国会トークフロントライン

2002.06.14 TBS.CSにて放送

出典:JNNニュースバードより

 

■川戸恵子 この番組は、私たちの取材の最前線基地でありますこの国会記者会館に、その時々のキーパーソンをお招きして、本音のお話を伺おうというものです。

 今日は、民主党の仙谷由人さんにおこしいただきました。仙谷さんよろしくお願いします。

 

■仙谷由人 どうも、ご無沙汰してます。

■川戸恵子 そうですね、本当にお久しぶりと言う感じで、この前、いわゆる有事法特別委員会で、久々に仙谷さんの鋭い追及を拝見しましたけれども?。

 体の具合を悪くして休んでらっしゃったんですね。

ガンとの闘病生活

■仙谷由人 端的に申し上げますと、胃がんが、年末に発見されまして、1月16日に手術をして、2月27日に退院、3月いっぱいは自宅でブラブラしてました。

 4月からは国会に出ていってますが、まだまだ本格的な活動をするには、体力がもどっていません。

■川戸恵子 政治家の方が、自分の病状をそれだけハッキリおっしゃるというのは、昔は無かったことですよね。

 そこら辺の懸念はなかったんですか?

■仙谷由人 情報公開の時代でありますし、隠すと、逆に揣摩憶測を生んでしまって、いつの間にか殺されたりしますから(笑)。

 主治医とも話をしたんですが、がんという病気については、まだまだ日本人の偏見は続いています。

 しかし、「タイミングが良ければ」とか「治療方法が正しければy¨、ガンは治るんだ」と頑張っている患者さんが非常に多くなっている。もちろん「ガンの告知」自身も、大変なパーセンテージになってる。

 「がんということを分かった上で、医者と患者の共同作業で治していくということが重要なので、国会議員という立場の、あなたあたりが、公然と言い放って、がんになったけども、今は治って元気に活動しているんだ。という姿を見せることが、がんで苦しんでる方々や、ご家族の方にとって励ましになるんだから、是非そうして欲しい」というような、お話もございました。

 まあ、僕自身、そこまで気負ってるわけじゃないけども、時代的には、がんを公表し、もし再発でもしたら、がんとの闘いをしながら、人生をちゃんとやっていかなければいけないと思っていますし、再発しなければ、国会の中でも、あるいは議員の中でも、公開はしてないけれども、公知といってもいいような方で、活躍されてる先生もいらっしゃいますから。そういうふうに、元気にやっていけるんだろうなと思っています。

■川戸恵子 やはり、休んでいらっしゃる間に、国会中継なども、ずいぶん見られてると思いますが、小泉政権のアップダウン、ここら辺を見てらしてどうお思いになりました?

病床から見た国会

■仙谷由人 むしろ、国会中継よりも、ワイドショーを、連日連夜と言いますか、一日中見てたわけですからy¨、といいますのは、ちょっと大きい病気で入院しますと、本を、(あ、川戸さんからもいただいているな、ありがとうございました)お見舞いに戴くんだけれども、ちょっと難しい本というのは取っつきにくいんですね。

 やっぱり本というのは気力体力が充実していないとなかなか読めない。それで、どうしてもテレビを見る時間が長くなるんです。

 そうなると、それこそ月曜の朝から、土曜日の夜のTBSの、「まみちゃん」が出てくる「お父さんのためのワイドショー講座」まで、ずっと見るという生活が、ほぼ1ヶ月くらいありました。

 それが、ちょうど一応の治療が済んで、病院にいたんだけれども、普通の生活になった頃、あの真紀子さんの更迭劇がありました。あそこからですよね、ものすごいニュース量。朝も昼も夜も、宗男さんと真紀子さんばっかり、という感じになりまして、それを見てました。

 連日ワイドショーを観ていて、小泉さんというのは、メディア時代のメディア政治を感得して、意識的にか無意識的にかを別にても、メディアが、小泉さんの高支持率を創り上げたという傾向はあったと思いますね。

 そのことが、こうやってしっぺ返しを受け始めると、大変なことになるんだなと。メディアというのは軽視できないけれども、あまり、調子に乗ってと言えば語弊があるけれども、メディアを利用しすぎると、敵討ちをされるんだなということを思いながら観てました。

小泉政権は「言力政治」

 ここまで来ますと、小泉政治を、僕の友人で著名な政治学者が、「あれは言力政治と言うんだよ」って言うんです。言葉の力ですね、言語力じゃなくて言力。「感動した!」とか、こういう単純明快な、文章じゃない“言葉”。

 時代状況というか、その時の国民の感性、雰囲気にあってるときには非常にフィットして良いんだけれども、ひとつ歯車が狂うとこんな風になる。

 言えば言うほど空回りしたり、国民の率直な感性とかけ離れて、「まだこんなこと言ってる」とか「人ごとみたいなことが多いな」という話が、今、私の子供達までが言うようになってきた。

 これは、相当ずれが大きくなってきたなと。つまり、論理で繋ぐんじゃなくて、短い言葉で表すというのは、空回りをし出すと、大変なことになる。

■川戸恵子 感情で、物事を掴まえる弊害みたいなものですよね。

■仙谷由人 ただ、時代状況を映しているのは、NGO、NPO問題がきっかけだったわけですが、長年の課題の政官業の癒着の構造、資源配分の問題、ここを変えない限り日本が次のステップに行けないという、まさに、利権と政治、官僚及び官僚OBの関係がついに、行きつくところまで来たかなと、見ています。

 これは、あくまでも制度改革問題と言いましょうか、もっと根元的な改革を必要とするような問題だけども、こういう醜悪な現象として出てきている問題を、徹底的に解明することから、(外務省も農林水産省も国土交通省も全て関係する問題ですけれども)やらなければいかんなと思いましたね。

■川戸恵子 そういう、溜まりに溜まった膿が、今一斉に出てきてるような気がするんですけれども、本来は小泉さんて、そういうところを変えるって言って出てきたはずですよね。それが今のようになった。これはどういう風に受け止められていますか?

小泉改革論の弱点

 

 

■仙谷由人 実は、小泉さんには、何をどう変えようとするのか、という、具体的な政策というものがなかったんじゃないでしょうか。

 政策を実行しようとするときの部隊を、どう作るのか。つまり、永田町の議員集団をどう再編成していくのか。それは、小泉党、小泉グループ、何でも良いんですが、小泉さんの周りに「小泉の政策を実行し、それを邪魔しようとする政官業癒着の構造と本気で戦う部隊を作ろう」という組織論がないですよね。

■川戸恵子 そうですよね、小泉さんは、昔から一匹狼を楽しんでらっしゃる節もあったし、逆にそれだからこそ、ああいうことが言えた、ということもあるんですけれども。

■仙谷由人 それは、生身の政治になってくると非常に空回りし出すy¨。怖いですよね。僕はやっぱりそこだと見てます。

日本に必要なのは人材育成

 この10年、何が必要だったかと考えてみますと、病気になってあらためて感じるのは、日本というのは、コンクリートに投資はしたけれども、景気が極度に落ち込まないように、あるいは、GDPが落ち込まないように、一生懸命、その場しのぎの膏薬を貼るようなことばかりして、巨大な借金と、自然破壊の跡だけが残った。

 でも、本当に必要だったのは、あらためて人材を作るy¨。我々も含めて、再教育されて、労働力の質が変わるy¨。そういう環境整備というか、制度的な保障をするっていうことが必要だったんだと思いますね。

 例えば、狂牛病が起こっても、検査する人間がない。あるいは、がんについて申し上げると、外科は世界最高レベルなんだけれども、抗がん剤の治療は、先進国では、この10年間、日進月歩しているにもかかわらず、日本は旧態依然たるまま。抗がん剤を使えるお医者さんがいない。腫瘍内科という講座がどの大学にもないとかですね。

■川戸恵子 がん専門とか無いんですか?

■仙谷由人 ない!。例えばそういうこと。

 要するに、いろんなところを考えると、そういう専門家を養成する先生を、もう一度、養成すること。先生の先生を、海外から連れてこないと、今、日本には、先生の先生もいない。

 明治の初期の、お雇い外国人を連れてきて、船を造る技術者を養する、医者を育てるとかそういう時代がありましたよね。

■川戸恵子 ある意味では、サッカーのトルシエさんとか?

■仙谷由人 おっしゃるとおり。だからああいう、一番最初、ドイツからおいでになったクラマーさん。メキシコオリンピックで銅メダルに導いた、ああいう存在が、いま日本に来ていただかなければいけない部署っていうのが、ものすごくある。

■川戸恵子 先週、自民党の河村建夫さんに来ていただいて、法曹、仙谷さんも弁護士でらっしゃいますけれど、ロースクールを作るのに、教える先生がいないっていう話をしてらっしゃいましたけれども、やっぱり同じ事なんですね。

■仙谷由人 例えば、今の失業問題で言うと、イギリスや米国では、キャリア・カウンセラーとか、キャリア・コーディネーターという専門職が、存在するっていうんですね。それを、日本の労働省が、「今から3万人作るy¨」と夢みたいな事を言って、作りかかるんだけれども、それをちゃんと教える先生がいないから、所詮は今の職員を3ヶ月研修して焼き直しする程度の話になってしまう。

 つまり、心理学なども駆使して、その人の労働力の質を見抜いて、十分にカウンセリングして、「あなたは、もう一度こういうところを勉強してきなさいy¨」とか「あなたはこういう会社へ行って、こういう方と話をすれば、適性に合った仕事があるかもしれないy¨」とか、そういうことができるプロを養成する大学は、筑波大学の中の一講座しかないっていうんです。

 3万人とか5万人の話ではなくて、日本には今ようやく100人くらいですね、そういう世界なんです。

■川戸恵子 今まで、数字であちこちやってただけで、中身を見てなかったってことなんですか。

■仙谷由人 おっしゃるとおりだと思いますね。

 今までは、時代の進歩に必要になってくる、人材とか職種に対して、あまり海外に目を向けないで、例の研修をやるとか、再教育をやるって言うのを、例えば、労働省であれば、労働省とその外郭団体の特殊法人、公益法人に委託しただけで、やってるような気になっていた。しかし、実体は、役人のOBが、そこで飯を食ってるだけだった。

 こういうことが、今まで、あまりにも多かったんではないかと思います。

■川戸恵子 逆に外国から人を入れるのって、そういうふうに自分の業界が荒らされるっていう話も聞きましてけれども。

■仙谷由人 そういう、偏見に満ちた、変な狭っくるしい民族主義的口実で、そこを防御してきたわけですよ。

 防御して、日本がうまくいくんだったら良いんですけれども、ここまで来ると、孤立沈没の道を歩んでいるような、日本だけが置き去りにされていくような雰囲気が、ものすごく出てきました。

 もう遅いのかも分かりませんけれども、小泉さんは、人材教育(狭い意味の教育じゃなくて、広い意味での教育。文部省的に言うと生涯教育になって、これもまたおかしいんだけれどもy¨)、つまり、日本人が、自分でもう一度スキルを学びとれる機会を作るために、どういう制度的な保障をすればいいか、というところに、今までコンクリートに使ってきたお金を使えるように変える、ということをすべきだと思います。

 ところが、今の小泉さんには、そういう発想もないし、それをやろうとすれば、建設族とか農林族とかの族議員が黙ってませんから、それを突っ切ることが出来るのか。

 そこのところを見てるんだけれども?。

■川戸恵子 経済財政諮問会議と財務省の争いなんか見てると、なんか狭いところでの争いであって、なんか財政だけ立て直し、みたいなところで?

財政問題

■仙谷由人 財政も立て直さなければならないんだけれども、財政問題で言えば、相変わらず、「旧来型の公共事業をしないと田舎の支持基盤がヒーヒー言ってるy¨」みたいな議論がまだあるから、財務省の方も、財政規律論で対抗するy¨

■川戸恵子 もっと違った考え方をしなきゃいけないんですね。

■仙谷由人 そりゃあ、ムーディーズが見たって、依然として「日本はまだこんな事を言っているのか」っていう話になったら、やっぱり「格付けを下げなきゃいかんね」という議論になるのは宜なるかなという感じがしますね。

■川戸恵子 ただ、ある意味、それをチェックする国民は、意識が一足お先に変わっている部分はありますよね。それを言いたいんだけれども、選挙もない。

 そういう意味では、もっと野党がしっかりして、国会の中で議論しなきゃいけないと思うんですが、スキャンダル国会なんて言われて、今度延長するかどうか分かりませんけれども、全然審議というものがなされませんよね。

 野党もしょっちゅう止めてるし?小泉さんは、もっと審議すればいいじゃないかと話をしてますけれども。

■仙谷由人 でも、前提問題のところで、逃げにかかったりすると、なかなか本音の議論が、本当に重要な議論が進まないですね。

■川戸恵子 例えばどういうところですか。

個人情報保護法案

■仙谷由人 例えば、今度の個人情報保護法でも、「隠蔽した」っていう話になると、個人情報保護法案の中身の議論になかなか入れない。

 これを棚上げにして、中身の議論をしようかということになると、与党的な力学としては、「まあ、まずい話はいいじゃないかy¨」と、とにかく法案を通せばいいんだからという多数決の論理で、押し流してしまおうとする力学が働きます。

 野党的には、今度の問題は、言論弾圧三法という位置づけになってるわけですよ。だから、出来る限り通さないようにしようと。

 あるいは、根本から中身を変えさせる為の議論もしようということになりますから、入り口のところで大ミスをしてくれたらですね、「もういっぺん顔を洗って出直してこい」とかですね(笑)、「やりなおしてこい」っていう議論になる。

 そこは政治の力学ですから、国民の皆さん方になかなか見えないところがあるけれども、多少辛抱していただきたい。

 テレビ、新聞等々が、中身の議論になったときに、まだ言論戦には現れてきていないことを、ちゃんと本質的にはこういう問題の対立でですよと。何らかの格好で、中立公正でも良いんだけれども、伝えるということを望みますね。

 今は、まともな議論が始まったら、メディアの方が急に興味をなくするという感じになっている。

■川戸恵子 そこら辺はワイドショーを見すぎだというような気もしますが(笑)

■仙谷由人 いやいや、それは新聞だってそういう傾向にありますよ。つまり、政局的になると取り上げ方が大きくなりますが、まともな政策論議の枠は少ないですよね。

■川戸恵子 それにしても、今の国会運営というか、政府というのは、何でこうなんだと思うんですけれども。

 逆方向では、これは、新しい時代を作るための、産みの苦しみの混乱だっていう人もいますけれども。

 そこら辺は今の状況ってどういう風に見てらっしゃいますか。

今国会混乱の原因

 

 

 

※George Orwellの小説 原題:Nineteen Eighty-Four (1949)

1984年、世界は三つの超大国に分割されていた。その一つ、オセアニア国では〈偉大な兄弟〉に指導される政府が全体主義体制を確立し、 思想や言語からセックスにいたるすべての人間性を完全な管理下に置いていた。この非人間的な体制に反発した真理省の役人ウィンストンは、思想警察の厳重な監視をかいくぐり、禁止されていた日記を密かにつけはじめるが…… 社会における個人の自由と人間性の尊厳の問題を鋭くえぐる問題作。

■仙谷由人 やっぱり、根本的には、新しそうな装いを凝らしたものものを、やろうとするんですが、本音の部分は古い。

 つまり、先般の核保有合憲発言にしても、岸信介と福田赳夫さんのDNAが刻印された人が、昔の議論はこうだった、あるいは、今もそれが通用するかのように言っている。

 でも、本当に彼らが核を持つ論理と覚悟があるのかという事を考えたら、全然ないのに言ってみたりする。

 そのことが、この21世紀の国際社会の中で、どういう影響を持つのか、ということをほとんど考えないでやってる。軽々しいんです。

 個人情報保護法案、言論弾圧三法といわれているものを見ても、ジョージ・オーウェルの「1984年」の世界じゃないけれども、高度管理社会における言論の自由とか、メディアの果たす役割とか(メディアの問題は、プラスもマイナスもあります)色々ありますが、一番重要なことは何なのかy¨。

 つまり、人間の自由っていうのはどれほど大切で、どこまでが触ってはならないのか、どこからどこまでが自己規律の世界で、どこからどこまでが規制を及ぼして良いのか、あるいは全く及ぼすべきでないのか、というような、歴史的に蓄積された重要な議論を飛ばしているんです。

 「コンピュータの世界では、個人情報が大変散逸して非常に危機になるから、だから事業者にちょっとチェックするんだ」というようなことをいってますが、チェックするというのであれば、21世紀の国家レベルで言えば、最低限、チェックの仕方、する主体はどこなのか、というのは考えなければならないですよね。

 ところが、昔に帰ったように、昔で言えば内務大臣が全部チェック出来るというような話ですよ。これはまあ古いというか、底意が見えるというか。

 彼らが、必ずしも戦前に帰そうと思っているというふうには、そこまでは僕も思いませんが、近代の法体系なり、現代国家における自由っていうのは、権力者が管理をしたがる、統制をしたがることについて、そうであってはならないんだと。原則があるんだと。

 彼らには、こういう認識が全くないのかなと思える。そういう部分で、古いのか新しいのか、あるいは見識があるのかないのかy¨

■川戸恵子 逆にノーブレス・オブリージ(高い身分に伴う義務)みたいのが無くなりすぎている。

■仙谷由人 そこも無いしy¨。つまり、福田官房長官にしても、自分が弾圧者だと言われたら、片腹痛いところがあるかも分かりません。

 だけと、客観的にはそういう役割を果たしかねないと言うところにいる。

■川戸恵子 そうですね、官房長官というのはそういうポジションですよね。

■仙谷由人 今度の個人情報保護というのは、これまで行政機関については、お構いなしだった。ところが、行政機関こそ、お構いなしで良くないとy¨今度の防衛庁の情報公開請求者リスト作製と漏洩の問題では、それが露呈されたわけですよね。

 事業者の方も、本当に刑罰をもって処さなければいかんのは、これを利潤追求のために使うという、ここのところが問題であって、それよりも一般的に、例えばメディアもそうだし、僕らもですね、僕のところのも5万名のコンピュータに入った個人の名簿がありますから、事業者になってしまうんですよ。

 民主主義とか、自由とかで、ヨーロッパでは何百年もかかって、培ってきたものを、あまり思いを致さず、軽く処理をしようとする感覚っていうのは、ちょっと危ういなと思います。

■川戸恵子 そういうことを変えなきゃいけない。と、みんな思っている。変えて欲しいと思うんですけれども。それは、野党の責任と言うこともありますよね。

 菅さんや鳩山さんなんかやっぱり、政党が変わらないと、こういうことは変わらないとおっしゃってますけれど、民主党の代表選挙が9月にありますね。

 ところが、また、いろいろ動きがあって、いくら小泉人気、支持率が下がっても、民主党は上がらない?という悪循環ですよね。

 今度、鳩山さんが政権交代後の新政権の組織運営のあり方、「第2次政権運営委員会」というのをお作りになって、その座長に、仙谷さんがなられたとか?。

 そこら辺はどうですか?

■仙谷由人 この間、小泉政権のもとで、自民党国家戦略何とか本部が、答申書を出した。それが自民党の先生方には、大変評判が悪くてどうにもならない、ということがありましたね。

 議会制民主主義というのは、議院内閣制のもとで、党と内閣の二元的な権力、政策の二元性ということになりがちでこれが果たして良いのか悪いのか、重大な問題です。

 これを一元的に内閣主導、政治主導でやるためには、どういう制度的な担保がいるのか、あるいは、それを担う大臣以下が、特に政治家の副大臣とか政務官たちが、強い意志を持って、チームの一員となって、各省庁で、省庁改革をするのか。

 もうちょっと言えば、日本にとって必要なのは、各省庁改革というところに目を据えると、自己否定的なモチベーションというか、そういう契機がないと、やっても意味がないし、うまくないと思うんです。

 もう少しわかりやすく言うと、例えば、大臣になった日に、チームの5人ぐらいが、「私が大臣の時代に、職員の数を半分にします」「仕事は半分になります」「こことここの仕事はやりません」「これを皆さん協力してやってください」と、こういうことを言えなければ、改革にならないと思いますね。

■川戸恵子 ただ、政権運営というとまた、代表選に向かって鳩山さんが立候補とか、菅さんも政権構想を文芸春秋で発表されたとか、そこら辺でまた、民主党はバラバラだなんてことがいわれてますど?。

民主党の今後

 

 

■仙谷由人 1999年の代表選挙の時も言われましたけれども、せっかくの代表選挙ですから、できるだけ、我こそはと思う人が、数多く出て競い合う。

 国民にわかりやすく、自らの政策なり識見を披露し合うというのは、民主党活性化の最低の条件だと思います。

 だから、少々議論として分かれたって良いんです。活発な代表選挙を行われるべきだと思います。

■川戸恵子 鳩山、菅だけでなく第3者も出て、活発な代表選をして民主党のイメージアップを図る?。

■仙谷由人 今、日本で必要なのは、日本の刷新というか、日本政治の刷新と、民主党の一新くらいの気持ちが必要なんだと思います。

■川戸恵子 民主党の一新ですね。

 期待しております。

 今日はこの辺で。