2001年05月31日 財務金融委員会

○山口委員長 仙谷由人君。

○仙谷委員 質問の前に、ギャラリーが多いのはそれほど嫌ではないのですが、お呼びしていない方が随分いらっしゃるということで、財務金融委員会では、余りこの場の同席をお認めになっていないようでございますので、その点、委員長の方から御注意をいただければと思います。

○山口委員長 日ごろ常に財務金融、当委員会で陪席しておられた政府参考人以外の方は退席してくれますか。

 

○仙谷委員 塩川大臣にまずお伺いするのですが、先ほどもテレビでちょっと、我が中川委員の質問にお答えになっているのを聞いておりました。この間、随分と財政規律のために御奮闘されているな、私は小泉さんを上回る財政規律論者でございますから、塩川大臣が頑張っていらっしゃるのを横から見ておって、いや頼もしいなと拝見をしておるのです。

 ただ、三つか四つ大変重要なことを御発言なさっておるのですね。厚生年金の基礎年金部分に対する国費の繰り入れというのですか、約二兆五千億。それから地方交付税関連で、基準財政需要を一兆円減らしてくれないか。それから道路特定財源についてもおっしゃっている。これは塩川大臣の御発言ではないようでありますが、まだ確認をされていないわけでありますが、きょうの朝日新聞の一面トップでは、特殊法人の出資金等については、あるいは利子補給金等の補助金については一兆円ぐらい減らす、まことに大胆かつ鮮やかな方針が示されていると思うのです。

 果たして、これは塩川大臣の一つの政策的な方針、政治的な方針としておっしゃっているのですか、それとも単なる思いつきですか。どちらですか。

○塩川国務大臣 特定財源の見直しについては、私はそれは信念として持っております。

 それから、厚生年金の二分の一につきましては、私はこういうことを言ったのはちょっと言葉足らずでございましたけれども、私は最初に、この二年で、これは法律が決まっておるからやりたいのだ、しかし、そのときに私すぐ言っておりますことは、財源をつかまえて、財源があればすぐやりたいのだ、こう言っておりました。

 そうしたら質問をされた方が、それは、すぐにやれるということは二年からやるのですかと言われて、国債発行の限度額三十兆円ということがあってもおやりになるのですかという質問がありまして、それは厳しいけれども努力してまいりますということを申し上げたのです。そのことについては三十兆円の中で厳しいということは、私は冒頭に言っていましたように、財源が確保できなければできないということを言っているのとあわせて考えていただいて、二年で財源がなければできないのだということでございまして、意欲はきちっと申し上げたつもりなのです。

 それから三番目の……(仙谷委員「特殊法人」と呼ぶ)それにつきましては、検討はいたしております。検討はいたしておりますけれども、数字の面につきましては、それはひとり走りしておることであって、私から言うたものでもなければ、それは恐らく、どこからもその数字は、一兆円というのは出ておらないと思います。

 交付税の問題についてでありますけれども、私は、交付税を一兆円削るということは言っておりません。先ほど来言っていますように、地方財政については、現在行われておる地方財政の計画の中でシビルミニマムがどんどんと膨れ上がっていって、当然増と合わせて膨大な金額になってきておる。そこで、まず地方行政として必要な行政の限界といいましょうか、必要性をちゃんと確かめてもらいたい、それは私からいうならば、シビルミニマムを一度見直してもらって確定してもらいたい。それに伴って基準財政需要額というものが算定されてくる。その基準財政需要額を基礎にして地方交付税の削減を考えていきたい。でございますから、私は、地方全体について一兆円ばかり節約することを考えてくれぬかと言っておるのであります。

 それから仙谷先生、ちょっと私、申し上げたい前提があります。

 削減削減と言っておりますけれども、これは、現在の予算から削減するとかは一言も言っていない。三十兆円が、自然増で、十四年度になってくると当然増で、三兆三千億円国債を増額せざるを得ないのです。この増額をしないようにして三十兆円でおさめたい。おさめたいとするならば、これからの自然増嵩にいくところの国と地方の負担を、それぞれ一兆円と二兆円程度縮めなければできないということを言っておるので、現在の予算を、現在を一兆円削る、二兆円削るということじゃないということの認識を持っていただいて、考えていただきたいと思います。

 

○仙谷委員 おっしゃることを当然の前提として、財務省の財政の中期展望からすると三兆三千億、来年は三十兆円を上回る分があるから、だからここから一兆円、ここから一兆円というふうに削ってこようということをおっしゃっているわけでしょう。だから、その前提で言っているわけですよ。その意気やよしと言っているじゃないですか。

 ただ、それが単なるアドバルーンでは困るんですよということを私は申し上げているのです。あるいは人気取りのために新聞に言ってみたり、予算委員会で口走ってみたり、何ら実効性がない、あるいはそういうことが党内の議論はともかくとして政府部内で、内閣の中で決まっておるのであれば、あるいはそういう方向で努力しようということでも決まっておるのであれば、私だってそんなこと言いません。

 つまり、何でこんなことを言うかと申しますと、一たん打ち上げたのがつぶされたら、今度は反動の方が大きいんですよ。大合唱が起こってきたら、そんな厳しいことを言うのはけしからぬみたいなことで、これが打ち消されたときには反動が物すごく出ると私は思いますね。だから申し上げておるのです。だから、こういうときは、財政を担当する大臣が余り軽々に財政的検討を経ない方針を打ち上げられると、私はこれはいかがなものか、ゆゆしいことだというふうに思いますね。やはり財政的な検討をちゃんと経てから、基礎年金の問題にしても、それから基準財政需要額の一兆円減額にしてもおっしゃっていただきたいと思うんですね。

 話題をちょっと変えます。

 柳澤大臣、先ほど中川委員からもお伺いしましたが、資本注入は必要ないんだということを一生懸命言っていらっしゃいますよね。これも、政治的なプロパガンダなのか、むしろ、今の悲惨な金融機関の状況を知っているがゆえに、世間には心配ないんだよということを言うためにあなたがおっしゃっているのか、僕はようわからないんですよ。あれだけ、九八年に新しくできた金融再生委員会の委員長になられて、その後ある程度の期間見られて、それで、その間あきましたけれどもまた金融担当大臣になられている。

 例えば、ことしの一月、ダボスへ森さんが行って、不良債権処理にめどがついて日本は雄々しく再生しているんだ、こうおっしゃいましたよね。そんな状況ですか、今。

 きょうこれ、用意してきたのをごらんください。大手十六行、九グループの二〇〇一年三月期決算。一、二と出してあります。片一方は、業務純益、不良債権処理、有価証券含み益、二〇〇一年の三月と二〇〇〇年の三月、両方見やすいように対照表にしてあります。リスク管理債権の額がどうなっているのか、貸出金がどういうふうに動いているのか、こういうふうにしてある。

 ごらんいただくと、先ほど、きょうの日経新聞に載ったアトキンソンさんですか、何かそれは大げさ過ぎるからけしからぬ、こういう雰囲気のお話でございますけれども、これは深刻な状況は一目瞭然ではございませんか。つまり、はっきり申せば、業務純益は横ばいだけれども、不良債権処理も横ばいだ。つまり、先ほど中川委員が申し上げたように、業務純益プラス含み益を益出しした分で不良債権処理をしているにすぎないということがよくわかるじゃないですか、これを見ただけで。そうでしょう。そして、それだけ不良債権処理をしているのにリスク管理債権は依然として減らない、ややふえている。まず、こういうことが一目瞭然じゃないですか、こっちの方で。

 二枚目の方、決算二の方を見てください。この中で一番お気づきになって目につくのは、十六行だけで国債が何と三十二兆から五十二兆五千億になっているんですよ。一年ですよ。地方債はかえって減っている。株式保有はどうだ。一生懸命益出ししていますから、四十八兆から三十六兆に減っている。これは、ストックの方から見ても業務の方から見ても、もう苦しくて苦しくてしようがないと。有価証券の含み益に至っては七千五百八十一億円しかなくなっているじゃないですか。これがそんな楽観的な事態なのか。

 大臣、まさに大臣は、どういう表現をするかは別にして、九八年以降の金融健全化法による資本注入とその後の長銀処理を含めた処理の仕方が余りうまくいかなかったなという前提で金融機関に対するモニタリングを進めていただかなきゃいかぬ、私はこう思うんですけれども、いかがですか。

○柳澤国務大臣 仙谷委員の方から、まず不良債権等の処理、それに動員される業務純益、有価証券の含み益、これの状況、さらに貸出金の中におけるリスク管理債権の状況、それから二ページ目については、現在の総資産の中におけるポートフォリオの内容についてのお話がございました。

 第一ページでいいますと、不良債権の処理をしたけれどもリスク管理債権が減っていないじゃないかということは、これはかねて私ども申し上げているとおり、引当金による間接処理ということをやりますと、残高は減らないわけでございます、残高は。したがって、この不良債権というかリスク管理債権の残高が減らないからといって不良債権の処理が進んでいないということにはなりません。これは引き当てが十分に行われればいいわけでございます。

 そこで、私どもは、さはさりながら、リスク管理債権をバランスシート上に残しておくことはいろいろな意味で銀行の収益その他にいい影響をもたらさない、あるいは金融機関の貸出先の活性化をもたらさない、ひいては日本経済の活性化をもたらさない、こういう観点から、このリスク管理債権の残高の縮減にこれから取り組もうということを考えているということでございます。

 それから、リスク管理債権は減っているわけでございまして、ちょっと先生、数字の面で我々の方と突合して一致しない面がありますが、いずれにしてもリスク管理債権がそんなに激減していないことは確かでして、そのことについては以上申し上げたとおりです。

 それから、二ページ目について言いますと、確かに、総資産の中におけるポートフォリオの内容、私も大変問題を含むということを感じておりますけれども、しかし、これについては各金融機関はそれぞれにリスク管理をしておるということでございまして、望むらくは、もちろんもっともっと貸し出しがふえること、そしてその貸し出しが、午前中の議論にもありましたけれども、信用リスクを十分上乗せした金利のもとにおいて行われるということが強く期待される、このようには思っております。

○仙谷委員 もう一つ聞きますが、三菱東京フィナンシャル・グループが決算発表のときに記者会見をして、リスク管理債権の資産査定が甘くなかったとは言わないということで、二〇〇〇年三月期は二兆八千億の管理債権を計上した、ところが、二〇〇一年の三月期には四兆二千、リスク管理債権を計上している。この貸出金に占めるパーセンテージを見ていただいて、他の銀行と比べてみてください。それから格付を見てください。

 つまり、一番いい格付の銀行が突出したリスク管理債権の貸出金に対する割合を持っているのに、ほかの銀行は持っていない、そうはなっていないというところに、くめども尽きぬ不良債権みたいな、延々と果てしなく、これは旧大蔵省にとってはまさに九二年、九三年から始まっている話なんですよ、言っておきますけれども。ずっと続いてまだまだ続くということをこれは暗示しているじゃないですか。

 例えば、いいですか、具体的な金融機関の名前を出すと語弊があるので出しませんが、月、火、水曜日の証券市場の動向をどう見ていますか、金融機関に対する値のつき方、出来高。九八年の六月とほとんどよく似てきたと思いませんか。いかがですか。

○柳澤国務大臣 不良債権の発生あるいは新規発生、これが年を追って大きく減少しているということは、総体の傾向として申し上げることができようかと思います。

 ただ、私ども、かねて申し上げておるのですけれども、新規発生額については、今までの統計では、実はいろいろ制約がありまして、推計が入りますものですから、新規発生額をもっとクリアカットに発表しろということを言われるのですが、それは私どもできないということを申し上げているのですが、私どもは私どもなりに推計をした数字でこれをモニターしています。それによりますと、不良債権の新規発生は年を追うごとに非常に減少しております。

 それでは、この三菱グループの状況はどうなんだということでございますけれども、これは私、立ち入って個別の銀行の内容にまで行くことに大変ちゅうちょを感じるのですが、この銀行のリスク管理債権の分類にはこれまでややほかの銀行と違う面があったということも一つございます。それに加えて、先ほど来議論がありましたように、条件変更債権というものの厳格な適用があったということが加わっているというやや特殊な事情が背景にあるということでありまして、これをもってくめども尽きぬ何とかというような表現でもってこれを一般化するのは、いささか失当である、このように申し上げます。

○仙谷委員 失当とまで言われたら一言申し上げておかなきゃいけないのですが、つまり東京三菱は、ニューヨーク証券市場に上場しSEC基準でやらなければいけないという銀行なんですね。なぜそこが最も、この時点になって、バブル崩壊後八年、九年たった時点において、まだこんなに貸出金に占めるリスク管理債権が多いということを言わなければならないのか。ほかが甘いということ以外に何にもこれは物語っていないじゃないですか。

 それで、お答えがなかったけれども、では、マーケットは何か悪ふざけをして、この数日、特定の銀行グループ二つ、三つに対する出来高を三千万とか二千万とかふやして、ふえているのですか。値が全然上がらないじゃないですか、三千万株も二千万株も商いができて。どういう意味なんですか、これは。まさに九八年六月の長銀が撃たれたときと同じじゃないですか。

 そしてまた、話題をちょっと横へずらしますが、国債の保有なんです。

 日本銀行にお尋ねしたら、国内銀行の現在の国債保有、これが何とことしの三月末は七十三兆四千億になっているのですね。それから、日本銀行は、昨日の夕刊を見ておりましたら、五十九兆九千億になっているのですよ。

 みんな国債を持つことに何か値打ちがあるように思っている。銀行は、金融機関は、特に都銀を中心として、利率はそれほど高くないけれども、国債、とりわけ、リスキーな感覚を持ちながら、何とか稼がなきゃいかぬという横並び姿勢で短期国債にシフトして、短期国債を買っている。政府の方も、国債管理というふうないいお題目で、長期の国債、つまり十年物を、もっと短いのでいけば何とかおさまりがつくだろうと自転車操業を始めた。これは、手形のジャンプを短くしていかなければならないという、まさにサラ金借金財政方針みたいな感じになっているのですよ、僕に言わせれば。

 だって、そうでしょう、塩川大臣。金利が安いときに、今、長期固定の安い金利のお金を借りるのが常識なんじゃないですか。それを、何でこんなに短期を多く出して、それで都市銀行は短期をどんどん、年間二十兆円もふえるぐらいの国債を買い集めてやっているのですよ。

 これは、銀行においても政府の財政においても不均衡が拡大している、そういうふうにお思いになりませんか、お考えになりませんか。

    〔委員長退席、佐藤(剛)委員長代理着席〕

○塩川国務大臣 国債の償還期間が、だんだんと期限が短くなってきておることは承知しております。

 この低金利の面において、長期の年限の国債の発行比率を相対的に高めることが長期的な財政負担の軽減につながる面がありますのは確かではございますが、将来の金利動向を正確に予測することは非常に難しい状態でございまして、その前提を置きますならば、特定年限に限った発行を行うことは不適当と考えられます。

 したがって、そもそも特定年限に限った発行は同年限における金利上昇を招くこととなり得ること等を踏まえまして、市場の動向とかニーズ等を十分にわきまえつつ、長期と短期のバランスをとりながら、現在慎重に発行をしておるということでございます。

○仙谷委員 だけれども、持つ方も発行して支払う方も非常にリスキーな状況になっているということを、重々御認識いただきたいと思うのですね。

 そこで次に、二〇〇一年度において政府が調達しなければいけない資金というのをつくってみました。つまり、どのぐらいの金を政府は改めて国民やマーケットから調達しなければならないかということを計算してみたのですよ。拾い出しました。

 そうすると、借換債、財投債を含めると、これを全部国債というふうにいうと百三十七兆、地方債は十一・九兆、借入金が四十五兆八千億、政府短期証券六十兆。この政府短期証券はさておくというふうな計算にしてもいいけれども、それを含めると、何とGDPの半分の二百五十五兆が、何らかのことで政府が一遍調達してそれをマーケットや企業セクターに渡していくというふうな経済になっているということを言えないこともないのですよ。半社会主義、まさにちょうど半分政府が関与する資金循環になっているのですよ。

 幾ら民間の立ち上がりを期待するとかなんとかいっても、ここまでやればなかなかこれは元気になれませんよと私は思うのですね。こんな危ない状態になっているということも御認識をいただきたいと思うのです。

 感想、ございますか。

○塩川国務大臣 まさに国債の発行が非常にシリアスな状態になっておることは、私たちも認識しております。

 そうであるだけに、ここから切りかえて、国債の発行を抑制したいというところに非常に苦しい転換を始めざるを得なくなって、これは必ず十四年度三十兆円内に抑制するということを私たちは実行してまいりますので、ぜひひとつ国会の方でも御協力賜りたい。

 ここでやはり切りかえなければいかぬという認識は一致しております。

○仙谷委員 ナンバーツー実力者がそこまでおっしゃるのですから、我々も、放漫財政派の方々がおれば徹底的にやっつける議論をしますから、どうぞひとつその辺は頑張っていただきたいと思うのであります。

 ところが、そうは問屋が卸さないところがあるのですね。そこがこれからの問題であります。

 一つは地方債、地方財政です。国が、今おっしゃられたような大変な状況になっているけれども、地方も、平成十三年度は十四兆二千億の財源不足であるとか、地方債依存度が一五・八%とか、公債依存度が一八・一%とか、起債制限比率がどうの、あるいはだんだん二〇%に近づいてくるとか、経常収支比率が八七・五%とか、これは数え切れない悪材料というか、余りいい材料ではないところが出てきていますね。

 その上、個別名称を出して申しわけないのだけれども、大阪府までもがりんくうGTB、ゲートタワービルディングですか、ここの借入金利を、二・七の分を〇・五に引き下げをしてもらったというのがきのうの新聞に小さく載っていました。これはある種の、デフォルトとは言わぬけれども、モラトリアムみたいな話ですね。リスケか何か、いずれにしても信用失墜につながる話ですね。

 もっと小さいところでは、その他の、リゾート法施行以来の第三セクターのうみを抱えたままずるずると先送りしているところとか、一たんそこのふたをあけると大変な状況になっているところとか、地方の方も物すごいですね。現に、私どもも地元へ帰ってお話を伺っても、財政積立金を取り崩して、もうほとんどなくなりましたなんという町村まで出てきておるという、これは非常に厳しい状況です。

 そこでお伺いしたいのですが、きのうきょう、地方財政の自立といいましょうか、地方の自立という観点からの議論もなされておるようでありますが、この地方債というのは、我が国中央政府は、いわゆる法律上の保証、民法四百七十七条に言う補償あるいは財政法十五条に言う保証はしているのですか、していないのですか。

○村上副大臣 仙谷委員の御質問にお答えしたいと思います。

 地方債は、御高承のように、地方各団体が、将来の歳入を返済のための原資として、みずからの責任において借り入れているものでありまして、国がかわってその債務不履行について返済するといったものではない、そういうふうに認識しております。

○仙谷委員 そうすると、民法上、商法上、保証債務はない、こういうふうに明確にお聞きしていいんだろうと思うのですね。今うなずかれましたから。大臣も全く同じ答えでいいですね。

 現に、幾ら探しても、各自治体が期待されているし、言動としては、いやいや、そんなことを言っても全部最後には面倒見てくれるんですわというような、だから今借りておかなきゃ損ですわみたいな話が、いやいや、そんなことはないよ、法律上はそういう構造になっていないよと。

 現に、財政法十五条では、国の債務負担行為の一つとして保証というものも位置づけられておって、そして同時に、もしそういう保証をする場合には、限度額を定めて予算総則に書かなければいけない。その場合には、各個別の法律にもちゃんと政府保証の根拠が書かれておるというのが普通でございまして、現に、改めて私は予算総則を持ってまいりました。

 ことしの予算でございますと、第十一条に「次の表の左欄に掲げる法人及び地方公共団体が平成十三年度において負担する債務につき、中欄に掲げる法律の規定により政府が同年度において保証することができる金額の限度は、それぞれ右欄に掲げるとおりとする。ただし」云々かんぬんとあって、一項目から二十六項目までが書かれておる。現に、地方公共団体の発行する債券についても、神戸市だけが、要するに震災関連で、国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律第二条二項によって、神戸市がその震災関連で発行する債券については保証がなされるというふうに決められておるのですね。そうしないと、これは財政法上も、あるいは民法を準用するにせよ何にせよ、保証ということにはなりませんね。

 そうしますと、先ほどから少々問題にしております、小さい村や町やあるいは市や府というものがデフォルト状態になるということは、個別例外的かもわからないけれども、私はあると思いますね。そういう場合は、どうするのですか。国はもう何の責任もないということでいいのですか。

○塩川国務大臣 その問題は深刻な問題でございまして、それだけに、実は自治省が絶えず交付税の配分とか、あるいは財政再建債とか起債の面で面倒を見てまいっております。そして、万一、さらにそれが深刻化してデフォルト状態になると、もしそういうことがあるといたしますならば、現在まだ私はそういうようなことは聞いておりませんけれども、なるとするならば、自治省が指定いたします財政再建団体に指定して、救済方法をいたしまして、そのときに財政当局である我々にも相談があるものと思っておりまして、そこへ行くまでに、自治省、現在の総務省の方で、財政の指導をしながら改善方をやっておる、そういうことになっておりますが、非常に深刻な状態があるということは事実でございます。

○仙谷委員 ある助役さんが背任的、横領的行為で村の単年度予算に類する金額をどこかへ持っていってしまったとか、リゾート開発をして、あっと気がついたら、村の予算と同じぐらいの債務保証がそこに出現したとか、こういう新聞種になる極端な例がありますけれども、それだけじゃなくて、私も、それほどリゾート法をフォローしていなかったものですからもうひとつわかりませんけれども、何か四十一都道府県、四十二地域がリゾート法の指定を受けて、九千施設をつくったというのでしょう。まあゴルフ場に毛の生えたものか何か、いろいろなものがあると思いますが、ゴルフ場は、会員権の価格で見れば八〇年レベルの、八〇年のところへ返るきれいな富士山の状況に会員権価格から見れば行っているわけですね。

 これは一挙にどこかで地方レベルで発現したときには、今までの、財政再建団体に指定して、何とか年月をかけて、赤池町のように頑張っていただくというのは、多分、フローでできた累積債務を、皆さん方がむだ遣いされたんだから、我慢して、鉛筆一本まで自治省の許可をもらって返していきなさいというやり方が通用するけれども、何か本当にユーフォリアの中で浮かれた、債務が突如浮上した。我が地元にもそれに似た話はありますよ。あるいはこれからそうなりそうなところもありますよ、それは。その場合は、別途の解決方法、つまり自治体の破綻に関する法律をつくって、ある種これはこれでしようがないという割り切り方の中で、どういうことをすれば国が思い切って支援をするか。

 つまり、先般から、債権放棄とかいろいろなことを考えていらっしゃって、産業の再生と不良債権処理の一体的処理とおっしゃっていることを、自治体にも同様に当てはめなければ、今はじっと政治責任もあるものだからみんな抱えて黙っているみたいなところがありますけれども、この間シーガイアがどんといきましたけれども、この種の話は、これは九千施設もつくっていたら、一割で九百ですから、一%で九十ですから、九十のところがもし爆発したら九十の町村か市には影響がある。大きな影響がある。つまり、不動産価格が一〇%になっているところあるいは二〇%しか不動産価格がないというところ、そして変な施設をつくったために無用の長物、産業廃棄物になって、解体処理する方が金がかかるなんというところがあるわけですから、これは総務省の方とも協議を始めていただいて、合併の問題とあわせて自治体破綻処理をお進めにならなければいけないと思いますけれども、いかがですか。

○塩川国務大臣 実情につきましては、総務省が来ておりますので後で説明があろうと思いますが、まさに指摘されておることは私たちの持っておる感覚と同じでございます。

 私は、地方自治体の仕事もやった経験がございますので、それで今でも思い出すんでございますが、自治体における行政能力というのはこんなに格差がある、この能力をある程度平準化していかなきゃならぬのは、その決め手はやはり合併にある、ある程度の規模にする必要があると思います。今仙谷さんが御指摘されたようなことは事実でございますから、そういう際にこそそういう市町村がある程度能力を持つために合併を促進していくいい機会になる、それに対しましては、国も自治省も懸命に応援をしていってそれのカバーをしていくということも一つの解決方法だと思っておりますが、総務省の方でどう考えているか、意見も聞いていただけたらと思います。

○山名大臣政務官 総務大臣政務官を務めております山名でございます。よろしくお願いします。

 先ほどお尋ねの第三セクターの現状の問題でございますが、委員御指摘のように、一般論からいいますと、第三セクターは極めて厳しい状況にございます。総務省といたしましては、債務超過に陥っているというところもございますし、平成十一年の五月に第三セクターに関する指針というものを出しまして、各地方公共団体に対して十分な精査をするように、経営基盤、能力、こういったものをしっかり検討した上で、あえて事業継続をする場合におきましても、いわゆる経営責任、役職員の数の問題だとか、あるいは給与の見直しの問題だとか、あるいは組織体制のスリム化だとか、こういったことを十分精査しながら、その支援については慎重にやるべきである。

 ひとえに、各地方公共団体が、そのことによってみずからの体力が落ち、財政能力が落ちるようではこれは元も子もなくなるわけでございますから、そういったことで、現状の把握、これをしっかりすべしということで指針を出しました。それに基づきまして各地方公共団体も今的確な精査等を始めている、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思います。

 

○仙谷委員 そこまでいきますと、今度また金融機関の問題にもう一遍ブーメランのように返ってくるんですね。つまり、地方債を都市銀行も地方銀行も、マーケットの格付のある地方債もありますし、全く格付のない地方債を縁故で受けているという構造もあるんですね。この地方債の要するにリスクウエートについて、今新しいBIS基準で検討が進められている。各国政府の裁量によって少々は動かせるということのようですけれども、ただ、新しい基準によると、未格付の債権はリスクウエートがやはり一〇〇だ。先ほどから、地方財政そのものも一般論としても苦しい、東京都や大阪府のように大きいところほど苦しい。神奈川県も愛知県も苦しいんですね。一方では、政府はこれは法律的にも保証がないんだとおっしゃる。さらに、かてて加えて地方交付税も、これは何とかお願いして縮減傾向に、基準財政需要をもう一遍見直して削減をする方向でやっていただかないと政府ももたない、こういう率直なお話を小泉内閣になってされておるわけでありますね。

 そうしますと、やはりOECDの各国のように、地方債のリスクウエートというのはしかるべきウエートをかける、現在であれば一〇%のウエートをかける、そして新基準になった場合には、格付をとれないところはしようがない、一〇〇%のリスクウエートをかけるぞ、こういうふうにしなければ国際的な金融マーケットの中では通用しないということになるんじゃないですか。どうですか、柳澤大臣。

    〔佐藤(剛)委員長代理退席、委員長着席〕

○村田副大臣 地方債に対しますリスクウエートについては、現状、国債と同じようにゼロ%という形になっているわけでございまして、この件につきましては参議院の財政金融委員会でも御指摘がありました。

 BIS基準については、二〇〇四年から実施ということで、ただいまはパブリックコメントの手続が行われているわけでございますが、今仙谷委員も御指摘なされたように、最終的にはBIS基準の中で地方債についても各国の判断に任せる、そういう規定もあるわけでございまして、今後、いろいろな各国の状況、あるいは国内のいろいろな手続を経まして決めていくということになろうかというふうに思っております。

○仙谷委員 これは、あちら立てればこちら立たずの話になるわけですよ。つまり、マーケット重視の経済政策をとるんであれば、これは銀行に対してリスクウエートがあるよということをちゃんと政府の方針あるいは政府の基準としてもやらなければ、マーケットにとってリスクがあるものを、いやいや、そんなものはリスクゼロ%でお持ちいただいても結構ですよ、どんどん買ってくださいという話では、今の国際金融業界では通用しないことは明らかだと思うんですね。

 私は、そろそろこの日本の二重構造みたいなものが、どこかではげ落ちるというか、撃たれる可能性も出てきたなという恐怖感を持って今ずっと見ているのですよ。

 だから、この問題は、地方自治体の出す地方債あるいは日本政府の出す国債が買われやすい、引き受けてもらいやすいというそこのところだけで考えると、つまりそのことはマーケットのシグナルを聞かないということを宣言することでありますから、マーケットなんか関係ないんだ、日本は個人預金が多い、名高い郵貯もある、心配ない、こういうやり方では不均衡が拡大するだけというふうに思いますので、どうぞひとつこのBIS基準については、真剣に、マーケットから見て金融機関というものがシステミックリスクを発現させないような、そういう監視とか資産査定とかそういうものはどういうものであるのかということをお考えいただきたいと思うのですね。

 お待たせいたしましたが、塩崎先生にRCCの資産買い取りについての改正法案についてお伺いをいたします。

 私は、この金融再生法あるいは預金保険法の改正に九八年に末端で関与したわけでありますが、その後どういう政令や告示が出ているのかというのを全然知らなかったのですね。ところが、先般、何でRCCの買い取り問題が出てくるのか、一方では、RCCの方からは、もっと自由にサービサーとして、ある意味で準公的サービサーとして活動できるようにしてくれというお話がございます。

 私も横から見ておりまして、これは、柳澤先生には今でも相当私自身も批判的なところでありますけれども、つまり、長銀の処理を見ておりましても、適債権にされた部分がそのすぐ後に債権放棄を要請したり倒産してしまったり、そういうのが相当あった。ここはなかなか難しいところでありますけれども、RCCに行けば死刑宣告で、新生銀行に行けば天国だ、あるいはもうちょっと、グレーゾーンというのは、第二分類あるいは非分類でもあるのかなと思ってずっとこの間見てきたわけであります。

 我々が金融再生法でRCCをつくろうというときに、RCCに、整理回収機構に金融機能も持たそうではないかという話が出まして、これはやはり取引をある程度は続けないと、さあきょうからは回収だみたいな話は実体経済との関係においてまずいのではないか、それではそういうふうにしましょうということで、整理回収機構は銀行業の認可も持っていますね。

 ところが、なぜRCCがもっと自由度をふやしてほしいというようなことを言うのか不思議でならなかったわけですが、何かこの「資産を買い取る場合の価格を定めるための基準及び資産の買取りの決定に係る承認を行うための基準を定める件」、平成十一年三月四日金融再生委員会告示第二号というふうなものがあって、結局もう回収専門、つまり生きていない債権しか買えないのだよみたいなことになっているということに気がついたわけでございます。

 今度はこの法律の期限を延ばすだけの法律改正のようでありますが、今度の改正案の提案者として、塩崎議員、この問題はどういうふうにお考えになっておるのでしょうか。

○塩崎議員 九八年のいわゆる金融国会で、仙谷先生と一緒に私も再生法をつくる作業に携わったわけであります。

 振り返ってみると、あのときの市場というのは、そもそも不良債権の流通市場というのはまだなかった、何とかつくろうということでありました。サービサーも当然なくて、あの国会でつくった。もしマーケットで買うとすれば、いわゆるハゲタカファンドという、ディープディスカウントで買っていって、こんなものに持っていかれるのはだめだ、こういう意見があって、その一方で不良債権のオフバランス化を図ろうという中で、この整理回収機構に不良債権を買ってもらうということで、資産を買えるということで、一般銀行が買えるようにしたというのがこの法律改正だったわけですね。

 私も、今回の再生委員会告示というのが翌年の三月に出ておりまして、そこに、原則として破綻懸念先以下、なおかつ公的な性格のものはだめだとか、あるいは海外向けの債権はだめだとか、いろいろな規制が実はついておりまして、私も正直言ってちょっと思っていたイメージとは違ったなという感じがいたしました。

 私ども自民党でも、今回の改正案を通すときに、やはりこの告示というものをもう一回見直すべきではないかという意見が出て、それを条件にこれを通すということにしたわけでありますが、言外には、実はRCC、整理回収機構の役割というものを大きな意味で見直すべきときにもう来ているのではないだろうかということがございました。

 もうちょっと景気対策としてもやれることがあるのではないだろうか、あるいは不動産市場のためにできることもあるのではないだろうか、証券化もほとんどやっていない、こういうことで、そういった枠組みの中でこの再生委員会の告示というものも見直していくべきなのかなということを私は思っております。

○仙谷委員 最後の質問でございますが、先ほどの件ですが、村上副大臣がお答えをいただいたわけですが、地方債について、国は、中央政府は法律的な債務保証をしていないということは、塩川大臣、そのとおりでよろしゅうございますね。ちょっと確認の答弁をしてください。

○塩川国務大臣 地方債は、それぞれその地方の自主的判断と実行において募集するものでございまして、国は関与しておりません。

○仙谷委員 総務省の政務官がいらっしゃっておるようでございますが、山名政務官も今の答弁と全く同じですね。

○山名大臣政務官 今大臣がお答えになりましたように、地方債の債務につきましては、いわゆる政府保証債ではございませんで、法律によるところの債務保証はありません。

○仙谷委員 終わります。