ご無沙汰を致しております。大変暑い夏になってまいりました。

今、国会では郵政民営化、この法案一点集中というふうな審議が行われているわけですが、郵政民営化。何が必要なのかよくわからない。今の日本が取り巻かれてるいろんな問題点、その中で優先順位がそんなに高いのか、何のために郵政民営化に政治のエネルギーを注がなければならないのか、私も大いに疑問だと思っております。

2005年6月25日(土)徳島駅前ロータリーにて
街頭演説  仙谷由人

政府の年金改革の実態

昨年の、今頃は、年金問題が脚光を浴びていました。

しかし、年金問題は、いまだに解決がついていません。この先、年金が果たして破綻をしないで続いていくのかということを、お年を召した方も、そして、特に若い世代の方々も不安に思っているでしょう。

国民年金は実数でもう半分の納付料しかありません。つまり、払うべき、若い人の現役世代の年金保険料が半分、穴があいているという状況になってきています。

年金は皆様方が積み立てたものを返してもらうという制度ではありません。一応は皆様方がお支払いになった厚生年金にしても、年金保険料、これと比例する部分、これに従う部分もありますけれども、基本的には、払われる年金は、若い世代が保険料として負担をする、それを計算された給付額に従って給付されるという制度です。

だから問題は、払う方の数、金額と、そして支払いを受ける方の数、金額が、ある程度バランスがとれなければいけないのです。

国民に痛みを強いる議員年金

今、問題になっている議員年金。

国会議員というのは、722人、つまり242人の参議院議員と、480人の衆議院議員、これで定数は一定しています。国民の声は、「もうそんなに国会議員なんか要らない。」「仕事をしていない国会議員の方が多いではないか。」「数を減らせ。」こういう声が多いことを、私も自覚をしております。

現在の国民の声を反映しますと、国会議員の数が減ることあっても増えることはありません。

今、議員のOBで年金をもらっている人は既に980人程度います。議員を引退して、65歳になると年金をもらうという制度になっていますから、どんどん長寿化と共に、年金をもらう議員OBは増え、年金を支払う現役議員は減っていくのです。

こういう事態の中で、現役議員が払っている納付料と、支給される議員OBの支給額は、バランスを崩し、国民の皆様の税金を7割も注入しなければ、この議員年金自体が破綻をするのです。

出生率1.29

国民総体の年金が今、議員年金のように需要と供給のアンバランス化が進むということが大変、深刻な問題なのです。

昨年の年金議論をしているときに、遅きに失した証文のように、一昨年、平成15年の出生率が1.29というふうに示されました。ところが、政府の年金改革は、1.37を基準にして設計をされていましたから、それよりも極端に低い1.29という出生率の下で果たしてこの制度が持続可能な制度として長持ちをするのかという課題が大きく横たわっています。

つまり若い人々は15歳以上、現役世代といいますけれども20歳になれば20年で年金保険料を払ってくれる世代になるわけであります。

ところが今、平均寿命が75歳から80歳というところにいきますと65歳からでも大変な年金を支払う、そういう層に増えてくるわけであります。

就業者人口と高齢者の人口のクロス化

この出生率の少なさは、予測に基づきますと今から40年経って2045年は、現役世代であります15歳から60歳までの人々と、65歳以上の人々が3700万人位で全く同じになるのです。

就業者人口と高齢者の人口が全く同じの3700万人位になりクロスになるのです。

つまり保険料を払う人々と年金をもらう人々が同じ数になって年金がもつはずがないというのは容易に想像されます。

制度疲労をおこしている現行制度

人口が増え、経済も何%単位で成長し、右肩上がりの時代に設計をされたあらゆる制度は、その一つに年金制度も含まれますが、今から10年、20年、30年、40年、50年長持ちをするのかということが問われているのです。

その中の最大の要素が人口が減少する、少子化という問題がこんなに激しく劇的に早く進む事が一番の問題であり、人口減少や少子化が進むスピードが速いということです。

少子化、人口減少社会の一つの原因

今、いろんな数字を探っておりますと例えば、40歳代の男性の未婚率は、40歳から45歳までの男性は、何と18.6%が結婚をしたこともないし、結婚ができない。

45歳から50歳の方々の未婚率も16.5%なのです。

こういう事態、つまり男の人が5人に1人は結婚ができないという、こういう時代になってきているのも少子化、人口減少の一つの原因です。

家族モデルの崩壊

子育ての環境が今までと同じように、私が子供時代に育ってきた時代と地域社会、あるいは家族の形、家庭の形が同じように考えることができるのかどうなのかという事が問題なのです。

今、東京首都圏では、単身者世帯が40数%になっています。

2人の夫婦だけの世帯も20%台です。

つまり、あらゆる統計の前提条件でもある、夫婦と子供2人というモデルが都市部では崩れているのです。

ここがあらゆる制度の基盤をなす問題でありますから、改めて我々が社会保障にしても、いろんな問題にしても、この問題をどう考えるのか。

泣いてもわめいても子供が減り続ける。

あるいは世帯の構成人員が少なくなる、ならざるをおえない。

これを我々がどう食い止めていくのか、スピードをどう緩くしていくのか、ここが今の日本の課せられた最大の問題なのです。

狂奔している総理大臣

現在、日本が少子化、人口減少社会という最大の課題を抱えている時に、郵政民営化という問題に狂奔をする、小泉さんのノー天気さ、私にいわせれば狂っているとしか思えない、正常な感覚ではない、こういう政治を続けていけば国民にとっては大変困った事態になります。

過去に葬り去られていた少子化白書

実は、この少子化、人口減少という問題は14年前の1991年に少子化白書というのがでて、少子化白書の中で指摘をされていたのです。

この14,5年、何とか少子化に対策をしなければならないという声はするけれども、まともな少子化のこれに対応する政策は、ほとんどとられてきませんでした。

これは官庁の縦割り構造のもとではバラバラな政策しか展開できないという事情もあります。

縦割り行政と族議員の弊害

子育てがしやすい環境をつくり、子供をお預かりするには、幼稚園と保育所の行政を一元的にする幼保一元化が必要であり、そういう位置付けの下に運営をすることが、最もあるべき姿なのです。

 しかし、なぜいまだに幼稚園と保育所が別々の補助金と別々の仕切りの中で運営されるのでしょうか。子育てに従事された方、あるいは今後子育てをされる方は、なぜ、就学前教育として一元的に行政ができないのかということを多くの方が疑問に思われたと思います。

それは、幼稚園の方に森喜朗がついて族議員の親玉をやって、保育所の方は橋本龍太郎が親玉をやって、両方が利権の構造を分け合っているというたったこれだけの理由で幼保一元化が実現しないのです。

つまり、国民が困ろうと、国民が要望をどうしようと関係がないのです。

ここに役人と役人OBがぶらさがっていろんな公益法人とか財団法人をつくって、メシを食い続けているという腐敗の構造が存在し続けるのです。

これが、日本の大きなガンなのです。

247万円 対 17万円

幼保一元化における子育ての就学前教育の一元的な機関もできないし、小児科のお医者さんもどんどん減ってきています。

なぜ、小児科のお医者さんが減るのか。それは、小児科医療における診療報酬体系に大いに問題があるのです。

247対17という数字を皆様覚えてください。

お年寄り、一人ひとりにかかっている社会保障費は247万円です。

従いまして、平均すると高齢者向けの社会保障体制はいろんな問題を抱えてはいますがある程度の水準を保っているといえないこともないのですが、もっと充実をさせて効率化をさせなければ、老人医療の世界も持続可能にならないと思います。

しかし、子供一人にかかっている社会保障費はたった17万円です。

なんと247万対17万ですから、約30倍近い格差があるのです。

この10年、15年、少子化の問題が指摘されて14年間になるのに、子育てに国の予算を充ててこなかったのです。

ここが日本の最大の問題なのです。

子育てとは国家の最も重要な仕事

子育てにお金をかけるということは、子育てに従事し、小学校や学校教育にもお金をかけ、時間をかけなければならないという事を意味しています。

しかし、バブル崩壊以降、借金をしまくって公共事業をやったその裏側では子育てに、まったくお金がかけられてなかったという全てが変な方向に行っていることは一目瞭然ではありませんか。

それが日々、頻発する15歳の少年の殺人事件、これと関係がないと言い切れるでしょうか。

私は、私どもの世代が子供達に向き合い、子供は社会の宝であり、子育てこそ極めて重要な人間の営みであり、社会の営みであり、日本という国家の重要な仕事であるという認識を持ち、だからここにお金をかけるのだという気概を持って、政治、政策をこの間ずっと本気でとられてこなかったのです。

子育てにまで利権の温床となっている政治の構造

子育てに関しても、族議員が跳梁跋扈して利権のネタにしてしまっています。

この政治構造を変えない限り、少子化対策に政治が何の政策も講じなければ、日本の将来に多岐に渡って障害となり、早晩、日本人が滅ぶ可能性があるのです。

私共は本気でこの人口減少、少子化、子育て、教育というところに自分達の食べ物を吐いてでも子供達に与えた我々の母親、父親の時代のような気概をもって子育てに国家の資源を、ということは皆様の税金をもっと総体的に多く投入をする。

そういうことをこれからの政治にしようではありませんか。

国民と政治家が共同で少子化、人口減少問題を考える

皆様方に、この少子化、人口減少という問題の深刻さをご理解、認識をして頂いて、もう少しお子さん方がちゃんとお生まれになってこれを社会が育てていけるように、健全な大人になるための生きる力をつくっていけるように、そういう政治、行政をつくるためにどうしたらいいのかということを皆様方と共に私共、政治家も一緒に考えていき、来たる少子化・人口減少社会問題にどう立ち向かっていくかということを、共に議論し、考えていこうではありませんか。

政権交代でしか閉塞状況の政治を打破できない

私は、日本はある意味で相当程度、この高齢者福祉にみられるように、社会保障体制はまあまあの成功を収めた国だと思います。

ここまではそういうことだった。

だから、しがらみが沢山できて変えようとしても、戦後、政権を持ち続けてきた人達では変えられない。

日産自動車がゴーンという外人の社長が来るまで変えられなかったように、過去のしがらみにとらわれ、変えられないのです。つまり、自分達の先輩がやったことは変えられないのです。

このしがらみだらけの構造を壊すには、政権交代を行わなければ変わらないということを皆様方にお考えをいただき少子化問題にみられる政治の閉塞状況を打破するには政権の交代が必ず必要となるのです。

若年層における政治おまかせ主義の危険な傾向

なぜ、お年寄りの社会保障が247万円、子育ては17万円なのでしょうか。

大きな要因として、若い方々が選挙に行かない。

20代の青年の投票率が20%台、30代の青年の投票率が30%満たない。

こんなことでは政治が動きません。

政治家というのは、横着ですから票が入るところの言うことしか聞かなくなり、選挙に行かない若い人々の意見が全く政治に反映されず、国家全体で考えてみればお年寄りの社会保障247万円と、子育てには17万円という数字に表されている通り、ごく一部に偏っている政治がどんどんと進行しているという恐ろしいことがおきています。

現役世代が社会全体のためにどう頑張るか

私は、お年寄りの社会保障を減らせといっているわけではありません。現役世代が頑張らないとお年寄りも豊かに生活ができないのです。

会社を例に挙げますと、その企業は現役世代が働くことによって企業年金が回っていくというシステムです。

現役世代に、方向を間違わないように頑張ってもらうことが、これからの日本の課題だと思います。

世代間が連携をし勇気を持って社会を構築していく

若い方々は、我々、団塊の世代と違う要素は、生まれた時から既に、ある種の豊かさが当たり前だと思って育ってきた方々であります。

しかし、社会構造として「どうもおかしいぞ。」、「周りをみていてもどうもおかしいぞ。」という大きな疑問、遺憾に思われる方々が大変多くいることでしょう。

これを理論的にも、分析的にも皆様方と我々が一緒に議論をしながら考えて、政策として、こうやれば日本の病気は治るということを共に考えていきましょう。

私共と一緒に、若い世代、中高年、そして今、現役を退きつつある方々が手を組んでこれからの日本と徳島を、生き生きとした社会につくり変えていくことこそ必要なのです。

いろんな問題がありましょう。

一つ一つ、確実に勇気を持って変えていく。改革をしていく。

このことが必要だと思います。

今日は人口減少問題、少子化問題、このことのもつ今の日本の政治、行政構造の問題をお話をさせていただきました。

どうもお暑いところ一生懸命お聞きいただきましてありがとうございました。