《景気の実態はこうだ!》
 〜大本営発表の実態と急がれるテコ入れ〜
         

〜仙谷由人、地区集会における講演より〜   

■と き 1997年11月9日       

■ところ 徳島市国府町コミュニティーセンター

   

【景気は回復?No⇒現状をはっきりさせ大胆な改革を!】

◆政府発表の信頼度は?
政府は「景気は回復基調になっている」と言い続けていますが、これが全くの嘘であることは、経済界でも、兜町でも周知の事実です。これは戦時中の「大本営発表」と同じで、「東京大空襲」があってもまだ「我が日本軍は勝利しつつある」と言い、広島・長崎に原爆が落ちるまで「実は負けていたのだ…」と言わなかったのと同じです。

◆景気は株価で分かる!
 景気は株価を見ているとよく分かります。1992年8月18日はバブル経済が崩壊し株価が最も低かった日で、日経平均で1万4千3百6円でした。現在は1万5千8百円で、最安値日より1千5百円程上で幾分よく見えますが、これは平均値であって、実際には、6割以上の上場企業がその日(1992年8月18日)の株価より低いのです。株価のまともな企業は1割位しかありません。ソニー・松下・トヨタなどの一部国際優良銘柄が高いので、平均してはまだ、1万4千3百円より高くなっているのです。

◆株価は景気のバロメーター
 株価は景気の予測で動いています。投資家が「来年の景気はあまり良くないだろう…」とみたら株価は安くなり、「良い決算になる!」と判断すると高くなるのが常識です。今後、日本の経済は悪くなるだろうと感じてか、株価は特に金融機関を中心に安くなっています。證券会社で高いのは16のうち3企業だけで、銀行も5百円を切るようなら注意がいるし、百円を割ると危ないと思います。今後も、金融機関の経営不安は増すと思います。「不良債権」「不良資産」を抱えていることが大きな問題だからです。

◆国民に、偽りのない情報開示を!
 我々に必要なのは「偽りのない情報」です。企業の「実態」と「たてまえ」の違いを許していることが問題です。先般、「住専問題」の処理に6千8百5十億円の税金をつぎ込むことに国民は怒りましたが、これは当然です。銀行などの金融機関が破産、倒産したときに、税金をつぎ込んで預金者を保護することは別に間違っていません。しかし、そうするための納得できる説明や手続きが必要なのです。そのような時は、「本当のことを企業が明らかにする」「責任者がきちんと責任をとる」ということがまずあり、次いで「預金者の保護をする」べきだと思います。

◆金利と景気の関係
 今年の3月決算を資本金が10億円未満の企業についてみると、ここ3〜5年の支払金利の減少分がそのまま企業利益となっていて、金利が上がればたちまち倒産が増えるという構造です。個人では、金利が低いので資産効果に結びつかないので購買力がでてきません。金利を下げて景気を刺激するのは、発展途上の国では成功しますが、経済が成熟期にある国では、ある程度の金利が付いているほうが購買意欲が出て景気が良くなることは、ヨーロッパでは常識です。

◆行き詰まりからの脱却!
 橋本内閣は今まで「景気は良くなっている!」と言い続けてきました。しかし、更に金利を下げて景気を良くすることもできず、これ以上、国債の発行額を増やさないという『財政構造改革案』を提出している手前、国債を発行してでも減税するとか、公共投資をすることもできません。これでは思いきった政策はできませんし、行政改革もかけ声だけで終わりそうです…。今までのことをはっきりさせ、国民に正直に謝って、改めて大胆な改革をする必要があるのです。

◆行くべき道
 子供も消費税を払っている時代です。きちんと情報公開をし、今までのような無駄な支出を省き、税金を真に有効に使わなければならないのです。