2001年09月14日 予算委員会

○野呂田委員長 これにて小池君の質疑は終了いたしました。

 次に、仙谷由人君。

○仙谷委員 民主党の仙谷でございます。

 民主党といたしましても、先般のいわゆる同時多発テロ事件、あるいはテロ行為といいましょうか、これにつきましては、人間の尊厳に対する挑戦である、敵対行為である、そして民主主義社会に対する悪質なあるいは悪逆非道な攻撃であるという認識のもとに、民主党の鳩山代表からも声明を出し、かつブッシュ大統領にも書簡を出したところでございます。

 先ほど来、総理の決意等々については十二分に伺いましたので、重ねて二つほど私の方からも、要望といいましょうか、お願いをしておきたいと思います。

 それは、今小池議員も若干おっしゃっていたわけでございますが、テロには徹底的に厳しく対処しなければならないし、国際的な枠組みの中でやっていただきたい。これは当然のことでございます。ただ、もう一つ頭の片隅で、やはり二十一世紀の国際秩序をどうつくっていくのか。そのために、テロに原因があるか、犯罪に原因があるかというふうに言われる方もなきにしもあらずでしょうけれども、しかし物事にはやはり原因がある。この原因については、しばし考える、冷静に判断する思考も政治を進める上では持っていただきたいということが一つでございます。

 それからもう一つは、今回のテロ行為のターゲット、対象は、やはりアメリカの政治の中枢と経済の中枢をねらったというふうに私どもには見えるわけでございます。そういたしますと、今相当不安定になりつつある国際的な金融、経済の環境というものが、このテロ行為によってより大きな混乱やより大きな振幅を招いてはならないということは当然のことでございまして、これは塩川財務大臣が記者会見で、為替市場の安定や金融機関の流動性確保などについて日米間で緊密に連絡をとり合う方針で一致したというふうにおっしゃったようでありますが、ドイツのアイヘル大蔵大臣もG7の緊急会議の開催を提案しているというふうにも報道がされております。

 テロ行為防止についてのサミットも、それはそれで今まで重ねてきておるテーマでございますから、意味はあるというふうに思いますけれども、緊急にむしろやらなければならないのは、国際金融、国際経済問題についての国際間の協調を改めて確認し、協調的な行動についてちゃんとした考え方を練り上げる、このことが重要だと私は思っております。

 日本の方からもそのことに、アイヘルさんがおっしゃったことがこちらに伝わっているのかどうか知りませんけれども、日本の方からも、緊急のG7あるいはG8、そして為替、そしてマーケットの安定についての共同の協調した行動を呼びかけるべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。

○塩川国務大臣 御指示いただきましたようなことでございますが、早速に、G7の関係しています財務大臣間、連絡をとりまして、私の方からも声明書を出しました。その声明書は各国共通で出しておりますので、趣旨は徹底しておるように思っております。

○仙谷委員 もうちょっと具体的に申し上げますと、先ほど谷口議員もおっしゃっていたわけでありますが、十七日からニューヨークのマーケットが開くわけですね。やはりここが相当重要な局面だというふうにヨーロッパ等々からはニュースが入ってくるわけでありまして、この局面で、やはり日本の当局としても、漫然と過ごすのではなくて注意深く見守って、為替安定のために国際的な協調行動をすべきであるということを重ねてお願いをし、その決意を披瀝していただきたいと思います。

○塩川国務大臣 御趣旨を尊重いたしまして、きょうでも、毎日何回となく連絡いたしておりますけれども、その件が国会で議論になったということ等もあわせまして、連絡をとるようにいたします。

 

○仙谷委員 十二分に、為替が乱高下しないように対応をとるというふうに決意を披瀝したというふうに受けとめまして、次の問題に進みます。

 実は、今質問する直前に、大手スーパー、マイカルが自主再建を断念して、法的整理手続を進めることにしたというニュースが入ってまいりました。一時五十六分、NHK報道というふうに書いてございます。

 かねてから我々も、雑誌等々で拝見をしておりまして、そういう事態が来てはならぬなと思っておったわけでございますが、その有利子負債の大きさ等々からして、これはなかなか、現在の物価あるいは売上高の状況からして、売上高というのはマイカルだけの話じゃなくて、小売業の売上高の状況からして、容易ならざる事態になりつつあるのではないかなという心配もしておったわけでございます。

 そこで、マイカルのことをお伺いするのではなくて、総理、これは名目成長率でいいますと、この間の四月?六月のGDPの速報値、マイナス一〇・三%という厳しい、何というのですか、成長の停滞とでもいいましょうか、そういう事態が一方にございます。一方には、株価が一万円割れということでありますが、この同時多発テロを差し引きましても、九月十一日には一万二百九十二円というところまで下落をしていたわけであります。そして、総理が就任されてから一番高かったときは一万四千五百二十九円、こういう株価の状況でございます。時価総額でいいますと、ちょうど百十兆円ぐらい吹き飛んだというか、なくなった状況になっているわけですね。総理はかねてから、一喜一憂しないんだというふうにおっしゃってまいったわけでございます。

 それと同時に、もう一つ指摘したいのは、総理は、総理に就任されてから構造改革を主張されておりますけれども、その主張されている構造改革の何らかの政策が実行されて、それによって痛みが発生したというわけではないんですね。これは旧来の、森さんがつくった予算、森さんの時代につくった緊急経済対策の少々の部分を実行しようかと、この程度の話でここまで来ておるわけでございます。

 総理は先ほど、にもかかわらず、私はその決意やよしと思いますけれども、そういう決意を披瀝されましたけれども、さあ、そこで、何でこうなったのか、つまり原因ですね、なぜこんなことになっているのかということについて総理の所感をお伺いしたいんですが。

○小泉内閣総理大臣 これは私が総理就任する前からかねがね言ってきたところでありますが、この十年間、いろいろな景気対策を政府は打ってきたと思うんであります。財政政策を見ても金融政策を見ても、やらないんではなくて、むしろやり過ぎるぐらいやったと言ってもいいぐらいいろいろな手を打ってきた。しかし、なかなか効果は出ない。それはなぜなのかというところから、私は日本の構造改革が必要だと言ってきたわけであります。

 若干時間をかしていただきたいと思いますが、考えてみますと、不況になった場合に最も有効な対策は何か。それは、経済の常識でありますが、財政政策と金融政策、この二つの政策手段によって不況を乗り越えるべきだ。

 財政政策どうか。これは御承知のように、税収が足らないからといって国債発行、借金に次ぐ借金を重ねてまいりました。まさに借金漬けとも言っていいというぐらい。ことしも五十兆円程度しか税収がないにもかかわらず、三十兆円近い国債発行をしております。

 金融政策どうか。これまた、史上最低の公定歩合、ゼロ金利であります。これ以上下げようがないぐらい低金利。

 これだけ大胆な借金政策、金融政策を打ってもちっとも景気回復しない。何なのかということから、私は、日本経済、税金をむだ遣いしている部分があるのじゃないのか、もっと国民の税金というものを有効に使おうということで、特に、公的部門の構造改革が必要だということで、特殊法人等の改革を初め、あるいは規制改革、雇用対策を進めようとしているんですが、そういう観点から、今構造改革は少しやめて景気対策をせよという声が一部に出ておりますが、私は、この構造の問題は即効薬はないと思います。三月や五カ月で目に見える効果が出る??出ている部分もあります。既に……(発言する者あり)菅さんは何もやっていないと言いますけれども、これほど変わった、やっていることはないんです、現実として。私は、この現在の不況というのは半年や一年で回復すると思っておりません。しかし、景気がよくなろうとも悪くなろうとも、やるべき改革をしない限り、構造改革をおくらせて景気がよくなる、借金をすれば景気がよくなるとは思っておりませんから、私が掲げた目標のもとに、やるべき改革を進めていく。現に、その方向にのっとって今プログラムを提示しておりますし、今後ともしかるべき対策は打っていきたい。

 今見てみますと、税金を使っていないところ、規制の恩恵を受けていないところ、政府から補助金をもらっていないところほど改革が進んでいるんです。一番おくれている部分は、税金を使っているところ、規制の恩恵を受けているところ、補助金をもらっているところなんです。そこの部分を徹底的に改革しようということで、私は、財政投融資制度、特殊法人制度、今まで皆さんが反対してできなかったところに初めて手をつけようとしているんです。

 私は、そういう意味において、これからもこの方針のもとに適切な対処をしていきたいと思います。

 

○仙谷委員 私が聞いたのは、なぜできなかったのかということをお伺いしているわけですよね。そこのところを全然お答えにならないわけですよ。つまり、最大限の景気対策あるいは成長政策を打ったけれどもできなかったという、この現象の説明はされましたよ、確かに。なぜなんですかと私は聞いているわけです。

 もっと言いましょうか。これだけの、おっしゃるとおり、小渕さん以降でも四回ぐらい景気対策とか経済対策とかいろいろな緊急対策とかやっているんですよ。ところが、それで百三十兆円ぐらい財政赤字をつくってぶち込んだんじゃないですかね。そして、その段階で成長見通しを立てて、ことごとく外れている。例えば、平成十年は二・四%の成長見通しで実績はマイナス一・一ですよ。十一年は〇・五%の見通しで実績はマイナス〇・二ですよ。十二年は見通しが〇・〇の実績はマイナス〇・六ですよ。これは名目で言っていますけれども。

 ことしは一・〇の名目の成長見通しを立てているけれども、きょう日経新聞という新聞社が、これは日経の優秀なコンピューターを使っていろいろはじいてやった結果の見通しは、多分マイナス二・二だろうと言っている。それを信じないにしても、この四月?六月、七月?九月、あるいは我々に伝わってくる地元での実感、これで、いや一・〇の成長できるはずないよねと。

 今までも、オオカミ少年の反対で、桜の花の咲くころはという話をずっと聞かされてきて、全然??お笑いになっているけれども、笑い事じゃないんですよ、下々というか庶民にとっては。いやいや、本当に。いやいや、小泉さんから比べたら下々なんですよ。庶民にとっては、我々が一緒につき合っている人々にとっては冗談じゃないんですよ。

 この間も、地元に帰っていましたら、もう三百万にしましたと。会社の社長さんがですよ。あるいは、私は報酬取るのをやめました、取れません、あるいは、世帯の収入を三百万で切り詰めるようにしました、そんな悲鳴がどんどん聞こえてくるんですね。改革をやる前に痛みを受けている人が相当いる。それは今の倒産の実情を見てもそうでしょう。月にまだ千五百件ベース、つまり年間一万八千件以上のベースが続いているということですよ。それから特別保証利用、特別保証を九八年、九九年以降やったにもかかわらず、受けたにもかかわらず、その会社が五カ月連続三百件以上倒産しているんですよ。もう事切れたという状況ですね。

 それから、失業率というのは御承知のように五・〇%を超しましたけれども、もっと重要な指標は就業者の人口でしょう。就業者の人口も四カ月連続減少していますよね、前年比。いい数字は一切ありません。

 昨日の月例経済報告を見ると、おかしいんですけれども、月例報告とか速報値の個人の消費というのは、個人部門の消費は減っていない、こう言っているんだけれども、家計調査を見ると、名目で二・七%、あるいは勤労者世帯では名目一・五%、実質〇・四%と、どんどん減っているんですね。これで景気がよくなるということは全くあり得ないわけです。

 そこで小泉総理に聞くわけですが、これは明らかに構造改革路線であって、森さんが、あるいは小渕さんがやった、二兎を追えないから景気回復の一兎を追うんだという路線から明らかに小泉さんは総理になってから転換をされた、こういうふうに理解をしてよろしゅうございますか。

○小泉内閣総理大臣 私は、急激な転換をしますと、これはある面においては急激な痛みを伴いますから、徐々に転換させたいと思いまして、改革を進めていきますが、一遍に緊縮財政路線はとらないということで、三十兆円の国債発行は認めざるを得ないということで出しているんです。構造改革なくしてまず景気回復しろと言いますけれども、この改革を進めないで景気回復は私はあり得ないと思っていますし、もし改革をほっぽっておいて、借金をふやして経済がよくなった、景気がよくなったといったら、改革する必要はないんですよ。

 だから、私は、景気がよくなろうが悪くなろうが、やるべき改革は進めていかなきゃならないと思っていますし、今言われたような、今までどうしてなかなか経済が再生しないのかということから考えますと、不良債権に足を引っ張られている、この不良債権の処理を早く進めようということと、これから新しい雇用の創出、雇用づくり、そして生き残れないような企業に対しましては、失業者が出てくると思いますので、新しい職場につけるような失業対策、雇用対策、これを両面からやっていこうということで、今まで、借金すれば何とか、国債を増発すれば何とか景気がよくなろうという、この一遍の政策を徐々に変えていきたいんです。そうすることによって、私は、低成長をある程度我慢しなきゃなりませんけれども、その先には、世界の激しい競争に生き残れるような経済体制が構築できるのではないかというふうに考えております。

○仙谷委員 そうすると、しつこいようですけれども、なぜこんなていたらくというか状況になっているのかということについては、ここまでの自民党政権、小渕政権、森政権、この政策展開が間違っていた、まずそういう認識があって、しかし、原理原則的に正しいところに行きたいけれども、一挙にやると衝撃が大きいから徐々にそこに行くんだ、こういうふうにおっしゃっているというふうに理解していいですか。

○小泉内閣総理大臣 今までの政策について、反省すべきことは反省しなきゃならない。そして、これから新しい時代に生き残れるような体制をとるためには、多少の痛みが伴うけれども、それについて多くの方々の協力を得ながら改革を進めていって、少しでも必要な方向に、明るい方向に向かって雇用が出てくるような対策をとっていかなきゃならない。いわば、今仙谷委員が言われたような政策の転換を、急激ではありませんが、徐々に進めていかなくてはならないと思っております。

 

○仙谷委員 私、やはり自民党政治の特徴というのは、総括というのが余りないんですよね、あるいは、けじめをつけるというのが。ここが間違っていたからこうするんだという、この間違っていたからという反省の部分とか原因究明がなくて、ずるずるずるっと、両極端の路線を変えると言ってみても、それは何かまゆにつばをつけて聞かなきゃいけないような話になってくるわけですよ。だからこういうことを申し上げているので、これは総理、はっきりとその辺は、今までの政策はこう間違っていた、これからこういうことをやりたいけれども、それはやったらこういうプラスマイナスが出るけれどもお願いしたいということを、ちゃんと説明責任を果たさない限りわかりませんよ。そこは、ちゃんとやるようにお願いをしておきます。

 それで、時間の関係もありますので、竹中さんにちょっと聞きたい。

 竹中大臣、私、これは二年前の経済戦略会議の「日本経済再生への戦略」というのを持ってきました。当時、竹中大臣が竹中先生であるときにこれの講義を受けました。いやいや、ほとんどいいんじゃないんでしょうか。ただ、問題が二つあるとそのとき言いましたけれども、ここにこう書いてある。

 「経済戦略会議としては、こうした事例を踏まえ二〇〇一年度頃に日本経済が潜在成長力軌道に」、二〇〇一年というのは今ですから、「復帰するという経済回復シナリオを最も可能性の高いものと想定した。ただし、こうしたシナリオは短期のマクロ経済対策を速やかに実行に移し、かつ、次章以下の様々な構造改革を大胆に進めた場合に実現されるものと認識しておく必要がある。」それで、「今後二年間」、つまり一九九九年と二〇〇〇年をバブル経済の集中的清算期間、何か二年間の集中的何とか期間というのは聞いたような気がするんですが、「二年間を「バブル経済の集中的清算期間」と位置づけ、この期間については、金融機関、企業の有する不稼働資産の実質的処理を積極的に進める必要があり、マクロ政策の目標はデフレの悪循環に陥る危険性を回避する点にとどめるべきである。」というふうに記載をされているわけですね。

 その後、日本には停滞シナリオと経済再生シナリオと危機シナリオと三つあるというふうに書かれています。

 私が、これを素直に読んで、先ほど申し上げましたいろいろな指標にあらわれてきたような状態、それから、きょうマイカルさんが法的整理に移られるというようなことも聞き、自分の地元やいろいろな地域に出かけていっていろいろな景気、経済の話でお訴えを受けて実感していること、これとの関係で照らし合わせると、今日本は停滞シナリオの中へ入っちゃったんですか、それとも危機シナリオの渦中に飛び込んだんですか、それとも、経済再生シナリオを実践できる、こういうことになっているんですか、いかがですか。

○竹中国務大臣 経済戦略会議のシナリオと今の骨太の方針との御関係ということだと思います。

 それに関連しますので、先ほどの総理とのやりとりで一点つけ加えて申し上げさせていただきたいんですけれども、政権の政策に対する考え方というのは、なぜ経済が悪いのかということに関しては、私はもうはっきりしていると思います。

 それは、議員が挙げられたさまざまな公共事業、それと今まで行ってきた金融の政策、すべて需要をつけ加える政策です。需要をつけ加える政策は、供給のサイドが、つまり売れるものをつくる力がこの社会にあるかどうか、それがあるときには大変有効ですけれども、その力そのものが下がっていっているときには、需要をつけた瞬間はいいけれども、それがなくなったらまたもとへ戻ってしまうということになる。だから、私たちの社会を効率化して、むだ遣いをなくして、しっかりと構造をつくろう、それが供給をつくる政策であり、だからこそ総理が言われる構造改革だということになる、そういう方針がまずベースにあるわけです。

 そこで語られているシナリオというのは、経済戦略会議で考えられた方向と基本的には一致するものだと思います。ただ、当時との大きな違いが一つあるとすれば、経済戦略会議のその議論をされていたとき、基本的には不良債権問題ですけれども、私たちも一つの見誤りがあったと思います。当時の不良債権問題というのは、あくまでもバブルの負の遺産の清算であるという言い方をしてきました。それに対しては、御承知のように、今の不良債権に関しては、バブルのときの不良債権というのはもうかなりの程度終わっているわけですけれども、さらに新たな不良債権が出てきている。これは当時の議論の中にはなかった問題だと思います。

 その意味では、危機シナリオではありません。金融システムは、これはもう与野党協力してそのシステムをつくったから、危機シナリオではない。しかし、発展シナリオには明らかに行っていない。残念だけれども、金融の問題が新たな局面に入ったということで、停滞シナリオと発展シナリオの中間ぐらいのところにある。さらにそれを構造改革で発展シナリオのところに持っていこうというのが今度の骨太の方針に示されているというふうに理解しております。

○仙谷委員 竹中先生、そうはおっしゃるけれども、これは危機シナリオの中に、「第一は、デフレの悪循環に陥るリスクである。」「第二は、本格的な金融危機発生のリスクである。」「第三に、米国経済の急激な悪化等、海外の経済状況の急変や外的要因に基づく危機シナリオにも備えが必要である。」こう三つ書いてあるんだが、これは全部大体合ってきているんじゃないですか。

 私は、だから、見通しは正しかったけれども、経済戦略会議が決めたことをやらなかったからこういうていたらくになっているのか、もしくは経済戦略会議も、こういう立派な文書をつくってもできないということを、政治の構造の中で、霞が関の構造の中でできないということを余り御存じなかったのかなということを私は言いたいわけです。

 というのは、いいですか、竹中先生。こういうふうにやると、「雇用面でのセーフティ・ネットの充実に努めると同時に、これを新しい「人的資源大国」としての日本を作る絶好の機会と位置づけ、働く人々のインセンティブ(やる気)を重視しながら、職業訓練・人材教育を中心に十分な支援策を講じる必要がある。」と書いてありますね。

 あのときにも議論をしたと思いますが、まさにバウチャーをやらなきゃいかぬのだとこれにも書いてあります。何でバウチャーができなかったり、人的資源大国の方向に向かうような仕組みが経済社会、労働市場の中でできないでいるのか。経済企画庁がつくった労働市場の問題についての報告書を見ても、ミスマッチの話ばかり書いてある。どうやったら解消できるのか、なぜそうなったのか全然書いていない。

 私は、KSD事件をやってみてびっくりしたんです。労働保険特会という特別会計から何と五千億という補助金が、補助金ですよ、雇用勘定四千億、労災勘定一千億、財団法人、社団法人に五千億という金が流れているんですよ。じゃ、この金で、先生がおっしゃるようなバウチャーの方に行かないでそういうところに吸収されて、全部委託だ、試験だ何だかんだという、そういう構造になっているのが労働市場のミスマッチの一つの大きな原因だと直観しましたね。

 なぜこうなのかというのは、やはり、これは五十五年続いてきた自民党政治、霞が関と政治の関係、そしてOBとの関係、それが非常に大きいと思うんです。竹中大臣が今苦しんだり悩んだりしているのはそうじゃないんですか。

 日本の経済がこのていたらくに陥っているのは、一つは方向性の問題ですよ。竹中大臣おっしゃるように、サービス化に向かって労働力を流動化させる、世代的にも流動化させる、そのためには職業の再訓練だ、再教育だ、スウェーデン型にいえば学びの社会をつくるんだ、そういうコンセプトのもとに資源をそちらに投入しないで、依然として公共事業だ、特殊法人だ、補助金だ。このやり方が、幾ら立派なことを書かれても、結局二年間むだにした。またことしから二年間の集中調整期間というのを不良債権処理でやるとこの間の緊急経済対策で書いてあるじゃないですか。

 何回同じことを繰り返すんだ、何回むだ銭を使うんだということを言いたいわけですよ。いかがですか。

○竹中国務大臣 経済戦略会議の答申の中に書かれた政策がなかなか実現されなかったということに対する切歯扼腕の思いは、当時メンバーであった私には確かにあります。

 じゃしかし、一体なぜなのかということになると、これはもう皆さんがまさに御専門家ですけれども、政策決定のプロセスというのは、特に一億二千七百万という大きな人口を有するこの国の政策決定のプロセスというのは、そんなに簡単なものではない。私たちは、この小泉内閣の中で、やはりそうであるからこそ今までとは違うアプローチをとっているというふうにぜひ申し上げたいと思います。

 まず骨太の方針を決めました。つまり、これだけ巨艦のような国、巨艦のような霞が関、永田町の政策ソサエティーを大きく方向転換させるためには、やはり私は手続が要るんだと思います。それを、だから、大きな方針を決めたのがこの骨太の方針であった。こういうものはかつて決めていなかった。

 それで、経済戦略会議の決定はあくまでも一つのリコメンデーションでありますけれども、今度の骨太の方針というのは閣議決定されたわけでありますから、その点は、同じことを繰り返すのではなくて、プロセスにおいて大幅に変わっていると思います。

 さらに、今やっていることは、その方針を受けて、個々の政策を挙げて、個々の政策をどのようなスケジュールでやっていくかという工程表をつくっているわけでありますから、これもまた今までのプロセスにはなかったものである。

 そういったプロセスの転換を伴って、プロセスの転換をするから、それゆえに少し時間もかかるわけでありますけれども、今までの反省を踏まえたアプローチがとられているという点をぜひ御認識いただきたいと思います。

○仙谷委員 政治の構造の話が入ってこないんですね。

 そこで、本当は不良債権の問題をちょっとこれから丁寧にやろうと思ったんですが、時間の関係がございますので、高祖さんの事件を、これは郵政改革を推進しようとする小泉さんにも聞かないといかぬ。まさに政治の構造そのものなんですよ。それで、そのことを聞きたいんだけれども、警察庁の方、来ていらっしゃいますか。高祖事件というのは、これはどういう事件ですか。ちょっと説明してください。

○吉村政府参考人 お尋ねの選挙違反事件について申し上げます。

 京都府警と大阪府警におきまして、公務員の地位利用による選挙運動の禁止違反容疑で、近畿郵政局長、普通郵便局長、特定郵便局長等、十六名を逮捕いたしております。

 逮捕の容疑事実についてでありますが、京都府警では、普通郵便局内において、このたびの比例代表選挙立候補予定者に当選をさせるため選挙運動の依頼などをしたという容疑で、近畿郵政局の総務部長、普通郵便局の副局長らを逮捕しております。

 一方、大阪府警では、大阪堺特推連と三島特推連、特推連と申しますのは、特定郵便局長業務推進連絡会の略称でございます。その特推連の会合におきまして、それぞれ傘下の特定郵便局長に対し、近畿郵政局長、各特推連幹部らが共謀の上、当該立候補予定者の後援会への入会を勧誘するなどしたという容疑で同人らを逮捕しているところでございます。

○仙谷委員 ちょっと私もこの関係がよくわからないんで、新聞を丹念に読んで、それから昨日、特定郵便局長業務推進連絡会というのは何ですかというふうに郵政事業庁の方に申し上げて、何かこれは、郵政省でというか、郵政省の規定でつくられている、そういう公的な集まりというか会議だということを初めて知ったんですね。特定郵便局長業務推進連絡会規程というのが郵政事業庁に存在する。

 それで、連絡会というのは二百三十八ある。その下に部会というのがある。部会が千八百四十一、特定郵便局が一万八千九百十六、だから、特定郵便局が約十局集まって一つの部会。それで、部会が、これ幾つぐらいになるんですかね、六、七十、部会が六、七十集まって連絡会になるんでしょうか。あるいは連絡会というのは、滋賀県でいえば三連絡会、京都府でいえば五連絡会、大阪府でいえば十一連絡会というふうになっておるようですけれども、そういう上から下のピラミッド組織になっているんですね。

 今度の事件の一つは、特定郵便局長さんの集まりを、特定郵便局長業務推進連絡会を通じて集めて、あるいはその部会ごとにいろいろな要請をした、お金の要請をしたり、後援会の名簿集めの要請をしたりした、それが一つの事件、ほとんど大阪府警が扱っている事件はそういう事件だというふうに理解していいですか。

○吉村政府参考人 ただいま申し上げましたように、京都府警では普通郵便局関係、大阪府警におきましては特定郵便局長業務推進連絡会の会合におきまして、禁じられた公務員の地位利用行為が行われたものと承知をしております。

○仙谷委員 普通郵便局の方は、京都の事件は、例えばどういう形態で犯罪が行われているんですか。答えられますか。それとも片山大臣、わかりますか。

○足立政府参考人 普通郵便局関係の容疑でございますが、私どもの理解しておる範囲でございます。これは、郵政のOBが中京郵便局長、副局長、総務課長に働きかけ、これを受けた局長らが、平成十二年九月下旬ごろ中京郵便局において部下に対し、高祖憲治候補の後援会の会員となるよう勧誘したというふうに承知しております。

○仙谷委員 そのOBが中京郵便局長に働きかけるについて、何か近畿郵政局の総務部、総務部長、総務課長がそういうことの事務局をやっていたということのようですが、そういうことはございませんのですか。

○足立政府参考人 この郵政のOBが所属しておりますのが退職者の会ということでありまして、そういった近畿全体の会の中にOBがいるということであります。

 また、先ほど総務部長とおっしゃいましたが、元総務部長ということであれば、近畿の特定局長会の事務局長ということであるというふうに思います。

 

○仙谷委員 元総務部長でなくて、まさに行為をしたときは総務課長じゃないですか。そうじゃないのですか。それで、参議院選挙中に総務部長になった人でしょう、この西田さんという人は。そうでしょう。

 だから、結局、総務部総務課長なのか総務部長なのかがコントロールタワーになって、支店総務長、支店などという言葉をつくって、総務長、支店担当OB、ブロック長、その辺を全部この総務課長なり各郵政局の総務課長がコントロールしていたのでしょう。その一つである近畿郵政局の京都の事件が普通局ルートと称して発覚したというだけの話じゃないですか。全国的にやっているんでしょう、こういうことは。第四事業として。

 関係者は、関係者と言われる、つまり特定郵便局長の中でももう良心に耐えかねて口を開く人は、こんなこと当たり前じゃないか、今までやってきた、ただ、今度はちょっと厳しかったけどねと。たまたま発覚したから、こんなになって、大ごとになってしまったけれども、当たり前としてやってきたんだと。

 つまり郵便局全体を、いいですか、郵政省全体が選挙マシンになっているんですよ、これ。一方では特定郵便局長なんですよ。一方では普通局の管理職なんですよ。それをアメーバのように使って、上からですよ、使って、集票活動と集金活動をしているんじゃないですか。これは、今まで私ども横から見ていて、ああ、そういうことあるだろうなと見ていたのですが、これほど明らかに発覚した組織的大事件というのは初めてですよ、選挙違反でも。

 細かい話ですけれども、私のところへこういうものが来ています。

 さる特定郵便局の郵便局長さんが、「部会内」、さっきの部会ですね、業務推進連絡会の部会、「部会内各郵便局長殿 お知らせ 部会長より、部会開催の連絡があったと思いますが、部会時下記の諸費用を徴収させていただきますので、お知らせ致します。 記 部会費一万円 自民党友費八千円 自民党員費三千二百円掛ける八名 二万五千六百円 合計四万三千六百円。 尚、自民党員追加分に付きましては、部会長より部会時説明があると思いますので、次回の五月部会にて徴収させていただきます。」

 もう一枚は、それと関係があるのでしょう、日時が書いてあって、午前十時、場所が書いてあります。議題「平成十三年度営業方針について 十二年度総括 貯金新年度目標について 保険手当について 同和研修計画について 全特長野総会について」、長野で開かれた総会への出席とかなんとかということでしょうね。最後に「参議院選挙について」と書いて、「以上 本件は近畿郵政局承認済」と書いた、こういうお知らせ文が私のところへ来ていますよ。

 ということは、郵便局長が公務の流れの中で、参議院選挙についてこういう部会を開きますから集まってくださいという、これはお知らせですね。そのときにお金を持ってきてください、四万三千六百円持ってきてください、自民党費も持ってきてください、八名分持ってきてください、こういうことが行われていた。大臣、どう思いますか、これ。どういうふうにしますか、これ。

○片山国務大臣 御指摘の点につきましては、現在、捜査当局が今捜査権を持って事実を解明中でございますから、それはそれで我々は事実の解明に協力いたしますけれども、ただ、服務規律の全般的なありよう、あるいは綱紀粛正については、先ほども申し上げましたが、一昨日、地方郵政局長・監察局長会議をやりまして……(発言する者あり)

○野呂田委員長 静粛に願います。

○片山国務大臣 再発防止のための十分な協議をしておりますし、先ほども言いましたように、これだけの逮捕者が出たことにつきましては大変遺憾だと思っております。(発言する者あり)

○野呂田委員長 静粛に願います。

○仙谷委員 こういうふうに、何か人ごとみたいにおっしゃられると、これは心外なんですね。

 これはひとつ大臣にお伺いしなければいかぬのですが、きのうですか、おとといですか、その郵政局長を集めたのは。それで、これはたまたま京都、大阪、つまり近畿の中の一部の京都、大阪の分が発覚したのですけれども、発覚した理由も知っているでしょう。ほかの件で京都がことしの一月に捜索が入って、書類を持っていかれておったからわかったのです。それがなかったらわかっていないでしょう。

 そこで、この手口は、私は全国一律蔓延していると思うのですよ。そうしないと、大阪が四十三万票高祖さんの票をとったわけじゃないのですから、全国的に平均に出てきているわけですから、同じようなやり方でやらないと票は出てこないはず。大阪の堺特推連、三島特推連というところでやられたのと同じことが、つまり特推連の会合を日時を定めてセットして、午前中に、特定郵便局長会と称する、特定郵便局長会は何か任意の団体らしいですね、そこで票集めの具体的な方法なり人員を指示した、こういう事件ですね、特定郵便局長会については。

 こういうのがあったのではないかという前提で厳しく各地方郵政局を調べたことがありますか。あるいは、なければ、これから調べるおつもりはありませんか、内部規律の問題として。

○片山国務大臣 一昨日の地方郵政局長・地方郵政監察局長会議におきまして二時間ほど会議をやりまして、状況は聞きました。

 近畿のような状況はないという報告を受けておりますが、そこで私の方から最終的に、一つは、国家公務員法、公職選挙法についての研修をやってくれと、特定郵便局長さんを含めて。研修をやることが一つ。

 それから、公的な活動である特推連の活動と私的な特定郵便局長会、これはしっかり分けてくれと。これがたまたま同じにやっているから紛らわしいので、近畿以外は割にそういうことはやっていないようですけれども、しかし、これははっきり分けてくれと。

 それからさらに、今お話もございましたが、郵政監察局長、そういう制度があるわけですから、綱紀粛正、服務規律について特別査察を監察局がやってほしいと、今までは業務の査察が中心でございましたが。

 そういうことを申し上げておりますし、全容の解明ができたら、管理監督責任を含めて対応いたします。

 

○仙谷委員 大臣、先ほどから、一般的に国家公務員法がどうのとか、そんな話じゃないんですよ。これは習慣になっているんですよ、当たり前になっているんですよ、郵政一家と言われて。

 それで、個人的な活動として選挙運動をするとか後援会活動をするというのは、いいですか、郵政局の現役と特定郵便局長はこの業務推進連絡会でつながっているわけだ。そうですね、上から下まで。そのことと全く関係なしに選挙運動をやるというのであればそれは許されるかもわからないけれども、そんなことはあり得ないじゃないですか。元郵政局長が出る、次は事務次官だという構造の中で、いやいや、あそこにOBがおるよと。全部そのたぐいの話でやっているんでしょう。

 これは、後援会勧誘マニュアルというものもありますよ。奥さんをどう使うか、どういう電話をかけるか、候補者の事務所から直接動員要請があったけれどもそんなことをされたら困るとか、いいとか悪いとかと、全部書いてあるじゃないですか。公私混同というよりも、もう一体なんですよ。分かちがたくくっついている。

 この種のやり方、つまり、霞が関が選挙マシンの中枢を担ったり、そのまた出先の総務課長なり総務部長さんが担ったり、あるいはもっと違うポジションの人が担っているのかもわかりませんが、各省庁、そういうことをやっているじゃないか。

 あなたは、特定郵便局長、大樹会というんですか、それは別の団体だと言うけれども、縦系列の中で横へつけた集団を、業界団体やあるいはそのOBが入った団体を、これは全く別の団体だから全然問題ないんだということでやってきたのが今までの自民党の選挙ですよ。政治連盟も自民党支部も、職域支部というのはそうじゃないですか。その構造が政治の構造として問題なんだということを言っているわけですよ。

 今回の場合、今菅幹事長がおっしゃったように、本当に公務員の地位利用なんですよ。今度の事件は近畿郵政局長が逮捕されているんですよ。もうその上は郵政事業庁長官だ。長官の上は大臣、あなたしかいないんですよ。そういうピラミッドの相当上まで行って、その組み立てが発覚した事件なんですよ。

 もう少しこういうやり方の政治を変えなきゃいかぬという自覚とか、官僚にも、こういうことをやっちゃいかぬということと同時に、この特定郵便局長会とか、こういう任意の団体を、選挙用の団体を解散させるつもりはないんですか、どうですか。

○片山国務大臣 特定郵便局長会は、これは任意の私的な団体ですから、任意の私的な団体を我々がどうこうということは言えませんので。ただ、委員御指摘のように、公私の混同と疑われるような運営や実態があるとすれば、これはしっかりと分けにゃいかないと思います。

 それから、いずれにせよ、今捜査当局が捜査をしておりますから、事実の解明、全容の解明ができましたら、我々はその反省の上に立って、どういう服務規律の確保や綱紀粛正の実を上げることができるか、十分努力いたします。

○仙谷委員 小泉総理、時間が来つつありますので総理に聞きますが、この事件をごらんになって、日本の政治の問題として、選挙の構造の問題として、どんなふうにお考えになりますか。

○小泉内閣総理大臣 公務員がなぜ選挙運動を厳しく制限されているかよく考えなきゃならないということは、常々私が申し上げていたところでありますが、今回のこの郵便局を拠点とした選挙違反事件の捜査を見ますと、常々私が憂慮していたようなことが果たして行われていたのかどうか、まことに遺憾であります。

 私は、そういう観点から、これは、今後、公務員の選挙運動のあり方、また公務員の規律、そして政治構造の問題、これについてもはっきりと改革していかなきゃならないなということを痛感しております。(発言する者あり)

○仙谷委員 今処分の話が出ましたが、処分の話もそうなんですけれども、総理、私、小泉政治の最大の弱点はここにあると思うのですよ。

 つまり、どういうことかといいますと、議院内閣制をとって、政党政治という建前をとっている政治のもとで、政党の綱領や路線や基本政策や政策を党内の論議の中から変えて、そこで勝って、つまり党内的に違う意見を言う人に勝って、そしてその党の代表として総理になる、これがイデアルティプスとまでは言わないけれども、どこの政党政治でもあり得る話ですよ、あり得なければならない話ですよ。小泉さん、それはサッチャーもブレアもそうだったわけだ。

 さっきから聞いておりましても、経済政策の話にしても、今度はこの特殊法人あるいは郵政改革の話にしても、党内議論として変えないままあなたは総理大臣になったけれども、総理大臣としてわあわあ言っているけれども、党内の路線とか政策とか基本政策は全然変わっていないじゃないですか。さっき竹中先生がおっしゃっていることも、本当はそういうことを言いたいけれども、言えないから多分、ああいうもごもごと何か霞が関は大きいからなんてそういうことを言っているんですよ、私に言わせれば。

 やはり党を変えなきゃだめですよ。だから従わない人は、このスキャンダルで処分することもあるけれども、その前に、この政策、この綱領に従わないんだったら、あなたなんか公認しない、立候補させない、除名する、それに近いところまでいかないと、こんな重大な局面の中で、こんな政策を実行できるはずないじゃないですか。私は、本当に小泉政治の最大の問題はそこにあると思いますよ。いかがですか。

○小泉内閣総理大臣 変わってきているんですよ。私が郵政民営化論者であり、過去三回の総裁選挙に、常に、構造改革のもとはこの郵政事業だ、なぜ国営で維持する必要があるのか、民営化が必要だといって訴えて、総裁選挙に出て、三回目で今度は当選して、総理になっているわけですよ。

 これは今にわかりますよ。今、竹中大臣が言った経済戦略会議、今まで自民党の中でも反対していた。反対していたことを私はやるんですよ。特殊法人、道路公団の民営化、これもやります。郵政公社、国営堅持でなきゃいけないといった去る三月の党大会の決定、私は変えさせます。(発言する者あり)これからです。これから見ていてください。見ていてください。今まで自民党が反対してきたことを総裁としてやろうとしている初めての総裁であり総理なんですよ。これから見ていてください。

 しかし、自民党は国民世論をよく見ています。私は、今までの、反対していたけれども、国民世論を見て、これが国民のためになるんだったら、自民党議員も今までの考えを変えて、今言った私の方針に賛成してくれることを期待しながらやっているんですよ。

 そんなに焦っちゃだめですよ。まだ五カ月たっていないんですよ。これから見てくださいよ。私を早くやめさせればこの改革がストップすると期待している人がいますが、私は、国民の支持がある限り、今言ったこの構造問題、既得権益をどうしても離したくないといって改革に反対する勢力も、やがては国民の目を恐れてこの改革に進んで協力してくれるということを信じてやっているんですよ。三カ月や五カ月で、この今までの大集団、与野党が反対してきたものをすぐ変えろという方が無理ですよ。もう少し時間をください。

○仙谷委員 次の機会にまた議論いたします。

 終わります。