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●統治機構
---日本の統治機構はいろいろな問題が生じてきている。首相の指導力や内閣、国会、政党などの問題について意見を聞きたい。
赤松氏 細川政権の時、先輩議員が「閣議に出て驚いた。首相は単なる司会役で、すべて(事前に)決まっていて、まともな議論が行われない」と言っていたのが印象的だった。首相の権限は今の憲法法制では非常に低い位置付けになっており、見直しを検討しなければいけない。
葉梨氏 首相公選制については、イスラエルでペレス元首相や学者らに話を聞いたが、うまく機能しないということだった。首相のリーダーシップを高めるには、現行の議院内閣制度の改善が良いか。首相公選制を考える懇談会(座長・佐々木毅東大学長)の報告書にあったが、選挙前にリーダー(首相候補)を決めて第一党になったらその人が首相になる方式は、比較的やりやすく、選挙民にも分かりやすい仕組みだと思う。政党の努力でできないことではない。
金子氏 直接選挙で首相を選ぶのは、日本の土壌にあまり適さないのではないか。
仙谷氏 首相公選制と議院内閣制は重要な問題を提起している。直接トップを選ぶことで、首相と国民の距離が近く感じられるかもしれないが、議会との政治的意思が食い違った場合、矛盾を解決するのは極めて難しい。議院内閣制の方が、民主主義の経験と知恵が十分に生かされるのではないか。小泉首相は大統領的なトップを意識しているが、議院内閣制は政党と内閣が一体でないと成立しえない。
赤松氏 首相公選制は公明党も勉強したが、イスラエルのケースもあり、急速に熱意がしぼんでいる。小泉首相の特異性はあるが、いつまでもやるわけではないので、仕組みをしっかり整備する必要がある。
金子氏 最近の選挙の抵当票率では、国会議員が本当に国民の信託を受けているのかと問われかねない。また、国会では参考人質疑や地方公聴会がなかなか開催されず、しかも「これをやれば採決だ」との空気があり、形式的だ。内閣の審議会や委員会も国民の声を反映するシステムに改善しなければならない。
仙谷氏 情報公開や国民投票など、国民の政治参加の道をより開き、国民主権の中身がより豊かになる仕組みを考える必要がある。また、行政監視は国会が本来的に担うべきだろう。決算につては、米連邦会議の会計監査院(GAO)のような仕組みを取り入れた方がいい。
●政党
金子氏 政党法が必要かどうかは別にして、今の公職選挙法にも制度上の問題はあると思う。比例選出議員の離党問題など、政党と議員の関係は整理する必要がある。
仙谷氏 政党を憲法上の存在にするとか、政党法を作り、政党に公的資格を与えたほうがいい。公的助成をもらっていることを考えると、公的な存在としての権利、義務を明確にした方がいい。
葉梨氏 政党の定義も明確にした方が良い。
仙谷氏 参院は「衆院のカーボンコピー」と言われないよう役割を限定すべきだ。大臣にはならないとか、予算は衆院、決算は参院のそれぞれ専権事項にするとか、本気で参院改革を考えた方がいい。選挙制度も似ており、中身もほとんど同じでは、自らの存在価値をおとしめる。
葉梨氏 衆院と参院は今、選出母体がほぼ同じだがそれで良いのか。英上院は世襲貴族の議員を廃止し、有識者を入れた。両院が存在することは良いが機能の見直しは大事だ。
金子氏 参院の問題は、参院の憲法調査会でしっかり議論し、結論を出してもらいたい。参院先議の法案がいくつかあるが、それで十分ではないはずで、改善しなければいけない。
●国と地方
---国と地方の関係はどう位置づけていくべきか。
葉梨氏 大都市圏に人口と産業・文化施設が集中し、過密と過疎が全国に広がる状況は放っておけない。道州制が意味のある改革になるかどうか。憲法にうたうべきか、法律事項でやったら良いのか、憲法調査会で勉強したい。
金子氏 道州制(が本当に良いのか)は突っ込んで論議する必要があると思う。
仙谷氏 国家や中央政府の役割は、実は限定的にならざるを得ないのに、経済界を含め国民の多くは、政府に甚だ期待し過ぎているのが現状だ。これが財政大破綻につながっている。生活に関係する身近な問題は、自治体が事故責任でやる大胆な分権による「地域主権」の仕組みを取り入れるしかない。
赤松氏 地方分権推進法制定により多少前進しているが、何もかも中央がやる形は好ましくない。中央と地方の役割分担を、しっかり憲法で規定していくことが大事だ。
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