自民党新総裁と政局
1998年7月25日
於:川内町民会館
仙谷 由人
先日、このホームページで参院選の結果についてコメントを発表しました。自民党新総裁の話をする前に今回の参院選の中身について少し触れてみたいと思います。
税金を使う側と支払う側の戦い…(参院選を振り返って)
今回の選挙、振り返ってみますと、菅直人代表も言っているように「税金を使う側と、支払う側の戦い」であったと思います。政府自民党(使う側)がこれだけ惨敗したのは、これまで税金の使われ方に文句を言わなかった国民(支払う側)が怒りを露わにし、都市部を中心に投票という行動で示した結果です。
怒り1.税金の使い方が見えない(無責任に隠して行う)
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本当に困っている人を足で蹴飛ばしておいて、困っているのかどうなのかよくわからないところに税金を注ぎ込む…汗水流して納税した血税をわけの分からないものに使われるなど言語道断です。
政府が、阪神淡路大震災の時に、被災者の生活再建資金を出すこと(署名活動など、世論があれだけ要求していたのに)を拒否してきたにもかかわらず、銀行がちょっとおかしくなると、30兆円もの巨額の金を放り込むなど、理由(根拠)がわかればまだしも、理由もなければ経過もわからない税金の使われ方ではないかと疑問を持ったのです。
たとえば、政府自民党は、日本長期信用銀行(数年前、頭取が辞めるときに25億円もの退職金を支払うような無茶な経営をしていた)にH10年3月31日の時点で、国民に満足な説明がないまま1770億円(いわゆる公的資金、税金です)を投入しました。ところが長銀は同年6月26日に株主総会を開いて(国民の税金から1770億円貰い受けた銀行が)株主に一割五分の配当をしています(怒!)。なぜ?!政府はこんなむちゃくちゃな銀行に税金を注ぎ込んだのでしょう。…長期信用銀行から自民党は毎年4200万円の政治献金を受けています(だから自民党はこの銀行を倒産させるわけには行かなかった…)。
自民党がこれだけ国民の税金を注ぎ込んでまでテコ入れした長期信用銀行が先日、株価50円の額面を割り、48〜49円になりました。要するに「銀行としては失格だよ(市場では倒産扱い)」ということを市場(マーケット)から判断されているということです。あわてて住友信託銀行との合併を発表しましたが、これも危ない話です。
銀行の問題に端的にあらわれておりますが、情報を明らかにしないでだれも責任をとらなかった政府自民党にいくら日本の優しい国民でも怒ります。
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怒り2.アメリカに弱い国、日本(自民党)
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政府自民党は、日本の国民や、野党(あるいは投書やいろいろな要望で)が不良債権処理や減税の問題で、提案をしても、ほとんど振り向きもしませんでした。にもかかわらずアメリカのクリントン大統領からの電話、あるいはサマーズに乗り込まれて、重い腰を上げる(減税を発表する)、などアメリカに弱い自民党がより強調されました。
アメリカと喧嘩するつもりはなくても、もう少し誇りを持って、キリリと自立して「駄目なことは駄目、良いことは良い、日本はこう考えている」(アメリカに)言われてやるんじゃなくて、「経済のたて直しについて日本はこう考えている」ということを言えなければいけない。
アメリカ言いなりの国、こんな国がまともな独立国家言えるでしょうか?
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真実と責任の所在を隠し続けることと、誇りをなくしてアメリカに弱い。以上2点が今の政治の危機の重要な要素です。国民はこのことに怒りを危機を感じ、怒りを表したのだと思います。
自民党新総裁について
小渕=腹話術人形
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自民党新総裁の小渕恵三さんについてですが、結論からいって、おおかたの国民のみなさんが感じられているように期待できません。
雑巾掛け30数年、年功序列で順番が来て、竹下元総理に背中を押されて出てきたような、派閥順繰りの小渕さんでは今の経済や金融の不良債権問題をクリアにして、この日本丸を沈没から救い出すような可能性はありません。
我々が命名したのですが、小渕さんの内閣は「腹話術人形内閣」つまり、小渕さんが何か発言をするときには、本人は口をパクパクやっているだけで、実際の声は竹下登さんであったり、野中広務さん、加藤紘一さん、山崎拓さん、あるいは外務省や大蔵省の官僚であったりということになるだろうと思います。小渕さんはこれまで国会で論争をしたこともございませんし、「俺はこうだ!」ということをいったことが全然無い人ですから、小渕政権となっても長くはもたないだろうと思います。
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自民党政治の終わり=高度成長時代の終わり=成熟社会の到来
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これまで自民党がこんな無茶苦茶な派閥順繰り人事のようなやりかたで、なんとなくやってこられたのは高度成長時代、まだ日本が右肩上がりの成長時期であったからで、少子高齢化が進み、成熟社会となった今、これまでのやり方では通用しません。高度成長時代が終わったということが、現在日本の経済運営のすべてをやりにくくしている。自民党にとっても初めての経験なのです。
成熟社会にふさわしい経済の仕組み、政治の手法に変革していかなければ、この国は潰れてしまいます。
産業構造の変化に伴って、失業する人も出てまいります。その時にどのようにするのかというのも政治の大きな役割なのですが、今の日本の仕組み(自民党のやり方)では、失業保険くらいしかありません。そのうえ、年金がカットされるのではないかという不安が、特に都市部で働いているサラリーマンの方々に強くなってきております。
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今、早急にしなければならないこと
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@「医療・年金・福祉」には今までと同じ最低限の保証は国家が責任を持って行う。
A銀行、ゼネコンの不良債権処理は大手術をやって膿を取り出す。
× ゼネコンが危ないから公共事業を与える
× 銀行が潰れそうだから税金を使って補填する
○ 悪いところは勇気を持って潰す
B処理の際の失業者の転業、転職しやすい仕組みを作る。
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選挙で審判を受けていない「たらい回し年功序列」でできた小渕新政権では、思い切った事は出来ません。
よって早期に解散を…
いよいよ民主党の出番です。新聞やテレビで言われているような「いろんな党が集まってゴジャゴジャで…」などということは大した問題ではありません。むしろ今問題なのは民主党の候補者が300人揃っていないことであります。
この問題さえクリアになれば、しかも若い優秀な候補者が全国各地から出てもらえれば、日本は変わる。断言できます。
菅直人さんを担いだ政権が誕生するような選挙が出来るだけ早い時期に行われなければ日本は危ない。
参議院選挙で証明された国民(納税者)の力を、衆議院選挙、来年の統一地方選挙(どちらが先になるかわかりませんが…)でも発揮できるよう、みなさん共に頑張りましょう。