日本のがん対策を前進させるために

がん対策基本法の成立をスタートに、患者本位の医療をみんなの力でつくりあげよう

                  

細川隆一郎内外問題研究会定例会での講演 2006年6月20日

       

 本日はおまねきいただきましてありがとうございます。このところ私は、民主党の「次の内閣」=ネクストキャビネットの厚生労働大臣の肩書きで仕事をしてきました。きょうは、民主党の医療制度改革のパンフレット「崖っぷち日本の医療を救う」をお配りしています。

 今度の国会で医療保険制度の改革をしなければとして政府から提案がありました。我々は医療にかかるお金を効率化、合理化すること自体は否定しませんが、今の医療の体制のままでいいのか、医療保険制度が残っても、その中で行われる医療が崩壊してしまう、医療が国民にとって満足できるものでないとするならば由々しき事態になる、つまり制度総体が空洞化してはならないと考えています。そこで、民主党は小児医療の緊急措置法案、がん対策基本法、医療の安心・納得・安全法案、つまり患者にとっての権利や情報公開の問題を主として掲げた法案を提案しました。

がん治療における格差解消が急務

 ではなぜ今、がん対策基本法なのか。

 4年前に私はがんの手術をしました。そのときの経過をふりかえりますと、2001年暮れに久しぶりに人間ドックを受けました。すると友人の医者が、内視鏡の結果をもってあおざめて、「仙谷君、がんだ」と言いました。そのとき私は冷静でしたが、医者の方が狼狽していました。どうしたらいいかと聞くと、東京に知り合いの医者がいるかとおっしゃる。徳島大学でしてはいかん、というのです。

 徳島大学はレベルが低い所ではない。地元では私についての情報もれがあるから、政治家は地元でもれない方がよいという配慮の意味で言ったんだと思います。もうひとつは、彼は外科医で、やっぱり東京と徳島では医療のレベルで格差があると考えたのだと思います。

 そこで、たまたま私が、国立がんセンターの内視鏡部長を知っていたので、そこから電話をしましたら、データを送れ、画像をもって、12月28日にいらっしゃいと言われ、がんセンターに予約を取ってくれた。

 28日に行き、これはやはりそうだということになり、外科を紹介されて、日程をみて、生年月日を書いた。ちょうど私の誕生日の1月15日入院、16日手術ということになりました。幸い胃の全摘出手術は無事に成功しました。

 要するに徳島と東京がんセンターで外科手術のレベルでもやはり多少差がある。そしてまた、そこで入院して、主治医やいろいろな人と話をしました。私にとって入院するというのは社会人になってはじめてのことだったので、非常に多くのことを学んだ。

 一つは、日本の病院はどこも勤務医と看護士はレベルが高く、献身的にやってくれているとつくづくわかりました。

 それから、入院中に先輩の弁護士に会いました。この方は奥さんを病気で亡くしたかたですが、抗がん剤の副作用が正常な細胞を殺してしまったのではないかとおっしゃっていました。

 そうこうするうちに、テレビの「サンデープロジェクト」が、がん治療の問題点を放映していた。

 その放送が、今回の法案を産むきっかけになったのですが、「さすらいの外科医」平岩正樹さんと、がん難民になった多くの患者が、治療法を探して薬を探して歩き回っているという趣旨の番組でした。

 なぜそうなるのか。日本は抗がん剤治療と放射線治療について、当時もがんセンターの医師と話すとアメリカに比べ10年から15年遅れていると平然と話すのが数年前の姿。ところが、情報化が進み、アメリカのNCI(ナショナル・キャンサー・インスチチュート)で毎日のように治療法がインターネットで知らされてくる。そうすると患者は相当必死です。「あと半年の命」などと言われてもまだ実際はぴんぴんしている、頭脳明晰のうちにある瞬間に内臓などが機能しなくなるのががんの特徴です。そこが特徴的なことで、皆一生懸命情報をさがしている。専門的な治療情報や代替治療についても、たとえばアガリクスとかもそうでしょう。そして、今は専門的な治療も英語を読めるので、なんでアメリカでできて日本でできないのかと、皆さん必死に動き出す。

 そういう状態に対して、番組で田原総一朗さんが「政治の問題だ。議員を動かそう。仙谷さんが公表しているから、現状がよくなるように彼に頼めばいい。」、私は入院していてビックリしました。ベッドの上でテレビを見ていたのですから。

遅々たるがん治療の前進

 2002年2月末に退院して4月から国会に出ていきました。そして5月に、自分が所属していなかったのですが厚生労働委員会にでかけていって、坂口大臣にがん対策について質問しました。

 当時も医療保険制度が俎上にのっていました。

 入院中、がんセンターの主治医に「徳島あたりでは、抗がん剤の治療は誰がやっているのですか」ときくと、「専門家はそんなにいないから、外科医が片手間にやるしかないでしょう」という。これではたまらない。抗がん剤の副作用が厳しいというのは、皆さんもずいぶん聞いていると思う。この副作用が出ないようにするのが専門家です。ところがこの専門家がいないのが日本です。海外で使われているのに日本では未承認の薬や、保険適応外で使えない薬がたいへん多い。退院した後、患者団体からいろいろな要請がきたのを受け止めて、委員会で質問したり役所から報告を受けたりしてこの3年やってきました。

 この4年間で部分的にはずいぶん未承認薬が承認されました。例えば前立腺がんに使われる薬が膀胱がんには使えない。しかし、世界的な治療法の中には確立された治療法がある場合は適応外使用を認めるべきだと主張して、それも使えるようにしてきた。放射線治療は、昔は大きいことはよいことだと大きな装置が導入されたが、今はダウンサイズ。局所を狙って治す。極小でがんの早期発見に絶大な効果を発揮する最先端医療機器PETを使った診断と、切らずに治す、苦痛をともなわないガンマ線による最先端医療ガンマナイフ等の治療もある。膀胱がんは小線源治療が世界の治療。それが許可されたのは3年前です。それ以前は情報とカネのある人は外国まで治療を受けに行って2000万円くらいかかった。それが3年前に許可された。民間病院でも小線源治療ができるようになった。そのように科学の発展とあわせて治療方法の進歩も日進月歩です。しかし、日本は規制の枠内でできなくなっていた。あるいはできる人がいない、薬が承認されてなかったり。制約があってできなかったり、できる専門家がいない。

 患者が医者とちゃんと相談し、選択し、判断して治療をうけたい、がんの場合は特にそのことが保障されないといけない。 

 がんは直せるのか、これは日本人の死生観と結びついたものですね。死亡記事を読むと、多い日は半分ががん、少ない日も死因の3分の1ががん。年をとって長い闘病の結果でがんで亡くなった人も多い。細胞の突然変異ががんということですから、細胞が劣化すればなる。あるいは癌を誘発する排気ガス、たばこ、着色料か、アスベスト、複雑な要素でなる。長寿化することによって、今まではがんであることが発見されない場合と、そこまでたどりつかないで発症する前になくなる人が多かった。長寿化と技術進歩の影響は大きいようです。

 問題は、がんの場合は、頭脳明晰、意識明瞭で直面します。早期発見して直すのが一番だが、今は根治することのみを目指すのではなくて、がんとともに生きる、共生しながらQOL(Quality of Life)が送れる状態にするのが医療の役目であるという流れになってきました。日本はQOLを保障する治療、多様な選択肢から選び取れる治療にアクセスできていない。普通の生活を送れる状態にするのが医療のあり方だと言います。先進国の国民として享受できるはずの医療を受けられるようにしなければならない。

 それから早期発見の問題は、早期検診、レベルの高い検診が60パーセント受診率になれば死亡率がぐーんと下がるということが、欧米の研究で実証されている。

 日本はそういう体制に医療保険制度がなっていない。たまたま人間ドックでがんが発見された、運がよいといわれる。まだ自覚症状が出ない段階で発見されれば、外科でも放射線でも相当の確度で日本の医療は直してくれる。性格のいいがん、悪いがんがあるというが、悪い場合はしょうがないのですが、また発見が遅れたらまにあわないのでしょうけれど。がんは自分の細胞ですから、異物が入ったときの人間のアレルギー反応が出ない。痛いとかかゆいとか、そういう反応を人体が起こさない。それががんの特質で、ある程度大きくなって血管をふさぐとか、破るとか、機能に障害をもたらすとか、そこまでいけば自覚症状が出ますが、それが出れば臓器関係では遅きに失するというのががんですから、それならば早期発見の仕組みをつくらねばならない。

 ですから私自身は、50歳になったら内視鏡検査と大腸ファイバーは通せと皆さんに訴えているのです。

専門家の養成を急げ

 がんは細胞分裂ですから、級数的に増えていく。グラフで表すと、最初は底辺をはって、あるときからわっと増える。だから発見は困難な問題です。だからそこは発見する側も相当プロでなければ早期発見できない。だとすると、今言われている地域格差の問題、情報と治療法を求めて皆さん必死で、がん難民が大量に発生しているという問題なのです。基本的には専門家がいないということですので、そこに手当てをすることが重要です。今の話は資料の4枚目と6枚目までにあります。臨床腫瘍学会、ここで認定されているのは認定専門医は47名に過ぎず。徳島ではゼロです。

 放射線技師は、全国で専門家はまだ500人しかいないということです。年間32万人去年がんで亡くなっているというのに。地域的に見ると、熱心なところは二桁いっているが、残念ながら微々たる人しかいない、たいへん微々としている。

 大学病院で腫瘍内科というのは少ない。この人材養成をいかにするのかが眼目です。

 人材養成という場合、患者を診ることができる医者を育てるのはどこの役所が責任を負うのか。

 どこの医者も、どこの役所が責任をもっているのか、わからない。

 日本の医療の歴史を振り返ってみると、かつて東大医学部にドイツ人のベルツが医学講座を開いたという歴史があります。大学が医者をつくるということになっていた。患者の立場にたって医療をするという立場ではなく、大学の教授の研究の場になっている。患者の立場に立つのではなく、教授の研究と、医学生の教育、このふたつが使命です。  

 だから臨床に対しては非常に薄い、手厚くない。もうひとつは医局講座制。世界に行って通用しない治療法が未だに行われている、これが文部科学省の仕切りで人材養成がされ、一方、民間病院は厚生労働省の管轄と分かれている。

 3年前から臨床研修医の研修に対して一人30万円わたり、研修が行われていますが、先般予算をきいてみました。すると、臨床研修費は、国家試験を受かった人たちに、厚生省は140億、文科省は170億、こういう取り方をそれぞれがしている。文部科学省は大学に対する助成金や運営交付金の内数としてであって、臨床研修費として出すのではないとわかって愕然としました。そうなると、では治療についてどこが責任を持つのか。

 1971年にアメリカのニクソンはがんとの戦いを宣言して、キャンサーアクトという基本法をつくりました。日本はそれに遅れること今年で35年、私は今やっと日本のがん対策が本格軌道にのりだす一歩手前にこぎつけたのではないかと思っています。

 今第3次がん克服10ヵ年戦略に入っている。2004年がスタートで今3年目です。

 ここに予算の資料をもってきました。資料10枚目。14年度からこういう予算の付き方です。平成18年度の合計を見ると、161億円が日本のがん対策予算になっています。ちなみにアメリカのNCIはがんとの戦争についている予算は、単年度で6500億円。それくらい差がある。

 先ほどから言っているがん専門医、看護師、薬剤師含めてプロフェッショナルを養成することを早急にやらねばならない。しかし、この予算では一桁も2桁も違う。例えば、がん専門医と専門スタッフの育成に2億5000万と書いてあるが、今大学で講座をつくろうとすると、1講座1億円といわれています。それから先ほどの、普通の医者を育てる予算は、170億と140億で300億円。

 この300億は2年間の臨床医を育てるのにかかる予算です。だいたい1年間に7500人医者ができるというから、7500人かける(2年分)の30万円。受け入れ医療機関の予算が300億と見ていただいていいのですが、専門医とスタッフの育成で2億5千万ということになるとは情けない話だ。今第二次医療圏という考え方があります。だいたい、人口でいえば15万から30万くらいのところを第2次医療圏として、750くらいでわると今、2億5千万は1箇所30万円の単位になる。いずれにしてもまともに専門スタッフを育成しようとしているとは思えない。そんな予算のつけかたしかしていないのが、日本のがん治療です。

がん検診の充実が鍵

 効果的ながん検診の普及が必要なのですが、(女性の検診対策)を、平成17年41億3千万だったのが、18年で24億1千万になってしまった。第3次克服戦略にもとづいて女性の乳癌、とりわけマンモグラフィ検診を全国に配置しようと大号令のもとに17年度41億3千万つけたのですが。

 9枚目、マンモグラフィ受診率がのっています。富山県だけが突出している。宮城県もまあまあ。徳島は専門のすばらしい先生がいるが、1.8パーセントしかありません。

 

 こういうていたらくが日本の検診体制です。41億円だったのが次の年になると24億円に減っている、これはなんということでしょう。60パーセント以上の検診受診率が達成できれば、早期治療ができて死ななくてよかったのに。まだこんな状態です。

 受診について、平成6年度からの分を7ページ、それから8ページに都道府県別の胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんの数字が書いてあります。

 このかん全然上がっていません。

 平成16年とその前の平成6年からの推移。全然上がってこないということがわかる。結局、質の高いがん検診を受けられる体制がない、あるいはマンモグラフィにしても、他にもヘリカルCT(らせん状に画像を切るCT)などよいのがあるのだが、それを読める専門化がいないと機器を導入しても使えない、発見率が高まらない。やはり、人材育成が重要なのです。今の日本のがん対策の大問題です

 問題がそこにあることがわかれば、厚生労働省と文部科学省の縄張り争いや、責任の押し付け合いではなく、一元的体制で克服戦略を実施していくことが必要です。

 ここを抜きにして、大学病院やセンターのあり方を論じても、患者を置き去りにした議論でしかない。

 つまり、だからこそ、がん検診にしても、法律にもとづいて、政治のトップが総力をあげて総力をあげてがんと闘う。

 前提として、検診できる体制、早期発見できる、レベルの高い治療ができること、そうした機会が必要です。そうしたシステムが早急につくらねばならないのです。

基本法成立を第一歩として

 患者から言えば、レベルが高い医者にきけるとき、インフォームドコンセントを中心にした話し合いで治療法が選び取られていく。そういうシステムを早急につくってほしい。だからこそ法律が必要で、法律をつくってそこに予算を一桁多く、あるいはそれ以上つける。

 では、財源はどうするか。がん治療に携わっているお医者さんはたばこを排撃します。たばこは、がん問題に限らずいろいろ問題です。日本もタバコ規制枠組み条約が去年の2月に発効しかして、ヨーロッパでは1箱1000円です。日本からいえば、だいたい1本につき、35円くらい税金をふやせば一箱1000円になる。日本がそこまでがん対策をとるのは極端とすると、1本10円くらいとったとしても、がん、糖尿、心疾患克服のため重点的に投入するために税金をとっても国民はみとめるのではないか。我々も考えているし、医者もそう言います。タバコは今2800〜900億本売り上げがあります。1円税金をつけると2千数百億増収になる。10円あげると売り上げが減ることはあります。だから財務省は急激にあげるのはいやで、一年に1回あげながら、順当に財務省の懐に入るように、そのためにはちょっとずつあげるというやり方です。そのように、財源はヤル気になれば国民合意ができる。

 資料11枚目から30枚目まで指標をつけましたが、31枚目にがん対策基本法が成立したので私の名で談話を出しました。

 この法律を活用し、政府は一元的にがん対策をしなければならないことになりました。まだなかなか実現しなかったのですが、我々は対策本部は総理のもとでやるべきだと主張したのです。しかしやはりここに日本の官僚と与党がいやだと抵抗して、今のところは厚生労働大臣のもとにがん対策推進協議会をつくることになりました。これは厚生労働大臣の諮問機関で、中央医療協議会、社保審と横並びの権威あるものです。結構格の高い協議会なので、そこで推進の基本計画を他の省庁の大臣の意見をきき協議して、決まったものを閣議決定し、他の省庁、文部科学省と財務省に協力を要請することができる。そういう規定をつくったので、今までのような状態ではなく進んでいく。特筆すべきは、この協議会にがん患者や家族も参加をすることにしているので、今までより意見が取り入れられると思います。

 今国会は、われわれが先行して4月4日に法案を出した。公明が一ヶ月あとに要綱を作り、自民は嫌がっていたのですが、与党で法案を出した。医療保険関係の法案が強行採決、山本孝史参議院議員が肺がんにかかっていることをオープンにし、本会議場で告白し訴えた、メディアがとりあげ、そうした声と状況のなかで自公の与党と民主党双方が歩み寄りました。妥協しながら会期末にできあがったのです。

 医療という専門家の世界で、はじめて素人の要求する内容が法律になった、そのことが今回のがん対策基本法の画期的な意味です。

 法律ができたからといって、実際にがんが克服できるのは容易ではないのですが、人生観にもとづいてがんと共生する、先進国としてふさわしいがん治療が受けられる体制に5年10年かけてすすめていくことができる手がかり、スタートは切れたと判断しています。

地域の格差をどう克服するか

問い、

 がん医療の地域格差について。最近、所得格差、資力のことをよくきかれます。カネを持っている人は健康診断の受診率が高く早期発見ができ、よい治療を受けられるという問題です。

これに対してどうしていくか。

答え

 1枚目から3枚目まで、ある議員が都道府県にがん対策を進めているかと問うています。これを見るとわかりますが、一般的な対策としては、富山の15億、秋田39億、栃木に22億、栃木は県立ガンセンターの運営費が入っている。静岡は意外に少ない。有名な静岡県立センター、年間60億を一般会計から繰り入れている、ばらつきがある。ほとんどが、富山がマンモグラフィでそうだが、検診に力を入れていて予算が多くなっている。富山では安くマンモ検診がうけられる。ヘリカルCTで肺癌検診を実施するといっている、

 問題は、所得格差=経済格差が検診格差になったり、治療格差になるということは憲法25条のいう「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されるのかということになります。「最低限度」とはなにかということになります。

 私は、やはり今我々が知っていればしかるべきうけるであろうレベル、内視鏡をやる、肺癌ではヘリカルCT、マンモグラフィーを受けるとか、そういったレベルの検診が受けられるようになるべきと思っています。

 健保法改正で、老人保健法の老人保健制度。市町村が中心に行うという制度です。

 制度をかえて健保組合の保健、政府管掌の保健、あるいは市町村の国民健康保険、そこの保険者が行うことになっている。

 心配するのは、財政の強くないところです。人間ドックに行ったら補助するという制度ができるところばかりならいいが、市町村国保の世界では、財政が破綻的で、高齢者が多い。無職が多い。市町村国保の財政状態がたいへんです。所得の少ない人があつまってきます。

 検診を実施する財政余力があるかと問い合わせをしていくと、否定的になってしまいます。だとすると、検診格差をつくらないで早期発見するためには、国家が検診のところに道路特定財源4兆数千億から100億円か200億円をもってきて、あるいはタバコ税ををもってくれば進む話です。そして、同時並行的に、検診できる専門家養成を進める。診療報酬体系の内側でこの問題を進めるのは無理があります。今度の国会での医療法の改正論議でみると、公聴会で与党推薦の参考人も厳しく指摘しています。健康弱者という言葉も生まれました。所得格差が健康格差に連動しているという調査結果もあります。

 所得が高いか低いかによってたべものに影響します。健康診断の回数に影響します。フィットネス、ゴルフなど年をとってから健康的なスポーツする機会が必要なのにそれも格差がある。病気の格差、食べ物,暴飲暴食しないことなど啓発をはかる。最低限の検診体制をつくことから始めるしかないでしょう。

問い

 このように真剣に話す政治家をあまり見たことがない。

 予算のことについては、たばこ税で補填するのは結構だが、ただ問題は税金を出しても、ざるの底からぬけるように、どんどんどこかへいってしまう、誰も責任をとらない、官庁が無責任です。アスベスト問題のときの当事者として感じています。問題は関係官庁が多く、5官庁。一つの官庁にするのはむずかしいのだろうが、せめて主管庁を決める。主管庁が責任とらないと。でないといくら金を出してもむだ。アスベストの解決ができっこない。アスベストを廃棄する場所がなくなっている。20年も対策が遅れたのに責任をとる大臣も官庁もいない。アスベストの大変な被害者が出る。仙谷さんのようなまじめな人が本気になって主管庁を一つにしてアスベスト対策の委員長になってほしい。

答え

 民主党もアスベスト法案を出したが、政府与党はとりあえずの見舞金でお茶をにごした。ご指摘のように、責任体制ができないことがすべての問題に影響している。そういうやり方でも高度成長時代は良かったのかもしれないが、これからは政治の側で一元体制をつくらなければ。役人は省庁の縄張りだけで、OBになったときの生活のことに精一杯のように見える。目的にあわせて特化した体制をつくらなければいけない。