2003年3月19日 衆議院経済産業委員会

いま必要なのは産業再生機構ではなく、人材再生機構だ

株式会社産業再生機構法案に厳しく注文

衆議院経済産業委員会  三月十九日(水曜日)

○仙谷委員 おはようございます。仙谷でございます。

 お伺いするところによりますと、産業再生機構法の審議は最終局面のようでございまして、本来は、まず最初に問題提起をしたかったのでありますが、私が最後になりました。最後になりましたけれども、ある意味で大変重大な問題を含んでいる法案でございますので、四、五点について問題提起をさせていただきたいと存じます。

 

こんな経済社会に誰がした

 まず、谷垣大臣と平沼大臣にお伺いをするわけでありますが、こういう本が出ました。「こんな株式市場に誰がした」、要するに、株式市場に政府が、この数年間といいましょうか五年ぐらい手を入れて、まあ最たるものはPKOと言われるやり方でありますが、政府が手を入れて、その時点その時点、つまり毎年度三月期の株価水準を維持して、企業とりわけ金融機関の資産の劣化をある程度防ぐという意味ではしのいだということになったようであるけれども、そのことによってもたらした副作用といいましょうか、株式市場がどんどん窒息状況になってくる、そういうことが数値を、データをもとにして書かれておる本でございます。ぜひ一度お二人にもお読みいただきたいと思います。

 その伝でいきますと、日本の市場といいますか、大きい意味での市場というか資本主義経済というか経済社会、こんな経済社会にだれがしたんだ、まさにそういう問題意識が今我々に必要なんじゃないかというふうに私は考えておるんですね。

 現実に我々の目の前にあるというか、我々が肌身で感じる経済の問題あるいは産業の問題というのは、昨年小泉さんが、危機、危機と言うけれども、どこに危機があるんだなんということをほえておりましたが、これはまあ今になって思うと、後講釈と言われるかどうかは別にして、ますます危機が深くなる、深化しつつ拡大していっておったんだなということは、常識のある人なら認めざるを得ない、こういう局面だと思うんですね。特に、平沼大臣と谷垣大臣は、金融と産業の方から物を見るということになりますと、甚だ背中に薄ら寒いものが走るというか、戦慄が走るようなお考えにとらわれておるのではないかというふうに、少々同情しながら私も感じておるわけでございますけれども。

 

いったい何をしようとするのかさっぱりわからない産業再生機構

 さて、そこで、この産業再生機構ですね。そういう事態の中で、これは一体何をしようとしているのか、私はほとんどわからないんですね。ほとんどわからない。私の頭と経験からすると、何をどういじくり回そうとしているのかがよくわからない。どういう動機で産業再生機構というものを発想されて、何をしようとしているのかよくわからない。

 それで、現在、例えば、ここに並んでおります月例経済報告を見ますと、景気は横ばいで、それから持ち直しに向かう期待があると。何かそういう、我々から見れば、非常にのうてんきとでもいいましょうか、景気は悪くないよという意味にもとられかねない経済報告が出ているんですね。

 では、何でそんなときに、国がわざわざ十兆円も用意して産業再生機構なるものをつくらなければならないのか。そのことの答えは、ほとんど説得的な説明というのはなされていないんじゃないかという気がいたします。

 その点について、まず二大臣に、それぞれ所見といいますか、なぜこの時点で、「景気は横ばいで持ち直しつつある」と言っているのに産業再生機構が必要なのか、こういう点をお答えいただきたいと思います。

○平沼国務大臣 私は、産業を預かっている閣僚の一人でございますけれども、特に中小企業を担当しております。

 中小企業は、仙谷先生も御承知のように、倒産件数もこの三年、限りなく二万件に近いところで推移をしておりますし、また倒産という形の中で、中小企業の経営者の自殺等も非常に多いわけでございまして、非常に深刻な状況にあることは事実であります。

 したがって、今横ばいだ、こういうことで、どこが横ばいかというような御指摘がありましたけれども、この間、例えば実質の経済成長率は〇・九で、さらに、直近のものを足しますと一応一・六ぐらいになる、そういう数字が出ることは事実でありますけれども、問題は名目の経済成長率でございまして、ここがマイナスになっているということは、私はやはり厳しい状況にあると思っています。

 そういう中で、今回私の方が改正産業再生法をお願いしているということは、やはり日本の企業の中には、あるいは産業の中には、バブル期のそういう厳しいマイナスの部分を背負ってしまって、そしてその中で呻吟している企業がたくさんある。しかし個々を見てみれば、例えば本業の部分でございますとか、そういったところにはまだまだポテンシャリティーがあるし、そういう重荷の部分を削ってあげれば、先行き、この国の経済の中で活力を生み出して、それが活性化につながっていく、こういうことがある。そのためには、やはりそれに対するいろいろな手当てをしていかなければならない。

 こういう基本的な考え方の中で改正産業再生法をお願いして、企業同士のいわゆる連帯でありますとか、あるいは企業自身の再生のために、税制の面でございますとか、そういったいろいろな面で法律的に支援をしていく、こういうことをさせていただいたところでございまして、言ってみれば、日本にあるそういう潜在的な産業の活力を生かして経済の活性化に結びつけていく、こういう基本的な考え方で法律をお願いしている、こういうことでございます。

○谷垣国務大臣 今平沼大臣の御答弁にもありましたように、日本には、すぐれた経営資源を持っているけれども、過剰債務に足をとられて呻吟しているというところがたくさんあると思います。そこを過剰債務から切り離して、本来持っている経営資源をもう少し自由に羽ばたかせるような仕組みが必要なのではないかというのが、私どもが今考えているこの産業再生機構のねらいでございます。

 もちろん、これは何も政治、行政が乗り出さなくても、民間で自動的に動いていくのであるならばそれにこしたことはないと思いますが、民間でも事業再生ガイドラインみたいなものをつくって、いろいろなお取り組みをいただいているけれども、もう一つ弾みがついていかないということが現実にあるように思います。

 これは、大きく考えてみますと、今までのメーンバンクがどういうふうに自分のところの得意先の企業に金を貸し付けていたかとか、そういう金融のビジネスモデルが従来のままでいいのかどうか、いろいろな問題が背景にかかわっているわけでありますけれども、そういう大きな動きを進めていかなければならない。これは主として民間でやっていただかなければならないことでありますけれども、そういう大きな流れの中で、足をとられている過剰債務から切り離す、それを推し進めていく役割を果たすことが必要ではないかというのが我々の問題意識であります。

 

二重構造についての深刻な認識が必要

○仙谷委員 九八年以降、金融再生というテーマで諸問題が噴出してきて、これについて我々もいろいろなことを考えてきたわけであります。

 その時点では、ある種、バブルの後始末という側面が非常に強うございまして、私も、いわゆる事業、産業の方で相当古くから言われておる、日本の中小企業と大企業といいましょうか上場企業、大企業イコール上場企業では必ずしもない部分もありますけれども、大ざっぱに言えばそういうことでありましょう、この二重構造について余り深刻な認識を持たないで、十把一からげで金融問題を論じてきた嫌いが少々あったかなと、それは反省をしておるわけであります。

 そこで、平沼大臣のおっしゃったことは、ある意味で基本認識としては間違っていないと私は思いますけれども、そうであるならば、中小企業再生機構的なものは、ある種、金を相当入れることも、特に金融面で公的な資金を使うことも辞さないという覚悟のもとに、もう少し大々的に思い切ったことを、あるいはしっかりした行政的な支援機構をつくるというようなことも含めて考えなきゃいかぬのかなというふうに私は思っております。そういう意味で、後で時間があったら、今度の産業活力再生法の中の地域産業再生協議会でありますか、こちらのことについても議論をさせていただきたいと思いますが、中小企業についてはそういうふうに思っております。

 

マーケットへの介入・統制経済化ではないか

 さて問題は、この産業再生機構の問題というのは、私の理解では、そもそも出てきたときは、本年の一月二十四日の閣議決定「改革と展望」の中にも書かれておりますけれども、「不良債権処理の加速と産業再生」という、いわば主要銀行といいましょうか、メガバンクの不良債権を何としてでもオフバランス化するというか切り離して、金融機能を復活させなきゃいかぬという命題があって、そうですね、そのコインの裏側というか反対側にある産業のリストラクチャリング、正しい意味でのリストラクチャリングがどうしても避けられない、そういうことでお手伝いしましょう、あるいは公権力をもって介入をして、何とかそのことをスムーズにやらせよう、そういう発想のもとに出てきておるんではないかという気がするんですね。現に新聞報道等の経緯はそうでございましたし、どうも現在の体制もそういう体制になっておるのではないか。「産業・金融一体となった対応を強力に進める。」というふうに書かれておるわけでありますから、そういうことだったんじゃないかと思うんですね。

 私はしかし、にもかかわらず、この発想には少々ついていけない。つまりマーケットプレーヤー、上場企業プラスアルファの、そもそもマーケットから資金を調達できる、そういう会社が大変長い間というか、一年ではなくて数年も不良債務を抱えたまま身動きとれないでいる、これを何とかしなきゃいかぬという話でしょうから。しかしこれは、これこそマーケットの機能、マーケットの原理、つまり金利によって淘汰されていくことを促すというのが資本主義ではないかと、まず第一番に思います。

 さらに、もし間接金融的な債務が多い、つまり銀行が大変多額のものを貸し込んでおって、一方ではこれの回収、裏側ではその企業のリストラクチャリングというふうな問題は、これはそもそも銀行がおやりになることではないのか、その程度のことをできない銀行なんというのは銀行の意味がない、私はそういうふうに感じたんですね。

 だから産業再生機構、私の経験からいいますと、更生裁判所に金融機能をちょっとつけてやろうか、一方ではこういうものなのかなと。反対から考えますと、金融機関に、金融機関が主導的につくる企業の再建計画に対して何らかの拘束力を、ほかの金融機関とか一般債権者が従わざるを得ないような拘束力、覊絆力とまでは言いませんが、そういうものをつけてやろう、こういう趣旨でこんなものを考え出したのかなと。

 しかし、本来は、マーケットのプレーヤーとして活躍していただける方に、あるいはメガバンクにこんなおせっかいは必要あるのか。あるいは、それこそマーケットに対する介入ではないのか。ますます統制経済化が進む、社会主義化が進む。こんなことで、果たして日本はこれからの二十一世紀、産業構造の大転換をしなければならないときに、官が手を入れて再生計画を審査し、それについて拘束力を持たせるみたいな話になってきたら、これはどうなるんだという思いが私は強いんですね。だから、基本的には、おかしい、中途半端なことをお考えになるものだな、こう思っているわけです。

 いまだにそう思っておりまして、こんなことをやるぐらいならば、例えば政策投資銀行ですか、あるいは中小企業金融公庫、商工中金に事業再生のノウハウを持った人を送り込んで、そして、そこで半ば緊急避難的に、これはもうしようがないですからお金もつけて、人もつけて、知恵もつけてやってもらう方がずっとスマートなんじゃないか、こんなものを新たにつくってやるよりはと思っておるんですが、谷垣大臣も元弁護士さんで、整理の手続なんかもおやりになったことがあると思うので聞くんですけれども、いかがですか。

 

〔委員長退席、阪上委員長代理着席〕

 

○谷垣国務大臣 仙谷委員から元弁護士と言われると、実は、まだ弁護士登録も続けておるんです。

 ただ、仙谷委員の御指摘にうまく答えられるかどうかわからないんですが、私も、先ほど答弁しましたように、あくまで民間で進んでいくものであるならば、それが一番いいと思っております。ただ、現実には、先ほど申しましたように、事業再生ガイドラインみたいなものをつくっていただいているけれども、なかなか進んでいかない、こういうことがあります。

 それで、それが進んでいかない原因はやはり幾つかあると思うんですが、私がこの委員会でお答えしているのは三つでありまして、やはり、なかなか金融機関同士の話し合いが、疑心暗鬼等もあって進んでいかない場合がある。それで、仙谷委員の先ほどからの御議論によれば、そんなことができないような金融機関なら一体何だ、こういうことでございますけれども、やはりそれは金融機関の体力ということも確かにあるんだろうと思いますが、なかなかその話し合いが進んでいかないという現実が一つございます。

 それから、諸外国なんかでこういう問題が来ていたときにどう対応したかということを考えますと、やはり、再生マーケットみたいなもの、あるいは再生ファンドみたいなものがだんだんでき上がってくる。ところが、日本ではそれが未成熟であるということがあろうかと思います。これを補っていくのにどういう手法をとったらいいかということも、いろいろな議論が立法論としてはあるだろうと思いますし、仙谷委員がおっしゃったように、商工中金やいろいろなところにいろいろな機能を持たせたらどうかというアイデアももちろんあるだろうと思います。今、我々の考えは、これは例えで言うといけませんけれども、そういう一種の公的な再生ファンドみたいなものを、この表現もちょっと、ものをという比喩的な表現もよくないんですが、そういうものをつくって、やはり、こういう再生マーケットを育てていくということも視野に置かなければならないのではないかという意識もございます。

 それから、これは特に大きな企業の場合になっていくと思いますが、供給過剰構造などを考えて、なかなか進んでいかない要因としては、系列の違う銀行間同士での話がなかなか進んでいかない、こういうようなこともございます。

 こういうことがすべていろいろなネックとなって進んでいかないという現実がありますので、やはりここはそういう流れを加速していくために出ざるを得ないのかな、こういうような感じを持っているわけでございます。

○仙谷委員 今お話しになったことをちょっと続けていきますが、私的整理ガイドラインというのがつくられましたよね。これに準拠して私的整理をされた企業はどのぐらいございますか。

 

産業活力再生特措法はまだ機能できていない

○平沼国務大臣 お答えさせていただきます。

 私的整理に関するガイドラインは、私的整理を公正かつ迅速に行うための準則として、金融界、産業界の代表者、学識経験者等により、平成十三年九月に策定をされました。

 実績については、これまでのところ八件ある、こういうふうに承知しております。昨年の十月に、運用開始後一年間の実績を踏まえまして、三年以内の実質債務超過解消等の要件について合理的な理由があれば期間延長を認めるなど、その運用の弾力化について合意されているところでございまして、利用状況一覧表もございますのでお示しすることができると思いますけれども、八件ある、こういうことでございます。

○仙谷委員 今度は別の法律ですが、産業活力再生特別措置法、これを利用した企業というのは、平成十一年から十五年二月まで、私がいただいた資料によりますと百八十件あるようであります。ただ、中身、これは詳しくはわかりませんが、主な内容ということでいいますと、ほとんどが分社化の際の税の優遇措置を受けた、こんなことでございます。

 さっきの私的整理ガイドラインに基づく整理、それから産業活力再生特別措置法を使った何というんですか、この支援措置を受けた企業をごらんになって、それから、先ほど平沼大臣がおっしゃる、年間約幾らですか……(平沼国務大臣「二万」と呼ぶ)二万件の倒産ということから考えて、いろいろなことをお考えになっているけれども、こういうものがうまく機能したという総括をできるんでしょうか。それとも、いや、これはなかなかだな、こういうことなんですか。どちらですか。

 

〔阪上委員長代理退席、委員長着席〕

 

○平沼国務大臣 数の面では、今のところ、この産業再生法におきましては百九十件、こういう実績でございまして、その内訳は、御指摘の部分もそのとおりだ、そういうふうに思っております。しかし、そういう中で、やはりそれがなかった場合にはまたいろいろな、それぞれの企業の中で大きな問題が惹起されたと思っておりますし、そういう意味で私は一定の効果が上がったと思っております。

 ですから、数の面ではまだまだ実績としては少ない、こういうことは私も認識しておりまして、そういう意味でも、これから改正をさせていただいて、そしてもっと幅広く利用ができるように、そういうことを私どもはしていきたい、こういうふうに思っているところであります。

 私的整理に対しては、先ほどの数字でございまして、これもまだ数としては少ないわけでございまして、それは御指摘のとおりだと思っています。

○仙谷委員 これは、何でこんな少ないのかという問題がやはり最大の問題だろうと思いますね。

 私は、こういうふうに少ないのは、やはり銀行が、これを整理することによってみずからの財務内容が悪くなって、みずからが要するに危なくなる、業務純益の範囲内でしか債務、不良債権を償却することができないという、そちらの限界からすべて物事を立てているために、こういうふうになっているんじゃないかなという気がするんですね。それ以外には考えられない。一方では貸しはがしということで、地域社会の中小企業は大変苦しい目に遭っているということになるのではないだろうか、そういう実態があるのではないかなというふうに見ておるところでございます。

 

雇用対策は全く不十分

 ちょっと話題を変えますが、そもそもこの産業再生機構というのは、今年つくられました産業再生・雇用対策戦略本部というのと何か関係がございますでしょうか。

○谷垣国務大臣 産業再生・雇用戦略本部というのをつくりまして、その中でいろいろ議論をまとめまして、昨年の十二月十九日に産業再生機構等の基本指針もつくっていただきまして、その大きな基本指針の方向の中でこの法案のいわば設計もしたわけであります。

○仙谷委員 首相官邸のホームページから見る限り、産業再生・雇用対策戦略本部、企業・産業再生に対する基本方針というのがあって、過剰供給構造を解消すべく産業再編等を推進、それから過剰債務問題、企業ではなく事業の再生を図る、民間の英知と活力を最大限利用、手段、産業再生機構(仮称)の設置、こういう並びになっているわけですね。

 ところが、私、これをずっと見ておりまして、前年、二〇〇一年の九月二十日だったと思いますが、産業構造改革・雇用対策本部というのができておるんですね、官邸に。ところが、一年間で何をやったのかようわからぬ、ここが。どういう予算を使ってどういう産業構造改革に資したのか、緊急雇用対策として地方自治体に緊急雇用対策交付金をばらまいたほかに何をやったのか、よくわからない。今度の産業再生機構を設置するについても、産業再生・雇用対策戦略本部というふうに書かれておる本部があるのに、ここで、では産業再生機構と、それと対をなすというか、裏表の雇用対策というのが、何をプログラムとして用意しておるのかが全くわからないわけであります。

 そこで、まずお伺いしたいのは、表側か裏側かはともかくとして、片一方の側の、過剰債務、過剰供給構造を解消するんだとか、転換するんだとか、こういうふうにおっしゃっていますよね。一体全体、日本の過剰供給構造、過剰債務構造というのは、データ的にこれはどうなっているのか。この間から、経産省も含めていろいろなところに私は聞いておるんですが、いや、まともなデータはありませんみたいな話が返ってくるんですよね、あるいは総合的なデータというんですか。これはどこか、日本の過剰供給の構造、過剰債務というのは数字でいえばどうなっておるのか、お答えになれる方がいらっしゃったら、どうぞお答えになってください。どうですか。

○林政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問の過剰供給構造でございますけれども、これは、従来のようにあらかじめその数値を決めてという考え方ではなくて、基本的に申請者の申請に基づいて判断をしていくことになっております。

 ただ、大きな考え方といたしましては、供給が需要を長期間上回っている状態、これは、最近三年間の稼働率なりあるいは機械装置資産回転率等が従来の二十年の水準に比べまして相当下回っている、稼働率なり回転率が下回っているということが考え方でございます。それで、それが例えば製造業の場合ですと、稼働率が七%以上下回っている状態。あるいは、そのほかに外的要因、例えば外的要因によって利益率が大きく下回っている状態、これも過去二十年間と最近三年間ということを比較いたしまして、売上高、営業利益率等々で比較をして、これは例えば一五%以上下回っているというようなことを言っております。

 他方で、短期間にこれが改善する見込みがあるかないかということで、違うサイドからのチェックをしております。そういった意味では、当面、需要の回復が見られない、あるいは見られるということが確信できない、あるいは、本来ですと需要の変動に応じて供給サイドでそれに柔軟に対応するものでございますけれども、例えば固定資本のウエートが高いというようなことで、それがなかなかできないというような構造がある。

 そういった、長期的に見て供給が需要を上回っている状態が継続している、それが短期的に解消する見込みがない、この二つのものを、今申し上げましたような数値を念頭に置きまして、その考え方を整理しておるわけでございます。

 これにつきまして、あらかじめ、ではどの業種がということを政府の方で指定するというのではなくて、それは申請者の方で、おのおの申請される事業分野についてそのデータを出していただいた上でそれを検証する、そういう考え方でございます。

 

産業構造転換に見合った職業能力開発が緊急に必要

○仙谷委員 余りそういうわけのわからぬ話を聞くために質問したんじゃないんですよ。マクロ的に、例えば、先般私が申し上げたら経産省の方から出てきた資料を見ると、稼働率についての一覧表というのを出してくれましたよ。よくわからないけれども、製造工業だけしかわからない。製造工業を見ると、六六%とかいろいろ書いてあるじゃないですか。それを、大体常識的には七〇%ぐらいの稼働率しかないんじゃないか、現在設備に対して、そういうふうに言われていますよね。そうすると、三割が製造工業では過剰だ、こういう議論になるわけですよ。そうですよね。これは季節的な変動要因を調整した後でもそうだ。

 もっと言いますと、バブルのときいろいろな投資が行われたんだけれども、これは心ある人は当時から言っておりましたんですが、土地と株式も相当バブルの投資が行われた。しかし、よく当時のことを振り返って計算してみると、不動産のバブル投資は四十兆円ぐらいだったんじゃないか、株式投資は実は十四、五兆円だったんじゃないか。ところが、設備投資のバブルだけは、過剰投資が、過剰とは言えないかもわかりませんが、設備投資がふえた分は、百七十兆円ぐらい当時、八四、五年から九〇年までぐらいでふえたんではないか。つまり、GDP比二〇%ぐらいまで当時設備投資が行われているんですね。この部分も当然のことながら過剰供給構造になっておって、よく言われるように過剰債務になって残っておる。お金としては過剰債務に残り、設備としては過剰供給構造になっておる。

 これは、だから製造業だけにとどまらない。小売も含めてそうですね、そこでのたうち回っている。その裏側には人がついているというのが深刻なところです。つまり、雇用がついているというのが深刻なところです。これをリストラクチャリングするとすれば、要するにそこに過剰雇用として残っておる人はどこかへお移りいただかないと、これはとんでもないことになる。ほっておいたら失業のままだ。

 とりわけ、これはこの間ずっと議論してきたわけでありますが、産業構造が転換するといいましょうか、製造業中心の社会、時代から、サービス業中心の、あるいは製造業ですらサービス化した職種に転換せざるを得ない、こういう時代あるいは経済構造に急速になっているわけですから、これは、離職者が次の職につけるか、失業者になるか、非労働力人口になるかという、この違いは大変重大な問題だと私は思っておるんですね。ところが、その対応がほとんどできていないというのは、日本の政治の、あるいは行政の最大の問題だと私は思っているんですね。

 だから、余り思い切りよく、いや、やはり移らなきゃいかぬということを、これは我々も含めて、思い切って外で公言できないという、つまり、その企業、その産業、あるいは企業内のある職種、それは変わらざるを得ないんですよ、別のところへお移りいただかざるを得ないんですよ、この範囲の人はという、この議論が思い切ってできなかったというのは、官も与党も野党も甚だ私は残念なところであります。

 できなかった上に何が問題かというと、要するに、職業能力を、別の能力を獲得するとかスキルアップするとか、そういうことに政策の中心が向いていかなかった、資源がそこに投入されなかったことが、いまだにもたもたしている。わかるでしょう、労働省が何で問題になっているのか。何を問題にしていますか。要するに、雇用・能力開発機構のスパウザ小田原とか中野サンプラザとか、あんなものを持ち過ぎて、これをたたき売ることが問題だと。こんなことが問題になっているんですよ。それは問題だけれども、末梢的な問題ですよ、けしからぬ問題だけれども。本当は、労働能力再開発とか開発とか言いながら何をやってきたのかという、この問題ですよと私は思っておるんです。

 

人材の再生、教育こそ必要

 今度の問題も、実は、この産業再生機構の話に移しますけれども、産業再生機構も全く不必要だとは言わないけれども、そういう観点が本当に必要なのは、あるいは政府、政治、行政がやるべきなのは、人材再生機構が必要なんじゃないか。人材再生こそ重要なんじゃないか。つまり、これはある意味で教育の問題でありますから、あるいは社会政策的政策の問題でありますから、産業政策であると同時に労働市場政策ということでありますが、ここは相当伝統的、歴史的に、要するに、現代国家においては、公的資金を使うとか政府が支援措置をするとか、あるいはマーケットに任せる部分とうまく調整をとりながら公的なところが出ていって、やっても、市場に対する介入で市場の規律そのものをそれほどおかしくするということにはならない世界だと思うんですね。

 本件の場合には産業再生・雇用対策本部になっておるというのは、着想としてはそういうことだと思うんだけれども、一体的にそういう政策が展開されていないというのが私の大いに不満とするところでありますし、危ないなと思っているところであります。

 

事業再生計画は誰がつくる?

 そこで、この産業再生機構法の話でありますが、まず一番目の問題は、事業再生計画というのをつくる、これは、だれが主体になって、具体的にはどこでつくるんですか。それから、もっと言えば、事業者の主体性というのは何か生かされるんですか。あるいは、銀行さんが勝手にこんなものをつくれるんですか。どうですか。

○谷垣国務大臣 この機構の仕組みとしては、機構に持ち込んでいただく場合に、今どう再生しようかという企業と、それから、大概の場合はメーンバンクだと思いますが、そこで連名で申し込んでいただくことになっております。ということは、その企業とメーンバンク、メーンバンクに限るかどうかわかりませんが、メーンないし準メーン、その話し合ったところで、こういう形で持っていこうというお話し合いがあらあらあるということを我々は想定しているわけであります。

 それを、機構の中で、機構の中のチームが審査をして、本当に再生可能なものであるのか、甘い計画になっていないか、こういうあたりを審査する。それで、それができましたときに、産業再生委員会でその妥当性、適正さを審査して支援を決定する、こういう仕組みであります。

○仙谷委員 この産業再生という物の言い方だけれども、この事業再生計画というのはしょせんは私的整理じゃないかというふうに私は言っております。それはそうですねとお答えになっているわけですね。

 私的整理である限りにおいては、当然のことながらこれは人減らしとかで、あるいは、部門を切り離してどこかへ売っちゃうとか、人を減らすかというのは、事業再生計画の中には当然含まれるんでしょうね。いかがですか。

○谷垣国務大臣 当然かどうかわかりませんが、そういうあたりをどうしていくかという話し合いといいますか、そういうことはこの再生する事業計画の中に含まれている場合が多いだろうと思います。

○仙谷委員 例えば、高木新二郎さん、何か産業再生委員長になっておるようですが、この人の「企業再生の基礎知識」というのをぱらぱらと改めてめくってみました。そうしますと、私的整理のレベルでは、再建計画というのは債務の再構築というのをちゃんとやらないといけないんだと。これは、債権放棄からデット・エクイティー・スワップから期限の猶予から金利の減免だ、こう書いてあります。

 事業の再構築、工業・事業部門や、工場、店舗の閉鎖、こういうことをやらなきゃいかぬ。つまり、人員整理も当然のことながらここに入ってこないと、事業の再生に一般論としてはなりませんわね。我々の経験からいってもそうですよね。だから、当然のことながら、債務減らし、設備減らし、人減らしみたいなことがまずは基本になるんじゃないかと思います。

 だから、そういうときに、これは我々が本当に私的整理のときでも経験するのは、銀行さんの銀行なり合理的な理由と言い方によって、働いている人も、あるいは経営者の意思すらも無視されて、再建計画とか私的整理プランみたいなものが、いわば強制、半ば強制的につくられてしまうという事例は往々にして経験するんですよね。

 

労働者の意向を尊重せよ

 それで心配するのでありますが、事業再生計画をつくるときに、当該債務者たる企業、企業の中で働く従業員、労働者、あるいは労働組合があれば労働組合、その意向というのは再生計画がつくられる前の段階で生かされるというふうなことになっておるんでしょうか、なっていないんでしょうか。つまり、銀行の勝手だけでできるのか、銀行とそこは事業者の主体性、その事業者の主体性の中には働く人あるいは労働組合というものの意向も相当生かされるというふうな構造になるんでしょうか、ならないんでしょうか。いかがですか。

○谷垣国務大臣 先ほども申しましたように、そこらあたりは、当然のことながら、事業者とそれから金融機関の間で何らかの話し合い、整理があるのが通常だろうと思います。整理というのは、問題の整理があるのが通常だろうと思います。

○仙谷委員 ただ、ややこしいのは、本件の場合、メーンバンクと非メーンのあれやこれやの綱引き合いを整理するために産業再生機構が活躍するんだ、こういう話があるわけですね。

 つまり、金融的側面からする企業整理というか再生というか再建というか、そこに比重がかかった瞬間に、整理案ができる、つまりこの法律でいうと事業再生計画がつくられるまでは、その中身はできるだけ密行性が必要だというか、隠密性が必要だということになるのは事の当然ではないかという気もするわけですね。

 そうなりますと、事業者の主体性も、そこで働く人々の意向というふうなものも、当然のことながら踏みにじられる可能性の方が甚だ強いというのが、これは経験上なんですね。そこは大臣、どういうふうにして、そんなことにならないようにするよというふうに言うことができますか。

○谷垣国務大臣 そこは、仙谷委員のおっしゃるように、再生計画を立て実行していく上で、多分、一番ある意味で難しいところだろうと思います。全部オープンにして議論をしていってしまったら収拾がつかないという場合もあろうかと思いますし、では、全部秘密のままでスムーズに後、再生計画が進んでいくかというあたりも非常に、それでうまくいくという保証もないわけでありまして、そこらあたりが再生計画を立てる場合の一番の難しい点であろうということは、私もそのように思います。

 しかし、今度、機構の側から判断しますときには、そこがある程度整理ができて話がきちっとまとまっておりませんと、再生した場合に、大概の場合に、コアとなる企業が優秀な経営資源を持っているといっても、それを支える人がいなければ、そこで経験を積んできた、その事業のノウハウを持っている雇用者がある程度いなければ、再生計画がどれだけ成功していくかというのもきちっと判定できない場合が多いわけでありますから、そのあたりをどうやっていくかということこそが、いわばこの機構であり、あるいは再生していく人の腕の見せどころじゃないかというふうに私は思います。

○仙谷委員 何でこんなことを言うかといいますと、もうおわかりだと思いますが、私的整理で、公的な関与が全くないところでやるのであれば、労働組合の意向を聞かないでも、労働者の意向を無視して、事業者の主体性を無視してやっても、そこで初めて紛争が起こるんですよ。それで、後でその紛争をどう解決するかという問題になるわけですね。それはもうしようがない。むちゃくちゃやる経営者がおったり、むちゃくちゃな銀行がおれば、これは労働組合が頑張るか、社会的な制裁をかけるように頑張るか、何かやってそういうのを是正しなければしようがない。

 しかし、公的な関与があるということになれば、そこを無視してやった事業再生計画を公的にオーソライズする、つまり、極端に言えば人切りを公的な日本の政府が権威づける、承認するということになってしまう可能性があるので、私はこういうことを申し上げているわけです。

 

離職者対策をきちんとすべきだ

 それから、国の政策としても、本当に大事なのは、人材を、労働者を、離職をされることはやむを得ないある一定の数の人が出てくるんだけれども、うまくどこかに移っていただくという政策が国にないと、あるいは自治体にないと、こういうことに国が関与するということになると、一方的に失業者をふやすことに加担をするということにしかならないんじゃないかという心配があるから、申し上げているんです。

 そこで、聞きますが、これは十兆円の保証をする、要するに買い取り資金は十兆円だということで出発しますよね。さっと私は議事録を読んでみましたら、十兆円というのは、何か十七兆円ぐらいの要管理債権があるから十兆円用意するんだという話になっておるんですか。これは主要行の十七兆円に対する十兆円なんですか。

○谷垣国務大臣 ちょっと数字が正確でありませんが、十九・一兆でなかったかと思います。これは、平成十四年三月末現在の全預金取扱金融機関の額だったと思います。

 そこで、これは十兆全部使い切るということで考えているわけではありませんで、いろいろそういう額を前提にしたときに、相当これを利用していただいても十分な枠ということで十兆の枠を考えているわけであります。

○仙谷委員 その場合、大臣、さっきの産業再生・雇用対策本部としては、そういう発想からいうと、どのぐらいの離職者が出るというもくろみで再生機構を出発させようとしているんですか。

○谷垣国務大臣 これはつまり、例えば、過剰供給がある分野で、ここに機構が手を突っ込んで無理やりこういうふうに持っていこうというような絵は事前に持っているわけではありませんで、企業とそれから金融機関の方で判断して持ってきていただくということを前提としておりますので、あらかじめそういうデザインというものは持っていないというのが正直なところでございます。

○仙谷委員 これはそういうデザインを持ってやっていただかないといかぬ。

 正しいのかどうか知らぬけれども、こういうものがあるじゃないですか。これは「不良債権の処理とその影響について二 雇用へのインパクトを中心に」、あなたが大臣をやっている内閣府政策統括官、二〇〇二年の四月でしょう。

 この中で、不良債権を処理したときにどのぐらいの離職者が出るか、離職者のうち、清算型だったらどのぐらいの人員のカット率になるのか、再建型の場合には、法的整理だと三八・一%ですか、私的整理だと二七%の人員がカットされる。カットされた人のうち、転職できるのはどのぐらいか、失業になってしまうのはどのぐらいか、非労働力化するのはどのぐらいかと、ちゃんと一応の詳細な研究を内閣府はしていますよ。このとおり世の中が動くかどうか別にして、マクロ的というか、マクロとミクロの間ぐらいの話なのかもわかりませんが、こういう一応の計算をしている。

 これによりますと、主要行の要管理債権十兆円を処理するとすれば、離職者として予想されるのは四十二万人、転職をすることができるのは二十一万人、失業が十四万人、非労働力者になるのは七万人、こういうことを九九年以降の実績をもとにして計算されている。

 さっき、十九兆円とおっしゃったら、十兆円の倍ですから、離職者が約四十二万人というのは、約八十万人ぐらい離職せざるを得なくなるんじゃないか、転職者が四十数万人出ざるを得ないんじゃないか、失業者が二十八万人、三十万人ぐらい出るんではないかということが推測されると私は思うんですよ。

 それで、その人たちをどうするのかということが産業再生機構法で、個別にはさっき申し上げた、事業再生計画をつくるに当たっての労働者及び労働組合と事業者、あるいはメーンバンク、準メーン、そこでどういう話し合いがなされて、どういう合理的な案がつくられて産業再生委員会に持ち込まれるかということになると思いますが、マクロ的にはこれをどうするのか、離職者は出るわけですから。ということを、ぜひ、労働省を叱咤激励しても何してもいいですから、検討をしていただきたいということをお願いいたしておきますし、できるだけこの法案の中にもそういう仕組みをビルトインしていただきたいと思います。

 

再生機構の運営の透明化を

 時間がなくなりましたので、最後にもう一点だけ谷垣大臣に聞きます。

 もう一点は、私は実は、谷垣大臣が金融再生委員長のときに、いわゆる瑕疵担保条項に基づく追い払いみたいなものが発生するぞ、この瑕疵担保というのは、私の法律からすると、こんなものは民法上の瑕疵担保でも何でもない、いわばインチキだということで、随分議論をいたしました。後顧に憂いを残すということも申し上げたはずです。

 お伺いすると、新生銀行等々に支払った瑕疵担保条項の履行で約一兆円払っているんですね。これは追い払いとしては大変なものでございまして、私は、したがいまして、何を言いたいかというと、公的な資金を使うときには、やはり余りいかがわしいような、そして国民に見えないことをやらないということがぜひ必要だと思うんですね。

 本件の場合にも、きのう我が党の五十嵐議員からも質問しましたけれども、二次ロスが出る可能性とか、それは、とりもなおさず買い取る債権額の査定の問題、余り高く買い過ぎると、当然二次ロスが出るということにつながると思います。あるいは、そのことで、買い取った債権をまた産業再生機構の中で再び免除したり、不必要な債務の株式化というんですか、デット・エクイティー・スワップというのかな、それをやってみたりということが重なってはならないというふうに私は思うんですね。

 そこで、私に言わせれば、この瑕疵担保の、国民から見れば甚だ納得のいかない、例の長銀と日債銀、あのときにやったこんなことを反省するとするならば、今度の再生機構で業務を行うについては、少なくとも債権の買い取りの対価については速やかに公開するということをやっていただけませんでしょうか。

○谷垣国務大臣 仙谷委員と瑕疵担保について議論したこと、私も鮮明に記憶に残っているわけですが、当時の、あの特別公的管理に置いた金融機関をどうやって売っていくかという中で、いわば苦心の産物であったのかな、それから、早く売るためにはああいう仕組みも当時としてはやむを得なかったのかなと思っておりますが、ただ、委員のおっしゃるように一兆円という額になっているかどうかは、ちょっと私、今手元に材料がないんですが、そこまでは行っていないのではないかというふうに思います。

 そこで、委員のおっしゃりたいことは、いいかげんな査定をするとおかしくなるぞ、それをするなという一つは御警告であろうと思いますし、それから、それを担保するのに透明化をせよということだろうと思います。

 透明化につきましては、この法律の中に、支援決定などをした場合は速やかにその概要を公表するというふうに規定してありますが、個々の債務ということになりますと、またそれを売らなければなりません。どこまで、そういった幾らで買って幾らで売るという手のうちを明らかにできるかというような問題も他方、売却の実効性ということからありますので、しかし全体の透明性を高めていかなければいけませんので、どこまで何ができるかというのはこれからきちっと検討したいと思っております。

○仙谷委員 時間が参りましたので終わりますが、結局、産業再生というときに、産業全体の中での個別事業がある。事業には事業者、経営者がいらっしゃる、労働者がいる。労働者も債権者です。納入業者のような中小者が多い部分、これも債権者です。それから銀行という債権者もいる。この中で、結局銀行だけの都合、銀行だけの勝手、銀行だけの利害、ここに偏したことをやると、これはまた、何だ、何のために税金のむだ遣いをしているんだということになるということを私は申し上げておきたいと思うし、さっき申し上げたように、産業再生というのは、実は日本の場合には人材再生が裏表になってこないと絶対にできない、そのことだけ申し上げて、質問を終わりたいと存じます。ありがとうございました。