|
■仙谷由人 やっぱり、根本的には、新しそうな装いを凝らしたものものを、やろうとするんですが、本音の部分は古い。
つまり、先般の核保有合憲発言にしても、岸信介と福田赳夫さんのDNAが刻印された人が、昔の議論はこうだった、あるいは、今もそれが通用するかのように言っている。
でも、本当に彼らが核を持つ論理と覚悟があるのかという事を考えたら、全然ないのに言ってみたりする。
そのことが、この21世紀の国際社会の中で、どういう影響を持つのか、ということをほとんど考えないでやってる。軽々しいんです。
個人情報保護法案、言論弾圧三法といわれているものを見ても、ジョージ・オーウェルの「1984年」※の世界じゃないけれども、高度管理社会における言論の自由とか、メディアの果たす役割とか(メディアの問題は、プラスもマイナスもあります)色々ありますが、一番重要なことは何なのかy¨。
つまり、人間の自由っていうのはどれほど大切で、どこまでが触ってはならないのか、どこからどこまでが自己規律の世界で、どこからどこまでが規制を及ぼして良いのか、あるいは全く及ぼすべきでないのか、というような、歴史的に蓄積された重要な議論を飛ばしているんです。
「コンピュータの世界では、個人情報が大変散逸して非常に危機になるから、だから事業者にちょっとチェックするんだ」というようなことをいってますが、チェックするというのであれば、21世紀の国家レベルで言えば、最低限、チェックの仕方、する主体はどこなのか、というのは考えなければならないですよね。
ところが、昔に帰ったように、昔で言えば内務大臣が全部チェック出来るというような話ですよ。これはまあ古いというか、底意が見えるというか。
彼らが、必ずしも戦前に帰そうと思っているというふうには、そこまでは僕も思いませんが、近代の法体系なり、現代国家における自由っていうのは、権力者が管理をしたがる、統制をしたがることについて、そうであってはならないんだと。原則があるんだと。
彼らには、こういう認識が全くないのかなと思える。そういう部分で、古いのか新しいのか、あるいは見識があるのかないのかy¨
■川戸恵子 逆にノーブレス・オブリージ(高い身分に伴う義務)みたいのが無くなりすぎている。
■仙谷由人 そこも無いしy¨。つまり、福田官房長官にしても、自分が弾圧者だと言われたら、片腹痛いところがあるかも分かりません。
だけと、客観的にはそういう役割を果たしかねないと言うところにいる。
■川戸恵子 そうですね、官房長官というのはそういうポジションですよね。
■仙谷由人 今度の個人情報保護というのは、これまで行政機関については、お構いなしだった。ところが、行政機関こそ、お構いなしで良くないとy¨今度の防衛庁の情報公開請求者リスト作製と漏洩の問題では、それが露呈されたわけですよね。
事業者の方も、本当に刑罰をもって処さなければいかんのは、これを利潤追求のために使うという、ここのところが問題であって、それよりも一般的に、例えばメディアもそうだし、僕らもですね、僕のところのも5万名のコンピュータに入った個人の名簿がありますから、事業者になってしまうんですよ。
民主主義とか、自由とかで、ヨーロッパでは何百年もかかって、培ってきたものを、あまり思いを致さず、軽く処理をしようとする感覚っていうのは、ちょっと危ういなと思います。
■川戸恵子 そういうことを変えなきゃいけない。と、みんな思っている。変えて欲しいと思うんですけれども。それは、野党の責任と言うこともありますよね。
菅さんや鳩山さんなんかやっぱり、政党が変わらないと、こういうことは変わらないとおっしゃってますけれど、民主党の代表選挙が9月にありますね。
ところが、また、いろいろ動きがあって、いくら小泉人気、支持率が下がっても、民主党は上がらない?という悪循環ですよね。
今度、鳩山さんが政権交代後の新政権の組織運営のあり方、「第2次政権運営委員会」というのをお作りになって、その座長に、仙谷さんがなられたとか?。
そこら辺はどうですか?
■仙谷由人 この間、小泉政権のもとで、自民党国家戦略何とか本部が、答申書を出した。それが自民党の先生方には、大変評判が悪くてどうにもならない、ということがありましたね。
議会制民主主義というのは、議院内閣制のもとで、党と内閣の二元的な権力、政策の二元性ということになりがちでこれが果たして良いのか悪いのか、重大な問題です。
これを一元的に内閣主導、政治主導でやるためには、どういう制度的な担保がいるのか、あるいは、それを担う大臣以下が、特に政治家の副大臣とか政務官たちが、強い意志を持って、チームの一員となって、各省庁で、省庁改革をするのか。
もうちょっと言えば、日本にとって必要なのは、各省庁改革というところに目を据えると、自己否定的なモチベーションというか、そういう契機がないと、やっても意味がないし、うまくないと思うんです。
もう少しわかりやすく言うと、例えば、大臣になった日に、チームの5人ぐらいが、「私が大臣の時代に、職員の数を半分にします」「仕事は半分になります」「こことここの仕事はやりません」「これを皆さん協力してやってください」と、こういうことを言えなければ、改革にならないと思いますね。
■川戸恵子 ただ、政権運営というとまた、代表選に向かって鳩山さんが立候補とか、菅さんも政権構想を文芸春秋で発表されたとか、そこら辺でまた、民主党はバラバラだなんてことがいわれてますど?。
|