円吹っ飛んだ。つまり、注入したお金はその七八%がどこかへ行ってしまった、こういう計算になるわけですね。

 

(資料1枚目)

発行済株式

種類

中間会計期間末現在発行数

払込額(円)

転換比率

転換後の株数(株)

平成14年9月30日

普通株式

5,635,053,106

(×50=281,752,655,300)

乙種第1回

優先株式

680,000,000

600

3,429

2331,700,000

丙種第1回

優先株式

120,000,000

500

2,999

359,880,000

戊種第1回

優先株式

240,000,000

1250

3,474

833,760,000

己種第1回

優先株式

80,000,000

1250

3,474

277,920,000

計 6,766,372,106

転換後の普通株式総合計

3,803,260,000株

×50

190,163,000,000円

(資料2枚目)   時価総額

発行済み株式

普通     5,635,053,106株×50 = 281,752 百万円

優先 転換後 3,803,260,000株×50 = 190,163 百万円

           合 計         471,915 百万円

注入額

98年3月佐々波委員会      各1000億円=     2000億円

99年3月早期健全化法   あさひ 5000億円            

計9,680億円

大和  4080億円            

近畿大阪 600億円            

(劣後ローン 3000億円)

合 計            8,680億円

(注入額)8680億円 −(転換後・現在時価)1902億円=6778億円

−6778億円の現在価値は −78,09%            

 

注入した資金の78%が失われた その責任は誰がとる

 これは、私どもが九八年の金融健全化法をつくるときに、佐々波委員会で失敗しているんだから、厳しい、その後デューデリジェンスという言葉がはやったけれども、そのときは資産査定と言っていた。資産査定をやらないと、結局佐々波委員会の失敗をもう一遍繰り返すことになりますよと。厳しい資産査定こそが必要だ、減資も必要だ、減資をやらない限りむちゃくちゃになりますよ、株主責任を問えないだけじゃなくて、モラルハザードを起こして、とんでもないことになりますよと。ところが、無理やり通してしまった、自民党を中心に。我々は反対しましたけれども。

 その結果、一九九九年の資本注入と称するものが約一兆円かけて行われたという、そのときの分まで含めると、そして今になってみると何と七八%飛んでいるじゃないですか。これはだれが責任をとるんですか。どうですか、大臣。

○竹中国務大臣 価格をどのように設定するかとかで数字の若干のやりくりはあるにせよ、過去の投入した分について、今このような厳しい経営の中で厳しい評価をしなければいけないという事実はあるというふうに認識をしております。

 これは、今後我々としては、先ほどから何度も申し上げていますように、しっかりとしたビジネスモデルを再構築する。過去、資本を注入したけれども十分な収益性を確保することができなかった。したがって、我々は、自己資本の充実に加えて、資産査定とガバナンスの強化というのを再生プログラムの中核に置いているわけで、今回においても、しっかりとしたビジネスの体制をつくって、それによってこの公的な資金が回収されるような道をぜひともつくっていく必要があるというふうに思っております。

 今後、経営健全化計画を新たに提出して、それを着実に実行して、その価値が増大していく。これはとりもなおさず、この銀行が社会の中で大きな役割を果たして、地域全体に貢献するということ、さらには、国民の負担を小さくして、公的な政策としての役割を果たすことにつながっていくと思いますので、こうした点を、反省すべきところは反省して、しっかりと打ち立てていきたいというふうに思っております。

 

なぜ2兆3千億なのか

○仙谷委員 いや、私は、じゃ次にこういうことを申し上げたい。

 現在の普通株の時価総額、これは二千八百億でも二千九百億でもいいんだけれども、何で二兆三千億も出すんですか。TOBをかけて買い取ればいいじゃないですか。全面国有化で買ってあげればいいじゃないですか。この会社の株式を持つよりも、国が例えば七十円で買ってあげると言ったら喜んでみんな持ってくるかもわかりませんよ。二兆三千億なんか要らないじゃないですか。そんな資本建てする必要、どこにあるんですか。

 何で、そういう簡明なシステム保全というか危機管理の方策をやろうとしないで、まだ二兆三千億もどこにお金があるのか知らぬけれども、自分の金のように簡単にほうり込むみたいな、注入するみたいなことを言うんですか。どうですか。

○竹中国務大臣 我々としては、この資産規模四十兆円の銀行を、銀行というのは極めて重要な、特に今回の場合、大阪、埼玉地域の、地域の中小企業に根差した非常に重要な機能を果たしている。これを、マーケットの中でしっかりと十分な資本を持って活動していけるような立派な銀行として機能をさせたいわけです。

 例えば、自己資本を厚くしないことには市場の中で過少な資本ということで影響を受けるわけですし、過少な資本であれば地域に対して十分な貸し出しを行うこともこれまたできなくなるわけであります。そういった意味でのマクロ経済へのインパクトを考えて、日本の経済全体の中で銀行機能が十分に発揮されて、中小企業等々が影響を受けないように、預金者が迷惑をこうむらないように、それをまさに行うことが、危機的な問題を、信用秩序の崩壊を未然に防ぐことになるというふうに判断するわけです。

○仙谷委員 今のは絶対間違っていますよ。マーケットの中でも、民間銀行だから資本が要るので、国有民営銀行だったら全然要りませんよ。何を言っているんですか。日銀が流動性を保障して、ちゃんとそこは信用創造すればいいだけの話じゃないですか。民間だからBIS規制の八%が必要だとか四%が必要だということになるんじゃないですか。

 それで、竹中さん、もうちょっと考えてもらいたいのは、二兆三千億円という話は、一株五十円にしたら何株になるんですか。簡単に計算したら四百六十億株じゃないですか。先ほどお答えがあったように、普通株はこの会社は五十六億株なんですよ。そこへ今四百六十億株の資本注入を行おうとしているんですよ。これは何かおかしいと思いませんか。

 つまり、常識的に考えたら、減資をしないでも九五%ぐらいは国有になるじゃないか、国が普通株を持つことになるじゃないですか。何でそんな国有の仕方があるのかということを僕は言いたいわけですよ。これは全くおかしいと思う。計算上、これは、私の頭がおかしいのか、金融庁の頭がおかしいのか、どちらですか。

○竹中国務大臣 基本的にまだ金額が確定しているわけではもちろんございません。これは我々何回も言いました。

 繰り返し言いますが、十分な自己資本を持って、民間の中で、つまり国立の銀行ではなくて、民間の経営の柔軟さを発揮して、かつマクロ経済に貢献できるような銀行活動を維持させたいというのが政策のねらいです。繰り返しますが、一〇%を上回るような自己資本比率を持ちたい、金額は決まっていない。

 今の仙谷委員の計算は、ちょっと私も暗算でついていきましたけれども、これは普通株でやったらこうなるということでございますけれども、当然のことながら、今までに比べて新規に発行できる株式の数、これは商法上の制約等々ございます。そうして、金額等々に関しては、いわゆる種類株で、金額が高い種類株を組み合わせるということも考えられる。そうすると、株式の株数は当然のことながら違ってくる。そういったことを組み合わせて、もう一つ、種類株と普通株の比率についても、これは制約が設けられている。実は計算上は大変難しい計算になっているわけでありますけれども、そうした中で、そういった組み合わせを適切に行って、今申し上げましたような政策的な目的、目標を達成したいというふうに思っているわけです。

○仙谷委員 余り、専門用語を並べて、いろいろ種類株とか何とかそんなわけのわからぬことを言っても、資本がほとんどなくなっているところへ二兆三千億ほうり込むんだから、こちらの資本の方が圧倒的に優位なことになるのは当たり前じゃないですか。わざと何でその影響力を少なくさせようとしているのかわからない。

 

りそなの株主責任はなぜ問わないのか

 つまり、あなたは何で最初から減資はしないなんということを堂々と言うんですか。国民の金はそんなに粗末に扱ってもへっちゃらなんですか。何で、国民の税金だけは値打ちがないように扱って、こんなつぶれかかった銀行の株主の責任は問わない。何で株主でない国民が株主の責任をとらなきゃいけないんですか。

 福井さん、福井さんは記者会見で、モラルハザードにならないために、株主が責任を全うするよう答えを出すと思う、こういうふうにちゃんとお答えになっているわけですね。

 先ほど予防注入の話もございました。くしくもアメリカで、もう二十年ぐらい前になるのかしら、コンチネンタル・イリノイ銀行の、要するに予防的な注入と再建ということがございました。私も今思い出しました。あのときは、ちゃんと減資をして、そして足らざるところに、国だったか公社だったか忘れましたが、そこが資本注入をして、資本建てをして、そして再建をした、こういう経過だったと思うんですよ。

 私は、資本注入をするときには、これは必ず、経営者責任はもちろんのこと、株主責任もとるという原則はそのままやりませんと、国民の税金を公的資金と言いかえて、ずるずる何をやってもいいみたいな話がまかり通り過ぎている。こんなことは許されるべきじゃない。

 そして、改めてこの余りできのよくない預金保険法の百二条、百五条というのを読んでみました。基本的には、株主の責任の明確化のための方策というのをちゃんと経営健全化計画の中に書かなきゃいけないと百五条の中に書いてあるじゃないですか。株主の責任を明確化するための方策というのは、減資以外に何かあるんですか。何かネグるような話が、合理化されるような話があるんですか。(発言する者あり)

 いやいや、だから、福井さんはまず株主責任をとると思うというふうにおっしゃったんだけれども、この種の問題については、コンチネンタル・イリノイの問題もあって、御存じだと思うけれども、まずは減資をすべきだというふうにお考えになっているんですねということを聞きたいんです。どうですか、総裁。

○福井参考人 私が記者会見でお答え申し上げましたのは、国が公的資本注入を金融機関に対して行う場合にも、あるいは日本銀行が特別融資いわゆる特融を実行する場合にも、金融機関側において、あるいは金融機関のガバナンスに責任を持っている株主の側において、モラルハザードを起こしてもらっては困るということを明確に申し上げました。

 そして同時に、ただいま委員が御指摘になられましたとおり、公的資本注入の場合には、預金保険法百五条の条文の中身も意識して申し上げました。この条文の中身としては、経営責任の明確化のほか、株主責任の明確化を含む経営健全化計画の策定というのを義務づけている。今回のりそな銀行の場合にも、当然この経営健全化計画というものがこれから具体的に策定されていくわけでありますので、どういう形の株主責任の明確化になるか、これは減資の可能性ということも含めてきちんとなされていくであろう、ぜひ明確にしてほしいという趣旨のことを申し上げました。

○仙谷委員 改めて申し上げますと、こう書いてあるんですよ、預金保険法百五条は。

 三項、「内閣総理大臣は、」つまり金融担当大臣は、「次に掲げる要件のすべてに該当する場合に限り、」と書いてあるんですよ。「限り、第一項の申込みに係る第一号措置を行うべき旨の決定をするものとする。」と書いてある。「限り、」ですよ。

 それで、その三項の二号には「次に掲げる方策の実行が見込まれること。」、イ、経営合理化方策、ロ、経営責任の明確化、ハ、株主責任の明確化の方策と書いてあるじゃないですか。

 では、株主責任の明確化の方策が、その実行が見込まれることがちゃんとできる場合に限らないで、一号措置、資本注入が何でできるんですか。どこに、早々と、減資をしないでもいいとかなんとか、記者会見でぺらぺら言えるんですか。法律違反だよ、そんなのは。

○竹中国務大臣 今、第百五条の第三項、お読みいただきました。そのとおりです。これが必要条件になっているわけですね。それで、株主責任を明確化する。

 これを受けて、預金保険法施行令第二十五条というのがございまして、この百五条第二項に規定する政令で定める方針は次に掲げる方策とすると、具体的に、この株主責任の明確化の方策は何かということを書いております。それによると、「配当等により利益が流出しないための方策」、つまり、この場合の想定されている株主責任というのは、配当の抑制であるというふうに書いているわけでございます。

 それで、一連の仙谷委員いろいろお話しになったのを伺っていますと、要するに、これは実質強制減資を求めて、それで、恐らく想定しているのは、かつての長銀のような、そういう形に近いのかと。つまり国有化ですね。これは、預金保険法百二条の第三号です。三号を適用しろというふうに言っておられるのか、しかし三号というのは、これは、破綻してかつ債務超過になっている銀行ですから、そういう状況には今ないわけですから、それは法律的には、今の状況を受ける限り、百二条の一号を適用するというのが今の法律の枠組みの中で可能な方法なのだというふうに私は理解をしております。

 それで、減資を求めないというのは、つまり、記者会見で申し上げたのは、長銀のときのように、自分が持っている株が取り上げられてゼロになってしまう、そういうふうにもし株主が思ったら、「りそな」の株が投げ売られるではないか、そういう誤解を与えないために、いわゆる株主責任としての減資、株式を取り上げるとか、そういうことはやらないというふうに申し上げたわけで、これは当然のことながら、この百五条、御指摘の第三項に基づいて株主責任は明確にしていくわけでありますが、それはこの政令を受けて、まず配当を抑制、それによって責任を求めていく、これが法律のつくりでございます。

 そのほかに、現実にはダイリューションが起こるかもしれない。さまざまな問題が考えられると思いますけれども、そうした形での株主の責任の明確化というのが実行されていく。実は、今の法律のつくりが、今申し上げたような仕組みになっているということでございます。

○仙谷委員 いやいや、そういうこともできるかもわからぬけれども、減資したって全然悪くないじゃないですか。百六条に書いてあるじゃないですか。何で減資しちゃいかぬのですか。あなた方が、減資じゃなくて、そういう生ぬるい、株主に甘いことを選択しようと思ったら、政治責任でできないことはないよ、それは。政治責任とってくださいよ、そのかわり。冗談じゃないよ。今、マーケットの中で一株どのぐらいの値打ちと思われているか知っていますか。二十八円じゃないですか。それに見合うだけ減資してもらわなければ、国民は救われない。

 それで、一時国有化の話をされたけれども、こんな大部分普通株を取得すれば、発行済み株式のうちの国の保有が五〇%を超え、七〇%を超え、九〇%になんなんとするような普通株の保有の仕方をするような資本注入であれば、私は、ちゃんと対価なく、先ほど申し上げたようにTOBをかけるか、あるいは、対価なくちゃんと破綻認定をして一時国有化した方が早いと思いますよ。きれいに整理できると思いますよ。

 

マーケットの原則に従って金融機関に対処せよ 

 それで、先ほど申し上げたように、ちゃんと、グッドバンクは早々と株建てして、マーケットで売ってしまうぐらいのことをやった方が簡単です。簡単だし、お金を貸す銀行ができる。幾らこんなことをやっても、毎年毎年業務純益が全部不良債権処理に取られてしまうような銀行が十も二十もあっても、どこにも貸し越し残高がふえてないじゃないですか。毎年二十兆円ずつ貸し越しが収縮しているんですよ、今。このことに思いをいたさないと。金融仲介機能、信用創造機能をどうやってつくるのか、そのために金融庁はどういうポリシーのもとにどういうメスの入れ方をするのかというのが問われていたんじゃないですか。中途半端なことばかり幾らやったってだめですよ。

 やるべきことは、原則に従って、資本主義の原則、マーケットの原則、資本充実の原則、真実性の原則、あらゆるところにプリンシプルがあるんだから、それをごまかすようなことばかりやって、持ち合い株の反対の株式所有者のことをおもんぱかってかなんか知らぬけれども、そういうことをやるから、いつまでたっても病気が悪化するだけでよくならないんじゃないですか。みんなうなずいてるじゃないですか、自民党の人も。

 私はいいかげんなことをやれと言っているんじゃないんですよ。当たり前のことを素直に法律解釈して、金融庁の連中がどこでこんな政令をつくったのか知らぬけれども、国会にも提出しない政令を勝手につくって、やみからやみへ何かうまく、減資をしないでも配当しなければ株主責任を問うたなんて、冗談じゃないですよ。そんなことをやられたんじゃ、税金を使われる方はたまらないということを先ほどから申し上げているわけです。

 

闇から闇へやられては国民は浮かばれない

            継続した点検が必要

 これは本当に竹中さん、早々と減資をやらないなんということをおっしゃっているんだけれども、これは考え直してください。こんなことを、我々にちゃんとした数字も見せない前に、「減資をやらない」などと。

 それで、私が申し上げたように、四百六十億株分なんですよ、二兆三千億というのは。これも、ちゃんとあなた方がリスクアセットの金額をここに出していればすぐわかる金額ですよ。二十七、八兆円のリスクアセットがある、八%相当分は二兆三千億だ、極めて単純な割り算じゃないですか。そういう児戯にも似たことで、わざとそれを新聞社にリークして、二兆三千億もかかるんだ、二兆三千億かければうまくいくんだみたいな話をあおり立てているけれども、今までのこの五年間、少なくとも五年間の経験からいくと、全く、やり方といい、何といい、そのときは新聞では何かうまくいくように、これで日本の金融機関は金融機能は再生されるみたいなことを言って、全部反対じゃないですか。

 幸い私がこの七年間議席を引き続いて持っておるからこうやってわかるけれども、一遍でも落ちておったら、ああもう仙谷もいないから何やっても自由だみたいな話になるんじゃないですか。ここは本当に、減資の問題を含めて、ちゃんとした原則に従って処理をしてくださいよ。

 別に、幾らつぎ込むか、その金額についてまだ我々は知らされていませんし、まだ決まってないと言っている。金額が大きかろうと少なかろうと、危機をちゃんと封じ込めて、さっき申し上げたように、金融機関が金融機関としてお金を貸せるようになる、リスクマネーを貸せるようになる、そのためにはどうしたらいいのか。

 そのために最も少ない金額でやれれば一番いいけれども、それはしかるべき金額がかかるだろうということを、あなたは五年も前から認めておるじゃないですか、その点は。

 七十兆に賛成したのは、菅直人と私が泥をかぶって言ったんですよ、あのとき。本当ですよ。世間からどれだけ非難を浴びたか。必要なものは必要なんだという、そのぐらいの構えは私もありますから。どうですか、ちゃんとやってください、ちゃんと。

○竹中国務大臣 九八年ごろ、九九年ごろ、私は当時学者でありましたが、まさにこの問題を仙谷先生と一緒に、この問題の解決策はどうあるべきかということを議論させていただきました。よく記憶しております。

 今先生幾つかのことをおっしゃいました。原則に忠実であるべきだ、全くそのとおりだと思います。我々はこの半年間、今までの公的資金注入の点で、改めるところは改めよう、その上で、原則に忠実に、今度こそ不良債権問題を終結させるということで金融再生プログラムをつくりました。私は、金融再生プログラムのつくり方というのは、非常に原則に忠実に行ったつもりでございます。

 もちろん、その過程で、法律、制度の不備がまだあるかもしれない、その不備は不備としてしっかりと変えていこう、少し時間がかかるかもしれないけれども変えていこう。繰り延べ税金資産のあり方に関してはワーキンググループをつくった。さらには、新たな公的資金の枠組みが必要かどうかということについても、その議論を今進めて、間もなく結論を出す。その意味では、原則に忠実に、いろいろな制度を整えながら、かつ金融再生プログラムにのっとってこの事態の改善を図りたいと思っているところでございます。

 しかし、今回の措置は、預金保険法百二条の、何度も申し上げますが、第一号の事例です。第二号、第三号を適用するような状況にはない、このように判断される。第一号にのっとって我々は今処理をしているわけでございます。

 繰り返し言いますが、公的資金の入れ方そのものが今のままで、枠組みだけでよいのかという問題は、これは問題意識を持って金融審等々でも議論をさせていただいております。その意味では、原則にのっとって、我々は引き続きしっかりやっていくつもりでございますので、その点について、大いに御指摘もいただきたいと思いますが、御理解もいただきたいと思います。

○仙谷委員 時間が参りましたので終わりますが、また引き続いてこの問題は議論させていただきます