『郵政事業の将来を考える』

 郵便貯金は税金で利子補給されていた....            

 衆議院議員 仙谷由人

【安全・確実な郵政事業】

 郵政3事業とは郵便・郵便貯金・簡易保険のことです。郵便事業は安全確実に郵便物が届くことを保証し、郵便貯金・簡易保険も、政府が安全確実なことを保証している優れた商品です。

【郵便制度は国が責任を持つ】

 郵便事業は道路を造るのと同じで、税金を投入してでも、郵便制度を国が責任を持って行うべきものだと思います。統一料金を維持するためには、形態はどうあれ、国が税金を投入してでもやるというのでなければできないでしょう。民間宅配業者の料金は市内と祖谷などの山間部とでは、異なった料金体系ではないかと思います。違わないと採算はとれないはずです。民営化すると、不採算地域の問題が心配です。

【郵便局に預けたお金の行く先は】

 郵便貯金や簡易保険はどのように運用されるかというと、住宅金融公庫・住宅都市整備公団・道理公団・本四公団などの財政投融資対象機関に貸し付け、金利をつけて返済させ郵便貯金の利息になったり簡易保険の利益金になっています。

【借り換えのできない財投】

 住宅金融公庫も市民に好まれています。ここで、市中銀行より安く借り、もし、金利が銀行を上回ることがあれば、一括返済しても受け入れてくれるのです。ただし、財投は常に一律で、固定金利です。また、借り換えも許されませんので、少しでも安い資金を調達しようとする競争原理は働きません。そのツケは国民にまわってきます。

【財投貸付先は借金経営】

 財投の貸付先の経営内容は赤字で、国費としての補助金や補給金で補填されています。つまり、国民の税金を投入しているのです。昨年、住宅金融公庫に4千5百億円、道路公団に2千5百億円、住宅都市整備公団に1千6百億円が投入されました。

【どこかに穴】

 郵便貯金と簡易保険の制度は、集めるところと、運用して利益をつけて返すところが(生保や銀行とかは同じですが)別々です。すなわち、集めるのは郵便局(入り口)、財政投融資として割り振るのは大蔵省(中間)、割り振られて有効に使っているかどうかというところがまさに問題ですが、これは住宅金融公庫・住宅都市整備公団・道理公団・本四公団などの(出口)で、全部別々です。各々が、全部が自分の責任でないという前提でしているので、どこかに穴があいてきます。穴あきをみせないようにするために、税金で利子補給をし、ツケを国民にまわします。典型的なものは、『国鉄清算事業団』への28兆円の郵便貯金からの貸し付けです。平均金利はやく6%、一括返済は認めませんから、その金利は国民の税金で支払われているのです。

【税金で利息】

 今、郵便貯金は240兆円あります。この金利を誰が稼ぎ出して預金者に返すのか、ということが一番大切なことですが、これが現在稼げていないから、国民の税金を投入しているのです。日本人は、自分の払った税金で郵貯の利息を払っているわけですから、たとえれば、『タコが自分自身の足を食べる』というのと同じです。

【安全確実料】

 郵貯を残すためには、銀行並に金利を下げなければ持たないとの答申が先に出されましたが、さらに言えば、政府が安全確実性を保証しているものは、『保証料』としての金利分が安くても当然ではないでしょうか。現在そうなっていないことが問題だと思います。

【運用形態は】

 郵便貯金・簡易保険の問題は、出口から考えると、早晩持たなくなります。運用できない預貯金が持つはずがありません。運用できるかどうかは、結果の問題として誰にもわからないのですが、しかし、そのことに誰が責任をとるのかはっきりしない制度は持たないと思います。郵貯と簡保は経営形態(国営か公社か民営か)はともかくこの資金を何に使って利子を生み出すかということをまず第一に考えるべきだと思います。

【未来の郵便局】

 先日の行政改革委員会で『one stop service』が提案されました。すなわち、郵便局で住民票や印鑑証明の取得、住所変更手続きなどの行政サービスが受けられるというものです。できれば便利だと思いますが、今までの縦割り行政では、郵便局側はしたくても、市役所がなかなか認めないのではないでしょうか。霞ヶ関でも自治省が、同じことをすると思います。ニュージランドでは、郵便局内にコンビニエンス・ストアまであるそうです。

【要、財テク教育】

 セッセと貯めたお金を自分で運用することに慣れていないから、何かあると郵便貯金に移す私たちも問題です。正しいルールで運用して、お金を稼ぎ出すことは正当なことです 国際的に金融が自由化している現在、いかにして自分の財産を殖やすかということを考えてください。額に汗して得たお金も尊いし、頭で考えて稼ぎ出したお金も同じように素晴らしいものです。