保険のセーフティーネットの充実を

2003年4月15日(火曜日)

保険業法の一部を改正する法律案(内閣提出第一〇四号)

注 保険業法改正案の審議は、この国会で二度行なわれています。ここに掲載するのは、保険契約者保護機構への政府補助を3年延長するための法案審議の記録です。

○小坂委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、保険業法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。金融担当大臣竹中平蔵君。

○竹中国務大臣 ただいま議題となりました保険業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。

 我が国の保険業を取り巻く環境は引き続き厳しいものとなっており、各保険会社にあっては、競争力の強化、事業の効率化と同時に、一層の経営の健全性の確保が必要な状況にあります。

 このような状況のもと、保険業に対する信頼性を維持する観点から、生命保険契約者保護のための資金援助制度の整備を行うとともに、保険会社の経営手段の多様化等を図る観点から、保険相互会社への委員会等設置会社制度の導入、保険会社の業務範囲の見直し等の措置を講ずるため、この法律案を提出することとした次第であります。

 以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、生命保険会社が破綻した場合に生命保険契約者保護機構が行う資金援助等に関しては、本年三月末までの破綻に対応した政府補助の特例措置が整備されておりましたが、現下の生命保険を取り巻く環境にかんがみ、本年四月以降三年間の破綻に対応するため、改めて、政府補助の特例措置を整備することとしております。

 第二に、昨年の商法等の改正により株式会社に導入されました委員会等設置会社制度等について相互会社にも導入することとするとともに、相互会社から株式会社への組織変更に関する規定を見直し、組織変更に際して増資を行う場合に基金の現物出資を可能とするなどの措置を講ずることとしております。また、保険会社の付随業務として他の金融業を行う者の業務の代理等を規定するとともに、中間業務報告書の作成、提出の義務づけや生命保険募集人の登録手続の見直し等の措置を講ずることとしております。

 以上が、保険業法の一部を改正する法律案の提案理由及びその内容であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

○小坂委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

○小坂委員長 これより質疑に入ります。

○小坂委員長 次に、仙谷由人君。

 

なぜ株は下がるか

○仙谷委員 

 まず、金融担当大臣それから財政経済諮問会議の担当大臣、竹中大臣にお伺いするわけですが、今株価を見ましたら、七千八百四十二円ですね、日経平均は。もうちょっと上がりましたか。いずれにしても八千円を切った金額。二〇〇三年、ことしの三月末の株価が八千円割れをして、七千九百七十二円という株価になっていますね。

 まず第一番目に、これは何でこんなに株価が下がってきたんでしょうか。つまり、イラクとかなんとかという話をよくされるわけですが、私はそういう問題だけではないと思うのでありますけれども、竹中大臣は、最近の株価の低落、とりわけメガバンクの株価が極端に、暴落に近いほど落ち込んでいる、このことについて、何が原因だというふうにお考えなのか。

 さらに、そのことが非金融法人、事業会社にもたらす影響、さらに今審議をしておりますこの生命保険業界にもたらす影響というものはどんなふうにお考えでございましょうか。

○竹中国務大臣 仙谷委員御指摘の、現下の株安につきましては、私たちも大変重大なことであるというふうに受けとめて注視をしております。

 市場で決まる株価の変動の原因について何かと。これはまさに市場で決まることでありますので、それについて、こういう原因で上がった、下がったということを申し上げるのは適切ではないというふうに思いますが、その背後にある幾つかの要因については、やはり政策の立場からも思いをいたさなければいけないというふうに思っております。

 これは、本当に多様な要因で、日々の変動の原因もまたその時々によって違っているというふうに思います。

 ただ、基本的な動きとしては、ここ一年強でありますけれども、世界的に株式市場が非常に不安定な状況にあって、日本のみならず、アメリカ、ヨーロッパ、軒並み非常に強い低下圧力にさらされている。特に、御承知のように、ドイツ等々は日本を上回るような株価の下落に見舞われておりまして、そうした、将来不安を反映する形で、ないしは、この中にはイラクの戦争、同時多発テロへの懸念等々があるわけだと思いますが、そういった不確実性に対する懸念がやはり世界全体を押し下げているというふうに思います。

 しかしながら、日本には日本のさらに考えなければいけない要因もやはりあろうかと思います。

 この中にも、日本は今まさに集中調整期間の真っただ中にありまして、我々は、政策の方向は正しいというふうに思っておりますけれども、それが具体的な形になるまで実は時間を要する、そうした形での具体的な姿をマーケットが認識するまで、やはりここは辛抱強く改革を続けなければいけない、そういう時期に当たっているというのが一つだと思います。

 加えて、やはりこれは相場でありますから、短期的な需給の要因というのも、これは意外と大きい可能性もあろうかと思います。これは専門家の御指摘でありますけれども、いわゆる年金の代行返上に係る売り圧力が当面のところは強いということも、そもそもが非常に不安定な市場の動向の中では、こういった特定の需給要因もやはり大きな一つの要因になっていようかと思います。

 もう一つお尋ねがありました銀行株の低下、特に主要行、メガバンクの株価の低下でございますが、これもいろいろな要因はあろうかと思いますが、基本的には、今増資を行って、その増資に対して、マーケットが、しっかりとした収益モデルを示してしっかりとした収益力の確保の姿を見せてくれ、そういう一つの声が今の株価にあらわれているものであるというふうにも考えられようかと思います。これは、繰り返し言いますが、いろいろな要因が重なっておりますので幾つかの要因を指摘しているわけでございます。

 最後に、その結果でございますけれども、それがどのようなインパクトをもたらすか。ちょっと長くなって申しわけありませんが、インパクトでございますけれども、これそのものが即座に金融システムに影響を与えるものというふうには思っておりません。さまざまな形での企業収益に対する影響は出ますけれども、それが即座に深刻な影響をもたらすものとは思っておりませんが、これは引き続き大変注目をしていかなければいけない重要な問題であると思っております。

 

骨抜きにされた金融再生

○仙谷委員 竹中大臣が金融担当大臣になられてからもう半年以上が過ぎようとしているんですね。いわゆる経済財政担当大臣になられてから二年以上過ぎておる。

 いろいろな改革案的なものを出されたんだけれども、とりわけ、昨年の十月三十日には金融再生プログラムを出された。マーケットでは、要するに、竹中プログラム、金融再生プログラムが骨抜きになったから日本の企業の業績については信用がおけない、あるいは企業の収益は物すごい低いんだ、こういう評価ですよ。

 それから、もっと言えば、今の銀行株の低落なんかは、さあ売り浴びせてくださいというような、こんな増資の仕方をすれば銀行株の低落を招くようなきっかけをつくるのは当たり前じゃないですか。これは素人が見てもわかりますよ。例えば四月の十五日の株価を一つの基準にして転換価格を決める、安ければ安いほどいいということになるじゃないですか、それは。そういうやり方。

 それから、相も変わらない金融庁の態度が私は一つ問題だと思うんですよ。つまり、マーケットに対するある種の非常に非合理な介入をしようという動きが出てきたときに、竹中大臣、あなたが殊のほか、この半年は非常に煮え切らない態度をとる。時価会計を凍結するなんていう動きが出てきたときには、これを静観する、こうおっしゃるでしょう。日銀が株式を買い取る、ああ、それはいいことだ。何がいいんですか、こんなことが。

 では、例えば銀行保有株式買い取り機構ができて、これをつくるときには、あたかもこれが株価低迷の防止の決定打だみたいなことを言って、わあわあ言って与党の人はやったじゃないですか。何かこれは、今の株価低落との関係において効果があったんですか、こんなことをやって。

 

マーケットのことはマーケットにきけ

 つまり、マーケットはマーケットに聞けというのは、落ちるときには一遍落としてやらないと、浮上のきっかけがつかめないという話じゃないですか、もともとは。毎年毎年、会計年度末になると何円を維持しなければならないなんて、こんなことを何年繰り返しているんですか。もう五年か六年繰り返していますよ。来年は多分、こんなことを言ったら、七千円が防衛線だとか六千五百円が防衛線だということになるんじゃないですか、今までの傾向からいったら。

 というのは、竹中さん、金利がこれだけ安いと、僕がこの間から申し上げているように、資金の循環から見れば、企業部門も得しているけれども、一番得しているのはもう今や政府だけじゃないですか。金融部門は得した分全部不良債権処理にほうり込んでいるから、それが新たな投資とか新たな融資になって回っていかないような構造になっているじゃないですか。家計は物すごく奪われている、利子所得を、この低金利のために。もうお金が付加価値を生まないような状態にしておいて、これが当たり前だ、このゼロ金利が当たり前だと。抜け出るのは大変ですよ、この環境を。みんなこれがいいと思っているんだから。成長しないのがいいと思っている。

 こんな構造をつくっておいて、それでさらにいろいろなその場しのぎの対応を、よくまあこういうばかばかしいことを考えるものだと思うんだけれども、時価会計の凍結まで言い出した。金融庁はこれに対してある種の見識のある態度をとらない。これが僕は株価低落をさらに増幅させているというふうに考えるんですよ。いかがですか。

○竹中国務大臣 仙谷先生からまたいろいろな、たくさんの今御指摘をいただきました。

 一つは、金融再生プログラムが骨抜きになっているからこういうふうになっているのではないかという冒頭の御指摘、これはしかし、実にいろいろな御意見がございます。ある大新聞の社説では、竹中プランが過激過ぎるから株価が下がっているんだというふうにいまだに書いている。一方で、御指摘のような指摘もある。

 我々は、別に、今のプランが過激だとも思っておりませんし、骨抜きだとも思っておりません。工程表に示された幾つかのプログラムは着実に実施をされておりますし、昨年度の中でやるべきことというのは、優先株から普通株への転換の話も含めて、すべて、そのガイドラインを整備して、それにのっとって着実に今やっていこうとしているところでございます。

 これを受けて、仙谷委員はよく御承知であるとは思いますが、株価については大変に厳しい状況にありますが、実物経済そのものは、実は、政府の当初予想を上回る成長を実質成長率では遂げたというのも、これは事実でございます。私は、やはり経済そのものは、それなりに、構造改革の効果を反映して、少しずつではあるけれども、前向きに動いている、その中で、金融面での、特に株式市場で非常にまだ問題が続いているというふうに認識をしております。それを取り除くのがデフレ克服に向けた我々の重要な取り組みであって、日銀とともに今努力をしているわけであります。

 もう一つ、例えば市場に対しての介入、特に会計基準そのものに対して金融庁の態度はいかがかというような御指摘がございました。我々の態度は極めて明快であります。これは、商法の中に、一般に公正妥当な会計基準をもって定めなければいけない、ここがもうまさにすべてだと思います。

 では、一般に公正妥当な会計基準というのは何なのか。以前は、大蔵省の中にありました企業会計審議会等々で専門家が集まって議論し、それが結果的には一般に公正妥当な会計基準を形成してきた。しかし、これは政府の一部である、政府の中でこういうのを決定するのはいかがかというさまざまな国際的な声の中で、政府からも独立して、民間企業からも独立している今の財務会計基準機構で議論するというような方式が今定着しつつあるところでございます。

 したがって、そこで専門家を中心に、かつ各業界、各利害関係者の意見を幅広く聞いて、それで会計制度を審議してもらうのが筋である。我々は、したがって、今そこの機構にその審議をお願いしているわけでありまして、姿勢は我々としては全く揺らいではいないというふうに思っております。

 最後に議員が御指摘になりました、まさに、今のお金の流れが、結果的には公的な部門へとどんどん吸い寄せられている、リスクを回避する形で公債、国債がその資金を吸収している、それに見合う形で財政の赤字が続いている。この状況を変えることは、これはもう大変重要なことであるというふうに思っております。

 経済財政諮問会議でのことしの一つの大きなテーマとして、公的な資金の流れについて、根本的にこれを見直そうではないか。その中にはさまざまな問題が入ってくるというふうに思いますけれども、このようなシステムを打ち破っていくことが構造改革だというふうに思っておりますので、まさに政府、日銀一体となって、このような収縮の、萎縮のメカニズムを打ち破るべく一層の構造改革を進捗させたいというふうに思っているところでございます。

 

粉飾決算を許す時価会計の凍結

○仙谷委員 はっきりしているとおっしゃるけれども、要するに、その他有価証券の時価評価、時価会計を一昨年の三月に導入したんでしょう、これは。何で今ごろ、こんなもの凍結とかなんとかというばかばかしい話が出てくるんですか。

 これはもともと、今おっしゃったように、国際会計基準とかそういう問題もあるけれども、それ以前に、あなた、日本の商法で物すごく古くからこんなものできているじゃないですか。商法二百八十五条ノ二、「流動資産の評価」と書いてあるじゃないですか。商法二百八十五条ノ六、これは全部書いてある。

 こんなものを、こんなものというのは、要するに時価のある株式について、何で、含み益がついているときには原価で計算して利益は出さないようにしたのに、今度は含み損になってくると、含み損を会計帳簿上あらわさないで、会社の資産が、欠損していても、あるかのような、要するに粉飾決算をするような話を今の時代にしてどうするんですか、これは。幾ら会計帳簿をいじっても、資産が劣化していることは劣化しているわけですよ。実態は変わらないんだ。そうでしょうが。

 こんな妙ちきりんな議論が今自民党の中で出てきて、与党三党から出てきて、さっきおっしゃった会計基準何とか機構にまで要望をする。もう本当に、私は常軌を逸しているとしか思えない、これは。金融庁は静観の構え、四月八日付の新聞になりますから、四月の七日に、時価会計制度を五年程度凍結する、麻生太郎政調会長。この人は法律も知らなければ会計も知らなければ経済も知らないんじゃないか、そう考えざるを得ない。いやいや、本当に。恐るべきことが行われようとしている。こういうことの一つ一つの積み重ねが、本当に、企業の要するに収益と資産をあらわす株式評価につながっていくということだと思うんですよ。

 ましてや、私は反対だけれども、国家的なところで株式を保有する、要するに銀行保有株式買い取り機構か、ありましたね、余り機能しないみたいだけれども。それから日銀が株を買い取る。こう言う識者もおるんですね。これは、株式の持ち合い構造をほどく方向に働かせるんだったら、その限りで意味がある、しかし、その先は、個人に株式を持ってもらうようなことを考えないと、株価なんというのはもうこの状況下では絶対に上がるトレンドには入ってこない、こういう言い方をする人がおります。

 僕は一つの考え方だと思います。だからといって、日銀が株を保有したり、あるいはPKOをがんがんやって、公的資金が毎年毎年何兆円も損を生むようなことをやってみたり、あるいは、さっき申し上げた買い取り機構が買い取る、私はこれは邪道だと思います。こういうことをやる限り日本の状況はよくならないと思いますから反対でありますが、こう言う人がおる。

 

生保の体力をどう予測するか

 ところが、生保の体力の問題を考えてみましても、生保と銀行の持ち合い、今度のメガバンクの増資に絡んで生保にどのぐらい株を押し込んだのか。多分生保は、このことによって、あるいはこのことも増幅させて、あるいは直接は関係ありませんけれども、この三月期末株価で何兆円ぐらいの含み損を得るんですか、あるいは何兆円ぐらいの純利益が消し飛んでいくんですか。大体どういうふうに予測していますか、計算していますか。

○竹中国務大臣 またまた大変たくさんの御指摘をいただいたというふうに思うのでありますが、繰り返し申し上げますが、前半で御指摘の会計基準に関しましては、我々は一般に公正妥当な会計基準をしんしゃくする、そこの姿勢がまず我々の基本姿勢であって、そこは一切揺らいでいない。

 委員、いろいろ御心配、御懸念を御披露くださいましたけれども、現実問題として、例えば株価が一株当たり純資産を下回っている企業が今、日本で大体六割あるというような指摘もあります。これはやはり、とりもなおさず、日本の財務諸表、会計数値に対してより非常に高い信頼性が求められているということのあらわれでもありますので、この点については、やはり我々としてはしっかりとその姿勢を守りたいと思っております。

 ただ、今までの議論の中にも若干ございましたけれども、そもそもこの会計の議論というのは極めて技術的な問題でありまして、これは新聞の記事ですらとんでもない間違い、誤解をしているというようなものをたくさん見かけます。この選択制の話にしましても、実は、日本で三百万社あるうちの二百九十九万社はこれは選択制なわけです。上場企業等、大企業の一部、一万社弱に対してのみ今の時価会計が適用されているわけですから、中小企業を守るために時価会計を適用しろというようなことを新聞に堂々と書いてありますが、これはもう明らかに勘違いしているわけですね。

 そもそもこれが、対象が、流動性の資産に言及しているのかその他の有価証券に言及しているのか、これにも混乱が見られるというふうに思いますし、そもそも時価会計と減損会計について多くの人が混同しているという状況でありますので、我々としては、まず事実関係をしっかりと御説明する中で正しい理解をぜひ得ていきたいというふうに思っております。

 株価については、先ほど言いましたようにいろいろな要因がありますが、日本の場合、銀行と生保が傷んでいることによって、これまでマーケットの中で四分の一ぐらいのウエートを占めていた大きなプレーヤーが今いなくなっている、そこで非常に短期の需給にバイアスを持って影響される可能性のある市場になっておりますので、その限りにおいては、日本銀行、買い取り機構等々の役割はあるのだというふうに思っております。

 さらには、個人の株主を育てるのが大事だ。であるからこそ、今回の税制改革で、個人投資家を呼び込むための新たな証券税制、我々としては、これは今までにない、非常に新たなフィールドを開くものであるというふうに思っておりますが、そういうものも創設をいたしました。

 最後にお尋ねのありました、含み損そのものが、一体、会計に対して、決算に対してどのような影響をもたらすのかということでありますが、これは、まさに今決算の処理の途中でございまして、当局として、今、各企業において決算作業が鋭意行われておるというふうに認識をしておりますので、我々としてはコメントをすることは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。

○仙谷委員 何で聞いているかといいますと、まさにきょうのテーマなんですよ。例の保険業法の改正案附則第一条の二の十三、二項、これがまさに、生保の体力問題をここで書いているんでしょう。

 

国は保険の仕組みと契約者をどう守るか

 だから、例えば二〇〇三年の三月期末で、生保が逆ざやでどのぐらい苦しんで、基礎利益がそのことによってどのぐらい飛んでいるのか。業界からは、苦しい、苦しい、もう体力がないと、ある意味で正直な声も聞こえてくるじゃないですか。その上にこの株価が追い打ちをかけているんじゃないですか、これだけ持ち合っていれば。週刊誌なんかだったら、銀行と抱き合い心中と書いてあるじゃないですか。その懸念なしとしないと私も思っているんですよ。

 だから、体力問題をちゃんと審議しないで、こんな改正案は本当は審議できないんですよ。その行き着く先は予定利率の引き下げだというふうに金融庁はお考えになっているのかどうか知らぬけれども、もしそうだとすると、この問題も一体のものとして、国が生命保険というこの仕組みを最後の最後にどう支援するのか、あるいはカバーするのか、あるいは契約者をカバーするのか、ここまでつなげて考えないで、ちょこちょこ、体力があるとかないとかという話をしても本当はしようがないんです。僕はそう思っているんですよ。

 実際問題として、ここに書かれている、会員が納付する負担金のみで賄うとしたらならば、当該機構の会員の財務の状況を著しく悪化させることにより保険業に対する信頼性の維持が困難となり、ひいては国民生活または金融市場に不測の混乱を生じさせるおそれがあると認める場合には、当該生命保険契約者保護機構に対し、当該費用の全部または一部に相当する金額を補助することができる、こういう規定になっているわけですね。これはだれが認定するんですか。あるいは、個別の企業を認定するんですか、生命保険業界全体のことを、だれかが認定するんですよ、これは。教えてください。

○竹中国務大臣 これは、業界全体の動向を見ながら政府が判断をいたしまして、予算措置を国会にお願いする、そういう仕組みであります。

○仙谷委員 だから、まず、だれがというのは金融庁がということでいいんですか。金融担当大臣が責任持ってやるんですね。

○藤原政府参考人 今回の御提案いたしておりますスキームというのは、平成十二年に御提案してお認めいただいたスキームとほぼ同様のスキームでございます。

 前回、平成十二年の際も、やはり、生保業界がどこまで負担に耐え得るのか、今その状況にあるのかどうかということが議論になりました。そこのところで、これ以上の負担はなかなか難しいということがあったわけでございますが、今回さらに、その当時の状況と比べまして決して改善はしておらないというような状況になっております。例えば、超低金利の継続とかあるいは株価の下落、こういうものに伴います資産運用利回りもさらに低下しておりますし、あるいは保有契約高あるいは収入保険料も減少しておりまして、平成十二年当時と比べまして一層厳しいものとなっていると認識しております。

○仙谷委員 いやいや、予算措置をするのは、多分財務大臣がオーケーを言わないとしないんでしょうから、僕は聞いているんですよ。この問題は、要するに補助金計上をする予算をつくらないと、現時点では単なる見せ金だ、こういうことじゃないかと思うから聞いているんですよ。

 だから、僕が聞きたいのは、銀行に関する金融危機対応会議みたいなもの、そこへかかるんですか、それともそうじゃなくて、金融担当大臣がこの認定をすることができる、認定をすれば自動的に財務大臣が予算を組んでくれるんですかということを聞いているわけです。

 というのは、あなたが今おっしゃったように、さらにさらに一層厳しくと言うけれども、あれから比べても、あのときは株価は幾らだった、あなた。それから逆ざやが、一番最初につくったときに幾らだった。それと比べてごらんなさいよ。そういう意味でいえば、あの時点で、これ以上、つまり四千六百億ですか、負担できない、こういうふうに業界は言っていた。それは業界の言い方をうのみにする必要はないかもわからないけれども、業界の負担といったって、しょせんはこれは契約者の負担でしょうが、そもそもは。

 こういう仕組みをつくったのはいいけれども、それで三年間延長しようとするのも、それもいいとしましょう。いいとしても、ではだれが認定して、迅速にできるのか。

 あるいは、もっと僕はこれをいろいろ考えてみるとわからなくなったのは、現時点では出しているのは毎年毎年四百六十億円ですよね。そうすると、従来まで処理した五千三百億円強、これは保護機構が一遍借りているんですか、保護機構のバランスシートというのはあるんですか。あるんだったら出してみてください。

○藤原政府参考人 御指摘の点についてでございますが、この仕組みは、四月一日以降の話でございますが、一千億円を超えるような破綻が生じましたときに、その段階で業界負担が一千億を超えるわけでございますが、業界の負担能力、こういうものを改めて検討した上で、政府としまして予算措置を講じ、国会の御審議をお願いするもの、こういう仕組みになっております。

 したがいまして、政府といたしまして、その段階で、もちろん財務当局とも御相談した上で、業界の負担能力を超えるというふうに判断した場合は、予算措置を講じて、国会の御審議をして判断していただくという仕組みになっております。

○仙谷委員 今、一千億を超えたとおっしゃったから、では、一千億を超えたらそうするんですね。業界の負担があと一千億を超えた場合には、必ずそうするんですね。

 それと、もう一つは、そんなことを言っていても、あなた、間に合わないときには、九千六百億円の債務保証との関係はどうなんですか。これは、機構は独自に、必要があれば九千六百億円まではどんどん借りることができる、政府は保証する。借りた分の穴埋めというか返済について、あと一千億円を超えた場合には補助金でやる、そのためには予算を提出するんだ、こういう構造だというふうに理解していいんですね。

○藤原政府参考人 この四月一日以降の破綻に伴う負担が一千億を超えた場合、その段階で、先ほど申し上げましたように、業界の負担能力等改めて検討いたしまして、業界が負担することが難しいという状況になりましたら、政府として予算を提出して、そこで国会に御審議いただいて出すというふうな仕組みになっております。

 先ほど大臣からも御説明申し上げましたが、生保業界を取り巻く今の厳しい状況にかんがみれば、経営環境に相当の好転がない限り、やはり基本的には予算措置を講ずることが必要になる可能性は高いということでございます。

 それから二点目の、機構が九千六百億円まで借りることができる、それから、それに対して政府保証ができるということはそのとおりでございます。

 したがいまして、現在、五千六百億円等々につきまして、当初は機構は四千億まで積み立てるということを考えておりましたが、その積み立てる以前に破綻が続出いたしましたので、現在は借金をしてそれを充てておるという状況でございまして、それにつきましては、先生御指摘のとおり、毎年六百八十億円、これを負担金として徴収しまして、それを返済に充てるというような仕組みになっております。

 

小手先の対応でなく抜本的な対策を

○仙谷委員 時間が参りましたので終わりますが、一千億を超えた時点で業界の負担能力があるかないか検討してなんて、あなた、もうそんな悠長な時代じゃないじゃないですか。その辺は、だれの失敗かというのは後で別途やりますけれども、もう観念して、ちゃんとやらなきゃだめですよ、それは。

 終わります。